水草水槽 爬虫類飼育 ライト・照明器具

水槽用LEDライト「グラッシーレディオ RX122」レビュー!

2020/11/08

Grassy Ledio RX122 Fresh(グラッシーレディオ RX122 フレッシュ)

こんにちは!アクアリストであり、アクアリウムの飼育技術を活かして亀の飼育もしているK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。

アクアリウムでも爬虫類の飼育でも、ライトはとても重要な飼育用品です。今回は新しいライトとしてボルクスジャパンの「グラッシーレディオ RX122 フレッシュ」を購入したので、このライトがどんなライトなのか、詳細にレビューしてみます。

グラッシーレディオはクリップライトながら1万円超えの高価なライトですが、値段が高いだけあって性能もかなり高いです。水草の育成に光が必要な水草水槽で非常に活躍することはもちろんですが、その光の性質から実は爬虫類の飼育でもかなり役立ちます。アクアリウムも爬虫類もイケるK-kiならではの視点を交え、このライトを徹底解説していきましょう!

Grassy LeDio(グラッシーレディオ) RX122とは

このページで紹介するGrassy LeDio(グラッシーレディオ) RX122シリーズは、ボルクスジャパン製のアクアリウム用LEDライトです。いわゆるスポット型と呼ばれるタイプのライトで、「E26」という口金の形状をしています。

LEDライトの中ではどちらかと言うと高価な部類で、チャームなどの通販サイトでは、17000円程度で販売されています。

参考Grassy LeDio RX122 / グラッシー・レディオ RX122 – ボルクスジャパン

グラッシーレディオ RX122の特徴

グラッシーレディオのメーカーであるボルクスジャパンは、照明関連に特化したアクアリウムメーカーです。水草水槽の世界のみならず、サンゴの育成をメインとしたマリンアクアリウム向けのライトも数多く展開しています。

水草とサンゴは必要な光の波長こそ異なるものの、いずれも光合成によりエネルギーを得ており、必要な波長の光を必要な分だけ照らさないと、上手く育ってくれない点は共通です。そのため、ライトの性能には定評があるメーカー製の高性能LEDライトと捉えて良い商品です。

また、グラッシーレディオにUSB接続してBluetooth通信を可能にする別売りのユニット「レディオ BT2」を使用すれば、スマホアプリ経由で光の強さをコントロール出来るようになります。

このユニットを使うことで、ライトの照度をタイマー管理できるようになります。一般的なタイマー管理では、指定時刻にライトのオンオフを切り替えますが、このユニットがあれば時間帯を決めて徐々に明るくしたり、徐々に暗くしたり、という管理が可能です。

適合する灯具

Grassy LeDioで採用されている口金のE26は、電球を取り付けるようなクリップ型のライトスタンドに適合する口金です。Grassy LeDioシリーズの場合は、ボルクスジャパンから専用の灯具「レディオクリップ」シリーズが販売されているので、それを使うのが一番です。

E26はLED電球のみで使用される口金ではなく、スパイラル蛍光灯や白熱電球など、電球型のライトで広く採用されている口金です。そのため、口金の形状的には、カミハタのヴォルテスなどの蛍光灯を装着する前提のクリップライトスタンドも適合します。

created by Rinker
カミハタ
¥6,830 (2024/10/06 05:38:53時点 Amazon調べ-詳細)

しかし、グラッシーレディオは蛍光灯や白熱電球に比べて球のサイズが大きく、蛍光灯を装着する前提のクリップライトスタンドのうちライトシェードが付いているタイプのものには、上手く収まらない場合があります。実際、K-kiが手元にあったヴォルテスに取り付けられるかな?と思って試してみたところ、グラッシーレディオ自体が大きくてライトシェードに干渉し、ヴォルテスには取り付けることができませんでした。

やはり専用のスタンドを使うか、少なくともシェードの付いていないクリップライトスタンドを使用するのが無難です。

ラインナップ

Grassy LeDio RX122シリーズには、以下の5種類のライトがラインナップされています。前半の2つは水草水槽用、後半の3つはサンゴ水槽用です。

Grassy LeDio RX122 Fresh/フレッシュ

Grassy LeDio RX122 Freshは、色温度9000K、Ra95の水草水槽用LEDライトで、自然な色合いと十分な光量から、水草水槽での筆頭候補になるライトです。今回K-kiが購入したのもこのフレッシュで、以下でも詳しく紹介しますが、特に太陽光に近いスペクトルが大きな魅力です。

