アクアリウム 水槽レイアウト

水槽用接着剤でウィローモスを活着!接着剤の選び方・使い方を解説

2021/03/21

水槽用接着剤の種類・選び方・使い方

こんにちは!アクアリストブロガー&YouTuberのK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。

皆さんはアクアリウムのレイアウトに使う水草というと、どんなものを思い浮かべますか?ロタラとかの有茎草?ブセファランドラみたいなロゼット型?もちろんこれらの水草も魅力的な植物ではありますが、ウィローモスに代表されるモスの仲間(苔類)も欠かすことのできない存在ですよね。

モスの仲間の多くは、仮根という根に似た器官で周囲の物体に貼り付く「活着」をする特徴があります。そこでアクアリウムでは、モスは流木や石など活着させてレイアウトするのが基本です。

ウィローモスを流木などに活着させる
しっかり活着してほしい!流木等へのモスの巻きつけ方まとめ

水草水槽レイアウトで頻繁に利用されるウィローモスなどのモス(苔類)を流木や石に巻きつけて美しく活着させる方法を解説します。モスの種類・流木・糸の選び方や巻き付け方のコツ、より綺麗な水景にするための一手間などを紹介します。

モスが活着するまでには多少時間がかかるため、それまでの間はこちらのページで紹介しているように、テグス(釣り糸)などの丈夫な糸で流木等に巻きつけて固定しておくのが一般的な方法です。

それに対してこのページでは、モスをより簡単に固定できる「接着剤を使う」方法を紹介します。水槽レイアウトにウィローモス等を活用してみようと思っている人は、上記のページと併せてぜひ参考にしてくださいね。

接着剤で水草を固定する方法のポイント

まずは端的に、接着剤で水草を固定する方法の要点をまとめておきましょう。

接着剤で水草を固定する方法の要点

  • 水槽用接着剤はほぼ全てシアノアクリレート系で毒性は低い
  • 接着後は白くなり目立つが水草が繁茂すればカバーできる
  • ウィローモスに限らずミクロソリウムなど活着性水草に広く利用できる
  • 場合によってはテグス等の糸で固定する方法のほうが効率的な場合もある

以下では、水槽用の接着剤について種類や選び方、使用感などをもう少し詳しく見ていきます。

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水槽用接着剤の種類

では次に、ウィローモス等の水草を固定するのに使える水槽用接着剤にはどんな種類があるのか、代表的な商品を紹介していきます。

アズー アクアスケーピンググルー

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アズー (AZOO)
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まず最初に紹介するのは、アズーの「アクアスケーピンググルー」です。水分で硬化するゼリー状の接着剤で、水草を流木や石に固定するだけでなく、レイアウト用の流木同士・石同士を接着するような用途にも使用できます。

さらに、アクアスケーピンググルーはチューブごと水に沈めて、水中での接着に使用することができるのも特徴です。ただし、接着剤のチューブに水分が残ると、余った接着剤がチューブごと固まって使えなくなってしまうので、使用後はしっかりと水分を拭き取る必要があります。

アクアスケーピンググルーには、1個あたり接着剤が4g入ったチューブが2本セットになった商品と、4gの商品が25個セットになったボックスタイプの商品があり、大量に使用する場合はまとめ買いで安くなるのもポイントです。

カミハタ ゼリー状接着剤

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カミハタ
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カミハタのゼリー状接着剤も、アクアスケーピンググルーと同様の水で硬化する接着剤です。詳しくは後述しますが、成分的にもアクアスケーピンググルーと大差はありません。

こちらの方は、アクアスケーピンググルーのように水中では使用できず、水草の接着は水上で行い、完全に硬化した後で水中に戻すよう指示されています。そういった点から、アクアスケーピンググルーよりやや汎用性には劣ると思います。

一方で、販売店・サイトに依存する部分も大きいですが、価格面では概ねアクアスケーピンググルーよりも安い傾向にあるようです。例えばチャームでは、アクアスケーピンググルーよりもカミハタのゼリー状接着剤のほうが安いです。

さらにカミハタからは、成分的に似ている「液状接着剤」という商品も販売されています。

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カミハタ
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こちらは別売りの「補助剤」という綿のような物体に染み込ませて使用する接着剤で、凹凸があり接着面積が小さい素材同士を接着するのを得意としています。水草の固定というよりも、石などレイアウト素材の固定が主な用途になります。

