濾過バクテリアの要-水槽用濾過フィルターの濾材の種類・特徴

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SurfGuard / Außenfilter

このブログには「濾過の原理と利用法」というカテゴリがあって、ろ過の仕組みをイチから解説しています。今回は「濾材」にスポットライトを当てて濾過を考えていきます。ちなみにこのカテゴリの前回の記事はろ過フィルターの種類と選び方を紹介した記事でした。

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実はこのカテゴリ、前回の記事を書いてから1年半くらい放置していました…。ろ過フィルターを紹介するところで満足しちゃってた感があります。しかし濾過装置が決まったとしても、中に入れる濾材が決まらなければろ過器を稼働させることはできません。今回はそのように濾過において重要な役割を占める、濾材の種類や特徴を紹介します。

濾材とは

まずは簡単に濾材がどんなものかを説明します。濾材とは、基本的には生物濾過に用いる多孔性の材料のことを指します。小さな穴がたくさんあいている材料を濾材として使用し、その穴に濾過バクテリアを住まわせることによって生物濾過を行うわけです。

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生物濾過?濾過バクテリア??という方は、上の記事を読んでみて下さい。アクアリウムにおける濾過の基本的な原理を紹介しています。アクアリウムを趣味にするなら最低限知っておきたい知識です。

ろ過の種類別の濾材

上に書いたように本来は濾材というのは生物濾過のための濾過バクテリアを住まわせるものなのですが、ここではもう少し範囲を広げ、「濾過のためにろ過フィルターとセットで使うもの」くらいのイメージで話を進めます。

濾過には生物濾過以外にも、物理濾過や化学濾過(吸着濾過)といった種類もあるということは以前に解説しました。

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そこでこの記事では、物理濾過に使う濾材を「物理濾材」、生物濾過に使う濾材を「生物濾材」、吸着濾過に使う濾材を「吸着濾材」と呼び、本来の濾材の概念よりも広い範囲のものを説明します。以下でそれぞれの濾材の役割を簡単に説明しておきます。

生物濾材

先にも説明したように、生物濾過を行う濾過バクテリアの住処となるのが生物濾材です。濾過バクテリアができるだけ密に生息できるように、多孔質の素材を使うことが多いです。多孔質素材は小さな穴がむすうにあいているため、体積の割に表面積が大きく濾過バクテリアが住むことのできる場所が広くなります。またろ過バクテリアがアンモニアや亜硝酸を分解するのに必要な酸素が豊富に供給されるよう、通水性が良いことも望まれます。

物理濾材

物理濾過を行うための濾材です。水中を漂っているゴミなど、比較的大きめの不純物を濾し取るのが役目です。物理濾材としては目の細かいウールなどを利用することが多いです。

吸着濾材

化学濾過(吸着濾過)に使用する濾材です。化学反応によって水中の有機物を吸着する役割を持ちます。生物濾過・物理濾過と比較すると濾過としての重要度は低いのですが、水の臭いの除去や透明度の上昇など鑑賞面に貢献してくれます。

濾材の素材

濾材は色々な素材でできています。代表的なものは、セラミック、プラスチック、スポンジ、サンゴ砂、砂利、ウール、活性炭、ゼオライト等です。素材によってどのような濾過を目的として使われるかは変わってきます。以下では、濾材の素材別に代表的なアクアリウム用の濾材を紹介していきます。

濾材の形状

濾材別の濾材を紹介する前に、代表的な濾材の形状を紹介しておきます。

リングタイプ

濾材の中には円筒形のものが多くあります。これはできるだけ表面積を多く、通水性を高くするための工夫です。生物濾過用の濾材でこの形のものが多くあります。

ボール・ペレットタイプ

リングタイプと同じく生物濾材として利用されます。リングタイプと比べると形が単純な分製造コストが安いようで、販売価格もリングタイプよりは基本的に安いです。表面積はリングタイプよりも小さくなるので、ろ過の効率はやや下がると思われます。

