アクアリウムに使う水槽には、大量の水が入っているので実はかなりの重量があります。その重量を支えたり、メンテナンスに利用する飼育用品を収納したりするのが、水槽台の役目です。また、サイズが大きく存在感もあるため、水景の足を引っ張らないデザイン性も求められます。今回は、この水槽台について詳しく解説しようと思います。
水槽台については、実は前々から記事にしないとなーと思っていたんですが、押さえるべきポイントがたくさんあって面倒そうなので後回しにしていました。しかし書くと決めたからには、細部までしっかり紹介しようと思います。最初にざっくりと言ってしまうと、水槽台で特に重要なポイントは「強度(耐荷重)」「サイズ」「デザイン」「機能性」の4つなので、特にこのあたりに注意して記事を読んでみてくださいね!
水の入った水槽はかなり重い=水槽台は耐荷重が重要
アクアリウムを未経験者や、初心者アクアリストが見落としがちな問題が「水槽の重量」です。水1リットル当たり1kgの重さがあるのは常識として知ってはいても、いざ自分の水槽の重量がどれくらいになるのかは、ついつい盲点になりがちです。
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ネイチャーアクアリウムのような美しい水草水槽や、熱帯魚・亀・金魚等の飼育に必要な水槽を購入する時のポイントをまとめました。サイズ・設置場所・素材・デザイン・品質・メーカーなど多岐にわたる要点やおすすめの水槽を紹介します。
こちらの記事でも紹介しているように、水槽のサイズにはとても多くの種類が存在しますが、一般的によく利用される60cm水槽でも、満水時にはその水量は60リットルにもなります。つまり、60kgの水の重さが水槽の下にかかってくるのです。
さらにこれに加えて、水槽自体の重量、底砂、レイアウト用の石、照明や濾過フィルターといった飼育器具などの重量が合わさると、さらに10~20kgは重くなる場合もあります。60cmサイズでこの重量ですから、もっと大きな場合はさらに大変です。水槽台の強度(耐荷重)がとても重要だということは、分かって頂けたでしょうか。
一般的な家具として販売されている棚などの耐荷重を確認してみるとわかると思いますが、ここまで重いものを載せることを想定している家具は少ないです。そこで、水槽を置くための専用の台である「水槽台」が必要になってきます。
水槽台への要求・求められる性能
水槽台の必要性は分かってもらえたと思いますが、具体的にどのような性能が求められるのでしょうか。ここでは水槽台に必要な性能や要求を確認し、具体的な選び方を考えます。
強度(耐荷重)
まず一番大切なのは、上にも書いたように耐荷重です。水を満タンに入れ、さらに底砂やろ過フィルター、ライトなどの飼育用品を載せてもビクともしない頑丈さが求められます。
水槽台は単純に荷重に耐えられれば良いわけではなく、重量がかかった時でもたわまない、歪まないといった性質も必要です。
仮に荷重には耐えられたとしても、台がゆがんでしまうと水槽の一部分のみに力がかかってしまい、破損につながるからです。水槽が破損すれば水が漏れだし、大惨事になるのは明らかですから、絶対に気をつけたいポイントです。
特に割れやすいガラス水槽では、この歪み・たわみを回避するためにマットを敷いて使用します。
サイズ
水槽台を選ぶ際は、まず最初に水槽のサイズに合ったものを選びます。このサイズが合っていなければ、当たり前ですが水槽を乗せられないとか、台に対して水槽が小さすぎて不格好になってしまいます。
水槽台の柱がしっかり重量を支えられるように、水槽と台はぴったり同じサイズであるのが望ましいです。もしも水槽の方が大きければ、水槽台に支えられていない一部分が歪み、水槽破損の原因になりとても危険です。
