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爬虫類・アクアリウム水槽用擬岩バックボードの作り方まとめ

2020/07/11

オーバーフロー水槽DIY 擬岩コーナーカバー制作(完成編)

こんにちはー!アクアリストで亀飼いのK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。

今回は、オーバーフロー水槽の自作方法を解説している連載「オーバーフロー水槽の自作方法」のVol.9として、擬岩コーナーボックスづくりの第3弾・完成編をお届けします。なお、これまでに紹介してきた内容は以下のとおりです。

上記の連載リストから分かるように、この連載では水槽の穴あけから始まり、バックスクリーンの貼り付けや塩ビパイプによる配管の設計・加工・組み立て、そしてオーバーフローパイプを保護するコーナーカバー作りへと進んできました。

このうち擬岩コーナーボックスの自作については前回及び前々回で紹介していて、ここまででコーナーカバーのメイン部分は作り終わっています。以下のページでその様子をまとめているので、ぜひ読んでみてください。


オーバーフロー水槽DIY 擬岩コーナーカバー制作(モルタル造形編)
擬岩コーナーカバーの作り方(モルタル造形編)爬虫類・アクアリウムに!

オーバーフロー水槽自作の一環として、コーナーカバーを擬岩で制作する方法を解説します。スタイロフォーム製の骨格を土台に、造形用モルタルで形を整えアクリル塗料で着色します。その他にアク抜きやトップコートについても紹介します。

今回の記事では、前回までに紹介しきれなかったこのコーナーボックスの「フタ」の作り方について紹介します。ただ、このフタの作り方は多少独自の工夫はあるものの、基本的には前回までに紹介した方法と同じです。そこで、今回はコーナーボックスのフタの自作方法を紹介しつつ、擬岩コーナーボックスの作り方の要点をまとめていくことにします。

ポイント

このコーナーカバーと同じ要領で、爬虫類飼育に使用できる擬岩バックボード・バックパネルも作ることができます。爬虫類を飼っている人、特にレイアウト飼育にこだわりがある人はぜひ参考にしてください。

なお、このページでは多少細部を端折る部分も出てくるので、細かい部分が知りたい人は、前回及び前々回の記事も併せて読んでくださいね。

この記事の目次

擬岩コーナーカバー(コーナーボックス)の目的

前回も前々回も書きましたが、このページから読み始める人もいると思うので、もう一度コーナーカバーを擬岩で作る目的をおさらいしておきます。

擬岩コーナーカバーの目的

  • オーバーフローパイプの保護
  • オーバーフローパイプを隠すレイアウト素材
  • 亀のバスキングスポット

この連載で紹介中のオーバーフロー水槽では、ニホンイシガメを飼育します。そのため、亀の「バスキングスポット」になる、という通常のオーバーフロー水槽にはない目的が混ざっています。もちろん、このような用途を満足しつつ、一般的なアクアリウムでも使いやすいコーナーボックスに作り上げていきます。

なお、バスキングスポットとは爬虫類が体温調整やカルシウム吸収のために日光浴(バスキング)を行う場所のことで、一般論としては以下のような条件を満足する場所が望ましいです。

  • 35℃程度の温度に保たれている
  • 紫外線ライトからの距離が適切である
  • 足場が安定している
  • 表面が乾燥しやすい
  • 爬虫類の体全体が収まる広さがある
  • 爬虫類が怪我をしない形状である

モルタルで自作する擬岩は、上手く作ることでこれらの特徴すべてを満足することができます。さらに、コーナーカバーの役割を兼ねることで、狭い水槽内を少しでも有効活用するのが狙いです。また、このサイトの目標である「水棲爬虫類のレイアウト飼育方法の確立」を目指し、レイアウト素材としても見栄えが良いものを目指して作っていきます。

擬岩コーナーカバーの機能

今回作る擬岩コーナーカバーには、いくつかのギミックを仕込みます。と言っても、ほとんどのギミックは前回までに完成しています。そこで、前回作った擬岩コーナーカバーの本体部分の画像を確認しながら、それぞれの機能について確認しつつ紹介していきます。