Grassy LeDio RX122 Sunset/サンセット

サンセットは、その名の通り日没をイメージした赤みの強いカラーのライトです。スペクトルとしては、光合成への寄与が少ない緑色の光を抑えてその分光合成に必要な赤や青の光を増してあり、植物の光合成を促進することを重視していると思われます。

Grassy LeDio RX122 Deep/ディープ

ディープは、サンゴ用の3種類のライトの中で、最も青みが強いライトです。ディープの名の通り水深の深い場所に差す光をイメージしたライトであり、またサンゴの蛍光色を引き出すという目的にも適しています。

Grassy LeDio RX122 Coral/コーラル

コーラルは、浅場以外に生息するサンゴの飼育で幅広く使用できるライトです。色味はディープと次に紹介するリーフの中間的な色合いです。

Grassy LeDio RX122 Reef/リーフ

リーフは、朝場に生息するサンゴの飼育に向いたライトです。ディープやコーラルに比べると青みが抑えられ、緑~赤系の光がやや強くなっています。

廉価版のRX122cシリーズもある

これら5種類のRX122シリーズのライト以外に、廉価版である「RX122c」というライトがボルクスジャパンから販売されています。RX122cは「ディープ」「コーラル」「マリン」の3色展開で、全てサンゴ向けのライトになっています。RX122と同様に、レディオ BT2を使用しての調光も可能です。

ざっくりと言えば、RX122シリーズから紫外線領域の光を取り除いたのがRX122cシリーズです。マリンアクアリストの方は、飼育するサンゴの種類を考慮してRX122とRX122cの適したほうを選んでください。

用途・使い所

ここまでに紹介した内容からも分かる通り、グラッシーレディオRX122の主な用途・使い所は「水草水槽」と「サンゴ水槽」です。水草もサンゴも、光合成を行うためには光量だけでなく特定の波長帯の光が必要で、アクアリウムでLEDライトが普及するまでに時間がかかった理由は、この特定の波長を確保したLEDを作るのが難しかったからです。

グラッシーレディオRX122は、用途に応じて必要な波長がしっかりと確保されたスペクトルのライトであり、この問題点を十分に克服しています。価格は高く高級なライトではありますが、その分性能が高く光合成に必要な波長をしっかりと確保しているため、水草やサンゴの育成に向いたライトだと言えます。

飼育データ管理・共有サービス「RIUM」を今すぐ使ってみよう!

太陽光に近い波長を持つフルスペクトルLED

今回K-kiが購入したグラッシーレディオ RX122 フレッシュは、メーカーサイトによると以下のようなスペクトル分布を持つとされています。

これに対して、太陽光のスペクトル分布は一般的に以下のような形として知られています。

他のライトのスペクトル分布も調べてみるとわかるのですが、グラッシーレディオ RX122 フレッシュのスペクトル分布は、アクアリウム用に販売されている他のLEDライトに比べると、可視光領域(波長400nm~800nm程度の領域)において太陽光のスペクトルを非常によく模擬しています。スペクトルが模擬できているということは、太陽光と同じようなの波長の光で構成されているということです。

生き物はそもそも太陽光を浴びて生きており、太陽光に含まれる様々な波長の光を必要としています。植物の光合成を始め、生き物の生理機能の中には特定の波長の光に依存するものも多いです。従ってグラッシーレディオ RX122 フレッシュを使うことには、自然界で太陽光を浴びるのに似た効果が得られ、生理機能を上手く働かせることができる、という大きな長所があるのです。

爬虫類飼育に水草水槽用LEDライトを使用するメリット

ここまでは水草やサンゴの育成の観点から、グラッシーレディオRX122の特徴を紹介してきました。要はライトのスペクトル分布が素晴らしく、太陽光に近い光のため、水草やサンゴを育てやすい、ということだったんですが、この優れたスペクトル分布は爬虫類の飼育にも活かせるんです。

爬虫類はもちろん光合成はしませんが、カルシウムを吸収するために必要なビタミンD3の合成をするためには、日光に含まれる紫外線が欠かせません。そのため、爬虫類を飼育するときは紫外線ライトを使用するんですが、紫外線ライトは人間の目には見えない紫外線を重視したスペクトルになっているため、人間の目に見える「可視光」のスペクトルが不十分になりやすいです。

可視光はビタミンD3の合成には影響しないものの、爬虫類の生理機能を整えるためには非常に重要で、紫外線と併せて照射するべき光です。そのため、特に可視光のスペクトルに優れる水草育成用のLEDライトと、紫外線の供給に優れる紫外線ライトを組み合わせて使用することで、爬虫類にとって理想的な、紫外線領域まで含めてのフルスペクトルの実現が狙えるのです。