マットタイプ

マット状に成形された濾材です。主に物理ろ過に用いられ、このマットに飼育水を通すことで大きめのゴミを濾し取るような目的で利用されます。

ネット入り

細かい粒~パウダー状の濾材をネットや不織布の袋などに入れて使用するタイプの濾材です。リング濾材なども扱いやすくするためネットに詰めて使うことはありますが、ここでは最初からネットなどに詰めて使用することを想定されているものを「ネット入り濾材」と呼ぶことにします。

セラミック濾材

市販されている濾材の中で最も多いのは、おそらくセラミック濾材です。セラミック(セラミックス)というと範囲が広いですが、陶器のような焼き固めて作った濾材ということです。

セラミック濾材の長所は、ある程度自由な成型ができることと、何より多孔質構造をつくることができるという点があります。多孔質構造を持つ素材は表面積が大きくなるため、濾材に多くのろ過バクテリアが住みつくことができるのでろ過効率が高くなります。

一方で、製造に手間がかかっている分値段は高くなります。大型水槽用の外部フィルターをいっぱいにしようと思うと中々の値段になりますし、オーバーフロー水槽の濾過槽の場合なんかは相当な金額になると思われます。

また商品によっては、長期間使用していると濾材同士が擦れて削れ、多少屑が出たりすることもあります。目詰りもしやすいため、多孔質の効果を十分に発揮しようと思うと定期的に本格的な濾材掃除をする必要があります。基本的にセラミック濾材は生物濾過しか行えないため、物理濾材と併用する必要もあります。

リングろ材

セラミック濾材の中でも代表的なのは、円筒形をしたリングろ材です。上にも書いたように表面積が大きく、また通水性も高いためろ過効率の上昇が狙えますが値段は高くなります。

このタイプの濾材では、「パワーハウス」という商品の人気が高いです。特殊な多孔質構造により超微細な穴があいており、表面積がかなり大きいそうです。また濾材そのものが特殊な素材でできているため、水槽水のpHを一定の範囲に保つ効果まであるそうです。ソフトタイプは弱酸性、ハードタイプは弱アルカリ性の水質を維持してくれます。

ボール状・ペレット状ろ材

球形や円柱形などをしたセラミック濾材です。リングろ材に比べると単純な形のためろ過効率は落ちますが、そもそもセラミックは多孔質でろ過効率が高いためどれくらいの差があるのかははっきりしていません。

サブストラットプロはドイツの老舗エーハイムが販売するボールタイプのセラミック濾材で、定番のとも言うべきろ材です。私も以前購入したエーハイム アクアコンパクト 2004におまけで付いてきたものを使用しています。やや素材が脆い感じがしますが使用上特に問題はありません。パワーハウスが5リットルで大体9000円くらいなのに対し、サブストラットプロは3000円程度なので3分の1くらいの値段で買えるのも魅力です。

安価な業務用も

容量の割に値段が高く大量に使用するのにはややハードルが高いセラミック濾材ですが、安価な業務用のものもあります。安い分脆くて欠けたり割れたりしやすいようですが、それを補って余りある価格です。お値段なんと30リットルで5000円程度です。オーバーフロー水槽などで大量に濾材が必要、でもリングろ材にこだわりがある…なんて方にオススメです。

プラスチックろ材

プラスチック製の濾材は生物濾過に利用されますが、セラミックのように多孔質ではないのでバクテリアの量ではセラミック濾材に劣ります。セラミックと比べると成形が容易なため複雑な形をしているものが多いですが、多孔質の表面積にはかないません。

しかし

  • 目詰りしにくい
  • 有機物などの目詰まりによるpHの低下が起こりにくい
  • 丈夫なので多少手荒に洗っても欠けたり割れたりしない

など、長期維持という観点から見れば多くのメリットが有ります。逆にデメリットは

  • 濾過バクテリアの定着が他の濾材に較べてかなり遅い
  • 表面積が小さく濾過効率が低い

等があります。目的に合わせてセラミック濾材と使い分けるのも良さそうです。また、プラスチックの表面はツルツルなのでバクテリアがしっかり着生できないのではないかと思うかもしれませんが、バクテリアのサイズからすればプラスチックでも十分にデコボコしているため問題はありません。