まずは前回までの作業で作った擬岩コーナーカバーの概形を確認しておきましょう。

塗装済みの擬岩コーナーカバー(正面)
自作した擬岩コーナーカバー(正面)
塗装済みの擬岩コーナーカバー(俯瞰)
自作した擬岩コーナーカバー(俯瞰)

これを水槽に入れて水を張った状態が以下になります。

擬岩コーナーカバーの本体部分を水を張った水槽に入れる

右奥の部分にオーバーフローパイプが立ててあり、そのパイプを保護するコーナーカバーの役割を果たしつつ、水上部分は亀のバスキングスポットとなり、擬岩としてレイアウト素材の役割も果たしています。

では、以下でこの擬岩が持つギミックを紹介していきます。

擬岩の裂け目から水が吹き出す

まず一つ目は、擬岩内に塩ビパイプが通してあり、ろ過槽からポンプで汲み上げた水が擬岩の割れ目から吹き出すという機能です。

擬岩コーナーカバー内の塩ビパイプを経由して飼育水槽への給水

丁度いい写真が塗装前のものしかなかったのですが、このように写真中央部の割れ目から水が吹き出すようになっています。

擬岩コーナーカバー内部に埋め込んだ塩ビパイプ

こちらの写真は、擬岩コーナーカバーの骨格になっているスタイロフォーム部分です。写真から分かる通り、水を通すための塩ビ管を埋め込んであります。個の中を水が通り、擬岩の割れ目を模した穴から吹き出すという仕組みです。

このような構造にすることで、水槽内で配管が見えなくなり、レイアウト性を高めることが可能になっています。

岩の隙間から水を吸い込む油膜取り機能

また、先程の画像を見ると塩ビ管の両側に何本も溝が掘ってあることに気づくと思います。これはコーナーカバーの表側と裏側をつなぐ穴で、水面付近の水をコーナーカバーの裏に通し、排水管から流すことで表面の油膜を吸い込む「油膜取り」の役目を果たすための構造です。一般的なコーナーカバーの「スリット」と同じ役割を果たします。

擬岩のベースカラー塗装(グラデーション)

最終的にはモルタルで穴を埋めていき、非常に細い溝が残るだけの状態にします。この画像の右端の方で、縦にいくつも亀裂が入っているような造形になっている部分は、実は穴が裏までつながってスリットになっているんです。

水深が浅くなる部分を作る

また、上の画像の右手前部分は、一部の岩が出っ張っているデザインになっています。この部分は、水位より少し低い高さになっていて、亀にとっての浅瀬になるように設計しています。

亀は呼吸しやすい水際でじっとしていることも多いのですが、上手く浅瀬を作っておかないと呼吸できて体を休められる場所がなくなってしまいます。この部分は首を伸ばせば息ができる程度の水深で、かつ身体を伸ばせるだけのスペースを確保しておきました。

体を隠せるシェルターを作る

さらに、この擬岩コーナーカバーは亀が身体を隠すためのシェルターにもなります。

擬岩コーナーカバーの右下部分はシェルターにもなる

画像右下部分の少しくぼんでいる部分が、シェルターにもなる部分です。この水槽で飼育するニホンイシガメは甲長が15cmほどあるのでこのくぼみに全身は収まりませんが、半身くらいが隠れればシェルターとしての効果は見込めると思っています。また、他に流木も入れるので、好みに応じて好きなところに隠れてくれるはずです。

メンテナンスを容易にする分離機能

最後に紹介するのが、メンテナンス性を高めるための分離機能です。亀が落ちてしまわないように、コーナー部分の上部は全て擬岩で覆ってしまいたいのですが、そうするとコーナーカバー内部をメンテンナンスすることができなくなります。

そこで今回は、コーナーカバー上部の擬岩は別パーツとし、メンテンナンス時に取り外せるようにします。その部分が、冒頭から「フタ」と呼んでいる今回作り方を紹介するパーツです。この構造により、メンテナンス性と亀の安全性、そして見栄えを両立できるようになります。

擬岩自作の流れ

さて、擬岩コーナーカバーの概要を紹介したところで、簡単に擬岩制作の流れを確認しておきましょう。

この流れは、前回及び前々回にも紹介した流れと基本的に変わりません。リンクをクリックするとそれぞれの手順にジャンプすることができます。

擬岩自作のために用意するもの(工具・材料)