逆に台に対して水槽が小さい場合も、置き方によっては柱が重量を上手く支えられないため避けるべきとされています。余程でなければ大きな台に小さな水槽を置くのは問題ないと思いますが、安全を期してジャストサイズの水槽台の使用をおすすめします。
デザイン
水槽台の多くは高さが約70cm程度とそれなりに高く、少なからず存在感があります。
もし水槽台のデザインが気に入らなかったら、いくら水槽のデザインやその中のレイアウトのが綺麗でも、インテリアとしては納得がいきません。むしろ水景が綺麗になればなるほど、台のデザインが気になってしまうでしょう。
一度設置した水槽台を後から変更するのは生半可ではなく大変ですから、デザインまで含めて最初に気に入るものを買っておくのが結局お得です。デザインの好みは人それぞれですが、私が気にしておいた方がいいんじゃないかなと思うのは以下のポイントです。
色・素材の統一感
1つの色・1つの素材でできた水槽台は、全体としてまとまりが感じられて綺麗に見えます。逆に複数の色や素材でできていると、ごちゃごちゃとした印象を受けてしまうでしょう。
もちろん、部屋の壁紙やフローリングとの色的な相性も重要です。
フラットなデザイン
水槽台の表面に凹凸や突起物がなく、フラットなデザインになっていると、シンプルで洗練されている印象を受けます。色や素材の数を絞っているので、形状もシンプルな方がよりまとまりが感じられますね。
いくつかデザインのポイントを挙げてみましたが、デザインの良い製品ほど高価なのが難しいところです…。
機能性
水槽台は重量を支えるだけでなく、様々な補助機能を持っている場合がほとんどです。主に以下の機能があるので、これについてもよく検討しておくと、満足できる製品を選べるでしょう。
観賞性の向上
水槽台には重さを支える役目もありますが、水槽を目線の高さに持ってきて観賞しやすくする効果もあります。アクアリウムを眺めるのが、ソファーに座っているときなのか、食卓を囲っているときなのかなど、状況によって目線の高さは変わりますし、設置する水槽の高さによって同じ台を使ったとしても印象が変わります。しっくりくる高さの水槽台を選ぶために、どんな状況でアクアリウムを観賞するのかもよく考えておきましょう。
収納性
水槽台は単なる台ではなく、台下のスペースに飼育用品などをしまうラックやキャビネットとして利用される場合がほとんどです。従って、収納としての機能性が高いに越したことはありません。
安価な水槽台だと、台下部分はただの空間ですが、ちょっとイイやつになると扉や棚板がついてきます。ただし収納する飼育用品によっては棚板があっても邪魔なだけだったり、敢えて扉を付けず飼育用品を見せたほうが意外にオシャレだったりと、何が良いかはケースバイケースです。実際に水槽台を使うところを想像して、自分のイメージに合う製品を選ぶのが良いでしょう。
オーバーフロー水槽・外部フィルターとの相性
オーバーフロー水槽を設置する際には、飼育槽の水を濾過槽に落とす配管を通すため、水槽に開いた穴と水槽台の穴の位置が一致しなければなりません。サイズだけではなく、穴の位置もよく確認しましょう。
また、外部フィルターを設置する場合には、水槽から水槽台の内部までホースを伸ばし、フィルターと水槽を連結しなくてはなりません。外部フィルターを使う予定なら、このホースを通すための横穴が開いている水槽台を選んでください。
大型水槽は床への負担も大きい
水槽の重量は水槽台で支えますが、台を含めた全ての重さを支えるのは「床」です。上にも書いたように水槽(特に90cm規格以上の大型サイズ)は想像以上に重いので、場合によっては床がこれらの重量を支えきれない場合があるのです。
床の一般的な積載荷重(耐荷重)
「建築基準法施行令 第八十五条 積載荷重」の項目によると、住宅の居室の積載荷重(耐荷重)は1800N/m2(≒180kgf/m2)をに床面積を乗じて計算することと定められています。つまり、1平方メートルあたり約180kgの荷重まで耐えることが、最低条件として規定されているのです。