総じて、糞が多い生体を飼育していて汚泥がたまりやすい環境には適したろ材です。またドライ式濾過の場合は水が濾材の奥深くまで侵入するわけではないので多孔質のメリットが活かされにくく、逆に形状が複雑で水の流路の表面積が大きくなるプラスチック濾材の方が好まれる場合が多いです。

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ドライ式濾過については上の記事で説明しています。興味のある方は読んでみて下さい。

プラスチック濾材の中ではカミハタのバイオボールが有名ドコロです。セラミック濾材よりはちょっと安いくらいの価格設定です。どちらかと言うとドライ濾過に商店を当てた濾材のようですが、ウェット式濾過で使用しても問題なく効果が得られます。

スポンジ濾材

その名の通りスポンジで出来た濾材です。物理濾過と生物濾過に利用されます。濾材の中では安価な部類に入ります。

物理濾過用

物理濾過用のスポンジ濾材は、上部フィルターなどの上部に敷いてエサの残りカスや水草の切れ端、生体の糞や脱皮殻などを濾し取るマットタイプの濾材です。これらのゴミがいつまでも水中にあると次第に分解されて水を汚す原因となるため、その前に取り除いて水が汚れるのを予防する重要な役目を担っています。

また外部式フィルターなどでも利用され、その場合は生物濾過を担う濾材が入っている部分に大きなゴミが流れ込まないようにして目詰りを防ぐのが主な役目です。

生物濾過用

生物濾過用の濾材としてアクアリウム用に販売されているスポンジ濾材もありますが、家庭用に市販されているスポンジを1cm角程度にカットしてろ過フィルターの内部に入れておけば、それだけで十分に濾材として機能します。スポンジには小さな穴がたくさんあいている点も、表面積が大きくなるため濾過バクテリアが着生しやすくなるというメリットが有ります。

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購入すると高価なアクアリウム用品である「濾材」を自作して安価に入手する方法とろ材用ネットの作り方を紹介します。ポリエーテル製の洗車スポンジにより高性能な濾材を手軽に作ることができ、安定した熱帯魚やエビ飼育を実現できます。

この方法で市販のスポンジから濾材を作ると、アクアリウム用の濾材を購入するよりもはるかに安く済みます。ポイントは長期間水中に入れていても脆くならない材質のスポンジを使用することです。洗車スポンジなどでよくある「ポリエーテル」製のスポンジがオススメです。上のリンク先でスポンジ濾材の自作方法を説明しているので是非参考にしてください。生物濾材の中では一番のコストパフォーマンスだと思います。

物理濾過・生物濾過両用

スポンジ濾材というよりはスポンジフィルターと言った方が適切かもしれませんが、物理濾過と生物濾過の両方を行うものもあります。スポンジ部分でゴミを集め、また濾過バクテリアを着生させて生物濾過も行っています。大規模な水槽には向きませんが、小型水槽でシュリンプや稚魚を育てる場合なんかはこれで十分な場合も多いです。

底砂

水槽の底に敷く底砂・底床にも濾過バクテリアは繁殖するため、底砂は生物濾材であると言えます。底面フィルターは底砂への水の循環を積極的に引き起こし、底砂の濾過能力を十分に発揮させることで濾過を行っています。

また底面フィルターを利用する際は、底砂の内部にゴミが溜まっていくためある意味物理濾材としての役割を果たしているとも言えます。しはし他の物理濾材と異なりゴミを集める場所が水槽の内部なので、掃除が面倒かつ完全にはできないというのが大きな問題点です。

底床は何であろうと濾材になっているのですが、底面フィルターと相性が良いのは大磯砂あたりでしょうか。適度に粒の大きさがあるので底面フィルターが詰まりにくいですし、硬さもあるので擦れても削れてカスが出たりはしません。

底床用の砂利をセラミック濾材などのように濾過槽・濾過フィルターの内部に入れて使用することもあります。濾過効率は高くないですが、安価なので濾材の量でカバーできます。天然物なので水質に影響をあたえる場合があること、軽石以外の底砂はかなり重いことなどは注意して下さい。

