爬虫類飼育 生体の選び方

亀飼育をより楽しく!カメと魚やエビの混泳法・種類別データ

2014/12/18

カメと魚やエビとの混泳

水棲亀を飼育するにはいろいろな方法があります。水槽で飼ったり、屋外で飼ったり、メンテナンス性を重視したり、インテリア性を重視したり…色々な飼い方がありますね。今回紹介するのは、亀の飼育にろ過を導入している場合に、水槽の観賞性をより高めることができる「混泳」の方法です。

水槽を泳ぐ亀を観察するのはそれだけでとても楽しいですが、そこに魚やエビなどの他の生き物がいるとさらに観賞の楽しみが増します。また、亀だけで飼育していると見ることのできない姿を見れることがあるのも魅力です。

亀と魚を混泳させるための条件・注意点

亀と魚やエビなどの水棲生物を混泳(同居飼育)させる場合には、どんな条件を満たしどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。まずはこういった条件・注意点について考えてみます。

ろ過フィルターを使用する

亀と比べて魚やエビなどは水の汚れに弱く、濾過が効いていない環境では長期間生きていくのは難しいです。亀にとっても水が綺麗であることは当然良いことなので、可能なら飼育設備に濾過フィルターを導入するのが良いのですが、亀は魚よりも水を汚しやすいため利用するのであれば強力な濾過フィルターが必要となります。

連載ろ過の原理と利用方法

アクアリウムのように、亀の水槽でろ過システムを構築する方法は上のリンク先にまとめています。濾過の理論から説明しているためボリュームが多いですが、理論の理解はトラブル等への対処に必要です。なるべく目を通して下さい。

濾過を導入すると水換えの頻度を下げられるので、亀の飼育に必要な手間が減るというメリットもあります。興味のある方は試してみてくださいね。

リスクを認識する

亀と魚などの他の生き物を混泳させることには当然リスクがあります。魚側にはどうしても食べられたり噛み付かれたりする危険性があり、上手く環境を整えた上で種類を選ばないとただの生餌になってしまいます。高価な魚や貴重な魚など、亀に攻撃されると困る生き物は混泳させないほうが良いです。

また、亀にとってもリスクがあります。あまりにも大きい魚だと亀が攻撃される場合もありますし、尖ったヒレや毒を持つ生き物もいます。大きめのザリガニ等は子亀くらいならハサミで切り殺してしまうこともあるようです。危険を回避するため、そのような生き物との混泳もやめておくべきです。

混泳させない方が良い生き物

ろ過フィルターを使用し、リスクを認識しているとしても、やはり亀との混泳は避けた方が良い生き物も存在します。その理由は主に亀に危害を加える可能性あるからですが、そのような混泳させない方が良い生き物も紹介しておきます。

アカハライモリ

アカハライモリは身近な両生類で、亀と混泳させてみたいと思うかもしれません。しかしこの種はフグと同じテトロドトキシンという毒を持っているため、万一亀がイモリを齧ったり食べたりすると死んでしまう可能性があります。

テトロドトキシンはエサを通じてイモリの体内に蓄積されるため、生まれた時から飼育下にあるCB個体なら危険性は無いと思いますが、出自のはっきりしない個体は毒を持っている可能性があるので混泳させるべきではありません。

コリドラス

アクアリウムで人気の高いコリドラスも実は毒を持っている生き物です。この魚を食べたせいで亀が中毒に陥り死んでしまったという情報もあります。

参考Mr.Kameのページ

やはり危険性が高いので混泳させるべきではありません。

ザリガニ・カニ

ザリガニやカニのハサミの力は強力で、亀に怪我をさせたり時には死なせてしまうこともあります。特に子亀には危険な生き物です。

逆に亀が大きくなるとよくエサにされますが、その時にも危険をなくすためハサミを取り除いて与えることが多いです。混泳させるにしろエサとして与えるにしろ、かなり注意が必要な生き物です。

ここでは挙げていない生き物も、亀より極端に大きかったりすると危険な場合もあります。混泳させる場合はサイズをよく考えるようにして下さい。

亀と魚の混泳データ

私のこれまでの経験に基づき、亀と魚やエビなどの他の生体との混泳に関するデータをまとめます。現在のウチの亀水槽の方針から、ニホンイシガメと日本に生息している淡水生物に限ったデータですが、傾向をつかむのには役立つと思います。データを充実させるためにも、混泳にチャレンジしたことがある方はぜひ結果を教えて下さい!

