こんにちは!ニホンイシガメを飼い始めて10年近いK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。
カメやトカゲなど爬虫類を飼うときにはいろいろな飼育用品を使用しますが、中でも特に紫外線ライトの選定は悩ましい問題だと思います。紫外線ライトが飼育下の爬虫類にどんな影響を与えるのか理解するのが難しかったり、製品ごとの性能差が分かりづらかったり、というのが理由だと思います。
これら2つの問題のうち、前者についてはこのブログで過去に何度か解説してきています。爬虫類を飼うためになぜ紫外線が必要なのか、どの程度の紫外線量が必要で紫外線ライトをどう評価すればよいのか、等については、以下の関連ページで解説しているので、ぜひ読んでみてください。
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爬虫類用紫外線ライト設置時に知るべきUVIとファーガソンゾーン
爬虫類、特にカメやトカゲなどのよくバスキングする種類を飼育している人は、UVIとファーガソンゾーンについて知っておくべきです。UVIを利用すればカルシウム吸収に必要なビタミンD3の生合成に必要なUVBが十分な強度か検証できます。
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爬虫類と光/温度-バスキング・紫外線ライトと亀/トカゲの生理機能
亀・トカゲ・ヘビ・ヤモリ等の爬虫類の飼育では、紫外線照射のような光の管理と、赤外線ヒーター等による温度管理が重要ですが、理屈が難しく理解していない飼育者が多いです。爬虫類飼育で重要な光・温度管理の方法を詳細に解説します。
このページでは、最初に紹介した悩みのうちの後者、つまり個別の製品の性能について紹介していきます。対象とする製品はZOOMEDの「パワーサンUV」です。爬虫類飼育者の紫外線ライト選びの参考になれば幸いです。
パワーサンUVとは
パワーサンUVは、アメリカの爬虫類飼育用品メーカーであるZoo Medが販売する爬虫類飼育用のセルフバラスト水銀灯です。日本国内では、ZOO MED JAPANが日本国内で使用される100Vの電圧に対応した日本向けのモデルを販売しています。
Zoo Med以外のメーカーからも爬虫類用の紫外線ライトとして水銀灯が販売されていますが、それらは100Wモデルならだいたい5000~7000円程度の価格です。一方で、パワーサンUVは100Wモデルが8000~10000円くらいの価格帯で販売されているため、同様の製品の中では比較的高価な商品です。
パワーサンUVの特徴
パワーサンUVは爬虫類用の紫外線ライトとして優れた性能を持っています。特に、以下の点が長所と言えるでしょう。
パワーサンUVの長所
- 爬虫類に有害な波長帯の紫外線であるUVCを放出しない。
- 紫外線量(UVI)が他の水銀灯と比較して多い。
- 紫外線の照射範囲が十分に広い。
一方で、以下の点はやや弱いポイントです。
パワーサンUVの短所
- UVBに対してUVAの照射量が相対的に少ない。
長所、短所として挙げたそれぞれのポイントについては、後で詳しく紹介します。
ラインナップ
Zoo MedのパワーサンUVは、日本国内では消費電力の違う3種類のモデル(80W、100W、160W)が販売されています。基本的には、水槽が大きいほど消費電力の大きいモデルを使えばよいです。
具体的に水槽が何センチなら何ワットのモデルを使う、ということが言えればいいのですが、ケージの材質、通気性、形状や飼育整体の種類によっても変わってくるため一概には言えないのが実際のところです。参考として、K-kiは上面オープンの60×45×45cmのガラス水槽で、100Wのモデルを使用していますが、ライトスタンドを使ってケージの外からライトをあてて丁度なので、このサイズの水槽内に100Wモデルを設置すると強すぎる可能性が高いです。
ネットの掲示板等見ても、だいたい100Wモデルを90×45×45cmの水槽で使用している人が多い印象なので、まずはそれを基準に考えてみると良いでしょう。
適合する灯具
パワーサンUVは口金として、電球を取り付けるようなクリップ型のライトスタンド等で採用されるE26という規格を採用しています。そのため、まずはE26の口金を使用している灯具を選ぶ必要があります。
次に、灯具が対応する消費電力についても確認が必要です。灯具によって100Wまでとか、150Wまでというように消費電力の上限が定められているので、使用するモデルの消費電力と合った灯具を選びましょう。口金だけ見ればアクアリウム用の灯具とかも利用できそうですが、アクアリウム用の灯具は蛍光灯やLEDを取り付ける前提なので、30Wくらいまでの消費電力にしか対応していません。水銀灯は消費電力が大きく、パワーサンUVの場合は最低でも80Wなので、爬虫類用に販売されている灯具を選ぶのが無難です。
