こんにちは!生き物大好きなK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。
アクアリウム好きな人は使用する飼育用品のメーカーにもこだわりがあると思います。特にデザインを重視する場合、ADA製品を愛用している人も多いのではないでしょうか。そんな中で、部屋の景観に与える影響が大きい割にデザインの観点からは製品の選択肢が少ない飼育用品があります。そう、水槽台です。
ADAのウッドキャビネットは、デザイン性に優れていて実用性もある水槽台だとは思いますが、他のアクアメーカー製の水槽台は安価で使い勝手が良いものはあるものの、デザインに優れるような水槽台はあまりありません。水槽台はアクアリウム用品であると同時に家具でもあるので、もう少し部屋の雰囲気に合わせられる選択肢がほしいというのが実情です。
今回紹介する「Cube a Stump」という水槽台は、そんなニッチなジャンルをピンポイントで狙った「オーダーメイド水槽台」です。自分好みのおしゃれな水槽台を追求できるという点では、かなり有力な選択肢であることは間違いありません。この水槽台を1年以上使用したK-kiの使用感を交え、詳細レビューしていきます。
Cube a Stumpとは
Cube a Stumpは、福岡県久留米市の「丸野木工」という会社が運営する「Morino Okurimono(森の贈り物)」という工房が製作・販売しているオーダーメイドの水槽台(アクアキャビネット)です。オーダーメイド水槽台を取り扱っていることを積極的に周知しているメーカー自体があまり多くないですが、そんなニッチな分野の中でこのCube a Stumpはかなり名前の通った存在です。
参考無垢オーダー家具|無垢テーブル工房ショップ(森の贈り物について)
特徴
Cube a Stumpを販売している「森の贈り物」は、アクアリウム用品メーカーというわけではなく、アクアリウムにも精通した家具屋さんという感じで、水槽台を本格的な家具として仕上げてくれます。そのため、Cube a Stumpには以下のような長所があります。
Cube a Stumpの長所
- 本格的な家具でありデザイン性・耐久性が高い
- 寸法・穴あけ・木材の種類・仕上げ方法など多様なオーダーが可能
一方で、本格的なオーダー家具であるゆえに、以下のポイントは納得した上で購入するべきでしょう。
Cube a Stumpの短所
- 値段が高い
- 納品まで時間がかかる
要は、Cube a Stumpという水槽台は、多少お金がかかってもいいからどっぷりアクアリウムやテラリウムを楽しみたい人向きで、安く気軽にアクアリウムを楽しみたい人には不向きです。水槽台選びで安さを重視する場合は、以下の水槽台なんかが非常におすすめです。
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ラインナップ
Cube a Stumpには、実はかなり多数のモデル(=オーダーパターン)があります。2020年2月時点では、以下の6種類のモデルが存在しています。
Cube a Stump
一番オーソドックスな、化粧板仕上げのモデルが「Cube a Stump」と呼ばれます。いろいろなアクアリストのブログとかを見ていても、このモデルを使っている人が一番多いと思います。デザイン的にはADAのウッドキャビネットとよく似ています。
Cube a Stump+
Cube a Stump+は、化粧板仕上げのCube a Stumpに対して、デッドスペースになりやすい天板直下の部分に引き出しを取り付けたモデルです。
Cube a Stump (wood)
Cube a Stump (wood)は、無垢材を使用し、水槽台の表面に化粧板を貼り付けずに、無垢材のもつ雰囲気を活かして仕上げたモデルです。自然な木目など、ぬくもりのある雰囲気を楽しめます。今回K-kiが購入したのはこちらのモデルです。
Cube a Stump (lattice)
Cube a Stump (wood)の扉を、格子扉に変更したモデルがCube a Stump (lattice)です。格子扉によって水槽台内部の通気性が向上するとともに、デザイン面でのアクセントにもなっています。
Cube a Stump (luxury)
Cube a Stump (wood)に引き出しを取り付け、扉にはガラス板をはめ込んでデザイン性と機能性を向上させたモデルがCube a Stump (luxury)です。
Cube a Stump (up!!)
