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オーバーフロー水槽自作!塩ビパイプを配管するための台座を接着する

2019/09/17

オーバーフロー水槽自作のために配管用の台座をシリコンで接着する

新規水槽立ち上げに向けて絶賛作業中のK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。今回も前回に引き続き、新しく立ち上げることにした60ワイド水槽をオーバーフロー化するDIYの模様をお伝えします。

前回は、水槽として採用したADAのキューブガーデン6045にいきなり穴をあけて差し上げました。手がガクガクしましたね。

オーバーフロー水槽を自作!水槽に給排水用の穴をあける方法を解説
オーバーフロー水槽を自作!水槽に給排水用の穴をあける方法を解説

オーバーフロー水槽自作のためにガラス水槽へ穴をあける方法を紹介します。オーバーフローはろ過能力が高くアクアリウムで人気のシステムです。ダイヤモンドコアドリルでの穴のあけ方はもちろん、穴のサイズや位置の決め方も解説します。

今回は、前回あけた穴にオーバーフロー配管を組むための台座を接着します。作業自体はそこまで難しくありませんが、失敗は即水漏れに繋がりますので丁寧な作業が求められます!気を引き締めていきましょう!

ちなみに、今回のオーバーフロー水槽自作に関連する一連の記事は、連載として上記のようにまとめてあります。ぜひ、この後の作業を紹介しているページも読んでいってください!

穴のサイズと配管のタイプに応じた台座を選ぼう

オーバーフロー水槽用の台座(ガラス水槽/40A用)

オーバーフロー水槽用の台座とは、この写真のようなパーツです。水槽にあけた穴にはめ込むような感じで接着し、水槽の水を排水するための塩ビ管を上下に差し込めるようにする部品です。

台座を接着するということは、オーバーフロー水槽にするために既に水槽に穴をあけているわけですから、どんな配管にするかは決まっているはずです。前回のおさらいも兼ねて、オーバーフロー水槽の仕様に合わせた台座の選び方を確認しておきましょう。

配管のタイプ

オーバーフロー水槽の給排水管のタイプは、主に「三重管」と「二重管+コーナーカバー」の2つに分けられます。前者は給水管、排水管、それを覆う外管で構成され、後者は外管部分がコーナーカバーに置き換えられたものです。

これらのうちどちらのタイプの配管にするかで、オーバーフロー台座が変わってくるので注意しましょう。三重管用の台座は外管をはめ込めるようになっていますが、二重管用の台座は排水管のみをはめ込む作りになっています。上の写真は二重管用で、三重管用の台座には以下のような商品があります。

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水槽サイズ・穴径と対応する塩ビ管の規格

水槽にあけた穴のサイズに応じて排水管のサイズが決まるため、自ずとそれに対応する台座も決まります。また、給水管は「ピストルパイプ」という部品を使って排水管の内側に差し込むんですが、このピストルパイプの給排水管の組み合わせはパターンがかなり少ないので、排水管のサイズが決まればほぼ自動的に給水管のサイズも決まります。

また、排水管の太さは排水量に直します。ろ過の回転数(1時間に水槽内の水が循環する回数)は一般的に6~10回転あたりが適切とされているため、水量(≒水槽サイズ)に応じて排水管の太さはだいたい決まります。

前回の記事でも紹介しましたが、水槽サイズ・穴径・排水管の呼び径(太さを表す塩ビ管の規格)、給水管の呼び径の組み合わせを、もう一度表形式で確認しておきましょう。

水槽サイズとオーバーフロー配管の太さ・穴径の目安
水槽サイズ 排水管の呼び径 給水管の呼び径 穴径
60cm~90cm水槽 40A 13A 58~60mm
90cm~150cm水槽 50A 16A 70~72mm
150cm水槽~ 65A 16A 89~91mm

今回は60cmワイド水槽をオーバーフロー化するということで、上表よりにならい、排水管の呼び径として40A、給水管の呼び径として13Aを採用しています。従って、オーバーフロー台座は40Aの排水管を挿せるタイプのものを選び、水槽にφ60mmの穴をあけています。

オーバーフロー用の台座はいろいろな商品が販売されていますが、「すいそうやさん」というショップ製のものが評価が高いです。チャームなどと比べると多少割高ではありますが、K-kiはこちらのショップで40Aの排水管を挿せる台座を購入しました。今回の水槽では、配管は「2重管+コーナーカバー」の仕様にするため、台座も二重管用のものを選んでいます。

参考ガラスオーバーフロー水槽セットの専門店 – すいそうやさん

また、この記事で紹介する範囲では使用しませんが、送料もかかるため、併せて排水40A/給水13Aの「ストレートピストル」または「エルボピストル」を購入しておくことをおすすめします。