具体的な作業方法を紹介する前に、擬岩コーナーカバーの自作に必要な工具・材料を紹介していきます。ただし、非常に多数の工具や材料を使用するため、細かなものも紹介しているとキリがありません。今回は主要なものだけをピックアップして紹介するので、もしもここにない道具や材料を使っている場合は、前回か前々回の記事で詳細を紹介しているはずなので、そちらを確認してください。

スタイロフォーム

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擬岩の骨組みは主としてスタイロフォームで作成します。全てモルタルで作ると極端に重くなりますし、造形が難しくなるためです。

ただし、スタイロフォームは比重が軽く水に沈めてもかなり強く浮き上がります。スタイロフォームは極力最低限の量にしないと、せっかく作った擬岩が水に沈まなくなるので注意してください。

塩ビ板

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今回作る擬岩はコーナーカバーなのでガラスと接することになります。接する部分はモルタルにするとガラスを傷つける恐れがありますし、スタイロフォームのままだと見栄えが悪いです。そこでスタイロフォームを黒の塩ビ板で覆い、極力目立たないようにします。

ただし、そもそもガラスと接する面が見えないような場所に水槽を設置するので、あくまで補助的な役割です。

プラダン

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今回作るフタ部分には、植物を植えられるような鉢植え部分を実験的に作ってみます。鉢植え部分には、加工が簡単で思い通りの形を作りやすく、防水性も十分のプラダンを使用します。

スチロールカッター

スタイロフォームのカットにはスチロールカッターがあると便利です。ハサミやカッターでも切れないことはないですが、スチロールカッターは熱で溶かして切断するため作業効率が桁違いです。作業が捗るので持っていない人は買ったほうが良いですよ。そこまで高くはありません。

シリコンシーラント

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スタイロフォーム同士やスタイロフォームと塩ビ板を接着する際には、水中で有害物質を出さないシリコンシーラントを使用します。信越化学工業の一般工業用RTVゴムは、水槽のガラス板を接着する際にも使用されるアクアリウムに向いているシーラントなのでおすすめです。

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また、シリコンシーラントを使用するためにはコーキングガンも必要になります。ただし、実は前回までの作業でシリコンシーラントを使い果たしてしまったので、今回は手元に余っていたバスコークを使用します。

シリコンシーラントよりも少量・安価に手に入るので、使用する量によってはこちらを使うのも良いでしょう。

電動ドリルドライバー

塩ビ板の加工の際に、キスゴムを取り付けられるように穴をあけるため、電動ドリルドライバーを使用します。K-kiはマキタの10.8Vタイプを使用しています。ガラス水槽をオーバーフロー水槽化するための穴あけにも使用できる、高性能なドリルドライバーです。

スーパー家庭セメント

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スタイロフォームに造形用のモルタルを盛り付ける前に、下地として接着力の高いカチオン系セメントをスタイロフォームに塗りつけます。今回はこの役目に「スーパー家庭セメント」を採用しています。

ギルトセメント

ギルトセメント

モルタルでの造形作業には、造形用に開発されたモルタルで厚塗りしやすく、硬化までの時間が長いため造形作業もやりやすいと評判の「ギルトセメント」を使用します。Amazonや楽天では取り扱いがなく、モルタル造形専門の通販サイトなどで購入する必要があります。価格はあまり高くはありません(25kgで2500円程度)が、25kgのまとめ売りしかないこと、場所にもよりますが送料が2000円くらいかかることに注意してください。

参考ギルトセメント | ギルトバンク

スクレイパー

ダイソーのスクレーパー

ギルトセメントを使ったモルタル造形の際には、デザインナイフのような表面の形状を整えるツールが必要になります。いろいろな道具を試しましたが、ダイソーで売っているスクレイパーが大きさ・形状がちょうどよく使い勝手が良かったです。

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また、広範囲にいっぺんにモルタルを盛り付けるような場面では、左官鏝も使用しました。