特に160Wモデルを使用する場合は、爬虫類飼育用の灯具でも150Wまでの消費電力にしか対応していないモデルが多いので、以下のクランプランプソケットなど160W以上の消費電力に対応した灯具を使う必要があります。
後はライトシェードがある灯具、ない灯具がありますが、紫外線ライトの使用目的上(過度にならない範囲で)ある程度バスキングスポットに光が集まったほうが都合が良いことと、単純にシェードなしだと光が人間の目に入ると眩しいことから、個人的にはライトシェードありの灯具が好きです。
K-kiの場合は、100Wモデルを使用していて、水槽の外にライトを設置するためライトシェードが合ったほうが便利、あとはデザインを考慮してエキゾテラのライトドーム18cmを使用しています。
ライトドームについては以下のページで詳細レビューをしているので、よければ読んでみてくださいね。
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エキゾテラ ライトドームをレビュー!長所・短所や類似製品との比較
カメやトカゲなど爬虫類の飼育にはライトやヒーターを使いますが、ライト等の使用には灯具が必要です。爬虫類飼育用の灯具からエキゾテラのライトドームシリーズを取り上げ、長所・短所や実際の使用感、類似製品との比較等をまとめます。
用途・使い所
パワーサンUVの使い所は、もちろん爬虫類の飼育です。もう少し詳しく言えば、バスキングを必要とする爬虫類への紫外線と熱の供給がメインの役割です。
一方で、紫外線ライトの中でも紫外線量や熱量は多い部類なので、あまりバスキングをしない種類には光が強すぎる可能性があります。基本的に、野生下で明確なバスキングを行う種類に対して使用するのが良いと思います。
競合製品との比較
パワーサンUVがどんな商品かは、ざっくりとですが紹介しました。では、この紫外線ライトを競合するライトと比較した場合、どんな評価になるでしょうか。この項目では、日本で流通している爬虫類飼育用のセルフバラスト水銀灯として、以下の4種類のライトを比較して評価します。
- Zoo Med パワーサンUV
- ビバリア ハイパーサン
- ゼンスイ ソーラーラプター UVマーキュリーランプ
- エキゾテラ ソーラーグロー
なお、この比較に際して「UV Guide UK」で公開されているデータを広く参考にさせてもらっています。
参考UV Guide UK – Ultraviolet Light for Reptiles – UVB reptile lighting on test
こちらのサイトは、爬虫類用紫外線ライトについて論文等も多数執筆されているイギリスのFrances Baines氏らによって運営されているサイトで、非常に参考になります。英語サイトですが、ぜひ一読してみることをおすすめします。
エキゾテラ ソーラーグローUV
まずは、日本ではアクアリウムメーカーのGEXが代理店となっているエキゾテラ製の水銀灯・ソーラーグローから見ていきましょう。この評価は、以下のページを参考にしています。
参考RAWG UV Tool – Mercury Vapour Lamps – ExoTerra Solar Glo 125W
なお、Amazon等を見ると同じソーラーグローという名前で他のメーカーからも水銀灯が販売されているみたいですが、エキゾテラ(ジェックス)以外のものは当然別物ですし性能も不明なので使わないほうが良いです。
有害な波長帯の紫外線であるUVCを放出しない
まずこのライトの長所の一つに、紫外線の中でも有害な波長帯であるUVCと、それに準じて危険性のある短波長(290nm以下)のUVBをほぼ出さないという点があります。この点で、ある程度安心して使えるライトであるのは間違いありません。
UVIはやや低め
次に紫外線量ですが、極端に少なくはないものの、他の水銀灯と比べるとやや少なめの照射量になっています。約100時間使用した時点で、ランプから30cmの距離でUVI2.0がでる範囲が以下の画像の通り直径5cm程とのことです。
UVIとは
UVIは紫外線の強度を表す指標の一つで、バスキングの目的の一つであるビタミンD3の生成に影響を与える紫外線量を評価することが可能な指標です。詳しくは、以下のページを読んでください。
ただ、UVIが低いから悪いランプというわけではありません。爬虫類に浴びせる紫外線量には種ごとに適切な範囲があり、それはファーガソンゾーンによって分類されています。このライトなら、ファーガソンゾーン2に分類される爬虫類にとって適切な紫外線環境を作ることができるはずです。逆に、ファーガソンゾーン3以上に分類される生体には、能力不足となる可能性があります。
