水槽周辺にはいろいろな機器が設置されていますよね。濾過フィルター、エアポンプ、CO2添加装置、照明器具…。数え出したらキリがないくらい多くの電子機器が設置されていますが、そのどれもが水槽の維持に欠かせない重要な役割を持っています。しかし電子機器が多くなるとその電源のオン・オフなど管理が大変になってしまうという問題点があります。
そこで今回は、たくさんある水槽周りの機器を管理しやすくするプログラムタイマーを紹介します。こいつを使えば自由自在に電源のオン/オフ時間を設定できます。日常の水槽管理の手間を減らしてメンテナンス性を高められるだけでなく、旅行などで暫くの間アクアリウムに手がかけられなくなるような場合にも重宝しますよ!
プログラムタイマーとは?
プログラムタイマーとは、あらかじめ時間を設定しておくと電源のオン・オフを自動で行ってくれるアイテムです。別にアクアリウム用の製品というわけではなく、一般的な家電製品にも使われています。防犯やイルミネーションなどに利用されることが多いみたいですね。
用途
アクアリウムに関していえば、特に以下の3つの用途が多いのではないかと思います。
照明
照明は毎日決まった時間にオン・オフしたいので、プログラムタイマーで自動化するものの筆頭になると思います。手作業で毎日スイッチを入れたり切ったりするのは面倒ですし、自動化してしまえば日ごとのズレがなくなるので生体の生活サイクルの安定や水草の成長しやすさにも繋がります。
仕事などで昼間は家にいない人でも、帰宅の少し前に自動点灯して就寝時間頃に自動消灯するというように設定時間を工夫すれば水槽を観察することのできる時間を最大限に増やすことができます。
注意すべきとことしては、メタルハライドランプを利用する場合には、突入電流(電源投入時に流れる電流)が大きいので対応電力が大きめのものを用意しなければならないということがあります。
CO2
CO2ボンベを使った水草レイアウト水槽を維持しているのであれば、二酸化炭素添加の自動化も効果があります。植物は二酸化炭素を使って光合成を行いますが、それは当然ながら照明が点灯している間のみです。照明が点灯していない時にもCO2を添加するともったいないですし、場合にとっては水中の二酸化炭素濃度が高くなりすぎて生体に悪影響を及ぼす恐れもあります。
そこで電磁弁とプログラムタイマーを用いて、照明の点灯時間に合わせてCO2の添加を自動化することにも意味があります。電磁弁は結構いいお値段がしますが、それに勝る価値があると思う人は試してみると良いと思います。
エアレーション
エアレーションをする場合は普通は24時間行うと思いますが、例外もあります。
前述のCO2の自動化を行っていて、夜間は植物も魚も呼吸するので酸素不足になるという場合には照明の消灯時のみエアレーションを行うこともあります。かなり密な水草レイアウトでなけれあばそこまでは必要ないようにも思いますが、私はそんなレイアウトを作ったことがないので実際のところはよく分かりません。
これをやろうと思うと照明やCO2とはオン・オフの時間が異なる(逆になる)ので、2系統のプログラムが組めるタイマーが必要になります。従ってタイマー自体の値段が高めのものになってしまいますね。ちょっと場所をとってもいいなら1系統のプログラムタイマーを2つ使うというやり方もあります。
商品例
では実際の商品を幾つか紹介していきます。それぞれに特徴があるので、自分のやりたいことにマッチするものを選んでください。
簡単デジタルタイマー PT70DW/G
デジタルタイプのプログラムタイマーです。以前までは「デジタルプログラムタイマーⅡ」というタイマーを紹介していましたが、こちらの新モデルが登場したため、新しい方をおすすめしています。
このタイマーはアクアリウム用品として売られていることもありますが、実際はアクアリウム専用に作られたものではないので、ホームセンターなんかでも普通に売っています。値段・性能などのバランスがとれていて使いやすいタイマーです。私はこれの旧モデルであるデジタルプログラムタイマーⅡを使っています。無難に行くならこれ、という感じの商品です。
プログラムタイマー NT-301
こちらはアクアリウム用品メーカーのニッソーから発売されているプログラムタイマーです。さすがニッソー製というだけあってかゆいところに手が届く仕様になっています。
