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水槽照明の決め手は?看板用蛍光灯めだっ輝を選ぶ3つの理由

2014/09/03

看板用蛍光灯めだっ輝

以前の記事でアクアリウム用の新しい蛍光灯として看板用蛍光灯「めだっ輝」を購入したという報告をしました。水槽に使うのならアクアリウム用の蛍光灯を買うのが普通だと思うかもしれませんが、実はアクアリウムでは必ずしもアクアリウム用蛍光灯を買う人ばかりではないんですね。それにはいろいろな理由があります。


前回書いたこちらの記事では詳しい理由などは持ち越しだったので、今回は看板用蛍光灯「めだっ輝」の購入に至った理由の解説とそのレビューをしていきます。

NEC 看板用蛍光灯 めだっ輝

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NEC 看板用蛍光灯 めだっ輝は、日本の大手電機メーカーの一角であるNECが業務用(看板用)として販売している蛍光灯です。業務用というだけあって安いですし、サイズも色々な規格に対応したものがあります。Made in Japanなので品質にも信頼が置けるはずです。

この蛍光灯をアクアリウム用に使用しているという話は実はほとんど聞いたことがないのですが、スペックを見るとなかなか良さそうな感じです。

スペック

主なスペックは以下の通りです。

タイプ 直管形
色温度 7800K
平均演色評価数 Ra80
点灯方式 スタータ形

ここでタイプとして紹介しているのは蛍光灯の形状です。蛍光灯には直管形と環形があり、めだっ輝はまっすぐ棒状の直管形のみの販売です。ちなみに環形というのは、家庭内でもよく使用されている輪っかになったタイプの蛍光灯のことです。

色温度は光の色を表現する単位で、詳しくは後述します。平均演色評価数は、その光源がいかに基準通りの色彩を再現できるかという点を評価するための指標で、100に近いほど演色性が良いと判断されます。ただし色温度の影響も受けるので、簡単に評価できるわけではありません。点灯方式は蛍光灯を光らせる方法で、スタータ型ではグロースタータという点灯管を用いて蛍光灯を点灯させます。

ラインナップ

めだっ輝は消費電力によって、20W、30W、32W、40Wの4つのタイプがあります。蛍光灯では消費電力の違いはサイズの違いなので、使用する照明器具にあったサイズ(=消費電力)の物を選びます。

アクアリウム用の照明器具なら大体の場合、60cm水槽用が20W、90cm水槽用が32W、120cm水槽用で40Wの蛍光灯を使っています。ただし器具によっては専用の蛍光灯しか使えないものや、90cm水槽用でも20Wの蛍光灯を数多く使うことで光量を稼いでいるもの、直管形ではなくコンパクト形蛍光灯を使用するものなど色々あるので、蛍光灯を購入する前には手持ちの照明器具で使えるかしっかり確認して下さい。

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看板用蛍光灯 めだっ輝を選んだ3つの理由

めだっ輝がどんな蛍光灯かは大体わかってもらえたと思います。ではなぜこの蛍光灯にしたのか、その理由を説明します。

色温度が水槽に合う

まず一番大きい理由は色温度です。色温度と言われてもほとんどの人は分らないと思うので簡単に説明します。

色温度とは光の色味を表す指標で、単位にK(ケルビン)を使って表現します。大雑把に言うと、色温度が低いほど暖色系の色味(色温度が低くなるに連れて白→黄→赤と変化)、色温度が高いほど寒色系の色味(色温度が高くなるに連れて白→水色→青と変化)となります。太陽光が大体5000~6000Kで、真っ白な光はもう少し高めの色温度(7000~8000Kくらい?)と言われています。

この色温度は水槽の見栄えに直結します。ネイチャーアクアリウムで名高いADAの蛍光灯の色温度は8000K程度なので、それくらいの色温度の照明を使用する人が多いです。めだっ輝はこの色温度にバッチリハマる数少ない蛍光灯なんですね!

注意すべきなのは、色温度は見栄えに関する指標で水草の育成にはあまり重要な指標ではないということです。水草の育成には、波長や光量のほうが重要になってきます。詳細は以下の記事で解説しているので、水草を育てようと思っている人は是非一読してください。。

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規格が適合する

もうひとつ重要なのが蛍光灯の規格です。この規格が蛍光灯と照明器具の間で合致しないと使えないので、大事なのは分かりますよね。

今回照明を新しくしたかったのは90cm水槽で、照明器具はスドーのエステルノ932iというものを使っています(もう廃盤ですが)。この照明器具は90cm水槽用で適合する蛍光灯は32型(32W)のものです。色温度が7000~8000Kの蛍光灯ということであれば東芝のメロウZプライドやNECのホタルックαなんかがありますし、これらはアクアリウム用の照明としても結構使用例があります。