紫外線の照射範囲が狭い
このライトを使用した場合、ライトの直下では十分な紫外線を得られますが、上の図を見ればわかるようにライトの真下から離れると紫外線量は急速に減少します。したがって、バスキング時に飼育生体がいる場所によっては十分なUVBを浴びることができず、ビタミンD3が不足してしまう可能性があります。
ライトの照射範囲については、このライトはあまり優れているとは言えません。
ゼンスイ ソーラーラプター UVマーキュリーランプ
次に、ゼンスイから販売されているソーラーラプター UVマーキュリーランプを紹介します。ソーラーラプター HIDランプという似た商品がありますが、そっちはメタハラなので別商品です。ここで紹介するのは、水銀灯のUVマーキュリーランプの方です。
UV Guide UKのサイトではこのライトについてのページを見つけられなかったのですが、上記PDFを発見したのでそちらの情報をもとに解説します。
補足説明
余談ですが、このライトはドイツのECONLUXという会社が生産しています。かつてアメリカやイギリスでは、MegaRayというブランドでこのライトが販売されていたこともあったんですが、アメリカ向けの100Wモデルでフィラメントの欠陥があり短期間で点灯しなくなってしまう不具合が発生し、結局販売終了したようです。
参考New Solar Raptor/MegaRay | Tortoise Forum
おそらく、このあたりのゴタゴタもあって、UV Guide UKからはページが無くなっているのだと思います。
有害な波長帯の紫外線であるUVCを放出しない
エキゾテラのソーラーグローUVと同様、このソーラーラプター UVマーキュリーランプも、UVCと短波長(295nm以下)のUVBはほぼ出しません。短波長の紫外線は表皮細胞の遺伝子を傷つけますが、その観点からは安全なライトと言えます。
UVIはやや低め
一方紫外線量については以下の画像の通りで、100WモデルでソーラーグローUVの125Wモデルと同様か、それよりもやや弱い程度です。
消費電力が少ない割によく出ているとも言えますが、ランプから30cmの距離でUVI2.0がでる範囲が直径約5cmなので、やはりファーガソンゾーン3以上の生体にとってはやや能力不足です。
一方で、日本では販売されていない160Wモデルは、紫外線が強すぎるというデータもあり、モデルごとの性能差が大きいようです。
紫外線の照射範囲が狭い
このライトは照射範囲についてもソーラーグローと似ていて、照射範囲ははっきり言って狭いです。ソーラーグローと同等か、それよりも少し狭い、という感じでしょうか。この点は弱点と言えるでしょう。
特に問題なのが、ライトの直下ではかなり強めのUVIが出ているという点です。紫外線強度や照射範囲をカバーしようとして近づけて使用すると、ライト直下では危険なほどの強い紫外線量となってしまう可能性があるため、距離を調整しての使用も難しいでしょう。
ビバリア ハイパーサンUV
次に爬虫類用の水銀灯としてパワーサンUVとともによく話題になるビバリアのハイパーサンUVについて見ていきます。日本では割と広く使われているランプですが、日本以外では流通していないようです。そのため、UV Guide UKにもデータがありません。
そのため、以下の画像の説明書きから性能を推測して考えていきます。
有害な波長帯の紫外線であるUVCを放出する
上記のスペクトルを見てまず気にしなければならないのが、波長200nm付近の光が結構な強さで出ていることです。波長200~280nmはUVCに分類される光であり、生体には有害なので、これは大きな問題です。
UVCは空気中で減衰しやすいとは言え、数十cm程度の距離でどれだけ減衰するかは疑問です。そのため、ハイパーサンを使うなら、UVC計測器を使って実際に爬虫類に照射する距離ではUVCが出ていないことを確認してからじゃないと、正直使う気にはなれません。そして、そんなことをするくらいならハイパーサンを使おうとは思わない、というのがK-kiの正直な感覚です。
紫外線量は強いと推測
ハイパーサンの長所としてUVB量が多いというのがよく言われますが、その点についてはどうでしょうか。
説明書きのスペクトルを見る限りだと、300~305nm近辺で12~13µW/cm2/nm、310~315nm近辺で50µW/cm2/nm以上の紫外線強度になっています。同波長帯でのパワーサンUV 100Wの紫外線強度が、それぞれ3µW/cm2/nmと12~13µW/cm2/nmであることを考えると、強いというか強すぎない?という感じに思えます。
