こんにちはー!アクアリウムや両生類・爬虫類が好きなK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。
突然ですがみなさんは、メダカを飼育するときにどんな飼育容器を使っていますか?
メダカを飼育するために使用される容器には、睡蓮鉢、プラスチックケース、水槽、発泡スチロール容器など、様々な種類があります。そして、飼育容器の種類ごとに長所と短所があり、飼育場所やメダカの数・品種などの飼育方法に応じて、適切な飼育容器を選ぶのが重要なのは以前の記事でも紹介したとおりです。
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メダカの飼育容器の種類と選び方!睡蓮鉢・プラ容器等の長所や使い所
メダカ飼育容器の種類と選び方を解説します。メダカの飼育容器には、水槽、睡蓮鉢、プラスチック容器、トロ舟、発泡スチロール容器などの選択肢があります。容器ごとの特徴や飼育場所、メダカの数、品種などに応じた選び方をまとめます。
今回は、これら多種多様な飼育容器の中から、特に「発泡スチロール容器」を取り上げて、そのメリット・デメリットや、具体的なおすすめの商品も紹介します。
メダカを発泡スチロール容器で飼うメリット
まずは、発泡スチロール容器をメダカの飼育容器として使う際の、メリットから紹介します。先にメリットをリストアップしてしまうと、以下のとおりです。
それぞれの項目の詳細を、以下で解説していきましょう。
断熱性があること
メダカや熱帯魚をネット販売などで購入した時、発泡スチロール容器に梱包されて送らてくることが多くあります。こういった輸送の場面で発泡スチロール容器が利用される理由は、発泡スチロールが高い断熱性を持つためです。
発泡スチロールは、空気を大量に含んでいる素材で、その体積の約98%が空気だとされています。断熱ガラスのガラスとガラスの間には乾燥空気が封入されていることなどからも分かるとおり、空気は非常に断熱性の高い物質であり、空気を大量に含んでいる発泡スチロールもまた断熱性が高い物質になります。
メダカは、本来とても頑強な魚種です。もともとは、自然界で田んぼや小川の流れが緩いところに生息しており、そういった環境では、水温は夏は高く冬は低いため、この環境に適応したメダカは10℃くらいの低い水温から30℃を少し超えるような水温でも生きていけます。しかしそんな丈夫なメダカでも、急激な水温の変化にはついていけません。
その点、発泡スチロール容器は断熱性が高いので、真夏日のような高気温になるときでも、冬に向かって外気温が下がる季節でも、水温変動が緩やかになります。この特徴から、屋外飼育において外気温による水温の変化を緩やかにできるのが、発泡スチロール容器の一番のメリットと言えるでしょう。
ただし、この断熱性が良いという特徴がデメリットとなる場合もあります。それは、一旦あがった水温も下がりにくく、水温が上がりっぱなしになってしまう場合があることです。そのため、発泡スチロール容器でメダカを飼育する場合は、飼育容器は一日中日光が当たる場所ではなく、午前中などに日光が当たって午後からは日陰となるような場所に設置すると良いでしょう。
軽いこと
みなさんご存知のとおり、発泡スチロールは非常に軽いです。メダカ飼育に使用されるサイズの発泡スチロール容器なら、水を溜めてもせいぜい10kgに達するかどうかくらいの重量です。
飼育容器が重いと、日々のメンテナンスで結構な負担となります。大きいトロ舟などの場合は、水を溜めると20kg以上になるため、何かの都合で飼育容器を移動させる必要があっても、重すぎて男性でも一人では簡単には移動させられません。
しかし、発泡スチロール容器なら、そもそもの容器が軽い上にサイズも小さくまとまっていることが多いため、女性でも一人で移動させることが可能です。
価格が安い
メダカ飼育では、最初は一つの品種からスタートしたものの色々な品種を知るにつれて別の品種も欲しくなり、どんどん飼育している品種が増えていったり、繁殖が簡単なのでハイペースで稚魚を増やしてしまったりと、飼育するメダカの数が増えて必然的に飼育容器も増えてしまうということが往々にしてあります。
仮に飼育容器にトロ舟を使うとすると、1個あたりの価格は700円~といったところですが、数が増えると結構な出費になってしまいます。その点、発泡スチロール容器なら、新品でも価格は300円~というところですし、近所のスーパーで廃棄予定の発泡スチロール容器を譲ってもらったり、ネット通販で購入したときの梱包材に使われている発泡スチロール容器を洗浄して再利用したりと、かなり安く手に入れることが可能です。
飼育品種を増やしたいときや、繁殖して増えたメダカを飼育するために飼育スペースを拡大するときは、発泡スチロール容器の安さは非常に助かりますね。
設置場所を選ばない
大型のトロ舟や、養魚用プールなどの大きな飼育ケースは、飼育できるメダカの匹数が多くなり群泳する姿を見れたりもしますが、設置するにはそれなりのスペースが必要です。しかし発泡スチロール容器なら、飼育する匹数は少なくなりますが、スペースを取らないのでベランダでも設置できます。そのほか、玄関先や縁側などの狭い場所でも設置できるので、手軽にメダカの飼育が始められるのも良いところと言えるでしょう。
メダカを発泡スチロール容器で飼うデメリット
ここまで発泡スチロール容器をメダカ飼育に使うメリットを紹介してきました。メダカ飼育と発泡スチロール容器は相性が良さそうだな、ということはなんとなくわかってもらえたと思いますが、発泡スチロール容器も良いところばかりではありません。