左官バケツ

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モルタルに水を加えて練る(混ぜる)ためには、左官用のタライ(トロ舟)等を使用しますが、今回はモルタルは大した量を使用しないので、左官バケツを使います。

アクアマリンソフト

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モルタルはそのまま水に沈めると、水質を強いアルカリ性に変えてしまうため、水槽内で使用する前にアク抜きをする必要があります。コンクリート製の庭池のアク抜きで使用される「アクアマリンソフト」というアク抜き剤を使用します。アクアマリンソフトを加えた水にモルタルを浸けておくと、数時間でアク抜きをすることができます。

アトムハウスペイント 水性下塗剤エコ

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造形したモルタルには塗装を行いますが、その前に塗料がよく定着するようにシーラーで下塗りを行います。

シンロイヒ テクアートカラー

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今回の擬岩コーナーカバーには、テーマパークや動物園の擬岩塗装にも使用されるシンロイヒの「テクアートカラー」を使用します。水性アクリル樹脂を使用した塗料で、耐候性、耐水性に優れるため、水中で使用される擬岩コーナーカバーにもってこいの塗料です。

テクアートカラーはA色、B色、C色という区分があり、区分によって値段が違います(A色が安くC色が高い)。今回は、A色から「ホワイト」と「ブラック」、B色から「フタロブルー」を購入しました。また、テクアートカラーは受注生産のため注文から手元に届くまでにそれなりの時間がかかる点に注意が必要です。

ターナー色彩 水性UVカットクリア(艶消し)

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テクアートカラーでの塗装後は、表面を保護しきれいな状態が長く維持できるようにトップコートを上塗りします。この擬岩はバスキングスポットとしての役割も持つため、必然的に紫外線を多く浴びることになります。そのため、紫外線による退色も防ぐ効果のある水性UVカットクリアを使用します。人工物感がでないつや消しタイプがおすすめです。

スタイロフォームと塩ビ板で骨組み作り

ここからは、擬岩作りの具体的な手順の解説に移ります。この擬岩はスタイロフォームを土台にモルタルで岩の形を造形して作るので、まずはスタイロフォーム、塩ビ板、プラダンなどを使用して、擬岩の土台となる「骨組み」を作る方法から紹介します。

スタイロフォームの削り出し・塩ビ板の切り出し

上で紹介した擬岩コーナーカバーは、5cm厚のスタイロフォームを30cm×30cmの大きさに切り出したものを6枚積み重ね、オーバーフローパイプが通る部分を取り除いた上で大まかに岩の形を削り出したものが骨組みになっています。

スタイロフォームによる擬岩コーナーカバーの骨格とフタ

この際に、オーバーフローパイプ部分として取り除いたスタイロフォームのうち、最上段の1枚分をフタの骨組みとして使用します。上の画像右上部分の、一段高く平らになっている部分に相当します。

このスタイロフォームには5cm×5cmの穴をあけ、簡易的な鉢植えを作り植物を植栽できるようにします。そのため、まずはスタイロフォームより一回り小さいくらいの大きさに塩ビ板を切り出し、鉢植えに相当する部分には穴をあけておきます。