飼育環境

まず、今回のデータを取った水槽の環境について簡単に紹介して置きます。

ニホンイシガメの亀飼育水槽

水槽は90cm規格水槽でろ過システムはダブルサイフォン式オーバーフローです。水量は90cm水槽に半分強(水深25cm)+60cm水槽を改造した濾過槽に8割くらいなので、大体150リットル程度です。亀の飼育水槽としては水深が深めですが、水深が深いほうが魚の逃げ場ができます。

底床(底砂)には化粧砂(田砂)を薄く敷いていて(1cmくらい)、石や流木を使ってレイアウトしています。また多くの流木にウィローモスを活着させています。そのため一般的な亀の飼育水槽よりはかなり隠れ家の多い環境のはずです。

冬場はヒーターを使って加温飼育しているため、飼育中の亀は冬眠せず年間を通じて水温は24~25℃以上に保たれています。夏場はだいたい32℃程度まで水温は上がります。1年を通じて亀も魚も活動期間になっています。

亀などの爬虫類に寒い冬でも太陽光の紫外線を浴びさせる工夫

現在この水槽で飼育している亀は、甲長約12cmのニホンイシガメのオス1匹です。数ヶ月前までは甲長約10cmのニホンイシガメのオスがもう1匹いたので、ここで紹介する混泳のデータは、90cm水槽で10cm強のニホンイシガメ♂を2匹飼育している場合のデータだと考えて貰えれば良いと思います。

以下で私が試してみた混泳に関するデータを紹介します。

魚類

まずはニホンイシガメと魚類の混泳データを紹介します。

メダカ(ニホンメダカ)

メダカ(ニホンメダカ)

これまでの導入数 40~50匹
現在の生存数 0匹
生存期間の目安 1日~半年以上
導入直後に多数が食べられる傾向

値段も安く丈夫でメジャーな魚で、一時期自前で繁殖させていたのもあり、一番たくさん混泳にトライさせた種類です。しかしながら結果を見ると分かるように、亀との混泳にはあまり向いていません。

メダカはあまり泳ぎが上手くないので、ちょっと油断していると泳ぎの下手な子亀にも食べられてしまいます。そして危機感にもやや欠けていて、不用意に亀の口元に近づくことが多々あります。生餌としてよく販売されているのは、こういった捕食難易度の低さも関係しているのかもしれません。

メダカにとって一番危険な時期は水槽への導入直後で、亀の怖さをよく分かっていないため警戒心が薄く、簡単に食べられてしまう場合があります。少し時間が経つと亀のことを警戒するようになり食べられにくくなりますが、私の経験上そうなるまでに6~7割のメダカは食べられてしまいます。

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値段が安く繁殖も簡単という強みを活かし、食べられても次のメダカを追加していくスタイルなら水槽で一緒に飼育することはできますが、それはもはや混泳というより生餌と呼ぶべきですね。

シマドジョウ

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これまでの導入数 4匹
現在の生存数 1匹
生存期間の目安 1週間~3年以上
導入時にある程度の大きさがあると安心

亀のタンクメイトとしてドジョウを飼育している方をよく見かけます。私は普通のドジョウ(マドジョウ)ではなく、体の縞模様が綺麗で観賞価値も高いシマドジョウを混泳させてみました。メダカと比べると生存率が高いです(メダカは0%でしたが…)。

ドジョウ類はいわゆる「底物」と呼ばれ、水槽の底にたまりがちなエサの残りカスなどを食べてくれるため、亀水槽のタンクメイトとしては重宝します。ただし亀もドジョウも水槽の底部が主な生活領域なので、ドジョウは水槽内で亀と遭遇する頻度が高く危険な目にあいやすいです。しかし意外にも俊敏に泳ぐことができ、上手く亀をかわして生き延びています。

ウチでは2匹ずつ2回に渡りシマドジョウをイシガメと混泳させてみました。最初の2匹はサイズが小さめの若いシマドジョウで、1週間ほどで見当たらなくなりました(多分食べられた)。2回目はある程度育ててから混泳を開始し、1匹は2年半程度生存、もう1匹は3年以上経って水槽をリセットするまで生存していました(その後亀とは別飼育になりました)。

シマドジョウの野生下での寿命は2年程度らしいので、2年半生存していた個体がいなくなったのは、おそらく老衰で弱ってきたところを食べられてしまったのでしょう。最初にある程度の大きさがあれば上手く混泳できる種類の魚だといえると思います。マドジョウはシマドジョウより大型になり寿命も長いので、長期間タンクメイトとして混泳させたいならマドジョウの方が良いのではないかと思います。

カゼトゲタナゴ

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これまでの導入数 11匹
現在の生存数 6匹
生存期間の目安 1週間~1年4ヶ月以上
導入時にある程度の大きさがあると安心