Cube a Stump (up!!)は、Cube a Stump (wood)に引き出し、ブックシェルフ、跳ね上げ式のメンテナンス台を追加したモデルです。単純な水槽台にとどまらない、多機能型アクアキャビネットとしてデザインされています。
オーダーできるポイント
上記の通りCube a Stumpにはさまざまなモデルが存在していますが、オーダーメイド水槽台であるCube a Stumpは、さらに細かなカスタマイズが可能です。オーダー時に指定できる使用の中でも代表的なものを紹介しておきます。
寸法
まず、寸法は自由に指定可能です。基本的には規格水槽のサイズに合わせた大きさになると思いますが、規格外のサイズにも柔軟に対応してもらえます。特に、水槽台の高さは観賞スタイルによってしっくり来る寸法が異なりますし、既製品の水槽台でもメーカーによって割と差がありますから、自由に選べるのは嬉しいポイントです。
木材の種類及びグレード
化粧板仕上げ以外の、無垢材の質感をそのまま生かしたモデルでは、使用する木材の種類やそのグレードを選ぶことができます。選べる木材は以下の5種類です。
Cube a Stump (wood)等で選べる木材
- ヒノキ
- クリ
- ホワイトオーク
- ウォールナット
- チェリー
木材には、水や劣化に強いクリ、硬くて傷がつきにくいホワイトオーク、木目がきれいなウォールナット、という具合で、種類によって特徴があります。目的や使い方に応じて、好みの木材を選べるのは、さすがオーダーメイド家具なだけありますね。
グレードについても、節のないFASグレード、欠けのない節があるAグレードなど、好みによって好きなグレードを選択することができます。
参考木材種類/木材グレード(等級)について | 森の贈り物 (もりのおくりもの)
仕上げの方法
化粧板仕上げモデルでは、20種類以上の化粧板の中から好みの化粧板を選ぶことができます。
Cube a Stump (wood)等の無垢材をそのまま活かすモデルでは、木の質感を楽しめるオイル仕上げや、強力な塗膜を作り耐水性が向上するウレタン塗装など、目的に応じた仕上げ方法を指定できます。
参考木材塗装/仕上げオイル・ウレタンワックス・ソープフィニッシュ | 森の贈り物 (もりのおくりもの)
穴の場所と大きさ
キャビネットタイプの水槽台を使ったことのある人ならわかると思いますが、水槽台って意外と色んな所に穴があいています。例えば、以下のような穴がありますね。
- ホース用配管穴
- 配線穴
- オーバーフロー穴
- クーラー用排熱穴
Cube a Stumpシリーズの水槽台では、これらの穴の場所や大きさを全て指定することが可能です(別途料金が必要な場合はあります。)。
油圧ダンパー付き蝶番
水槽台の扉部分の蝶番は、Cube a Stumpシリーズの標準仕様では、扉がバタン!と急に閉じるタイプのものになっています。要は、普通の蝶番です。
これに対して、ちょっと高級な油圧ダンパー付き蝶番だと、扉が最後までゆっくり閉まって音や振動を抑えてくれます。別料金(1箇所あたり1000円)にはなりますが、蝶番を油圧ダンパー式に変更するカスタマイズも可能です。料金が安いこともあると思いますが、購入者の約9割が油圧ダンパー付き蝶番に変更している人気のカスタマイズだそうです。
扉のデザイン
ラインナップの項目でも触れたとおり、Cube a Stumpでは扉部分のデザインを変更することが可能です。普通の一枚扉(サイズによっては観音開き扉)、格子扉、ガラス嵌め込み扉など、色々なデザインから好みのものを選べます。
用途・使い所
Cube a Stumpは水槽台なので、用途はもちろん水槽を置くことです。アクアリウム水槽だけでなく、テラリウムやアクアテラリウム、両生類・爬虫類の飼育ケージを置くのも良いでしょう。オーダーの仕方によっては、水槽台だけでなくブックシェルフやシューズボックスとしても使えるように作ってもらうことも可能で、非常に幅広い使い方のできる水槽台と言えると思います。
デザイン性と品質の高さが売りの水槽台なので、リビングなど人目につく場所に水槽を置く場合におすすめします。逆に、飼育部屋・飼育小屋など見栄えよりも収容数を重視するような環境では、コスパが良いとは言えないのであまり使うことはないと思います。
Cube a Stump(wood)のオーダーから設置まで