骨組みのスタイロフォームに一回り小さい塩ビ板を仮止め

塩ビ板とスタイロフォームをマスキングテープで仮止めした状態がこちら。次に、塩ビ板の穴に合わせて、スチロールカッターを使いスタイロフォームに穴をあけます。

スチロールカッターを使いスタイロフォームに穴をあける

さらに、スタイロフォームを岩の形をイメージしながら大まかにカットします。あまり細部は気にせずに、大まかな形がイメージ通りになるように削り出しましょう。

スタイロフォームを岩の形にカット

鉢植え部分の製作

次に、プラダンを使って鉢植え部分を作ります。先程塩ビ板に開けた穴の周の長さと一致する幅にプラダンを切り出します。

プランター用に切り出したプラダン

この時、穴の各辺の長さに合わせて切れ込みを入れ、プラダンを折り曲げられるようにしておきます。また、何箇所か窓を作り、鉢植えの中に水が通るようにしておきます。

ステンレスネットをバスコークでプラダンに貼り付ける

ただし、このままだと鉢植えの中身がこぼれてきてしまうので、プラダンにあけた窓よりも一回り大きくカットしたステンレスネットをバスコークを使い窓部分に貼り付けます。

鉢植えと擬岩骨組みの接着・組み立て

擬岩の骨組みを作るためのパーツを用意したら、それぞれをバスコークで接着し組み立てていきます。

擬岩コーナーカバー フタ用のパーツ

使用するパーツは上の写真の通りで、先ほど説明したもの以外に、鉢植えの底部分になる塩ビ板、スタイロフォームのサイド部分に貼り付けるための塩ビ板、底面の塩ビ板と側面の塩ビ板を貼り付ける際の補強用塩ビ三角棒も用意しています。また、スタイロフォームの下にあるパーツは前々回と同じく擬岩を固定するためのキスゴムをはめ込むパーツなんですが、擬岩の上にフタをのせるとガラス面との摩擦もありしっかり固定できたので、結局キスゴムは必要なくなったため不要です。

鉢植えの底面塩ビ板にバスコークを塗る

まずは、鉢植えの底面に当たる塩ビ板にバスコークを塗りつけて、プラダンを貼り付け鉢植え部分を作ります。

プラダンと塩ビ板を接着

接着後は、ずれないようにマスキングテープで固定しておきましょう。

次に、塩ビ板とスタイロフォームを同じくバスコークで接着します。塩ビ板は、三角棒を介して側面と底面を接着しておきましょう。接着には、塩ビ板用の接着剤を使用します。


塩ビ板のカバーとスタイロフォームを接着

バスコークはヘラを使って全体に行き渡るように均しておきます。

塩ビ板とスタイロフォームを接着

塩ビ板とスタイロフォームをしっかりと押さえつけ、ずれないように固定します。

バスコークで塩ビ板とプランターを接着

最後に、プラダンで作った鉢植えとスタイロフォーム+塩ビ板で作った擬岩の骨組みをバスコークで接着します。

プラダンプランターと塩ビ板を固定

これまでと同様に、接着後はしっかりと押さえつけて固定します。その後マスキングテープで固定し、一晩放置しておけば骨組みの完成です。

下地用モルタルで下処理

次に、下地用のセメントとして「スーパー家庭セメント」を水で練ってからスタイロフォームの上にまんべんなく薄く塗りつけます。塩ビ板部分が汚れるのが嫌なので、できればマスキングテープを使い保護しておくとよいでしょう。

スーパー家庭セメントのようなカチオン系のセメントは接着力が高いとされていますが、それでもスタイロフォームにはくっつきづらいので、左官鏝などをつかうと上手く塗りつけることができません。いろいろな方法を試しましたが、結局は使い捨てのビニール手袋をつけて手で塗り込むようにするのが一番やりやすかったです。細かい隙間など、手が入りにくいところだけは左官鏝を使います。

塗りつけたセメントが剥がれた場合はやり直し、スタイロフォーム表面全体を覆うまでセメントを盛り付けましょう。

造形用モルタルで形状の作り込み

下地セメントが乾燥したら、次は造形用セメントである「ギルトセメント」を使い、擬岩としての形状を作り込んでいきます。擬岩の出来栄えにはこの作業の出来がかなり影響するので、満足できる形が作れるまで繰り返しチャレンジしましょう。

スタイロフォーム製の骨組みにギルトセメントを盛る

まずは下地セメントの上に、水で練ったギルトセメントを左官鏝で盛っていきます。ギルトセメントは水が多いと柔らかくて乾燥までの時間が長くなり、逆に水が少ないと硬くて早く乾燥するので、混ぜる水の量を調整して好みの硬さにして使いましょう。また、乾燥してきた時点で霧吹きをすると再度柔らかくなるため、造形時間を長く確保することも可能です。

スクレイパーでギルトセメントを造形

ギルトセメントを盛った後は、スクレイパーを使用して岩肌に似せて形を整えていきます。今回は、渓流等にある割れてできたようなゴツゴツした感じの岩を目指しているので、表面は岩が割れたような平面の組み合わせをイメージし、水分がやや多めのモルタルをスクレーパーを使って均していく感じで作り込みます。

