熱帯魚・観賞魚 図鑑

プラティの種類・品種と飼育方法―混泳の相性から繁殖まで!

2020/08/02

プラティ

一般的な魚は卵を産んで繁殖しますが、一部に卵ではなく子供を産む魚が存在します。正確に言えば、これらの魚は卵を胎内で孵化させて子を産む「卵胎生」という繁殖形態に分類されます。

卵胎生という繁殖形態は、魚にとってメジャーな方法ではないものの、卵胎生の魚の種類はそれなりの数がいます。有名なのは、グッピーやカダヤシですね。これらの魚は「卵胎生メダカ」という名前でまとめられることが多いですが、現在ではメダカと分類上の関係はありません(詳しくは後述します。)。

今回は、この「卵胎生メダカ」の仲間から、「プラティ」という熱帯魚について解説します。卵胎生という繁殖形態を持ち稚魚の歩留まりが良いこともあって、品種改良も盛んな種類です。丈夫な魚を育てたい初心者から、品種の違いを楽しみたい上級者まで幅広くおすすめできるので、興味を持った方は水槽にお迎えしてみてはいかがでしょうか。

プラティとは

和名・流通名 サザンプラティフィッシュ
プラティ
ムーンフィッシュ
学名 Xiphophorus maculatus
英名 Platy
Southern platyfish
分類 カダヤシ目カダヤシ科クシフォフォルス属
原産地 メキシコ、ニカラグア、グアテマラ、ベリーズ
飼い易さ
値段(1匹) 150円程度~
最大体長 オス:5cm程度
メス:7.5cm程度
寿命 年程度
遊泳層 中層
生息環境 流れの穏やかな河川に生息する。
適合する水質 水温:20~26℃
pH:7.0~8.2
特徴 胎内で卵を孵化させてから稚魚を産んで繁殖する「卵胎生」という繁殖形態が特徴。アクアリウムで飼育される左官としての歴史が長く品種が豊富だが、ほとんどがヴァリアタスやソードテールとの交雑品種である。

プラティはカダヤシ目カダヤシ科クシフォフォルス属に分類される熱帯魚で、「サザンプラティフィッシュ」というのが正式な和名です。上にも書いたとおり、ブラックモーリーなどと同様に、胎内で卵を孵化させてから稚魚を産んで繁殖する「卵胎生」という繁殖形態を持つのが大きな特徴です。卵ではなく稚魚の状態で生まれるため、生存率が高く繁殖は比較的簡単と言えるでしょう。それもあり、数多くの改良品種が流通しています。

プラティの品種改良は「サザンプラティフィッシュ」という単独の種の範囲内に収まるものではなく、ヴァリアタス(Xiphophorus variatus)やソードテール(Xiphophorus hellerii)など近縁種との交配も常習的に行われてきました。特にヴァリアタスはサザンプラティフィッシュとよく似た種で、交雑しても見分けることは難しいです。アクアリウム用の観賞魚としてプラティが代を重ね養殖されてきた過程でこれら2種は頻繁に掛け合わされ、現在プラティとして流通する魚のほとんどが、これら2種の交雑個体であると言われています。

形態

原種のプラティは、アクアショップで流通している個体よりも地味な体色で、尾びれに半月型の模様があります。この特徴的な尾びれの模様から「ムーンフィッシュ」という別名がつけられたそうです。品種改良が行われていく間に半月模様を持たない品種が目立つようになり、現在では半月模様をもつプラティはほとんど見かけません。

品種改良の結果、近年は様々な体型や柄のプラティが数多く流通しています。標準的なプラティは、丸い尾びれをもちメダカを少し太らせて体高を高くしたような体型をしています。体色は、レッド、ブルー、イエロー、オレンジなど、単色のものから複数色が混じるものまでバリエーション豊かです。オスは約5cm、メスは約7.5cmです。寿命は平均1年~2年です。上手に飼育すると数年生きることもあります。

オス・メスの見分け方

オスはメスよりも一回り程度小さいのに加え、オスはモーリーやグッピーなどと同じような「ゴノポディウム」と呼ばれる尻びれが変化した交接器を持っています。雌雄を見分ける際には、この交接器の有無で見分けるのが最も簡単です。

生態

プラティの食性は雑食で、フレーク状の人工飼料から活餌までなんでも食べますが、比較的草食傾向が強くやわらかい水草の新芽などを食べることがあります。また、性格は温和ですが、活発に泳ぎまわる傾向にあります。総じて、環境への適応能力が高く丈夫な飼いやすい魚であると言えるでしょう。