これは最低要件であり、実際の住宅ではもっと積載荷重は大きい場合がほとんどです。また、これは部屋全体でこの荷重に耐えられるという意味(部屋面積が10m2なら、部屋全体で1800kgの荷重に耐えられる)であり、部屋の一部で1800N/m2を超えていたとしても即問題になるわけではありません。同じ部屋の中でも、柱に近い周辺部は比較的強度が高く、中心部は弱くなる傾向もあります。
このように画一的な基準ではないですが、それでも目安として気にしておくべき数字ではあります。
水槽サイズごとの重量の目安
床の積載荷重を示したところで、実際に水槽を置くとどの程度の重量になるのか、ざっくりとした目安を紹介しておきます。水槽はガラス製で、ガラスの比重は2.5g/cm3、水の比重は1g/cm3と仮定しています。
水槽サイズ | 水槽 | 水 | 水槽台 | 底砂/器具/素材 | 合計 | 圧力 |
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30cm規格水槽(30×18×24cm 5mm厚) | 3.6 kg | 11.59 kg | 10 kg程度(推定) | 1 kg(目安) | 26.19 kg | 194.5 kgf/m2 |
30cmキューブ水槽(30×30×30cm 5mm厚) | 5.6 kg | 24.81 kg | 10 kg程度(推定) | 2 kg(目安) | 42.41 kg | 314.9 kgf/m2 |
60cm規格水槽(60×30×36cm 6mm厚) | 12.4 kg | 59.95 kg | 17 kg | 5 kg(目安) | 94.35 kg | 494.9 kgf/m2 |
90cm規格水槽(90×45×45cm 10mm厚) | 40.5 kg | 166.5 kg | 31 kg | 15 kg(目安) | 253 kg | 604.4 kgf/m2 |
120cm規格水槽(120×45×45cm 12mm厚) | 60.8 kg | 219.43 kg | 44.5 kg | 20 kg(目安) | 344.73 kg | 619.3 kgf/m2 |
180cm規格水槽(180×60×60cm 15mm厚) | 148.5 kg | 590.21 kg | 80 kg程度(推定) | 50 kg(目安) | 868.71 kg | 786.8 kgf/m2 |
水槽の大きさやガラス厚はADAのキューブガーデン、水槽台の重量はコトブキ工芸のプロスタイルを参考に設定しました。合計の項目にあるのが、水、水槽、水槽台などの重量を全て足し合わせた重さで、この値を水槽台の底面積で割ると圧力が求まります。
この圧力の値が、上記の建築基準法施行令で定められた基準値と比べてどの程度になっているかを確認すれば、床に負荷をかけすぎていないかどうかが分かるというわけです。
なお、この計算にあたっては「コリドラス大好き!」さんの水槽の重量計算 for 熱帯魚の飼育(サイト閉鎖済み)を利用させて頂きました。ありがとうございます。
補強の必要性
上の表を見れば分かるように、30cm水槽でも195kgf/m2、90cm水槽で600kgf/m2超えと、規定よりもかなり大きな負荷がかかっています。180cm水槽に至っては総重量が1トン、圧力でも800kgf/m2付近とものすごい数字になります。
当然ながらこんな重さを床にかけ続けると、問題が起きてしまうだろうと容易に想像できます。一般的には60cm水槽くらいまでなら、圧力は高くても総重量が大きくないので特別な対策は行いませんが、90cm以上の大型水槽を設置する場合には床の補強が推奨されています。以下では、具体的な補強方法を解説します。