ただ、パワーサンのスペクトルは距離30cmで計測していると明記されている一方で、ハイパーサンのスペクトルは計測距離が不明なので、30cmより近い距離で計測しているせいで紫外線強度が高く出ている可能性もあります。
結局、ハイパーサンはデータがあまりないせいで性能を客観的に評価しにくいです。同じ理由で、紫外線の照射範囲については情報がなく評価できませんでした。こういったデータ不足な点も、積極的にハイパーサンを使おうと思わない理由になっています。
Zoo Med パワーサンUV
最後に紹介するのが、このページのメインであるパワーサンUVです。性能の評価は、以下のページを参考に行います。
参考RAWG UV Tool – Mercury Vapour Lamps – ZooMed Powersun 100W
有害な波長帯の紫外線であるUVCを放出しない
上記リンク先のスペクトルを見れば分かる通り、パワーサンUVもソーラーグローやソーラーラプターと同じように、UVCや短波長のUVB(波長290nm以下)は放射しません。表皮細胞の遺伝子を傷つける危険は少ないので、安心して利用できるライトと言えるでしょう。
UVIは高め
次にUVIですが、パワーサンUVの場合は、100Wモデルを使用して距離30cmの位置で、ライトの直下を中心に直径約40cmのUVI2.0の領域が生まれ、その中央ではUVIは3.0に達します。
ソーラーグローやソーラーラプターでは直径5cmのUVI2.0の領域しか得られないのに比べると、紫外線強度は強いと言って良いでしょう。このレベルの紫外線強度なら、ギリギリでファーガソンゾーン3の爬虫類に対しても使用できます。また、パワーサンUVにはさらに消費電力の大きい160Wモデルもあり、こちらは距離30cmでUVI2.0の領域は直径70cm、ライトの直下はUVI4.7に達するため、ファーガソンゾーン3の生体でも十分にカバーできます。
紫外線の照射範囲が広い
上記からもわかるように、パワーサンUVは単純に紫外線強度が高いだけでなく、その照射範囲も広いです。ライトの直下だけがピンポイントで高いUVIになることもないため、広い範囲に十分な紫外線を行き渡らせることができるライトだと言えるでしょう。
紫外線の照射範囲が広ければ、バスキングの位置がライトの真下から多少離れても、十分にUVBを浴びることができます。そのため、ライトの照射範囲という点でも、パワーサンは優れた紫外線ライトだと評価できます。
以上の評価を総合して、K-kiは爬虫類用の水銀灯として、少なくともカタログスペックの面ではパワーサンUVは他の製品よりも一歩抜きん出たライトだと評価しています。
ズーメッド パワーサンUVの悪いところ
ここまでは競合製品と比較しつつパワーサンの良いところを見てきました。しかし、パワーサンにも当然悪いところはあります。ここでは、パワーサンの弱点も確認しておきます。
UVBに対してUVAの照射量が相対的に少ない
これはパワーサンUVに限った話ではなく、爬虫類飼育で使われる水銀灯全般に共通する弱点です。水銀灯のスペクトルは、太陽光のような連続的なスペクトルではなく、ピンポイントで強度が高い「スパイク」と呼ばれる波長がある、不連続なスペクトルになることが多いです。その結果として、太陽光ではUVBよりも圧倒的に多く含まれるUVA帯域の光が、水銀灯では相対的に少なくなる傾向があります。
UVAは過剰なビタミンD3合成の予防に重要な役割を果たすことが知られていますが、水銀灯ではこの目的に足るUVAが放射されているかは不明ということになります。この弱点を回避するためには、水銀灯よりも連続的なスペクトルが得られるメタルハライドランプを使用するのがベストです。
品質にばらつきがある
K-kiの経験やSNS等の報告を見る限り、パワーサンUVには少なからず当たり外れが存在します。どういうことかというと、個々の製品によって放射されるUVB量がかなりの範囲でばらつく場合があるんです。
過去にK-kiが購入した個体では、購入直後にもかかわらず、距離30cmのライト直下でもUVIが0.8程度しか出ていない場合がありました。結局その時はメーカーに交換対応してもらいましたが、一度交換してもらったものは同等レベルのUVIしか出ず、2回交換してもらってようやく満足できるUVIを出す個体が届きました。
そのときに対応してもらったメーカーの方は、正確な意図まではよくわからなかったものの、同一ロットに発光灯の不具合が何個か出ているので交換する、というようなニュアンスのことを言っていました。交換してもらったのはありがたかったんですが、紫外線ライトは専用の測定器でも持っていなければ不具合があるかどうかわからないので、こういうばらつきがあると困る人はかなり多いはずです。