爬虫類と光/温度-バスキング・紫外線ライトと亀/トカゲの生理機能

亀・トカゲ・ヘビ・ヤモリ等の爬虫類の飼育では、紫外線照射のような光の管理と、赤外線ヒーター等による温度管理が重要ですが、理屈が難しく理解していない飼育者が多いです。爬虫類飼育で重要な光・温度管理の方法を詳細に解説します。

爬虫類のカルシウム代謝については、こちらのページで詳しく説明しているので、ぜひ併せて読んでみてください。

グラッシーレディオ RX122 フレッシュの開封と設置

さて、グラッシーレディオRX122について、ここまでで一通りどんなライトなのかを説明してきました。次は、実際にK-kiの水槽にこのLEDライトを取り付けていこうと思います。

今回グラッシーレディオ RX122 フレッシュを取り付けるのは、以下のページで紹介しているニホンイシガメの飼育水槽です。亀の水槽ではあるものの、水槽システムとしては本格的なオーバーフロー水槽になっています。水草こそ多くはないですが、陸上でサムライモス、ウィローモス、ロタラ・ロトンディフォリア、ノチドメ等を育てているアクアテラリウム水槽です。

亀も飼えるアクアテラリウムの作り方
亀も棲むアクアテラリウムの作り方!流木と配水チューブで水槽に渓流を

アクアテラリウムを作るために必要な飼育用品の選び方、レイアウトにおける構図の考え方・作り方を解説します。自作オーバーフロー水槽を使用したアクアテラリウムで、亀の飼育も可能です。飼育生体や水槽・ライト等も全て紹介します。

水槽に穴をあけてオーバーフロー水槽に改造するところからスタートし、バスキングスポット兼コーナーカバーになる擬岩を自作したり、水中ポンプで流木に水を流してアクアテラリウムにしたりと、カメ水槽ながらレイアウトに気合を入れた力作です。どんな飼育環境なのか、ぜひリンク先ページで確認してみてください。

また、この水槽の様子や飼育環境を用意する作業はYouTubeにも投稿しています。動画のほうが気楽に見れるという人は、そっちを見てもらっても嬉しいです。

YouTubeチャンネル

グラッシーレディオRX122の開封

まずは購入したライトを開封してみます。内容物は、以下の写真のとおりでした。

Grassy Ledio RX122 Fresh(グラッシーレディオ RX122 フレッシュ)の内容物

あくまでLEDの交換球なので、ライト本体と保証書のみの非常にシンプルな内容です。

Grassy Ledio RX122 Freshのプリズムレンズ

ライトの光が発される部分はこんな感じです。メーカーサイトによると、LEDの前についているボコボコしたものは「プリズムレンズ」だそうで、ライトの照射角を調節しているようです。プリズムレンズなしだと光の直進性が強すぎるため、光を拡散する役割があるみたいですね。

灯具にはライトドーム18cmを採用

ライトドーム18cmとGrassy Ledio RX122 Fresh

ちなみに、今回はライトだけでなく、ライトを装着するための灯具も購入しました。灯具として選んだのは、エキゾテラのライトドーム18cmです。

GEX エキゾテラ ライトドーム 18cm 150W
ジェックス

LEDライトは光の直進性が強いので、シェードが付いている必要はないんですが、この水槽で一緒に使用している紫外線ライト「パワーサンUV 100W」をライトドームに取り付けて使っているので、見た目の統一感を出すためだけにこの灯具を選んでいます。ライトドームはそもそも爬虫類飼育用の灯具で、蛍光灯よりも大きい白熱電球や水銀灯うの仕様が前提にあるため、ヴォルテスよりもシェードが大きく干渉することなく取り付けられました。

エキゾテラ ライトドーム徹底レビュー
エキゾテラ ライトドームをレビュー!長所・短所や類似製品との比較

カメやトカゲなど爬虫類の飼育にはライトやヒーターを使いますが、ライト等の使用には灯具が必要です。爬虫類飼育用の灯具からエキゾテラのライトドームシリーズを取り上げ、長所・短所や実際の使用感、類似製品との比較等をまとめます。

ライトドームの仕様や長所・短所、他の灯具との比較は、こちらのページにまとめてあります。興味のある人は読んでみてください。

ライトスタンドに吊り下げ

ライトドームに取り付けたグラッシーレディオRX122フレッシュを、水槽に設置したライトスタンドに取り付けました。右側が以前から使っているパワーサンUV、左側が今回取り付けたグラッシーレディオです。光の色味が結構違うのがわかりますね。