補強方法
大型水槽を設置する際の補強方法には、大きく分けて2つの方法があります。
大きな板を敷いて荷重を分散
一つ目は、水槽台の下に大きな板を敷いて荷重を分散させる方法です。重量を受ける面積を増やし、単位面積あたりの重量を軽減する方法です。この目的で板を敷く場合には、コンパネ(コンクリートパネル)と呼ばれる耐水ベニヤ板を使うことが多いです。
例えば90cm水槽を設置するの場合、水槽台自体の底面積は0.42平米くらいです。しかし一般的に販売されているサイズのコンパネ(900×1800mm)を敷いた上に水槽を設置すると、底面積は1.62平米まで増し、荷重は156kgf/m2まで下がって規定の範囲内に収まるようになります。
コンパネを敷いただけで、重量が板全体に均一に分散されるわけではないため、結局は目安でしかないですが、これくらいなら大丈夫だと思います。かなり手軽な重量分散手段としてとても有効です。
注意すべきなのは、底面積を増やして重量を分散させるのが目的なので、水槽台と同程度のサイズのコンパネを敷いても意味が無い点です。また、敷いたコンパネの中心に水槽台を設置しないと、重量が上手く分散されません。敷いたコンパネが邪魔になったり美観を損ねる、水槽に水を入れた後はコンパネを取り外せなくなるなどデメリットもあります。
工事
90cm水槽ならばコンパネを敷いてごまかせましたが、120cm以上のサイズの水槽を設置する場合、コンパネを敷いても200kgf/m2を超えます。また、ここまで来ると総重量もかなり大きくなり、荷重を分散させただけではやや不安です。
そこで120cm以上の大型水槽を設置する場合には、床の補強工事が必要です。床の補強方法には何種類かありますが、一番手軽で現実的なのは床束と呼ばれる支え棒を床下にかましてやる方法です。
私もさすがに床の補強工事をした経験は無いですが、大型水槽を設置しているアクアリストの中にはこういった補強工事さえも自分でしてしまう人もいます。以下のサイトが参考になると思います。
補強の際には、どれくらい強度を増せばよいのかよく考えて床束の数や間隔を決めてください。
アクアリウム専用の水槽台以外を使う場合
水槽台にはアクアリウム専用品を使うのを強くおすすめしますが、それなりに値が張るので、専用品でない市販の台で代用し、コストを抑えたい場合もあるでしょう。おすすめはしませんが、60cmサイズくらいまでならなんとかなると思います。例を紹介しておきますが、自己責任でお願いします。
メタルラック
代用品として最もメジャーなのはメタルラックです。金属製なのである程度の強度を持ち、価格もかなり安めです。メタルラックを水槽台として使用する場合は、少なくとも以下の点には注意しておきましょう。
棚板1枚あたりの耐荷重を確認する
メタルラックには多くの場合耐荷重が明記してあると思いますが、その耐荷重が「棚板1枚あたり」なのか「メタルラック全体」なのかはよく確認しておきましょう。60cm水槽を設置するのであれば、少なくとも棚板1枚あたり80kgくらいの耐荷重は必要でしょう。
荷重分散・変形防止のために板を敷く
メタルラックは水槽台としての使用は想定していないので、床には4本の支柱(場合によってはキャスター)で接する場合がほとんどです。これだと小さな面積に大きな荷重が集中してしまうので、床を傷つけたり事故の原因になったりします。床の補強方法で紹介したように、メタルラックの下にはコンパネを敷くなどして荷重を分散させるべきです。
また、棚板も水槽を置くことを想定していないので、重量には耐えられても変形してしまう場合があります。棚板が変形すれば水槽の一部分に力が集中し、割れて水漏れする原因となります。メタルラックの上にもコンパネを敷いておけば、水槽の接地面は平面が保たれるので損傷の予防になります。コンパネと水槽の間にはマットも敷いてください。