ここまでで、Cube a Stumpシリーズの水槽台がどんなものなのか、全体的なイメージはつかめたのではないかと思います。そこで次は、K-ki(K-ki@AquaTurtlium)が実際にオーダーした水槽台を紹介していきます。
オーダー内容
今回オーダーしたのは、上でもちらっと触れたとおり、無垢材を活かしたぬくもりのあるデザインが特徴のCube a Stump(wood)です。個人的に無垢材の雰囲気が好きで、家のダイニングテーブルとかも無垢材のものを使っているので、部屋の雰囲気に合わせるためにも化粧板仕上げではなく無垢材を活かしたモデルを選びました。
具体的なオーダーの内容としては、以下のように指定しました。
Cube a Stump(wood)のオーダー内容
- クリ材(Aグレード)
- 幅600mm×奥行き450mm×高さ700mm
- 配管Aタイプ(両側面に配管用穴/背面左下に電源コード用穴)
- オーバーフロー水槽穴×2
- 撥水クリアオイル仕上げ
- 油圧ダンパー付き蝶番×4
今回オーダーした水槽台には、オーバーフロー水槽を設置することは決めていたので、森の贈り物の担当者の方に一番耐水性が高い木材の種類を聞いたところ、クリ材だと教えてもらったためクリ材を選んでいます。オーバーフロー水槽の配管を通すための穴は、パイプが左右どちらに来てもいいように左右両方あけておきました。穴の位置は以下のような手書きメモの写真を送って指定し、穴の形状は森の贈り物さんのブログから、過去に製作された作品の画像を借りてきて「これと同じ感じで」というように指定しました。
オーバーフロー水槽を設置する場合、塗装は耐水性の高い「ウレタン塗装」が向いているんですが、値段が高いし木の風合いが多少なりとも損なわれると思ったので、オイル仕上げにしています。気をつけて使えば問題ないはず…。
そのほか、寸法は60ワイド用の水槽台としては一般的なサイズを指定し、配管用の穴位置もオーソドックスなタイプ、蝶番は値段の割に満足度が高くなると考えたので油圧ダンパー付きタイプに変更しています。
この仕様で、送料まで含めて値段は7万円強でした。
購入から配送までの時間
Cube a Stumpはオーダーメイド水槽台なので、当然ながら一般的な水槽台よりも商品が手元に届くまで時間がかかります。モデルによっても制作の手間が異なると思うので、納期については一概には言えないと思いますが、スタンダードなモデル(Cube a StumpやCube a Stump(wood)など)でも、オーダー内容を決めて料金を支払ってから手元に水槽台が届くまで最低1ヶ月くらいは見込んでおいたほうが良いと思います。
K-kiの場合は、オーダー時に支払いからちょうど一ヶ月程度で納品できないか相談させてもらい、厳しいですができるだけ配慮します、といって作ってもらいました。結果としては、希望日通りに納品してもらうことができありがたかったです。納期については、購入時に相談しておくのが良いと思います。
購入した水槽台の開封と設置
購入した水槽台は、こんな感じでぴったりサイズのダンボールで梱包されて届きました。
ダンボールを開けると、さらにプチプチで覆われた状態の水槽台が入っています。
一度横向きに倒してから、水槽台を傷つけないよう丁寧に緩衝材を取り除きます。
ばーん。待望のCube a Stump(wood)のお目見えです。さすが、噂に違わぬ格好良さです。
もうちょっとアップも見てください。木目がいい雰囲気を出してます。普通の水槽台ではこの質感は出せません。
背面はこんな感じです。左下に配線用の穴があいています。穴径が小さいので、配線を通すのは少し手こずります。作業しやすい場所で電源コードを通してから、水槽台を設置したほうが良いと思います。
天板部分はこんな感じ。オーバーフロー穴もきれいに開けてもらいました。この穴はやや角張った形をしていますが、好みに応じて丸など他の形で穴をあけてもらうことも可能です。
扉を開いた状態がこちら。扉の裏側には反り止めの木材が貼り付けてあります。無垢材仕上げのCube a Stump(wood)は、水槽台の外側も内側も木の質感などに大きな差はありません。化粧板仕上げのモデルだと、水槽台の内側は化粧板を貼っておらず、芯材のランバー集成材がむき出しになった状態が通常です。
水槽を設置して水を張るとこんな感じです。やっぱり、市販の水槽台よりもカッコいいです。この水槽は、以下のページで紹介しているとおり、オーバーフロー水槽で作ったニホンイシガメのアクアテラリウムとして仕上げました。
水槽台も水槽の中身も割と満足の行く仕上がりです!