2系統のプログラムが操作できるので、上の方に書いた照明&CO2+エアレーションといった組み合わせや、メインの照明と補助照明を時間差で点灯・消灯するというような使い方もできます(上のデジタルプログラムタイマーは1系統のプログラムにしか対応していないので、オン・オフの時間の組み合わせは1通りしか設定できません)。また常時通電のコンセントもあるので、これひとつで水槽周辺のコンセントを全部管理でき、スッキリとした配線を実現できます。
高機能な分値段も少し高いですが、それだけの価値はある商品です。charmではよくセール対象になるので、そのタイミングを狙って買うのも良いですね。
24時間プログラムタイマーII
こちらはアナログ式のプログラムタイマーです。なんといっても価格が安いのが魅力ですね。時間のズレが大きくて使いものにならないという声も聞かれますが、最近のものはそこまでひどくはないようです。
デザインがどうしても古臭いのと、大きさ的にややかさばる、音が多少うるさいという点に目を潰れるのであれば、これを選んでも問題無いと思います。大量に水槽を維持している人なんかはこれを使っている人も多いんじゃないでしょうか。
使用感・レビュー
今回私が購入したデジタルプログラムタイマーⅡ PT50DWを、感想も交えて簡単にレビューします。
操作性
デジタルプログラムタイマーⅡの操作パネルは上の写真の様になっています。A~Dまでの4つのボタンを操作してプログラムを設定したりするのですが、このボタン操作が分かりにくい! ボタンの下の説明も分かりにくく、直感的な操作ができません。
プログラムを設定し直そうと思うと、イチイチ説明書を引っ張りだしてどうやって操作するんだっけ…と確認するハメになります。そんなに頻繁にいじるものではありませんが、もう少し分かりやすくしてくれると嬉しいですね。
設定時刻のズレ
あと使っていて気になったのは、徐々に設定時刻がズレてくることですね。最近は電波時計とかばかりなので時間がずれるということはあまりなくなりましたが、この商品はしっかりずれてきます。8時に点灯するように設定していた照明が、いつの間にか8時15分から点灯するようになっていたとかそんな感じですね。
気になるといえば気になりますが、電源オンになっている時間が短くなったりするわけでもないので大したことではないです。ただ操作性の悪さも相まって、時間がズレてきても再設定するのがかなり面倒に感じられます。ここらへんはどうにかして欲しい所ではあります。
安定性
このタイマーにはロック機能があるので、セットしたタイマーに手が当たって設定時間が変わってしまうといった誤操作の危険性はありません。また、電源がオンになっている間はタイマー中央のLEDライトが青く点灯してくれるので、オン・オフの状態が分かりやすいです。
プログラム数
この商品ではプログラムが14個まで設定できます。つまり、電源のオン・オフの組み合わせを14通り併用できるわけです。
これをフルに活用すれば、月曜は7時から9時と19時から24時、火曜は10時から12時と20時から25時、水曜は12時から20時と…、というようにかなり複雑な時間設定をすることができます。ここまで細かく決めなくても、平日は夜に照明を点灯して土日は昼から夕方まで点灯する、みたいな設定もできるわけです。これはなかなか便利だと思います。
総評
全体的な評価としては、「多少不便なところもあるが使用上の大きな問題はない」といったところです。使っている人も多いものですし、まあそんなもんでしょう。アクアリウムを始めたばかりの人はこのタイマーから入るのも良いと思います!
https://aquaturtlium.com/category/supply-instrument-tool/aquarium-supply/
こちらのページでは、今回紹介したプログラムタイマー以外にも、様々なアクアリウム用品を紹介しています。アクアリウムの第一歩を踏み出すために水槽の種類や目的別の選び方を紹介したり、プログラムタイマーとも相性の良い吊り下げ式の照明の作り方を紹介したり、暑さや寒さに対応するためのクーラーやヒーターについて解説したりと、色々な話題を扱っています。アクアリストならぜひチェックしておきたいですね!
今回はアクアリウムの日常的な管理を楽にするプログラムタイマーを紹介しました。ちょっとは役に立ちましたか? アクアリウムを続ける上では、とにかく日頃の手間を省くに越したことはありません。プログラムタイマーでちょっと楽をしてみてはどうでしょうか!