水に濡れると錆びて劣化する
メタルラックは金属製なので、水に濡れたまま放っておくと錆びてしまい強度が損なわれます。ラックには極力水をこぼさないようにし、もしも濡れてしまったときはすぐに水分を拭き取ります。また、上に書いたようにあらかじめコンパネを敷いておけば、ラックに直接水がかかるのを多少防げます。
カラーボックスは強度不足なので避ける
メタルラックと同じように、カラーボックスも水槽台の代用品として利用される場合がありますが、こちらは使用すべきではありません。カラーボックスでは重量に対して明らかに強度不足です。たまにカラーボックスの上に水槽を置いている人を見ますが、こっちまで怖くなります。やめてください。
水槽台の種類
水槽台には「キャビネットタイプ」「フレームタイプ」「ガラスタイプ」の3つの種類があります。このデザインタイプの選択は、水槽台のデザインと機能性に直結するため、まずはこの3つの中でどのタイプにするかを決めるのが、水重量槽台の選び方の基本です。
フレームタイプ
フレームタイプの水槽台は、骨組みのみで構成されたシンプルな構造です。下部が丸見えになるのであまりごちゃごちゃと飼育器具を詰め込むと見栄えが悪いですが、道具の出し入れはすぐできます。アクアリウム用品の中には飼育器具自体がおしゃれなものもあるので、飼育器具を隠すよりもむしろ見せつけたいときは、フレームタイプの方が良いかもしれません。
構造が簡単なので水槽台としては一番安上がりです。金属(スチール)製品が多いですが、木製もあります。
キャビネットタイプ
キャビネットタイプは箱型の水槽台で、台下を収納スペースとしてかなり便利に使えます。扉は観音開きが主流で、たまに片開きタイプもあります。木製の製品が多いです。
台の内部が見えないので、ろ過フィルターやCO2添加装置だけでなく、エサや掃除道具などを雑多に入れておいても見栄えが悪くなりません。ただし、エサのように毎日出し入れする飼育用品を入れていると、必要以上に大きな扉を何度も開け閉めしなければならず、やや面倒です。
水槽台内部がある程度閉鎖されているので、エアーポンプのように多少音がする飼育器具も、台の中に入れてしまえばだいぶ静かになる点も長所です。また、上位版に「フルキャビネット」と呼ばれる、水槽の上部にも囲いが付いていて照明などが見えないようにしてある製品もありますが、オーダーメイドなどでしか販売されていません。
ガラスタイプ
ガラスタイプの水槽台は、現状ADA(アクアデザインアマノ)のキューブキャビネットくらいしか存在しません。値段は高いですが、見栄えはかなり良くてインテリアとしても満足できる逸品です。
ただし、強度的に難があるのか、60cm規格水槽までしか対応していません。綺麗なのはいいんですが、何かをぶつけて水槽台が割れたりしたら大惨事になるのが目に見えているので、色々な意味で勇気のある人向けです。
水槽台の入手法
水槽台が必要になった場合、手に入れるためには3つの方法があります。それぞれの入手法によって水槽台の選び方も多少変わってくると思われるので、ここでその方法を紹介しておきましょう。
既成品
一番スタンダードな方法は、既成品の水槽台を購入することです。水槽は基本的に規格水槽という決まったサイズになっていますから、市販品を選んでおけばサイズに困ることもそうありません。
別にこの方法に問題はないのですが、多少高くてももっと良い物が欲しいとか、手間はかかってもいいから安く済ませたい場合には、「オーダーメイド」や「自作」が候補に入ってきます。
オーダーメイド
インテリアとしてデザイン性を重視したいとか、材質にこだわりがあるなど、市販されていない水槽台が欲しい時にはオーダーメイドしてしまう場合もあります。また、横幅150cm以上の大型水槽の水槽台は、既成品でもほとんどが受注生産のため、それならいっそオーダーメイドしてしまおうという人もいます。