Cube a Stumpの良いところ
オーダーメイド水槽台のCube a Stumpシリーズについて、ここまで一般的な商品の説明や、K-kiが実際に購入したときの様子を紹介してきました。次に、K-kiがこの水槽台を購入てから約1年半にわたり使用した経験も踏まえての、この商品の良いところ・悪いところを紹介してみます。まずは良いところからです。
カスタマイズが自由自在
Cube a Stumpの良いところは、やはりオーダーメイドなだけあってカスタマイズの幅が本当に広いことです。寸法や穴の位置、木材や化粧板の種類を自由に決めれるので、他の家具と馴染むように調整するのも簡単です。また、特殊な加工、例えば選択肢として用意されていない部品を取り付けてほしい等のオーダーであっても、かなり柔軟に対応してもらえるのも嬉しいポイントです。
Cube s Stumpは、「水槽を置く」という水槽台としての機能面だけでなく、インテリア家具としても良いものになっていると思います。
デザインがかっこいい
アクアリウムメーカーが販売しているキャビネット型の水槽台は、正直に言うと安っぽいものが多いです。まあ、事実安いんだから仕方ないところではあります。価格を抑えるためにMDFという木屑を成型して作った板を使っている水槽台が多く、そういった成型板を使うと当然ながら木の質感は感じられず、どうしても安っぽくなってしまいます。
その点、Cube a Stump(wood)を始めとする無垢材で仕上げたモデルはもちろん、化粧板仕上げのモデルでもグレードの高い化粧板を使っているCube a Stumpシリーズは、安っぽさがなく洗練されたカッコいい雰囲気の水槽台に仕上がっています。
耐水性に優れる
さらに、上に書いたMDFを使用している水槽台は、水槽台でありながら水に弱いという欠点があります。MDFのような成型板は木屑を接着して作っているので、水に濡れると膨らんで形が変わってしまいやすいんです。すると当然水槽台は歪み、強度にも悪影響が出るはずです。
Cube a Stumpシリーズでは成型板は使用していないため、成型板を使用した水槽台より耐水性・強度の面でも優れます。
とにかく満足感がある
水槽台って、アクアリウム用品の中でも購入頻度がかなり低いものの一つだと思います。水槽もそんなに買うことはですが、水槽台はそれよりもさらに頻度が低いです。K-kiの経験上、こういうあんまり買わないものこそ高級品にしておくほうが良いです。
何故かというと、水草水槽とかでレイアウトを凝って、いいのができたーって思ったときに、水槽とか水槽台がダサいと凄くイライラするんですよ。仮にレイアウトのバランスが悪かったとしても、水槽とか水槽台のデザインが悪いから見栄えが悪いんだと思ってしまうこともあります。
結局、アクアリウムとかアクアテラリウムって、水槽だけじゃなく水槽の周り全部込みのインテリアなんで、何か一つでも満足できない場所があると、全体に満足できなくなっちゃうんです。だからこそ、買い替えの頻度が低いものほど、良いものを買っておき満足できないポイントになるのを回避したほうが良いです。
そういう意味でも、買い替え頻度の低い水槽台には多少お金を使って良いものを揃えておくのは良い選択だと思います。
Cube a Stumpの悪いところ
もちろん、Cube a Stumpも良いところだけではありません。悪いところも紹介しておきましょう。
値段が高い
オーダーメイドの家具としてはべらぼうに高いというわけではないですが、それでも一般的な水槽台と比べるとCube a Stumpは高価です。特別なカスタマイズはせず、予め用意されたモデルでも高価なのに、さらにオーバーフロー穴やクーラーの排熱穴をあけたり、ウレタン塗装をしたり、油圧ダンパー月蝶番にかえたりとカスタマイズを追加すると、あっという間に金額が跳ね上がります。
納品まで時間がかかる
また、納品まで時間がかかるのもオーダーメイドゆえの弱点です。K-kiみたいに「次の週末に水槽を立ち上げたい!!」みたいなタイプの人間にはちょっとつらいかもしれません。Cube a Stumpを導入したいなら、水槽の設置・立ち上げは計画的に行う必要があります。
Cube a stump(wood)のレビューまとめ
今回は、オーダーメイド水槽台の「Cube a Stump」シリーズについて紹介しました。高価な水槽台ですが、その分満足度は非常に高いです。特に水草水槽を始めとする「魅せる」水槽との相性はバツグンなので、水槽とその周辺の機器まで含めて、美しいインテリアとして仕上げたい人は、ぜひCube a Stumpの水槽台を使ってみましょう。
1年以上使ってみての感想は「もう1個欲しい」です。60cm以上の水槽を立ち上げるときは、水槽台にはまたCube a Stumpを選んじゃいそうな気がします。とりあえず、K-kiは気に入っています!