発泡スチロール容器をメダカ飼育に使うデメリット
上記の通り、発泡スチロール容器でメダカを飼うことにはデメリットもあります。以降で、それぞれの詳細を確認してみましょう。
水量が少ない
発泡スチロール容器は、手頃な大きさで持ち運びが楽なのが長所ですが、その分容量は小さいです。当然水量も小さいので、飼育できるメダカの数は少なくなってしまいます。メダカ愛好家の間では、メダカ1匹あたり1Lの水を用意して飼育するのが一般的なので、容器のサイズにもよりますが発泡スチロール容器だと10匹以下の飼育がひとつの目安になるでしょう。
また、水量が小さいと水質の悪化も早くなります。特に水質が安定するまではこまめな水換えが必要となるので注意が必要です。
容器の劣化が早い
水槽やプラ舟などの他の飼育容器と比べると、発泡スチロール容器は耐久性の面で格段に劣ります。特に屋外飼育だと太陽光を浴びることもあって発泡スチロールの劣化が早まってしまいます。すると、水漏れがおきたり少しの衝撃で容器が破損してしまったりと、かなり扱いづらくなります。
また、新しい発泡スチロール容器だったとしても、落としたり強くぶつけたり等の衝撃には弱いため、取り扱いには注意が必要です。
デザインがイマイチ
そもそも発泡スチロール容器は、荷物を輸送するための梱包材・緩衝材という面が強い容器なので、睡蓮鉢や水槽と比べると残念ながら見た目は悪いです。飼育するメダカの数が増えると、白い発泡スチロール容器が庭先にズラーっと並ぶ場合もあるので、メダカを飼育していない人には「何だコレ?」という印象を与えるのは確実です。
デザイン性ではどうしても他の容器には劣るというのが実際のところと言えるでしょう。
メダカの体色が抜けやすい
発泡スチロール容器は白い容器がほとんどです。そしてメダカは背地反応(保護色機能)をもっているため、体色が白い容器や水槽だと抜けやすくなります。
背地反応とは
周囲の色によってメダカが体色を変化させる保護色機能のことを「背地反応」と呼びます。
ただ、容器の内側を黒く塗ったり、価格は少し高いですがメダカ飼育用に販売されている黒い発泡スチロール容器を使用するという方法もあります。また幹之メダカなど、黒い容器よりも白い容器での飼育が向いている品種もいるため、発泡スチロール容器での飼育が必ずしもメダカの見栄えを悪くするわけではありませんが、一般的な傾向としてはやはり体色が抜けやすいということは認識しておくのが良いでしょう。
メダカ飼育におすすめの発泡スチロール容器
ここまでに、発泡スチロール容器をメダカの飼育に使うメリットとデメリットについて紹介しました。次は、メダカ飼育に使える発泡スチロール容器の中から、おすすめの製品をいくつか紹介しておきます。
もちろん、一般的な梱包材・緩衝材として使用されている発泡スチロール容器でもメダカは飼育できますが、せっかくなのでここではメダカ飼育専用に作られている発泡スチロール容器を中心に紹介します。
GEX メダカ元気 快適・繁殖ケース
まず最初に、アクアリウム用品メーカーのGEXが販売している「メダカ元気 快適・繁殖ケース」を紹介します。この容器は、メダカの体色が抜けにくいよう黒系の発泡スチロールを使用しており、S/M/Lの3つのサイズが展開されています。Lサイズの容器の上にMサイズの容器を積み重ねることが可能で、スペースを節約しながらメダカをたくさん飼育することが可能です。
地面との接地面を工夫して地熱の影響を受けにくくしたり、オーバーフロー穴付で降雨時の増水対策をしたりと、メダカ飼育専用に設計されているだけあって細かい部分に気配りが行き届いています。
また、こちらのような専用フタも販売されていて、トンボ、野鳥、猫などによるメダカへの被害を予防することも可能です。
クハラ めだかの黒発泡 小 フタ付き
次に紹介するのは、クハラの「めだかの黒発泡」という容器です。こちらは、メダカ元気 快適・繁殖ケースのようなメダカ専用に作り込んだ容器とは対照的な、非常にシンプルな発泡スチロール容器です。発泡スチロールを厚めにして断熱性をより高くしたり、色を黒くしたりとメダカの飼育に向くような工夫はもちろんされていますが、こういった作り込みは最小限に抑えられています。
シンプルな容器だけあって、メダカ飼育用に色々とカスタマイズされた発泡スチロール容器よりは値段が安いです。価格を抑えて黒系の発泡スチロール容器を入手したい場合は、こちらの容器がおすすめです。
スドー メダカの発泡丸鉢
こちらは、やはりアクアリウム用品メーカーのスドーが販売している、「メダカの発泡丸鉢」です。この容器の特徴的な部分は、なんと言ってもその形状でしょう。一般的な発泡スチロール容器のような直方体ではなく、睡蓮鉢のような丸い鉢形になった容器です。
直方体の容器のほうが詰めて並べられるので、はっきり言ってあまり効率の良い形状ではないんですが、デザインに工夫が感じられる発泡スチロール容器は少ないです。丸みを帯びた可愛らしいデザインが気に入った場合は使ってみると良いでしょう。
メダカ飼育における発泡スチロール容器のまとめ
今回は、メダカ飼育に発泡スチロール容器を使用する場合のメリット・デメリットと、具体的なおすすめの発泡スチロール容器を紹介しました。たかが発泡スチロールと思うかもしれませんが、整理して考えてみると色々特徴がありますね。
自分の求めている飼育容器の特徴をよく考えて、発泡スチロール容器が上手く適合すると思ったら、ぜひ発泡スチロールでメダカを飼ってみてください。
発泡スチロールを上手く使って、メダカ飼育を楽しみましょう。個人的には、クハラのめだかの黒発泡を何個も並べて、黒で統一・整理された感じの飼育環境を作るとかっこよさそうだなと思います!