市販されていないものが欲しいという面では自作に共通しますが、プロに作ってもらうため高品質・高価となります。
自作
無いものは作ればいいというDIY精神を発揮し、水槽台を作ることも可能です。アクアリウムはこうやって必要なものを自分で作ってしまうのも楽しみの一つですよね。
タグ自作・DIY
大型水槽用の水槽台となると作るのはかなり大変ですが、30cm水槽の水槽台程度なら、ある程度手軽に作れます。
自分で作るため安上がりになり、コストを抑えられるのも長所ですが、反面工作精度の問題などから強度面に不安が残ります。慣れている人なら大丈夫でしょうが、あまり工作に慣れていない人は、まずは小型水槽用の水槽台から始めた方が無難です。
おすすめの水槽台(既成品)
水槽台の選び方について、色々なポイントを紹介してきました。一通り選び方が分かったところで、水槽台のタイプ別におすすめ製品を紹介しておきます。
キャビネットタイプのおすすめ水槽台
まずはキャビネットタイプの製品から紹介します。
コトブキ プロスタイル
コトブキ工芸のプロスタイルは、キャビネットタイプの水槽台の中でも低価格で見栄えも割と良いため、定番商品となっています。このクオリティで実売価格は7000円程度ですから、間違いなくお得です。扉も開閉しやすく、バタン!と閉まらないようにクッション性のある蝶番になっていて使い勝手も良いです。かくいう私もこのプロスタイルを使っています。以前は水槽台の内部で使える棚板もついていたのですが、現在では廃止されてしまったようです。
ただしこのプロスタイルには、水槽台なのに水に弱いという大きな弱点があります。プロスタイルは、MDF材という木屑を圧縮させた木材でできており、水を吸いやすいのです。水を吸ったMDF材はカビが生えてきたり膨らんで元に戻らなくなったりと、結構致命的です。
実は私も一度水漏れを起こしてしまい、そのときにプロスタイルが水を吸って変形してしまっています。今も騙し騙し使っていますが、ちょっと不安ですね。ただしこの問題はプロスタイル固有ではなく、MDF材を使っている製品全てに共通する問題です。MDF材製の水槽台を使うときは、水漏れには十分注意してください。
GEX インテリア水槽台 GLOSS/アクアラック ウッド
GEXのインテリア水槽台GLOSSは、木目調の製品が多い中で、鏡面仕上げを採用しており、デザイン・インテリア性がかなり高くなっています。ピカピカの水槽台の上にピカピカの水槽を飾っていれば、かなり気分も良さそうです。ニッソーのCROSSキャビネットも似たような製品ですが、こちらは45cm水槽用しかないので、GEXのGLOSSの方が幅広く使えますね。
ただ、これらの商品は既に生産終了しており、入手が難しくなっています。GEXからは、インテリア水槽台の後継商品として「アクアラック ウッド」というシリーズが販売されています。
GLOSSの特徴であった鏡面仕上げは非採用で、無難な木目調仕上げになっています。少し残念ですが、デザインは他の水槽台よりと比べると多少シンプルなので、リビングにも起きやすいでしょう。プロスタイル同様、材質はMDF材又はそれに類する木質ボードのようなので、やはり水漏れには注意が必要です。
ジョイフル本田
某掲示板を中心にダークホース的存在として注目を浴びているのが、関東地方のホームセンター「ジョイフル本田」が販売しているオリジナル水槽台です。この製品は耐久性・耐水性に優れるパイン材で作られているので、MDF材製の製品よりは水漏れに対する耐性が高いと思われます。また、パイン材製の水槽台の中では値段が手頃になっています。
あまり使用者が多くなさそうなところがちょっと不安に感じる人もいるかも知れません。オンラインショップよりも、実際に店舗に行ったほうが安く買える場合があるようです。
フレームタイプのおすすめ水槽台