また、岩肌の亀裂や凹凸を作る際には、どうしてこの亀裂ができたのか、この岩はどの方向に割れやすいのか、どの部分は割れて、どの部分は削れたのか等、自分なりに岩の構造みたいなものを考えながら造形することで説得力のある擬岩に仕上がるはずです。

擬岩コーナーカバーのフタ(植栽用・未塗装)

ここまでの作業で出来上がった擬岩コーナーカバーのフタがこちら。

擬岩コーナーカバーのフタ(未塗装)

また、予備としてもう一つ植栽用の穴が空いていないタイプのフタも作っておきます。というより、これを最初に作ってから上の植栽用の穴が空いたフタを作りました。こちらは、主に造形や塗装の練習用として使用し、あくまで上の穴が空いたタイプを本番用として使用するつもりです。

モルタルのアク抜き

造形後、ギルトセメントを2日ほど乾燥させたら、アクアマリンソフトを使ってモルタルのアク抜きを行います。アクアマリンソフトの説明書きにある通り、水10リットルに対して5mlの割合でアクアマリンソフトを溶かした水に水に3時間以上擬岩を浸けておきましょう。

アクアマリンソフトでモルタルのアク抜き

なお、画像のようにスタイロフォームで作った擬岩は比重が軽く水に浮いてしまうので、何かおもりを載せて水に沈めるようにしてください。

注意

スタイロフォームの体積が大きいと、擬岩は水に浮いてしまうため、水中で使用する擬岩の場合はスタイロフォームを減らしてモルタルを増やし、水に沈むよう比重を調整してください。

浸け置きが終わったら、擬岩を流水でよく洗っておきましょう。

水性シーラーで下塗り

擬岩のシーリングに必要な道具

アク抜きをしたら再度擬岩を乾燥させ、塗装作業に移ります。最初は、塗料がよく定着するようにするための「シーラー」を塗る作業を行います。シーラーには、上で紹介したとおりアトムハウスペイントの「水性下塗剤エコ」を使用します。

擬岩に水性下塗材エコを塗装

刷毛を使って擬岩の表面全体に行き渡るようにシーラーを塗ります。なお、色付き塗料での塗装は、水性下塗材エコの塗装後3時間(冬季は6時間)以上乾燥させてから行います。また、着色は基本的にその日中、遅くとも1週間以内に行う必要があるようです。

テクアートカラーで塗装

シーラーが乾燥したら、次は「テクアートカラー」を使い擬岩に色を付けていきます。テクアートカラーでの塗装は、大まかに以下の流れに沿って行います。

テクアートカラーでの塗装の流れ

  • ベースカラーの塗装
  • エイジング塗装
  • シャドウ入れ(ウォッシング)
  • ハイライト(ドライブラシ)

まず最初は、ベースとなる色を擬岩全体に塗ります。ホワイト・ブラック・フタロブルーの3色を混ぜ、乾燥した龍王石イメージした色で全体を均一に塗っていきます。

擬岩のフタにベースカラー塗装

なお、このフタは練習用なので、色を濃くしすぎて失敗しています。このフタ部分は水上に出ているため乾燥しているはずなので、もう少し明るめの色合いのほうが本物っぽくなるでしょう。

擬岩のフタにエイジング塗装

次に、ベースよりも多少明るい、汚れに見えるような色を作ってベースカラーの上にのせていきます。筆や刷毛でベタ塗りするのではなく、スポンジやキッチンペーパーに塗料をのせて叩いたり、指で擦ったりしながら少しずつ色を重ね、岩が時間を経て汚れた雰囲気を出していきます。

さらに、よりリアルに見えるよう陰を強調する「シャドウ入れ」を「ウォッシング」という方法で、凸部に光があたって明るく見えることを塗装で表現する「ハイライト」を「ドライブラシ」という方法で行います。

補足説明

ウォッシングは、ベースカラーよりも暗い色を作り、水で薄めてシャバシャバになった塗料を擬岩の凹んでいる部分に塗り、ティッシュやキッチンペーパーで拭き取って凹んでいる部分だけに濃い色を付ける塗装方法です。