JUN MXBON(エムエックスボン)

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ジュン (JUN)
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JUNのMXBON(エムエックスボン)は、水草の固定よりも石や流木などレイアウト素材の固定に主眼をおいた接着剤です。このページの主目的とは微妙にずれているんですが、特に接着力が強いと評判なので併せて紹介しておきます。

接着時間が10分~6時間となっており、幅が広い上にここまでに紹介した接着剤よりも長めです。これだけ時間がかかる上に水上での使用がマストなので水草の固定には使えませんが、レイアウトの作り込みには試してみても良いでしょう。

水槽用接着剤の選び方

水槽用の接着剤を紹介してみましたが、思ったよりも種類が多かったのではないでしょうか。種類が多いと選択肢が増えてありがたい反面、何を選べばよいか迷ってしまいますよね。そこで次は、水槽用接着剤の選び方を解説しておきましょう。

成分面の差は小さい

詳しくは次の接着剤の主成分と特徴の項目で述べますが、水槽用の接着剤は成分的にはどれも似たようなものです。そのため、接着剤を成分に着目して選ぶのはあまり良いアプローチとは言えないでしょう。

使い勝手と価格から選ぶのがおすすめ

じゃあどうやって選ぶかといえば、シンプルに価格と使い勝手から選ぶのが良いです。使い勝手については、大まかな傾向として粘度が低いほうが接着力が強く、ゼリータイプ等の粘度が高いほうが使い勝手が良いやすいと考えればよいでしょう。

よって安さを重視するならカミハタのゼリー状接着剤、接着力を求めるなら同じくカミハタの液状接着剤か粘度は不明ですが評判の良いJUNのエムエックスボン、使い勝手重視なら一応メーカーが水中でも使用できると言っているアズーのアクアスケーピンググルーといったところでしょうか。

ちなみに、K-ki(K-ki@AquaTurtlium)はアズーのアクアスケーピンググルーを使用しています。値段は個人的にはどれもさほど差を感じないですし、水草に使用するので液状接着剤等は対象外、よって使い勝手の良いアクアスケーピンググルーを選んだ、という感じです。

接着剤の主成分と特徴

次に、成分面から水槽用接着剤を分析してみましょう。

水槽用の接着剤は、大抵のものが「シアノアクリレート」が主成分になっています。具体的には、以下の接着剤は全てシアノアクリレート系の接着剤です。

シアノアクリレート系の水槽用接着剤一覧

  • アズー アクアスケーピンググルー
  • カミハタ ゼリー状接着剤
  • カミハタ 液状接着剤
  • デルフィス クィックジェル

また、JUNのエムエックスボンは外箱に「主成分:α-シアノアクリル酸エチル」と記載されています。この物質は別名でエチルシアノアクリレートとも呼ばれ、シアノアクリレートに含まれる物質のうちの一つです。要は、このページで紹介している全てのアクアリウム用接着剤が、シアノアクリレート系の接着剤だということです。

毒性

シアノアクリレートの毒性は低いことが知られていますが、完全に無害というわけでもありません。シアノアクリレートは皮膚刺激性があり、人間でもアレルギー性の皮膚反応を引き起こす可能性があります。

ただし、シアノアクリレートは湿気によってすぐに重合し、重合後のポリマーは水に溶けないため水槽の中の生体へは悪影響を及ぼしません。言い換えれば、乾燥する前の接着剤を水中に投入することには多少のリスクがあります。

接着力

また、本来シアノアクリレートは液状の物質なので、ゼリータイプの接着剤は何かしら他の物質を混合してあることになります。混ぜものをする目的は、恐らく使い勝手の向上のはずです。サラサラの液体よりも、多少粘度があったほうがくっつけやすいですからね。

その反面、サラサラの液体タイプの接着剤のほうが純度が高い可能性が高く、接着力は強くなることが予想できます。

接着剤を使ってウィローモスを活着させる方法

水槽用接着剤について一通り説明したので、次は実際に接着剤(アクアスケーピンググルー)を使ってモスを固定する方法を紹介しましょう。予想はつくと思いますが、超簡単です!