日本産淡水魚(日淡)の中でも愛好家の多いタナゴの中の小型種、「カゼトゲタナゴ」です。カゼトゲタナゴはメダカの混泳がイマイチ上手くいかないため、メダカより少しサイズが大きく泳ぎの上手そうな魚ということで試してみました。

これは見事に成功し、かなり高い生存率を誇っています。11匹の内最初の数週間で4匹が恐らく食べられて7匹になりましたが、その後は特に変わりなく1年近く7匹のカゼトゲタナゴがイシガメと混泳していました。

その後1匹が病気で死んでしまいましたが、残った6匹は現在でも元気にしています。警戒心が強く亀が活動している時間帯は流木の影などに隠れていることが多いです。また、泳ぎも俊敏で亀に捕まることはそうそうなさそうです。亀との最初の遭遇を乗り越え、危険な生き物として認識できれば長生きするようです。

タナゴ類は繁殖に貝が必要で亀のいる水槽内での繁殖は難しい、警戒心が強すぎて亀の近くにいる姿が見られない、などの点が少し残念ですが、亀のタンクメイトとしては優秀な部類だと思います。ただしカゼトゲタナゴは希少な生き物なので無闇に混泳させて生餌みたいになってしまうのは避けたいところです。推測ですが、他のタナゴ類も恐らく亀水槽で上手くやっていけるんじゃないかと思っています。

エビ・貝類

魚以外のエビや貝といった水棲生物についても、混泳を試みた際のデータをまとめておきます。やはり魚と比べると遊泳力が低く、いざという時に素早く逃げられないため、混泳させるのであればかなり工夫が必要だと思われます。

ミナミヌマエビ

光り輝くミナミヌマエビ

これまでの導入数 不明(100匹以上?)
現在の生存数 0匹
生存期間の目安 1日~1年程度?
水槽内で繁殖もしたが、亀の成長に伴い食べ尽くされる

ミナミヌマエビは水槽内で簡単に繁殖するので、多少亀に食べられてもそれ以上に増えてくれれば問題無いとも言えます。アクアリウムではコケ取り用のタンクメイトとして頻繁に利用されるように、コケ掃除の役割も期待できる生体です。

最初は20匹程度を亀水槽に導入し、多少食べられながらも一時は50匹ほどまで増えました。しかしその後亀が成長するにつれ、エビを上手く捕食できるようになって食べられる量が増える量を上回り、導入から1年強が経った時には数匹を残すのみとなっていました。その時点で亀水槽から隔離したので全滅はしませんでしたが、放っておけば確実に食べつくされていました。現在ではミナミは世代交代が進み、亀水槽で暮らしていた個体は残っていません。

亀水槽には1年強の間にトータルで100匹以上のミナミヌマエビが存在していたと推測されますが、亀の成長に伴い完全に食べつくされた形です。今後ミナミヌマエビを導入してもすぐ食べられてしまうと思います。

2015/12/19 追記

この記事を書いたしばらく後に、ストック用の30cm水槽であまりにもミナミヌマエビが増えすぎたので、エサのつもりで亀水槽に投下しました。以前ならすぐに食べ尽くされてしまったのですが、今回は数ヶ月経過した今も数があまり減っておらず、稚エビまで生まれている状態です。

亀の成長に伴い、ミナミヌマエビ程度なら食べてもあまり腹の足しにならないと認識されたのか、どうやら捕食対象と見られていないようです。亀の混泳が成功するかどうかには、個体差や混泳時の状態なども関連してくるため、一筋縄ではいかないと言えそうですね。

2017/04/04 追記

その後亀とミナミヌマエビの混泳を一時期やめた後、再び混泳させるようになったのですが、すると今度はミナミヌマエビを食べようと追いかける姿を見かけるようになりました。成長すれば食べなくなる、というような単純なものではなく、気温・水温による亀の活動性や体調、気分などにも影響を受けるようです。

観察を重ねるにつれ、亀がミナミヌマエビを捕食するかどうかは亀の気分に依存するとも言うような、なんともはっきりしない結論に到達しつつあります。まさに「亀のみぞ知る」というやつですね。

2017/05/19 追記

上のようなことを書きつつも、イシガメと混泳を続けていたミナミヌマエビですが、結局全部食べ尽くされてしまいました。ミナミヌマエビが増えすぎるのにも困っていたため混泳を続けましたが、結局は自然に淘汰される形になりました。