次はシンプルイズベストなフレームタイプのおすすめ製品を紹介します。
GEX 組立2段台
フレームタイプの水槽台では、GEXの組み立て2段台がおすすめです。フレームタイプならではのシンプルデザイン、他のインテリアと合わせやすい黒塗装、そして何より値段の安さが魅力です。この水槽台には45cm水槽用と60cm水槽用の2タイプがありますが、いずれもそのサイズの水槽台としてはほぼ最安値を誇ります。安価・シンプルなフレームタイプ水槽台の長所を活かした水槽台と言えるでしょう。
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ジェックスの安い水槽台・組立2段台レビュー&格好良くする自作テク
ジェックスの水槽台「60cm水槽用組立2段台」を購入・使用してレビューします。長所は安さと上下2段に水槽を置ける収納力、短所は強度面の不安と棚板が付属しない点です。ブルックリンスタイル風のおしゃれな台にDIYする方法も紹介します。
こちらのページで紹介しているように、少しの工夫でおしゃれな雰囲気に改造することもできます。よければ参考にしてください。
また、強度が気になる人は、デザイン的には似ているものの背面に筋交いが入っているニッソーの組立スチールキャビネットがおすすめです。キャビネットという名前がついてはいますが、見れば分かる通りこのページの分類上はフレームタイプの水槽台に相当します。
デザイン性・インテリア性の高い水槽台
デザイン性・インテリア性の高いアクアリウム用品では、現状ADAの右に出るメーカーはいません。水槽台もご多分に漏れず、シンプルでスタイリッシュな製品を販売しています。
木製のキャビネット水槽台であるウッドキャビネットは、アクアリウム用の水槽台の中でもかなり高い完成度を誇ります。他社のキャビネット系製品の多くが、購入者自身で組み立てる必要があるのに対し、ADAのウッドキャビネットは組立加工済みなので工作精度を気にする必要もありません。
ただしもちろんお値段はADAのプレミアム・プライスで、他社とはレベルの違う高級商品になっています。
おすすめの水槽台(オーダーメイド品)
既成品として販売されている水槽台は一通り紹介したので、次はオーダーメイド品の中でも人気・知名度のあるものを紹介します。
Cube a Stump
Cube a Stumpは、多くのアクアリストに支持されているオーダーメイド水槽台で、その品質もデザイン性もとてもレベルが高いです。「森の贈り物」という、福岡県久留米市の天然木オーダー家具/一枚板テーブル工房ショップがオーダーメイドで製作・販売しています。以前GRASS DESIGNのZOEさんも紹介されていました。
参考MorinoOkurimono 森の贈り物 (もりのおくりもの) -official website-
参考水槽台の選び方が分からない?おすすめの水槽台はこれだ!
このレベルの品質・デザイン・機能性を兼ね備えた水槽台としてはかなりリーズナブルな価格な上、カラーやサイズも選べて細かい部分まで独自のオーダーが可能です。丁寧に手作りされているので、制作日数はかかってしまいますが、満足度は間違いなく高いでしょう。
バリエーション製品として、Cube a Stumpに引き出しを追加した「Cube a Stump +」や、化粧板を使わず天然木の風合いを活かした「Cube a Stump Wood」などもあります。
K-kiもずっと欲しかったんですが、2019年に満を持して購入し、現在も使用中です。使用感やオーダーの方法等を以下のページにまとめたので、Cube a Stumpシリーズの水槽台に興味がある人はぜひ読んでみてください。
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オーダーメイド水槽台Cube a Stump(wood)レビュー!