ライトドーム18cmに装着したGrassy Ledio RX122 FreshとパワーサンUV 100Wを水槽に設置

2つのライトを同じ灯具に取り付けたおかげで、スッキリと統一感のある仕上がりになりました。ちなみに、この少し変わったライトスタンドは、以下のページで紹介している中国製のものです。

中国製ライトスタンドとワイヤーで作る水槽用照明システム
中国製ライトスタンド+ワイヤーで作る水槽用照明システム

中国から個人輸入したアクアリウム用のライトスタンドをレビューします。日本製品にはないデザインでおしゃれですが、多少使いにくいため改造します。ガラスを傷つけないDIY、ライトを吊り下げる高さの調節を可能にするDIYを紹介します。

日本製品にはあまりないデザインで、結構気に入っています。

グラッシーレディオ RX122 フレッシュの良いところ

K-kiがグラッシーレディオを導入したのが2020年7月末なので、この記事の投稿時点で3ヶ月程度使用したことになります。これまでの使用経験を踏まえて、グラッシーレディオRX122 フレッシュの良いところと悪いところを紹介していきます。まずは良いところから見ていきましょう。

十分な光量を確保できる

このライトの良いところの一つは、その光量です。とにかく光が弱くては水草は育たないので、光量は非常に重要です。

K-kiがこのライトを初めて点灯して最初の感想は「眩しい!」でした。アクアテラリウムの陸地部分に跳ね返った光を眩しく感じたんです。それまで電球型蛍光灯を装着して使っていたヴォルテスではありえないことでした。それくらい桁違いの明るさだったんです。

もちろん、このライトは蛍光灯との比較ではなく、LEDライト同士の比較でもかなり明るい部類にあたります。しかし、最近のアクアリウム用LEDライトは、ルーメンを単位とする全光束(光源が発する光の強さ)で明るさを比較することが多いのですが、このライトはルクスを単位とする照度(物体が照らされたときの明るさ)しかスペックが公開されていないため、他のライトと単純には数値的な比較がしづらいです。

ただ、ライトの消費電力(=使用するエネルギー量)から、ざっくりとした比較は可能です。要は消費電力が大きい=ライトが使うエネルギーが大きく明るいという「傾向」があります。ライトの種類によってエネルギーを光に変換する効率が違うのでこれだけでは正しい比較にはなりませんが、目安にはなるということです。

消費電力のワット数で30cm~60cm水槽用のメジャーなLEDライトと比較してみたのが以下の表です。

消費電力によるグラッシーレディオ RX122 フレッシュの明るさ比較
製品名 消費電力 全光束
ジェックス クリアLED パワーIII 300 9W 500lm
ジェックス クリアLED パワーIII 600 17.5W 1000lm
ジェックス クリアLED パワーX 600 22W 1400lm
グラッシーレディオ RX122 フレッシュ 23W 不明

ジェックスのパワーXは、「明るさ最強クラス」を謳うかなり明るいライトですが、それよりも消費電力が大きく、更に明るいことが想定されます。また、グラッシーレディオの照射範囲的には60cm水槽用というより30cm水槽用なので、30cm水槽用でありながら60cm水槽向けの最強クラスよりも明るい、ということです。兎にも角にも明るいライトである、ということが分かりますね。

参考水槽用フルスペクトルLED!「グラッシーレディオRX122 FS」レビュー! | アクアハーミット

他社製のライトとの比較はこちらのサイトがわかりやすいです。興味があれば参考にしてみてください。

太陽光とよく似たスペクトル分布

上でも紹介したように、このライトはいわゆるフルスペクトルと呼ばれる、太陽光に近いスペクトル分布をもっています。そのため、水草が光合成するために必要な波長の光を十分に含んでいるのはもちろん、水槽で飼育している熱帯魚やエビなどの生体にとっても、自然な光を照射することになり生体の生活リズムの調節に役立ちます。

生活リズムと言うと大したことない話に聞こえるかも知れませんが、生き物を飼うためには非常に重要です。水槽の中の環境が全ての飼育生体にとって、ライトの光にスペクトル的な偏りがあるということは、常に変な色の光だけに照らされているようなものです。そんな環境では食欲減退、不眠など、人間でも不調をきたします。短期的には影響が見えにくいので軽視されがちですが、長期飼育を考えると生体にとっても光のスペクトル分布は重要なのです。