プラティの分布・生息地・生息環境

原種は、メキシコ、ニカラグア、グアテマラ、ベリーズの穏やかな流れの河川に生息しています。また、アクアショップで見かける鮮やかな色合いの改良品種は、東南アジアで養殖されたものが多いです。

卵胎生メダカとは

冒頭でも軽く触れましたが、プラティは「卵胎生メダカ」という名前で呼ばれることが多いです。この卵胎生メダカという言葉が何を指しているのか、簡単に解説しておきましょう。

メダカは、ダツ目メダカ科メダカ属に分類される魚ですが、古くはダツ目ではなくカダヤシ目(Cyprinodontiformes)に分類されており、その当時はカダヤシ目は「メダカ目」と称されていました。この「メダカ目」には、プラティを始めとし、グッピーやモーリーなどの卵胎生の魚が数多く存在していたため、メダカ目に属する卵胎生の魚を「卵胎生メダカ」という総称で呼ぶようになりました。

その後、メダカ科がダツ目に移動したため、メダカ目はカダヤシ目に改称されました。しかし卵胎生メダカという総称はそのまま残り、現在ではメダカと分類上の関わりは無いものの、「卵胎生メダカ」と呼ばれ続けているというわけです。

プラティの品種・種類

プラティには多数の改良品種が存在し、様々な見た目の個体が流通しています。品種名は、主に体型や柄の特徴をベースにしてつけられることが多いです。プラティの品種について、アクアショップでよく見かける定番のものから、珍しいものまでいくつかの種類を確認してみましょう。

レッドプラティ

赤色のよくみかける定番の品種です。個体によっては黒斑が出てくる場合があります。

ミッキーマウスプラティ

ホワイト・ミッキーマウスプラティ(4匹)

尾びれの付け根のあたりにミッキーマウスのような模様が出ることから名付けられた品種です。アクアショップでよく見かけられます。バリエーションとして「ブルー・ミッキーマウスプラティ」、「レッドトップミッキーマウス」、「シルバーミッキーマウスムーン」、「レッドミッキーマウスムーン」などが存在します。

タキシードプラティ

タキシードを着たような黒い柄が特徴の品種です。「サンセットタキシードプラティー」、「タキシードコメットプラティー」、「ブルータキシードプラティー」、「レッドタキシードプラティー」など、体色によって細かく品種の名前がつけられています。

サンセットプラティ

オレンジから赤へと変化するグラデーションが美しい品種です。比較的よく見られる品種です。

ゴールデンパンダプラティ

ゴールドベースの体色に、パンダのような黒い模様が頭の方を中心に出てくる品種です。

ヘルメットプラティ

ほぼ全身が黒色で、頭部のみオレンジやイエローなどになる品種です。その見た目がヘルメットをかぶっているように見えることから名付けられました。

ハイフィンプラティ

背びれが標準よりも長く伸びた品種です。流通量は多くなく、見かけることは少ないです。「ハイフィンレッドバックミッキーマウスプラティ」、「ハイフィン・ブルー・ミッキーマウス・プラティ」、「ハイフィンレッドミッキー」などのように細かく品種の名前がわかれています。

バルーンプラティ

おなかが風船のように大きくふくらんだ見た目から名付けられた品種です。流通量が少なく見かけることはあまりありません。

プラティの飼育方法

プラティは安価で入手しやすい丈夫な魚なので、初心者でも簡単に飼育出来ます。一般的な熱帯魚の飼育環境であれば適応出来るので、非常に飼いやすい種類です。

基本的な飼育方法

飼育環境に、特別な配慮は不要です。水槽内で自然に繁殖させたい場合は、稚魚の隠れ家になる水草などをたくさんレイアウトしておきましょう。ただし、プラティは植物質のものを食べることがあるため、柔らかい葉をもつ種類の水草は食害を受ける可能性があり、注意が必要です。

飼育に適する水質

水温20~26℃、pH7.0~8.2の中性~弱アルカリ性の水が適しています。弱アルカリ性の水質を好む個体が多いようです。丈夫な魚なので定期的に水換えを行い、水質が極端に酸性に傾かないように管理しておくと良いでしょう。

