ボトルアクアリウム ろ過・水質管理

ボトルアクアリウムのろ過方法:小さなボトルの水質管理

ボトルアクアリウム(グラスアクアリウム)と水草と熱帯魚

ボトルアクアリウムでは、どうやって熱帯魚やエビが生きていけるだけの水質を維持するかが、一つの重要なポイントになります。一般的なアクアリウムでは、ろ過フィルターを利用して水質を管理しますが、小型の容器を利用して、かつシンプルな見た目を重視するボトルアクアリウムでは、ろ過フィルターを利用しないことも多いです。

こうした、ろ過フィルターを利用しないアクアリウムは、バランスドアクアリウムやパーフェクトアクアリウムとも呼ばれ、水質等の管理難易度が高くなります。

アクアリウムの種類まとめ-水草水槽からアロワナやビオトープまで

アクアリウムには実は様々な種類があります。ネイチャーアクアリウムのようなレイアウトに拘る水草水槽、アロワナなど大型魚の飼育水槽、淡水水槽や海水水槽、大型水槽、小型水槽など様々です。そんなアクアリウムの種類をまとめます。

今回は、このように難易度の高いボトルアクアリウムの水質維持をどう実現するのかという点について、「ろ過をどのように活用するか」という切り口から解説していきます。

アクアリウムのろ過方法

ボトルアクアリウムにおけるろ過の方法を考える前に、ボトルアクアリウムに限らず一般のアクアリウムにおいて、ろ過とは何を意味するのかをはっきりさせておきましょう。アクアリウムにおけるろ過の仕組みや活用方法については、「ろ過の原理・仕組みと利用方法」という連載で順を追って解説しています。

この連載のうち、特に第1回~第3回までの内容が、アクアリウムにおける濾過についての基礎知識となっています。本当はこの連載を最初から全部読んでもらうのが一番良いのですが、ボリュームもあるためここでは簡単にその内容をまとめておきます。時間のあるときに、ぜひ上記連載の関連ページも読んでみてください。

まずは、水の汚れとは何かを明確にすることからスタートします。

水の汚れとは

アクアリウムで水の汚れと呼んでいる物質は、主にアンモニア、亜硝酸、硝酸塩の3つです。これらの物質は、エサの食べ残しや水草の枯れ葉、生き物の死骸などが腐ることによって発生し、生き物にとっては有毒です。また、水に溶ける形で存在するため、目で見た水の綺麗さ(透き通っているかなど)とはあまり関係がありません。

そしてアクアリウムにおけるろ過とは、上記の水の汚れとなる物質を水槽から取り除く、または、水槽内に発生しないようにすることを指します。水槽内の水をろ過することによって、水槽内の熱帯魚やエビといった生き物たちは生きていくことができるようになるのです。

物理ろ過と生物ろ過

アクアリウムのろ過には、いくつか種類がありますが、その中でも代表的なのが物理ろ過と生物ろ過です。物理ろ過とは、エサの食べ残しや生き物の死骸がアンモニアを発生する前に、水槽から取り除いてしまうという予防に重きを置いたろ過方法です。一方、生物ろ過は、水槽内のアンモニアや亜硝酸を、微生物の力を借りて毒性の低い硝酸塩に分解することで、水質を維持するろ過方法です。

ボトルアクアリウムでのろ過方法

では具体的に、ボトルアクアリウムという環境に限定した上で、実用的なろ過方法にはどのようなものがあるのか考えてみましょう。

ボトルアクアリウムの制約

ボトルアクアリウムの制約として最も大きいのは、水槽(ボトル)の大きさです。一般的な水槽では最小サイズの30cm水槽でも、水量は10リットル以上ありますが、ボトルアクアリウムではどんなに大きくてもせいぜい5リットル程度、よくあるサイズだと2~3リットル程度がいいところです。

一般的に、ここまで小さな水槽を想定したろ過装置・ろ過フィルターの販売はほぼありません。また、存在してもボトルのサイズに対してろ過装置が大きすぎ、著しく美観を損ねてしまいます。従って、汚れの原因物質を濾し取る部分の構造が大型になりやすい物理ろ過はボトルアクアリウムの主要なろ過方法にはならず、ボトルアクアリウムでは必然的に生物ろ過に頼ることになります。

これらを踏まえ、ボトルアクアリウムで利用される生物ろ過の方法について解説しましょう。一般的には、以下のような方法がよく利用されます。

底床材に住み着くろ過バクテリアに任せる

この方法では、ボトルにろ過フィルターを設置せず、ろ過は底砂に住み着くろ過バクテリアに任せてしまいます。ろ過フィルターを設置した場合と比べると、ろ過能力もろ過の効率も下がってしまいますが、ボトル内に余計なものを設置せずに済みます。

ボトルアクアリウムでは、ボトル内の水が動かず、また、水槽の開口面積(空気と水の触れ合う面積)も小さいため、水中の溶存酸素が不足しやすい(酸欠になりやすい)傾向にあります。従って、酸素を利用してアンモニア・亜硝酸を分解するろ過バクテリアの働きは鈍くなります。この場合は、底砂のろ過バクテリアに過度な期待をせず、基本的には定期的な水換えで水質を保つという意識を持つべきでしょう。