水槽のサイズを選ばず使用できる

また、このライトは電球型のLEDライトであり、クリップライトスタンドに装着して使用するタイプのライトです。そのため、水槽サイズに灯具の大きさが合わなくて設置できないということがなく、どんなサイズの水槽に対しても使用することができます。

30cmキューブ水槽くらいまでなら、このライト1個で十分に全体を照らせますし、それ以上の大きさの水槽なら、複数個を使用して全体を照らすも良し、メインのライトとは別に水槽の端部分等に設置して補助的に照らすも良しと、好みに応じて様々な使い方ができるところも魅力です。

グラッシーレディオ RX122 フレッシュの悪いところ

K-kiの感覚としては、このライトは総合的にはかなり優秀なライトだと思っています。しかし、悪いところがないわけではありません。グラッシーレディオRX122シリーズの購入を検討している人に知っておいてほしい、このライトの悪いところも紹介しておきましょう。

照射範囲に対して価格が高い

まず1つ目は、照らせる範囲に対して価格が高めなところです。LEDライトは光の直進性が強く拡散しにくいため、光を照射できる範囲が狭くなりやすい傾向にあります。グラッシーレディオRX122シリーズのライトはスポット型LEDライトなのも合ってその傾向が特に強く、1つで照らせるのは、上にも書いたとおり30cmキューブ水槽くらいまでです。

さらに、このライトは別売りの灯具がないと使用できないところまで考えると、30cmキューブ水槽を照らすために約2万円の資金が必要なことになります。これは、例えばジェックスのクリアLED パワーIII 300が実売3000円程度なことを考えると、かなり高価と言えるでしょう。

性能は折り紙付きなのでその分価格が高いのは当たり前なんですが、やはり購入に際してのネックになる部分ではあります。

光量が大きく写真が白飛びしやすい

これは半分イチャモンみたいなもんですが、とにかく光が強いので、水槽の写真を撮ったときにかなり白飛びします。もちろん設定を変えれば対処できるんですが、K-kiのようにアクアテラリウム水槽で使用している場合、陸地部分の反射が特に強いので、その部分が白飛びしないようなカメラの設定すると全体的に暗くなってしまうなど、少し扱いが難しい部分があります。

プリズムで分光したような色付きの光が見えやすい

グラッシーレディオ RX122シリーズのLEDは、複数の色のLEDを組み合わせて目的の色味を表現しています。フレッシュなら、バイオレット、ブルー、シアンなど7色のLEDを組み合わせて白っぽい光を表現しているのです。

ところで、プリズムによる分光の実験を知っているでしょうか。光は色(波長)によって屈折率が違うので、三角形のガラス(プリズム)を通すと、虹のように色が別れた光が現れる、という実験です。複数色の直進性が強いLED光の集合体であるこのライトでは、この分光現象が現れやすく、水面で屈折した光が水底では分光して現れる、という現象が起こりやすいです。

Grassy Ledio RX122 Freshの分光の様子

この亀の甲羅の部分とか、よく見ると虹色に分光した光が現れているのがわかると思います。これは良し悪しと言うよりは好き嫌いの世界ですが、こういった色別れした光が見えるのが嫌な人には、あまりおすすめできないライトです。

グラッシーレディオ RX122 フレッシュのレビューまとめ

今回は、ニホンイシガメの飼育水槽に新しく導入した、ボルクスジャパン製のLEDライト「グラッシーレディオ RX122 フレッシュ」を徹底レビューしました。水草の育成にとても適したライトであることはもちろん、そのスペクトル分布の優秀さから、水銀灯などの紫外線ライトと組み合わせて、爬虫類の飼育にもぜひ使ってみてほしいライトです。

決して安いライトではないですが、価格分の効果はあると思います。LEDなので長寿命というメリットもあるので、興味のある方はぜひ使ってみてください。

K-ki

というわけで、イシガメ水槽のライトを、ヴォルテスに装着したスパイラル蛍光灯からGrassy Ledio RX122 Freshに変更しました。植えている植物だけみるとかなり贅沢な光環境になっていますが、爬虫類を飼うことを考えると決してやりすぎな環境ではないと思います。水草用LEDと水銀灯の組み合わせは、可視光をLEDで、紫外線と熱を水銀灯でカバーできるので、メタハラにも近い、爬虫類飼育にはかなり良い環境を作れます。ぜひ、試してみてくださいね!

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

-,
-ライト・照明器具

© 2024 AquaTurtlium