接着剤を開封する

まずは接着剤を開封します。アクアリウム専用接着剤とは言っても、基本は普通の接着剤と同じです。フタを開けると銀色の内蓋があるので、外蓋の先端とかつまようじとかで、内蓋に穴をあけましょう。

モスを細かくカットする

モスを細かくカットする

モスを接着する前に、1cm程度の大きさを目安に細かくカットしておくと、切断面から新芽が出てくるため成長が早く活着までの期間も短くなります。ちょっとした作業なのでぜひやっておくことをおすすめします。

モスに接着剤をつけて貼り付ける

モスに接着剤をつける

あとはチューブから接着剤を出してモスにつけて…

接着剤をつけたモスを流木に貼り付ける

そのまま流木に貼り付けます。数分待って接着剤がしっかりと硬化したら完成です。今回は水換えで水位が下がっているときに接着していたので、硬化を待って水を足し水位を戻しておきました。

アクアスケーピンググルーの使用感

こんな感じで接着剤(アクアスケーピンググルー)を使ってモスを流木に固定してみました。使ってみていくつか気づいたことがあったので、使用感としてまとめておきます。

慣れないと接着剤が手につく

まず一つ目、接着剤だから簡単に固定できるだろーと思っていたんですが、意外と接着剤が手についちゃったりと、極端に簡単って感じではなかったです。水槽用接着剤は使用した感じではアロンアルファとかの瞬間接着剤に近い、というか成分的にも同系統なので、手についた接着剤は結構強固に固まって簡単には取れません。

慣れるまではピンセットを使うとか、手袋をして接着するとかの工夫をしたほうが良さそうです。

硬化した後の白さが気になる

水槽用の接着剤は、大半が硬化すると白っぽい色になります。流木にしろ石にしろ、アクアリウムのレイアウト素材は基本的に暗い色なので、白い接着剤の跡は結構目立ちます。

時間が経ってモスが繁茂してくれば、接着剤の跡は隠れて気にならなくなりますが、もしもモスの活着に失敗すると白い接着剤の跡だけが残ってしまい不格好です。なまじ接着力があるせいで綺麗に掃除するのも大変なので気をつけてください。

広範囲に一気にモスを活着させたいときはテグスが良いかも

これは多分K-ki(K-ki@AquaTurtlium)が慣れていないせいもあると思うんですが、接着剤をいっぺんに付けるとどうしても手についてしまうので、モスを小分けしてちょっとずつ接着することになり、そこそこ時間がかかりました。

テグスを巻く作業に慣れているK-kiみたいな人なら、ある程度以上の範囲にいっぺんにモスを活着させたいときは、まとめてテグスで巻いてしまったほうが早い局面はありそうだと感じました。

狭い場所・入り組んだ場所には接着剤が便利

割とネガティブな感想を多く書きましたが、接着剤を使って圧倒的に便利だったこともあります。流木の入り組んだ部分・狭くなった部分は、テグスを巻こうと思っても上手く固定するのが難しく四苦八苦することが多いですが、モスを接着剤で貼り付ける方法ならものすごく簡単に固定できます。

他にも、太い流木の一部にだけモスを巻きつけたい場合なんかも、テグスを使うと目立ちますが、接着剤ならモスが繁茂すれば跡も隠れてしまいます。このように、テグスを使う方法と接着剤を使う方法をうまく使い分けられると、水槽レイアウトの幅がより広がりそうですね。

YouTubeでも水槽用接着剤の使い方を配信中

今回紹介した接着剤を使ってモスを流木等に固定する方法は、YouTubeで動画の形でも配信しています。

このページでもなるべくわかりやすく解説したつもりですが、やはり動画で手元が見れるとさらにわかりやすい部分はあると思うので、ぜひ動画の方も見てみてください。動画が気に入ったら、チャンネル登録してもらえると嬉しいです!

YouTubeチャンネル

アクアリウム用接着剤のまとめ

今回は、水槽用の接着剤について、種類や選び方、使い方や使用感を紹介しました。接着剤は大した値段ではないですし、いつもテグスでモスを巻いているという人も、一度くらい試してみてはいかがでしょうか。上手く使えば、水槽のレイアウトを作り込むときに、かゆいところに手が届く存在になってくれると思います。

K-ki

今回は水草を活着させるという目的で使いましたが、この手の接着剤は流木・石などのレイアウト素材同士の接着でもかなり威力を発揮しそうです。以前はビス止めして流木を固定する方法を紹介しましたが、小型の流木なら接着剤を使えばもっと気軽に加工できそうですね。特にジオラマ系の作り込まれたレイアウトを目指す場合とかは、使用頻度はかなり高くなるはずです。

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K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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