ただ、ここで言えるのはパワーサンにこういったトラブルがあった、ということだけで、他のライトなら安全かというとそうとも言い切れません。水銀灯の中でも高価なパワーサンを好んで使う人はこの手の議論に詳しい人が多い印象があり、紫外線計器で実測の対象になる頻度が高いため不具合が見つかることも多い、という可能性も結構あると思っています。要はパワーサン以外の水銀灯なら品質が安定しているかどうかは不明だから気をつけようね、ということです。
こういうトラブルを回避するため、紫外線ライトを使う場合は、UVBやUVIを計測できる機材を一つは持っておかないと安心できないのが実情ではないかと個人的には思います。
パワーサンUVの使い方
最後に、パワーサンを使う方法で、特に注意しておいたほうが良いことをまとめておきます。実際の使用時の参考にしてください。
必要なUVIに応じて照射距離を調節する
まずパワーサンを設置する場所についてです。パワーサンから照射される光によって、どれくらい離れた距離でどれくらいのUVIが得られるかというデータを、アメリカのZoo Medが以下の通り公開しています。
パワーサンUVを設置する際は、このチャートに従ってバスキングスポットが飼育生体に応じた適切なUVIになるように、適切な距離に設置しましょう。
可視光は水草水槽用のLEDライトで補う
爬虫類を飼うためのライトとして、パワーサンのような水銀灯だけを使うと、基本的に紫外線以外の光(可視光及び赤外線)は不足します。赤外線は当然ヒーターで補ってやる必要がありますが、可視光についても生体の概日リズムが崩れないように補ってやるべきです。
可視光を補うライトとしては、可視光領域ではメタハラに近い連続的なスペクトルが得られるアクアリウム用のLEDライトがおすすめです。K-kiは、以下のGrassyLeDio RX122 フレッシュというライトを使用しています。
このライトは可視光だけでなくUVAも連続的なスペクトルで補ってくれるので、かなり良い選択肢になるのではないかと思います。以下のページでレビューしているので、ぜひこちらも読んでみてください。
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水槽用LEDライト「グラッシーレディオ RX122」レビュー!
ボルクスジャパンのアクアリウム用LEDライト「グラッシーレディオ RX122」シリーズについて、水草水槽用モデルであるフレッシュを中心にレビューします。高光量・高演色性でスペクトル分布にも優れ、爬虫類飼育にもおすすめできます。
温度調節にはヒーターを併用する
水銀灯は熱も出すので、バスキングスポットを温める役割をある程度は担えます。ただ、バスキングスポットの紫外線量と温度の両方を水銀灯でコントロールするのは無理があって、適切な温度にしようと思うと紫外線量的に距離が近すぎて、紫外線量を適切な範囲にすると熱が不足する、という場合がほとんどだと思います。
水銀灯の役割のメインはあくまで紫外線の照射です。水銀灯が出す熱はあくまで補助的なものと考えて、バスキングスポットの温度はサーモスタットに接続したヒーターで管理するようにしましょう。
サーモスタットには、照明のタイマー管理や、時間に応じた設定温度の切り替えが可能な、こちらのタイマーサーモがおすすめです。
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爬虫類飼育の必需品!タイマーサーモで温度と照明を一元管理
爬虫類飼育では必要不可欠とも言える、照明と温度を連動して一元管理できる飼育用品「ジェックス タイマーサーモ」を紹介します。名前の通り、タイマーとサーモスタットが一体化した製品で、照明点灯時(昼)の目標温度と、照明消灯時(夜)の目標温度を別々に設定できます。
詳しく知りたい人はこちらのページも参考にしてください。
ズーメッドのセルフバラスト水銀灯 パワーサンUVのレビューまとめ
今回は、爬虫類飼育に必要な紫外線ライトとして使いやすさと性能を兼ね備えたZoo MedのパワーサンUVを中心に、水銀灯を幅広く比較しながら解説しました。紫外線ライトを比較するためには結構知識が必要で、K-kiもパワーサンにたどり着くまではかなり苦労しています。少しでも悩んでいる人の役に立てば幸いです。
もちろん、このページに書いてあることが絶対的な答えというわけではありません。色々と勉強して、もっとうまくカメやトカゲなどの爬虫類を飼育できるように、お互い勉強していきましょう!
パワーサンUVは現状の水銀灯の中ではかなり優れた製品であるだけに、品質のばらつきがあるのが残念です。ユーザー側が計測器を持つなどの自衛策もある程度は必要ですが、メーカー側ももう少し安定した品質の商品を供給してもらえるように努力をお願いしたいと思います。