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サンゴ砂

濾材として珊瑚を用いる場合もあります。サンゴ砂とは珊瑚の死骸が風化して砂のようになったものです。サンゴもセラミックと同じく多孔質構造を持っているので、濾過バクテリアが繁殖しやすいという意味では濾材に適した材質です。

目の粗いサンゴ砂は、セラミック濾材やプラスチックろ材と同じように濾過器の内部に入れて生物濾材として利用できます。また目の細かいものは底砂として、やはり生物濾過に利用できます。

サンゴには他の濾材にない大きな特徴として、水質をアルカリ性に傾ける効果があります。そのためアフリカンシクリッドやグッピーのように淡水魚だが弱アルカリ性の水質を好む魚や、汽水魚・海水魚などの飼育で使用されることが多いです。他にも、水を汚しやすい大型の生体を飼育している場合に、pHが極端な酸性にならないようにサンゴ砂を使って調整する場合もあります。

逆に一般的な熱帯魚は弱酸性の水質を好むものが多いため、水質をアルカリ性に傾けるサンゴの特徴は相性が悪く、上に挙げたような場合以外ではあまり利用されることはありません。

マリンアクアリウムで利用されるという性質上、既に濾過バクテリアが住み着いた状態で販売されることもあります。これが「ライブサンド」と呼ばれるものです。海水水槽でよく利用される「ライブロック」の底砂版だと思えばよいでしょう。濾過バクテリアを定着させるのが難しいマリンアクアリウムにおいては、重宝するろ材だといえます。

ウールマット

ウールで出来た濾材は主に物理濾過に利用されます。上部フィルターやウールボックスの中に敷き詰めて使ったり、外掛けフィルターの隙間に詰めて使ったりと、生物濾過の前に大きなゴミを取り除く目的で利用されます。ウールと言ってももちろん羊毛を使っているわけではなく、アクリル繊維などの化学繊維でウールのようなものを人工的に作っています。

この手の人工ウールでできた濾材は大別すると、綿菓子のようにフワフワしていてちぎったりハサミで切ったりして使うものと、あらかじめマット型に成形されているものの2種類があります。特にマット型に成形されているものはウールマットと呼ばれます。上部フィルターなどに敷き詰めて使う場合はウールマットを、外掛けフィルターなどの小さなスペースに突っ込んで使う場合は綿菓子タイプのウールを使うのが便利です。

ウールマットには色々な種類がありますが、個人的にはファインマットという商品がお気に入りです。目が詰まっているのでゴミをしっかりキャッチしてくれ、成形もしっかりしているので中々崩れてきません。手でもみ洗いすれば何度でも再利用できる上部なウールマットです。

ウール系の濾材は使用しているとだんだんくたびれてきて、形が崩れて物理濾過として機能しなくなり、新しいものに交換していくのが普通です。使い捨てという面が強いのですが、ファインマットのようにある程度しっかりしているものだと長く使えるためコストパフォーマンスに優れます。

活性炭

活性炭は吸着濾過をする濾材で、パウダー状のネット入り濾材であることがほとんどです。活性炭はセラミックなどと同じく多孔質材料なのですが、多孔質の材料には穴の部分に有機物を吸着するという性質があります。活性炭は化学的または物理的な処理を施すことにより、この吸着力を向上させた炭素由来の物質です。原材料は松や竹などの木材から、動物の骨など多岐に渡ります。

活性炭はバクテリアによって分解されにくい、水の黄ばみ、臭気、フェノール、トリハロメタンなどの低分子で疎水的な有機物と化学反応を起こして吸着します。一方で、水中のアンモニア、亜硝酸、硝酸などの無機物は吸着しにくいため、アクアリウムで一般的に言われる濾過(硝化サイクル)とは少し違った働きをします。

参考キョーリン:活性炭はアンモニアを吸着しない!?