底砂に吸着系ソイルを利用する

底砂の利用方法は、何もろ過バクテリアの住処になるだけではありません。アクアリウム用のソイル(アクアソイル)の中には、水の汚れを吸着する能力を重視した「吸着系ソイル」というものが存在します。例えば、プラチナソイルなどが吸着系ソイルとして有名です。

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ボトルアクアリウムの底砂に吸着系ソイルを使用すれば、上に書いたようなろ過バクテリアによるろ過に加えて、ソイル自体の持つ吸着効果による水質維持の効果も期待できます。

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せっかくボトルアクアリウムに底砂を敷くのなら、少しでも水質を維持する効果の期待できるものをしようすることをおすすめします。

水草に吸収させる

こちらは、微生物(ろ過バクテリア)の力を借りる生物ろ過からは少し外れますが、アンモニアや硝酸塩を吸収して成長するという水草の特徴を利用する方法です。

植物の栽培では、「肥料の三要素」として窒素・リン酸・カリウムが必要であることが広く知られています。ここでポイントになるのは、アクアリウムの水質汚染の原因とされるアンモニアや硝酸塩は、それぞれアンモニア態窒素、硝酸態窒素という名前でも呼ばれる、植物の肥料となる窒素の一形態であることです。

つまり、アンモニアや硝酸塩が発生した水槽に水草を植えることで、水草がこれらの物質を吸収し、ろ過と似たような水質浄化の効果が期待できます。

ただし、水草が吸収する窒素の量は僅かであり、多少水草が生えている程度では水槽内のアンモニアや硝酸塩はなくなりません。魚が少なく水草が非常に密に茂った状態でなければ、水草のみでは十分なろ過能力を発揮できないでしょう。

また、水草の種類によってアンモニア態窒素を好むもの、硝酸態窒素を好むものがあります。ボトルアクアリウムでは、特にアンモニア態窒素を好んで吸収するクリプトコリネなどの水草を上手く活用できれば、ボトル内の水質維持に効果を得やすいと考えられます。

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底面フィルターなどを利用する

やや邪道な印象も受けますが、ボトルアクアリウムでろ過フィルターを使うことが禁止されているわけではありません。美観を損ねる可能性はありますが、水草などで上手く隠すことができるのなら、ろ過フィルターを使ったほうが簡単にきれいな水質を保てます。

ボトルアクアリウムで利用しやすいろ過フィルターとしては、底砂の中に隠れて目立ちにくい底面フィルターなどが挙げられます。ろ過フィルターを設置すると、水が動くため酸素の供給も行えます。

底面フィルターのパイプやエアホースを隠すため、どうしてもレイアウトに制限が生じ、自分のイメージ通りのボトルアクアリウムを作り込めなくなる可能性はありますが、メリットも多いため、ろ過フィルターを利用するという方法も頭の中に入れておくと良いでしょう。

現実的には底砂と水草を両方活用する

実際にボトルアクアリウムを維持・管理し、熱帯魚やエビなどを育てる際にろ過フィルターを設置しないのであれば、少しでもろ過能力を発揮させるため、上で紹介した底砂と水草を活用する方法を両方とも活用することになります。どちらか一方に絞る必要は全くありませんからね。

そうしていても、夏場など水が傷みやすい時期は特に、ろ過が追いつかず水質が悪化してしまう場合もあるでしょう。その場合は、やはり水換えの頻度を上げて水質を維持するのが基本です。一方、これとは正反対の考え方で、水換え頻度が少なくても問題ない数しか生き物を飼わないというアプローチもあります。

ボトルアクアリウムではろ過能力の限界を知ることが重要

いずれにしても、水量が少なく水質が不安定になりやすいボトルアクアリウムで上手く熱帯魚やエビを育てるためには、自分の飼育環境でのろ過能力の限界を知っておくことがとても重要です。

ろ過能力の限界は、水量、水温、室温、生体の数、ボトルの形など、いろいろな要素の影響を受けます。従って、失敗しないためには、ボトルアクアリウムのろ過能力を過信せず、生体の数を増やすときは常に余裕を持ち、注意深い観察を行うことが重要です。

生体の数を増やした後にテトラ 6 in 1などの水質検査薬を利用して、アンモニアや亜硝酸が検出されるようになったら、明らかにろ過能力の限界を超えた生体がいる、過密な状態になっています。また、アンモニア等が検出されなくても、生体の動きが鈍くなったり、餌を食べなくなったりした場合も、アンモニア中毒の症状が現れている可能性があります。

生体の数は常に少なめを維持し、注意を欠かさないようにしましょう。

丈夫な熱帯魚・エビを選ぶことも重要

どれだけ水質を上手く管理しても、結局のところボトルアクアリウムはかなり制約のある厳しい環境です。どうやってもボトルアクアリウムで飼えない熱帯魚も数多く存在します。

ボトルアクアリウムで飼育できる生体
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ボトルアクアリウムを上手く維持するためには、飼育する生体に丈夫な種類を選ぶことも重要です。上のリンク先ページを参考に、ボトルアクアリウムに適応できる生体を選んでみましょう!

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今回は、ボトルアクアリウムでどうやって水質を維持するのか、ろ過の方法を交えて解説しました。ボトルアクアリウムらしさを感じながら楽しむなら、大きめのボトルで、水草をぎっしりと生い茂らせ、少数の生体を飼育する方法がおすすめです。ろ過についてきちんと理解して、ボトルアクアリウムを成功させてくださいね。

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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