エサ

雑食性で何でも食べます。人工飼料、冷凍飼料、活き餌など、何でも大丈夫です。魚の体色は食べるエサの影響を受けます。余裕があれば、発色を良くする成分の1つであるカロチノイドを含むエサなど、複数種類のエサを日替わりで与えると良いです。

プラティの飼育に必要なアクア用品と選び方

ここまで、プラティの姿形や野生下での生態、品種の例や品種改良の歴史、そして基本的な飼い方などを紹介してきました。これらを踏まえて、プラティを飼育するために必要となる飼育用品と、その選び方を簡単に解説しておきます。

水槽の選び方

プラティの体長は雌雄差があるものの成魚だと5~7.5cm程度です。繁殖せやすい魚であり、多くの飼育者が繁殖を狙うことを考えると、一つの水槽で複数匹のプラティを買うことになるかと思います。そこで、水槽選びのポイントとなるのは、飼育したいプラティの数と水槽の大きさの関係です。

一般的に熱帯魚を飼育する際には、体長1cmに対して水量1リットルが目安とされています。プラティの体長を約6cmだと仮定すると、1匹あたり6リットルの水が必要という計算になります。この計算に従えば、30cmキューブ水槽で4~5匹、60cm規格水槽で10匹程度が目安になります。

参考アクアリウム水量計算機

これはあくまで目安のため、実際に飼育するときは最初は少数で飼い始め、様子を見て徐々に数を増やすのをおすすめします。また、他の魚やエビと混泳させる場合は、その分プラティの数を減らしてください。

水槽は様々なメーカーから販売されており、素材にもアクリルやガラスなどいくつかの種類があります。以下のページを参考に、気に入る水槽を選んでください。

アクアリウム水槽(熱帯魚・金魚・水草)のおすすめと選び方

ネイチャーアクアリウムのような美しい水草水槽や、熱帯魚・亀・金魚等の飼育に必要な水槽を購入する時のポイントをまとめました。サイズ・設置場所・素材・デザイン・品質・メーカーなど多岐にわたる要点やおすすめの水槽を紹介します。

個人的には、30cmキューブ水槽ならコトブキ工芸のクリスタルキューブ、60cm規格水槽ならチャームのアクロ60Nがおすすめです。いずれも質の割に安いお買い得な水槽です。

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ろ過フィルターの選び方

水槽で魚やエビを飼育する際には、水質を維持するためにろ過フィルターを使用します。ろ過フィルターには様々な種類があり、水槽の目的(水草の育成重視、生体の状態を良くすること重視、メンテナンスの歯やすさ重視など)によって適切なろ過フィルターは変わってきます。

水槽用ろ過フィルターの選び方と外部・底面など種類別おすすめ製品

熱帯魚、金魚、亀等を飼育するアクアリウムで必要になる水槽用のろ過装置を解説します。外部フィルター、底面フィルター等のろ過フィルター別の長所・短所・適合水槽や、ろ過の原理、ろ過フィルターの種類、ろ材についてもまとめます。

ろ過フィルターについてあまり知らない人は、まずこちらのページを参考にろ過フィルターの種類と特徴を知りましょう。

その上で、水草をきれいにレイアウトした水槽でプラティを飼育したい場合には「外部フィルター」を、シンプルなレイアウトでプラティ自体の美しさを楽しみたい場合には「底面フィルター」をおすすめします。

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外部フィルターならエーハイムのクラシックフィルターが定番で、底面フィルターならコトブキ工芸のボトムボックスがおすすめです。

水温管理用品(ヒーター・クーラー)の選び方

プラティの原産地は、日本に比べると温暖な気候の中米です。そのため、飼育に適した水温は上記の通り20~26℃程度と、日本の冬の室温よりは少し高めの温度であり、冬季はヒーターが必要です。また、夏場の閉め切った室内は35℃を超えることも珍しくないため、夏季はクーラーか冷却ファンがあったほうが良いでしょう。


水面に反射するネオンテトラの涼し気なアクアリウム
水槽の水温を下げる!水槽用クーラー・冷却ファン等の選び方・特徴

水槽用のクーラー、冷却ファン、エアコン等で夏に水槽を冷却し水温を下げる方法を紹介します。水槽を冷やす理由からクーラーやファンの原理・使い方・おすすめ商品まで、アクアリウムの天敵・高水温への対処法を分かりやすくまとめます。