使用すれば硝化サイクルのみの濾過システムよりも水の透明度や臭いなどの面で綺麗になりますが、逆に言うと硝化サイクルには影響しないため生体に重大な悪影響を及ぼすような現象とは無関係です。

活性炭の中でも「高性能活性炭」と言われるブラックホールがかなり高性能です。目に見える範囲でも、水の黄ばみを効果的に除去してくれるので性能の高さが分かります。流木のあく抜きなどにもよく利用され、私も流木を多く使用した90cm水槽では常時使用しています。以下の記事でレビューもしているので参考にして下さい。

ホントに超高性能!活性炭「ブラックホール」の効果と使い方
アクアリウム用の超高性能活性炭「ブラックホール」を解説します。活性炭は流木のアク等の水の黄ばみや、重金属など生体に有害となる物質を吸着します。ブラックホールが吸着・無害化出来る物質や交換時期の目安、使い方等をまとめます。

活性炭の吸着効果は永久的に続くものではなく、一定量以上の物質を吸着すると高価がなくなる点に注意して下さい。一度効果がなくなるまで使い切った活性炭は基本的に再利用できないので、新しいものと定期的に交換する必要があります。

ゼオライト

ゼオライトも活性炭と同じ多孔質材料、吸着濾過に使用されます。活性炭が炭素由来の材料であるのに対しゼオライトは鉱物由来の物質です。

ゼオライトには活性炭のような多孔質由来の吸着効果の他に、イオン交換能という機能があります。このイオン交換能により、例えば水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンをゼオライト内部のナトリウムイオンと交換することができ、水の硬度を下げて軟水化させることができます。また活性炭とは異なり水中のアンモニア(アンモニウムイオン)を吸着することもできるため濾過にも一定の貢献があります(亜硝酸は吸着できないらしいです)。

ゼオライトのイオン交換能による吸着効果は可逆的な反応であるため、活性炭とは異なり使用済みのゼオライトは再生処理して再利用することができます。ゼオライトを2%の塩水に浸けておくと、吸着したイオンとナトリウムイオンを交換して再利用可能になります。ただしこの処理では塩水を何回も替えた上で塩抜き・乾燥を行う必要があり、処理がマズイと再利用時にアンモニアを放出することもあるためメーカーはあまり推奨しておらず、買い替えを勧めているようです。

吸着材「ゼオライト」の効果・用途とアクアリウム水槽での使い方
アクアリウムでアンモニア吸着材や軟水化剤として利用されるゼオライトについて解説します。ゼオライトはその構造からイオン交換能を持ち、多孔質由来の吸着効果もあります。ゼオライトの吸着効果の原理と用途、使い方などをまとめます。

ゼオライトについてのさらに詳細な解説は、こちらの記事で行っています。ゼオライトの効果・用途やイオン交換の原理、使い方・再生方法などをまとめているので、興味のある方は読んでみて下さい。

濾材のメンテナンス

濾材はセットしてある程度の期間が経つと、汚れてきたり消耗してきたりします。そのため必要に応じて洗浄や交換をしなければなりません。そのような濾材のメンテナンスに関して説明します。

生物濾材

生物濾材はろ材に濾過バクテリアを繁殖させて濾過を行うため、あまりガシガシ洗ったり無茶な取り扱いをすると濾過バクテリアにダメージを与えてしまい濾過能力の低下を招きます。

そのため基本的にはバケツなどにろ材を取り出し、そこに飼育水を加えて軽くすすぐ程度の掃除にとどめます。目安としては濾材についた汚れを取り除き、通水性を回復させる程度で大丈夫です。この掃除の際に濾材を扱いやすくするため、目の粗い洗濯ネットなどに入れてからフィルターに入れておくことをオススメします。掃除の頻度は環境やフィルターのタイプに依存する部分も大きいので一概には言えません。具体的な作業の様子は以下の記事にまとめているのでそちらも参考にして下さい。

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アクアリウムでは濾過槽や濾過フィルターで水をろ過し、魚が生きられるようにしています。しかしこれら濾過器が汚れるとコケ発生や魚の病気の原因となる場合があります。コケ・病気予防のための濾過槽掃除のタイミング・方法を紹介します。

