AquaTurtliumでは、これまでに60cm水槽を改造したオーバーフロー濾過槽を作る方法や外掛けフィルターの改造法、水槽・濾過槽のフタ、冷却ファンの作り方など様々なアクアリウム用品の自作方法を紹介してきました。自作はコストを抑えられるというのも魅力ですが、単純に作るのが楽しいという面もありますよね。
今回はこれまでに作った水槽用フィルター(濾過器)に入れて使用する、「濾材」を作る方法を紹介します。せっかく濾過装置を自作してコストダウンしたのに、市販の高価な濾材を買って費用の総額が高くついてしまってはもったいないですよね。今回紹介する方法で濾材を自作すれば、濾過フィルターの自作以上にコストダウンできることは間違いなしです!
ろ材とは何か?
まずはじめにろ材とは何かを簡単に説明しておきます。ろ材とは、基本的には生物濾過に用いる多孔性の材料のことを指します。小さな穴がたくさんあいている材料をろ材として使用し、その穴に濾過バクテリアを住まわせることによって生物濾過と呼ばれる手法による濾過を行うわけです。
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水槽用ろ材まとめ!種類・選び方やろ過フィルターとの相性
ろ過フィルターを使用する上で欠かせないろ材について解説します。セラミックろ材、スポンジろ材、バイオボール、活性炭、ウールマットなど、物理ろ過・生物ろ過・吸着ろ過のそれぞれに適した濾材やメンテナンス方法を紹介しています。
ろ材に利用される素材、ろ材の形状、種類、選び方、メンテナンス方法などの詳細は、こちらのページで別途紹介しています。ろ材が何か良く分からないという方は、まずはこちらのページから読んでみると分かりやすいと思います。
またろ材に限らず、アクアリウムや水棲生物の飼育で重要な役割を担う濾過に関連する記事をこちらのページにまとめています。当ブログの中でも閲覧数の多い人気のページが多数あるので、ろ過についてイマイチわからない部分がある方はこちらも参考にして下さい。
濾材の条件
さて今回のテーマは濾材を作るということですが、そもそもどんなものなら濾材にする事ができるのでしょうか。あなたは市販の濾材を見て共通点を見つけることができますか?
ざっくりと言ってしまうと、ろ材にするものは濾過バクテリアが棲み付くことができれば何でも良いという事になります。あとは水中で腐ったり劣化したりしないというのも、使用する際のメンテナンス性などを考慮すると重要なポイントになるでしょう。
濾過バクテリアが棲み付く事ができるというポイントをもう少し詳しく説明すると、体積の割に表面積が大きいという事が重要になります。バクテリアは物体の表面に棲み付くので、多孔質素材のように穴がたくさんあいているものは、表面積が大きくなって有利と言えます。
また、表面がつるつるのものよりもザラザラしたものの方がバクテリアが生息する足場になって効率が良いという人もいますが、バクテリアの大きさを考慮すると、ほとんどのものはバクテリアにとってザラザラであると言えるので、そこまで重要なポイントではないと思います。
スポンジ濾材の自作
以上を考慮して、まずはスポンジろ材を自作する方法を紹介します。紹介するといってもものすごく簡単なので、一度読めば簡単に作れてしまうハズです!
ちなみにここで紹介している洗車スポンジを利用した濾材の自作は、ネット上の色々なところで試されていますが、初出は以下のウェブサイトらしいです。参考までに紹介しておきます。
用意するもの
ろ材を自作するにあたって、用意するものはたったのこれだけです!
- 洗車スポンジ(イエローハット・ポリエーテル製)
- カッター
正直なところ用意するものを見ただけで今後どうなるかが分かってしまうかもしれませんが、ちょっとしたコツなんかもあるのでもう少し読んで下さいね(笑)。
ここで紹介した洗車スポンジは多孔質になっており、濾過バクテリアが棲み付くには絶好の濾材です。
また、材質はポリエーテル製のものを選んで下さい。ポリエーテルは水中でも耐久性が高く、腐ったりもろくなったりすることがありません。長期間水中に沈没させて使用するろ材の材質選びには、このような耐久性も重要なポイントになります。
こういった濾材向きの性質を持った洗車スポンジがイエローハットで販売されています。もちろんイエローハット以外にもありますが、ネットなどを見ているとイエローハットのスポンジを利用している人が特に多いです。私は冒頭の画像の物(イエローハット製品)を使っていますが、一つ100円でした。洗車スポンジ一つで濾材に換算すると2リットル分程度にはなるので、コストパフォーマンスは相当高いです。市販の濾材だと5リットルで数千~数万円するような物もありますからね。
自作手順
もうこれは写真を載せたりするまでもないですね。洗車スポンジをカッターで1cm角程度の大きさにカットするだけです。簡単でしょう?
やってみると割と面倒な作業ですが、玉ねぎのみじん切りみたいな感じで縦と横に切れ目を入れるようにして切っていくと比較的楽に作業できます。
濾材ネットの自作
濾材ができたら濾材ネットもついでに作ってしまいましょう。濾材ネットがあるとないとでは管理のし易さは全然違います。管理が面倒だとだんだん手入れが疎かになっていき、ついには水槽崩壊なんてことにもなりかねません。後々面倒なことになる前に、最初に必要なことは全部やってしまいましょう!
用意するもの
ろ材と同じく、ろ材ネットの作り方も非常に簡単です。用意するものも少なく、以下の2つがあれば問題ありません。
- 洗濯ネット
- はさみ or カッター
洗濯ネットはダイソーで販売されていた上の写真のものを使いました。濾材ネットにはなるべく目の粗い、水通しのいいネットが良いのですが、洗濯ネットは目の細かい物が多いです。上の洗濯ネットも一見目が細かいように見えるのですが…
実はネット部分が粗目と細目の2重構造になっているんです。細目の部分を切り取ってしまえば、目の粗い、水通しのいい濾材ネットが出来るという寸法です!
自作手順
外側の目の細かいネットをはさみで切り取る! 以上です!
我ながらいい感じの濾材ネットが出来ました!
スポンジろ材・ろ材ネットの自作方法のまとめ
今回はスポンジろ材と濾材ネットの自作方法について解説しました。AquaTurtliumでは今回紹介したもの以外にも、色々なアクアリウム用品の自作に挑戦しています。これまでに作った自作アクアリウム用品は以下のページにまとめられているので、DIYアクアリウムに興味があるアクアリストの皆様は、ぜひこちらのページもチェックしてみてくださいね。
タグ自作・DIY
今回はスポンジろ材&濾材ネットの作り方を紹介しました。濾過フィルターなどの自作は気合を入れてやると思いますが、もう少し気をつかって濾材まで自作すればさらなるコストダウンができます。作業も簡単で大したリスクも無いですし、おススメですね。分からないことなどあればコメント欄にどうぞ!