ただ、現在の水槽レイアウトは一時と比べると非常にシンプルで、ミナミヌマエビの隠れる場所がなかった影響もあると思います。隠れ家が確保されたレイアウトでそこそこの数を混泳させ、亀の甲長に対して十分な大きさがある水槽であれば、上手く混泳できるとは言わないまでも、そう簡単に全滅することはないと思います。

ヤマトヌマエビ

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これまでの導入数 20匹程度
現在の生存数 0匹
生存期間の目安 1日~1年程度?
亀の成長に伴い食べ尽くされる

ミナミヌマエビと同じく、コケ取り用のタンクメイトとして利用されるヤマトヌマエビでも亀との混泳を試してみました。ヤマトもミナミと同じく最初は上手く亀から逃げていましたが、いつの間にか亀の捕食能力が高くなり食べつくされました。

カメ水槽に餌用メダカ&ヤマトヌマエビ導入
カメ水槽に餌用メダカ&ヤマトヌマエビ導入!混泳は成立するか?

亀を飼育していると一度は魚やエビと混泳させてみたいと思いますよね。しかし食べられるリスクも高くあまり試す人はいません。生餌も兼ねて実験的にニホンイシガメ水槽にメダカとヤマトヌマエビを導入してみた混泳実験の結果を報告します。

上の記事に詳しく書いていますが、2歳半くらいになったイシガメとヤマトヌマエビ10匹を混泳させてみたところ、一晩で9割方食べ尽くされるということもありました。ミナミよりは泳ぎが上手いので生き延びられるかと思いきや、水槽という限定的な環境では亀にかかればひとたまりもないようです。

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亀が成長してからは、ミナミとヤマトの2大コケ取り生体がすぐに食べ尽くされてしまうようになったので、水槽内にコケが生えやすくなった気がします。コケ取り能力が高く亀とも上手く混泳できる生き物っていないものでしょうか…。

タニシ

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これまでの導入数 10匹程度
現在の生存数 0匹
生存期間の目安 1週間
しつこく噛み付かれて食べられる

タニシはほぼ生餌のつもりで実験的に混泳させたことがありますが、やはりすぐに食べ尽くされました。そもそも自然下ではイシガメはタニシのような巻き貝を多く食べているようですし、貝類は移動能力が低すぎるので亀の攻撃の的になってしまいます。

10匹弱導入したタニシは亀にしつこく噛み付かれ、1週間程度で全て食べ尽くされました。亀と巻き貝を混泳させるのはかなり厳しそうです。

亀との混泳のポイント

ここまでで紹介した混泳データなどを踏まえ、亀と他の生き物を混泳させるときのポイントを考えてみます。

サイズ

私の経験上、亀の頭よりも大きなサイズの生き物は亀に食べられにくい傾向にあります。言い換えると、亀は自分の頭サイズ以下の生き物は食べようと狙っているということです。

亀と魚を混泳させる際には、別の水槽で少し育ててサイズアップさせてから一緒にした方が生存率が上がります。サイズアップだけでなくショップから到着した生体に体力をつけさせたり、環境に慣れさせる効果もあると思われます。

泳力

動きが遅い生き物は亀の標的になり易い傾向にあります。すぐに食べられなくても、亀がしつこく何度も噛み付いたりするうちに弱っていきいつか食べられるという場合もあります。泳力が高く動きが素早い生体は上手く亀と共存できる傾向にあります。

メダカのような動きの遅い魚や貝類を亀のタンクメイトとして一緒に飼育するのは難しいです。

レイアウト

ベアタンクに浮島があるだけだったり、亀が首を伸ばせば水面から顔を出せるような極端に水深が浅いレイアウト(亀飼育では一般的ですが)では、魚などが亀に襲われたときに逃げる場所がなく簡単に食べられてしまいます。

水深深めで隠れ家がたくさんあるレイアウトの方が混泳は上手く行きやすいと思いますが、そのようなレイアウトで亀を飼育するのはちょっと手間が掛かります。それくらいの手間がかけられないと、亀と魚を混泳はさせるのは難しいということですね。

危険性

上の方でも書きましたが、混泳させる生き物が毒や鋭いトゲなど危険性を持っていないかは確認するようにして下さい。亀が死んでしまえば混泳どころではありません。タンクメイトには、少なくとも亀にとっては安全な生き物を選ぶようにします。

まとめ

K-ki

水棲亀の飼育がもっと楽しくなる、カメと魚やエビなどとの混泳について解説しました。亀との混泳のデータは他では見かけたことがないので、亀水槽のタンクメイトを探している人にはきっと役に立つと思います。カメと色々な生き物を混泳させたことがある方は、その結果がどうなったか、詳細な情報をぜひ教えて下さい!

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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