ヒーター、クーラーや冷却ファンを選ぶ際は、これらのページが詳しいので参考にしてください。おすすめの商品を挙げるとすれば、ヒーターはサーモスタットもセットになったコトブキ工芸の「セーフティヒートセットSP」、冷却用にはテトラの冷却ファン「クールファン CF-60 NEW」とGEXの冷却ファン用サーモスタット「FE-101N」あたりを推します。

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プラティの混泳

他の魚を攻撃したりすることがない温和な性格の魚なので、プラティを攻撃しない魚であればほとんどの種類の魚との混泳が可能です。ごくまれに、気性の荒い攻撃的な性格の個体が存在し、同種で喧嘩をする場合があります。大ケガをするほどの激しい喧嘩をすることは、ほぼありませんが喧嘩の回数が多い場合は、水草などで隠れ場所を増やしたりして落ち着ける場所を作る対応をしたほうが良いでしょう。

相性が良い混泳相手

混泳魚として相性が良いのは、ネオンテトラ、カージナルテトラ、モーリー、グッピーなどの同じぐらいの大きさで温和な性格の魚です。水槽の掃除係として活躍する、コリドラス、プレコ、オトシンクルス、エビ類との相性も良いです。

カージナルテトラの群泳
カージナルテトラの育て方:定番熱帯魚の飼育・繁殖・混泳法

カージナルテトラは、アクアリウムで飼育される熱帯魚の中でも特に人気がある種類です。赤と青の鮮やかな体色は水草水槽に良く映え、飼育も簡単で初心者にもおすすめできます。カージナルテトラの飼育、繁殖や、かかりやすい病気、おすすめの混泳魚などを紹介します。

相性が悪い混泳相手

気性が荒いスマトラや、素早く泳ぎエサを横取りしてしまうゼブラダニオとの混泳は避けておきましょう。また、雑食性なのに加えて好奇心も旺盛で口に入るサイズのものはつっついて食べてしまう場合があります。プラティよりも小さなサイズの魚やエビ類との混泳はおすすめできません。

プラティの繁殖方法

プラティは繁殖能力が非常に高く簡単に増やすことができます。1回に平均して20匹程度の稚魚が生まれるため、数を増やしたくない場合は水槽内での自然な繁殖をおすすめします。数が増えても飼育可能な環境があり、数を増やしたい場合には産卵ケースなどを活用した繁殖がおすすめです。

水槽内での自然な繁殖

水槽内に複数のオスとメスが存在し、稚魚の隠れ場所となるスペースが用意されていれば自然と増えていきます。エサは稚魚専用として市販されているパウダー状のものを用意するか、成魚用のフレーク状飼料を細かくすりつぶしたものを用意します。成魚にエサを与えるタイミングで一緒に与えてください。別々のタイミングで与えてしまうと、成魚が稚魚用に用意したエサをたくさん食べてしまうことがあります。

産卵ケースを活用した繁殖

出産後、稚魚は成魚から隔離されます。食べられることがなくなるため、きちんと管理して育てれば、ほぼ全ての稚魚が成魚になります。産卵ケース内は水槽内よりも水の流れが悪いため、水質悪化に注意が必要です。稚魚が食べ残したエサが長時間産卵ケース内に残ったままにならないよう、定期的に掃除した方が、元気な個体が育ちやすいです。

プラティの魅力・おすすめポイント

プラティの魅力は、鮮やかな見栄えする体色の品種が多いことと、交配が簡単なことです。また、多少ですが緑藻やアオミドロなど水槽の美観を損ねるコケを食べる性質があり、水槽のコケ取り生体として活用されることもあります。

水槽内のアクセントカラーとして他の魚と混泳させてみたり、プラティのみを群泳させてみたりすることで、見ごたえのあるアクアリウムが完成します。稚魚の隠れ場所になる水草がたっぷりとレイアウトされた水槽では、いつの間にか成魚と少し小さな可愛らしい幼魚が一緒に泳いでいることがあります。親子が同じ水槽の中を自由に泳ぐ様子を楽しむことができます。

交配が比較的簡単で、体色のバリエーションが元々豊富なことから、いろいろな柄の魚が誕生する楽しみがあります。好みの体色や体型の魚をコレクションする方もいます。

初めての繁殖にチャレンジしたい初心者から、様々な柄や体型の個体を掛け合わせて生まれてくる稚魚の色彩や模様の変化を楽しみたいベテランまで、幅広い熱帯魚愛好家におすすめできる魚です。

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K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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