オーバーフロー配管用のストレートピストル

先ほど説明したとおり、これらは排水管の内側に給水管を通すためのパーツで、排水管の呼び径が40Aの場合は、給水管が13Aの商品しかないはずです。このため、今回のオーバーフロー水槽システムでは、給水パイプの呼び径は13Aを使用することになります。

今回購入したストレートピストルは、今後オーバーフロー水槽の配管を行うときに使用するので、そのときにまた紹介します。

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用意するもの

今回の作業の核となる「オーバーフロー台座」の選び方をおさらいしたところで、作業に必要なものを確認していきます。

給排水穴をあけた水槽

ADA キューブガーデン 6045

まずは当然ながら水槽が必要ですね。前回の記事で径60mmの穴をあけた60cmワイド水槽(幅60cm×奥行き45cm×高さ45cm)を使用します。ちなみに、使用しているのはADAのキューブガーデン6045です。

オーバーフロー台座

すいそうさん 排水40A/給水13Aのオーバーフロー台座

上にも書いたとおり、「すいそうやさん」の呼び径40Aの塩ビ管/二重管仕様用の台座を使用します。すいそうやさんでは、この商品の他にも様々な配管サイズに合わせた二重管/三重管用の台座の取り扱いがあります。水槽のサイズ・穴径に合わせて適合する台座を探してください。

また、チャームなどのアクアリウム通販サイトでも、台座を取り扱っているところがあるので、何か必要なものがあるなら抱合せで買うのも良いと思います。

シリコンシーラント

シリコンシーラントは、ガラス水槽と台座の接着に使用する接着剤です。シーリング材、コーキング材などと呼ばれることもあります。

水槽内で使用するため、生き物にとって無害な成分である必要があります。アクアリウムの自作・DIYでよく使用されるのは、ガラス水槽を作るときにも使用される、信越シリコーンの一液型RTVゴム KE-42です。一般的なシリコンシーラントと比べると多少値段が高めではありますが、安心感が高く人気の商品です。

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この他に、ちょっとした作業のときは、より少量で販売されているバスコークNもよく利用されます。バスコークNの白色タイプは防カビ材が入ってるためアクアリウム用途には推奨しません。防カビ剤が入っていない透明タイプを使用しましょう。

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コーキングガン

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シリコンシーラントが入った筒から、中身を押し出すのに使用する工具です。ネットでも買えますが、ホームセンターに行けば安いものは200円くらいで売っています。私は近所のホームセンターで買った600円くらいのちょっといいやつ?を使っていますが、200円の商品との違いは多少頑丈な素材を使っているところくらいです。

マスキングテープ

接着剤が不要なところに付着しないよう、接着箇所付近を保護するために使用します。今回のケースでは、ガラス水槽側の台座を接着する場所周辺に貼り、接着剤が広がりすぎないようにします。

コーキングヘラ

今回のオーバーフロー台座と水槽の接着では、水漏れしないよう隙間なく接着する必要があるので、シリコンシーラントはかなり多めに使用します。当然接着剤がはみ出してくるため、はみ出した接着剤を伸ばし、余分な部分は取り除く作業にヘラを使用します。

コーキングヘラ

別に高い工具にこだわる必要もないので、今回は以前ダイソーで購入したものを使用します。

水槽にオーバーフロー台座を接着する作業手順

必要なものの準備は整ったでしょうか。工具や接着剤が揃ったら、いよいよ台座を水槽に接着する工程を紹介していきましょう。

接着面を丁寧に掃除する

接着面にゴミや油が付着していると、接着後の強度が落ちてしまいます。接着剤を塗る前に、接着面をウェットティッシュなどで拭いて汚れを丁寧に落とし、よく乾燥させておきましょう。

マスキングテープで接着しない部分を保護する

マスキングテープで台座の周囲を保護

接着剤を塗る前に、余計な部分に接着剤がついて汚れてしまわないように、マスキングテープで保護しておきましょう。今回は、オーバーフロー台座の周囲から3mm程度余裕をもたせた位置を目安に、マスキングテープを貼っています。

マスキングテープを使うことで、端部分のシリコンがガタガタになって見栄えが悪くなったり、剥がれやすくなったりするのを防ぐことができます。

接着面にプライマーを塗布する

接着面に接着剤を塗る前に、接着剤と接着面の密着性を高めてより強力に接着できるようにする目的で、プライマーを塗る場合があります。ちなみに、すいそうやさんで販売されているオーバーフロー水槽台座の場合は、あらかじめプライマーが塗布されています。

すいそうやさんの台座を使う場合でも、ガラス水槽側にはプライマーは塗られていないわけですが、まあ大丈夫だろうということで目をつぶり、K-kiは今回は自分でプライマーを塗ることはしませんでした。