また底面濾過に用いる底砂も生物濾材ですが、そのような濾材はプロホースなどを用いて掃除するのが一般的です。その方法は以下の記事に詳しいのでそちらをご覧ください。

プロホースの使い方-水換え時に水槽を掃除できる排水ホース
水換え・水槽掃除の定番プロホースを紹介します。水換えや掃除は水槽のメンテナンスの中でも最も高い頻度で行う作業なので、ここで使う道具はとても重要です。プロホースの使い方や特徴・構成・種類ごとの違い・レビュー等を紹介します。

物理濾材

物理濾材は生物濾材と異なり、濾過バクテリアの働きは重視していないのでガシガシ洗って大丈夫です。むしろゴミなどを濾し取る目的なので汚れが溜まりやすく、目詰まりを防ぐためにもしっかり洗ったほうが良いです。バケツなどに水を張って手でもみ洗いすればよいでしょう。

物理濾材にも多少は濾過バクテリアが繁殖するので、それを大事にする場合は水槽の飼育水で洗うのが良いですが、私はそこまで気にしないので水道水、寒い時期はお湯で洗ってしまいます。また何度も洗っているとくたびれて形が保てなくなってくるので、そうなったら新しいものと交換して下さい。

吸着濾材

吸着濾材は基本的に使い捨てです。使用期限は説明書などに書いてあるので、その期限が過ぎたら古いものは捨てて新しいものに交換するのが基本です。ゼオライトの場合は再利用が可能なので塩水を使った再利用処理をしても良いですが、失敗にはリスクもあるので慎重に作業するようにしてください。

濾材の選び方-どの濾材が“濾過能力最強”?

ここまで濾材についてかなり事細かに説明してきましたが、最後に濾材の選び方・オススメの濾材について説明しておきます。

吸着濾材

まず吸着濾材としては、キョーリンの高性能活性炭「ブラックホール」がイチオシです。ネット上の評判でも私が使用した実感でも、他の活性炭よりも圧倒的に吸着力が高いです。これを使っておけば間違いないという人も多いでしょう。ゼオライトは使用したことがないので何とも言えません。

物理濾材

物理濾材としては上にも紹介したようにファインマットがオススメです。目の細かさと頑丈さで非常に使いやすく長期間の使用にも耐えてくれます。

生物濾材

問題は生物濾材です。濾過能力は数値化して比較したりするのも難しいためか、「リング濾材以外ありえない」「多孔質濾材が最強」などと色々な事が言われています。高価で販売されている濾材が高性能だと信じ、濾材に何万円ものお金をかける人もいるでしょう。

ここで個人的な意見を言わせてもらうと、本当は大きな優劣なんて無いと思うんです。確かに表面積が大きくて通水性に優れた濾材が一番濾過能力が高いと思いますが、アクアリウムに用いられるほとんどの濾材はその条件を満たしています。水槽なんかよりもっと大規模な濾過設備で、濾材としてヤクルトの空容器が使用されていたりもしますから、濾材の性能が与える影響なんてごく僅かなのではないかと思っています。

そう考えると、濾材の質にこだわるよりもそのお金で濾材の量を増やしたり濾過フィルターを高品質なものにしたりした方がまだ建設的なんじゃないかと思います。効果が良くわからない高級濾材に大金を払うのはもったいないんじゃないかと思います。このような考えがあり、私は生物濾材としては自作で安価なスポンジ濾材か、業務用の安いリングろ材あたりをオススメします。高い濾材を買うお金で、濾過設備の規模を大きくしてやすい濾材をいっぱい入れておいたほうが濾過能力は高くなると思います。

まあ実のところアクアリウムは趣味なんで、それぞれの人が自己満足できたら何でもいいんですよね。高い濾材を買うとワクワクするというならそれもアリです。必要以上に濾過能力を追い求めること自体がそもそも自己満足ですしね。

濾過フィルターを使用する上で欠かせない濾材について解説しました。一口に濾材と言っても中々奥が深く、長々といろいろな種類を説明しましたが、結局あんまり違いはないという結論になってしまいました…。しかし人それぞれお気に入りに濾材があることも事実なので、気にせず好きなものを使ってくださいね。