しかしメロウZプライドやNECのホタルックαは32型の蛍光管がないんですね。これに非常に困っていたんですが、今回めだっ輝を見つけて渡りに船と飛びついたわけです。性能的には多分メロウZプライドやNECのホタルックαのほうが(光量・色温度なんかで)やや上かなという気がしますが、使えないのではしょうがないですからね。90cm水槽の照明としてはめだっ輝が優秀であると言えます。

値段が安い

そして最後はやっぱり値段ですね。アクアリウム用品はどうしても小さな市場向けの商品なので単価が高くなります。それに対して一般向けの蛍光灯なら需要もいっぱいありますから単価は安くなるわけですね。

性能的にもアクアリウム用の蛍光灯は家庭用のものとほとんど変わらないと思います。それはアクアリウム用蛍光灯の大半がOEMといって、製造元が家庭用蛍光灯を作っている電機メーカーである商品を、アクアリウム用品メーカーの製品として販売しているだけだからです。作ってる会社が同じならはっきり言ってそこまで大きな差はつかないでしょう。

めだっ輝の使い方・他製品との比較

めだっ輝の使い方も紹介してみます。とはいっても蛍光灯を交換するだけですが…。

照明装置を水槽から取り外す

照明装置を水槽から取り外します。

パンタナルホワイトをめだっ輝に交換

そして蛍光灯を交換します。今回は奥側にあるアクアリウム用蛍光灯のパンタナルホワイト(色温度:6700K)だけを交換します。手前側の蛍光灯はポゴナクラブのビバリウムグローという紫外線灯です。この水槽では亀(ニホンイシガメ)を飼育しているので、紫外線ライトが必要なんです。ビバリウムグローはかなり良質の紫外線灯だと思います。おすすめですね!


交換完了

交換出来ました! 当たり前ですが非常に簡単ですね。

ちなみに水槽用の照明を使用する際には、プログラムタイマーを利用して点灯・消灯を自動化するのが非常におすすめです。

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手動で毎日点灯・消灯を行っていると、どうしても点け忘れ・消し忘れが発生しますし、時間帯が日によってバラバラになってしまい水草の成長や生体の健康にも良くありません。アクアリウムではプログラムタイマーによる照明の自動化は必須とも言えるほど便利なテクニックなので、ぜひ試してみて下さい。

パンタナルホワイト

パンタナルホワイトを使っていた時の照明の様子

蛍光灯の交換前後の明るさや光の色味を比較してみます。交換前のパンタナルホワイトを使っていた時の様子はこちら。

めだっ輝

めだっ輝を使った時の照明の様子

めだっ輝に交換した後はこんな感じです。

撮影がコンデジなのでちょっと分かりにくいですが、明るさは増しています。パンタナルホワイトは2年近く使っていたものなので当然ではあるのですが、それでも光の色味が白に近くなったのが伝わるでしょうか…?

めだっ輝の使用感・レビュー

めだっ輝について一通り紹介し終えたところで、私が実際に使ってみた感想・レビューを書いておこうと思います。この記事を読んでアクアリウムの水槽用照明としてめだっ輝を使使ってみてもいいかも…と思った方は、ぜひ参考にして下さい。

色はかなりクールな感じ

以前まで使用していたのが6700Kのパンタナルホワイトで、今回7800Kのめだっ輝に変更したので色はかなりクールな感じになったと思います。人によっては若干青く感じるかもしれません。これはもう好みの問題なので、温かみのある水槽の方が良いのであればパンタナルホワイト等の色温度がやや低めの蛍光灯の方が良いと思います。

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めだっ輝だと結構スッキリした感じになりますね。慣れたらこっちがいいかなと感じるような気もします。

光量は普通

家庭用蛍光灯をアクア用に流用する例としては東芝のメロウZプライドが有名です。これは高めの色温度に加えて蛍光灯内部に反射板があり、普通の蛍光灯よりも明るいという特徴があるからです。めだっ輝には反射板はないので明るさは一般的な蛍光灯と同じです。色温度が高いと明るく見えるかなと勝手に思っていましたが、大きな違いはない感じがします。

アクアリウム用に看板用蛍光灯 めだっ輝を選ぶ理由まとめ

K-ki

今回はアクアリウム用の蛍光灯として看板用蛍光灯のめだっ輝を使う理由の紹介と、そのレビューを行いました。記事内では主に色温度に注目していましたが、蛍光灯の性能には色温度以外にも平均演色評価数などいろいろなものがあります。いろいろ調べてみるともっとアクアリウム向きの照明が見つかるかもしれませんよ! もしいいやつを見つけたらぜひ教えて下さいね!

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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