台座にたっぷりシリコンシーラントを塗布する

オーバーフロー台座にシリコンシーラントを塗布

接着の準備が整ったので、いよいよ接着剤(シリコンシーラント)を台座に塗りつけていきます。シリコンに隙間ができると水漏れの原因になるので、隙間ができないようたっぷりと塗布しておきます。

ちなみに今回は信越シリコーンのRTVゴム KE42を使用していますが、「脱酢酸タイプ」ということで、結構キツめのお酢のニオイがします。バスコークはほぼ無臭なんですが、RTVゴムを使用する場合は家族に一言断っておいたほうが良さそうに思いました。

水槽に台座をしっかり押し付ける

台座を水槽に押し付ける

台座にたっぷりとシリコンを塗りつけたら、そのまま水槽にあけた穴を狙って押し付けましょう。シリコンシーラントをハケで伸ばしてから接着する場合もあるみたいですが、今回はたっぷり塗ったので隙間ができたりはしないだろうということで、そのまま押し当てました。

上にも書いたように台座と水槽の間に隙間ができると水漏れするので、ある程度力をかけつつ、ガラスにグリグリ押し当てるようにして隙間がなくなるまでシリコンを伸ばして接着すると良いでしょう。もちろんガラスが割れないように注意してくださいね。

余ったシリコンをコーキングヘラで取り除く

余ったシリコンをコーキングヘラで除去

たっぷりめにシリコンを塗ったので、台座の横や裏から余ったシリコンがはみ出ています。放っておくとこのまま固まり、何かに引っかかってシリコンが剥がれたり、塩ビ管を通すための穴を塞いでしまうので、固まる前にコーキングヘラを使って余ったシリコンを取り除いておきます。余ったシリコンを取り除いたら、マスキングテープも剥がしておきましょう。

裏側にはみ出したシリコンをコーキングヘラで除去

裏面も余ったシリコンをヘラで取り除きます。このように、水槽の裏側にもシリコンがはみ出るので、裏側にはあらかじめ汚れても良い板切れなどを当てておくと良いと思います。

重しをのせて24時間以上待つ

接着後の台座には重しをのせておく

余ったシリコンを取り除いたら、あとは乾燥・硬化を待つのみです。接着面がずれないように、多少の重しをのせて固定して置くと良いでしょう。K-kiの場合は、そこらへんにあった掃除用のスライム?みたいなやつをのせておきました。

あまり重いものを乗せると、何かの拍子に落ちた場合にガラスが割れてしまうので、そこまで重くないもののほうが安心です:)

接着剤が乾燥したら接着完了

シリコンが乾燥するまで待てば、台座の接着は完了です。K-kiが使用した信越シリコーンのRTVゴム KE42の場合だと、20~30分で表面が硬化し、15~16時間で全体にほぼ固まり、3日から1週間で完全に固まるとされています。

実際に使ってみた感じでは、夏場に24時間も待てばほぼ固まっていますが、まだ酢酸のニオイが残っているので完全には固まってなさそうです。2~3日でニオイも消えるので、完全硬化にはそれくらいの時間を見込んでおけば良いと思います。

台座の接着完了後の水槽

台座の接着が完了したオーバーフロー水槽

前回穴をあけた水槽に、オーバーフロー配管用の台座を取り付けることで、写真のような感じになりました。マスキングテープを使ったおかげで、シリコンの端ががたがたになったりもせず、きれいに接着することができました。

接着が完了したら水漏れチェックもしておこう

接着後の水槽に注水して水漏れがないことを確認

接着が完了した後は、一度水を張って水漏れがないかチェックしておきましょう。いざ配管を組んで完成してから水漏れに気づくと、かなりの後戻り作業が発生して非常に大変な思いをすることになります。

少なくとも、オーバーフローの配管を組む前に、一度は水漏れテストをしておく必要があるでしょう。

YouTubeでもオーバーフロー台座接着の方法を配信中

今回のオーバーフロー水槽DIYのためのガラス水槽への台座接着の模様は、YouTubeで動画の形でも配信しています。前回公開した水槽の穴あけ動画の続編です。

自作・DIYのやり方は、文章で読むのも重要ですが動画で確認したほうが分かりやすい部分も多いです。ぜひYouTubeの動画も見てみてくださいね。そしてあわよくば、チャンネル登録してください…!

YouTubeチャンネル


K-ki

オーバーフロー水槽自作を目指すDIYの第二弾として、ガラス水槽へ配管用台座を接着する方法を紹介しました。穴あけに比べるとだいぶ簡単な作業ではありますが、これに失敗すると水漏れしてえらいことになります。古くなった接着剤などは使わず、丁寧な作業で確実に接着しましょう。

次回は、水槽の見栄えを良くするため背面ガラスにバックスクリーンを貼り付けます。ぜひ、こちらも読んでくださいね!

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K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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