一方ドライブラシとは、塗料を付けた筆をティッシュやキッチンペーパーでしっかり拭き取り、その後で残った塗料を凸部にこすりつけるという方法で凸部にのみ塗料を付着させる塗装方法です。

トップコートで表面保護

テクアートカラーを使った着色が終わったら、表面を保護することで塗膜を守り、塗装が長持ちするようにします。テクアートカラーには「MB-AGクリアー」という専用のトップコートがあるんですが、15kgで25000円と多すぎる上に高すぎるので、より安価に手に入るターナー色彩の「水性UVカットクリア」を使用します。

水性UVカットクリアはトップコートとして使用できることはもちろん、紫外線による退色を防ぐ効果もあるため、バスキングスポットを兼ねており紫外線ライトを照射することになるこの擬岩コーナーカバーとは相性が良いです。ツヤあり、半ツヤ、ツヤ消しの3種類がありますが、より本物の岩に近い質感が出せる「ツヤ消し」タイプがおすすめです。

フタ分離式・擬岩コーナーカバーの完成

以上の工程により、擬岩作りは完了です。今回作ったフタ部分と前回までに作った土台部分を合わせ、擬岩コーナーカバーは以下のように仕上がりました。

完成した擬岩コーナーカバー(フタ付き)

どうでしょう。なかなかの出来栄えではないでしょうか。完成まではかなり苦労していますが、いいものができて満足です!

通水テストで動作を確認する

さて、今回の擬岩は「コーナーカバー」として作っているので、きちんと役割を果たすかは水を流して確認する必要があります。水を流して確認する「通水テスト」についても、実施すべきタイミング込みで簡単に紹介しておきましょう。

塗装前に正常に水が流れるかを確認する

注意すべきなのは、完成してから通水テストをしても遅いという点です。テストをした結果うまく水が流れないということが分かると修正作業をしなければなりませんが、塗装が終わってから造形をやり直す必要が生じると塗装もやり直しになってしまうため、少なくとも塗装の前には通水テストをしておきましょう。

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60ワイドオーバーフロー水槽用に自作したコーナーボックスを兼ねた擬岩、穴をあけては石やらモルタルやらを詰めてようやく沈むようになり、アク抜きをしてやっと通水テストです。問題なく水が流れてくれて一安心。塩ビパイプを埋め込んだ岩の割れ目から水が流れ出し、水面付近の岩の隙間が油膜取りになるギミック付きで、バスキングスポットの役目も果たします。奥の方は別パーツで構成されていて、アクアテラ用の植物を植え込むための鉢植え代わりにもなる作り。次は塗装ですが、作業の難易度は一番高そうです…! #アクアリウム #aquarium #diy #テラリウム #terrarium #アクアテラリウム #aquaterrarium #爬虫類 #爬虫類好きの人と繋がりたい #reptile #turtle #亀 #カメ #かめ #アクアリウム好きな人と繋がりたい #擬岩 #fakestone

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塗装前時点での通水テストの様子をInstagramに投稿した動画を引っ張ってきて紹介しておきます。意図通りに擬岩の隙間から水が流れ出し、またオーバーフローパイプが水を吸い込む邪魔もせず、コーナーカバーとして正常に機能していることが確認できています。

塗装後にも再度水が流れるかを確認する

塗装完了後にも通水テストをしておくと良いでしょう。このタイミングは通水テストというよりも、そのまま水槽の立ち上げにつながるはずなので試運転といったほうが正確かもしれません。

擬岩コーナーカバー・バックボードのDIYまとめ

今回で、全3回にわたって紹介してきた擬岩コーナーカバーの自作方法の解説は完了です。手間もお金もそれなりに掛かる作業ですが、他にない自分だけのオリジナリティあふれるレイアウトを作ることができるので、ぜひ試してみてください。

次回は、擬岩だけだとレイアウトが少し寂しいので、この擬岩に似合う流木を作ります。この次もぜひ読んでくださいね!

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K-ki

今回のオーバーフロー水槽自作作業の中でも、特に大変な作業だった擬岩作りについて今回で紹介しきりました。ここまで来たら、水槽の立ち上げまでもう少しです。水槽が出来上がって亀を導入するまで、もう少しお付き合いくださいませ!

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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