福岡県久留米市の工房「Morino Okurimono(森の贈り物)」が手掛けるオーダーメイド水槽台「Cube a Stump」シリーズを紹介します。無垢材を活かしたCube a Stump(wood)を購入し1年以上使用した上でのレビューもお届けします。
創造小屋
創造小屋はオーディオラックや水槽台を手がけている、東京都立川市にある木工主体の便利屋さんです。次に紹介するchiroさんと同様、ヤフーオークションにも出品されています。
参考オーディオラック スピーカースタンド 水槽台 等をオーダーメイドにて製作販売
こちらで制作されている水槽台はとにかく種類が豊富で、様々なデザインに対応してくれます。価格もCube a Stumpなどと比べると安めなので、オーダーメイドとしては手を出しやすい製品です。
chiroの木製水槽台(ヤフオク)
実はヤフーオークションでも水槽台のオーダーメイドが可能です。オーダーメイド水槽台を販売しておられる方は何人かいるようですが、中でもID:chiro247324さんが有名です。元大工で木材の仕入れなどもやっておられた方で、2007年頃からヤフオクで水槽台のオーダーメイド販売を行っておられるようです。以下のサイトで過去の作例を紹介されています。
60cm用サイズの水槽台で高さ60cmだと、基本料金が8500円(2015年11月3日現在)で、ここに塗装料1800円と送料が加算される値段設定です(オーダー内容によって追加料金有)。材料は無垢材にこだわって作られているので、かなり安めの価格設定です。制作日数は掛かるようですが、検討してみたい水槽台の一つですね。
ただし個人がやっておられるのであまり無茶な要求はされませんように…。
おすすめの水槽台自作方法例
ここまでは水槽台を購入する方法を紹介してきましたが、水槽台は自作も可能です。120cm以上の大型水槽用になるとかなり大変ですが、90cmくらいまでならなんとか自作も可能でしょう。
上にも書いたように、水槽台を自作するとコストが抑えられ、そして工作自体が楽しいのですが、いきなり作ろうと思っても何から始めればよいかよくわからないと思います。私も水槽台は作った経験がないので作り方を詳細には書けませんが、いつか自作する日のためブックマークしておいたウェブサイトを、作業のポイントごとに紹介します。
水槽台自作の全般的な手順
まずはこちらのサイトで、自作について全体の流れを把握しておきましょう。一連の流れが抑えてあるので参考になります。
参考1番かんたんな60cm自作水槽台の作り方 (1記事で終わるよ!) – すいそうモドキ
こちらのサイトはアクアリウム関連の自作に特化したブログです。私もオーバーフロー水槽用の濾過槽の自作や同じくオーバーフロー用のウールボックスの自作の際などには参考にさせてもらいました。手順をかなり詳細にまとめてあるので、
参考まずは水槽台でも自作しようかと・・・ | 水槽台の自作 | おいらのアクアリウム 2号館
60cm水槽用のキャビネット
全体的な作業手順は上の2つのサイトを見ればほぼ把握できるので、具体的な作例も紹介してみます。こちらは化粧板を使った60cm用のキャビネットタイプ水槽台の作例です。
参考約4,000円で自作された水槽用キャビネットが素晴らしいと話題に – アクアカタリスト
何故か叩いてる人がいますが、かなりの出来栄えです。自作するならこれくらいこだわって、デザイン的にもカッコいい水槽台を作りたいですね。
90cm水槽用のスタンダードな水槽台
こちらは90cm水槽用の水槽台の作例です。キャビネットではなく木製のフレームタイプになります。
60cm水槽くらいまでならまだごまかしが効きますが、90サイズにもなると強度不足は致命的な問題を引き起こします。こちらでは強度を出すための柱の組み方も紹介しているところがとても役立ちます。
タグ自作・DIY
水槽台の自作方法はまだ紹介していませんが、こちらのページでは様々なアクアリウム用品の自作方法を紹介しています。アクアリウム関連の自作に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
また、水槽台選びも重要ですが、それ以上に水槽選びは大切です。
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アクアリウム水槽(熱帯魚・金魚・水草)のおすすめと選び方
ネイチャーアクアリウムのような美しい水草水槽や、熱帯魚・亀・金魚等の飼育に必要な水槽を購入する時のポイントをまとめました。サイズ・設置場所・素材・デザイン・品質・メーカーなど多岐にわたる要点やおすすめの水槽を紹介します。
サイズや材質、デザイン、メーカーなど、気にするべきポイントはたくさんあるので、迷ったときはこちらのページを参考にしてください。
今回は安全にアクアリウムを楽しむための肝となる、水槽台について解説しました。個人的には次に買うならやっぱりCube a Stumpが欲しいですねー。私としては書きたい内容は一通り書けたので満足ですが、不明点はありませんでしたか? 何かあればお答えするので、気軽にコメントやお問い合わせをしてくださいね!