こんにちはー。最近ブログへのモチベーションが高まり中のK-ki(K-ki@AquaTurtlium)です。今回は、実はたくさんあるアクアリウムの種類を詳しく紹介しようと思います。
最近ではADA(アクアデザインアマノ)が提唱する「ネイチャーアクアリウム」がすっかり定番化した印象ですが、本来アクアリウムはネイチャーアクアリウムだけでなくもっと様々な種類があります。ネイチャーアクアリウムが美しく、楽しいのはもちろんですが、それ以外にも色々なスタイルがあるので、他のスタイルにも興味を持ってみると新しい世界が見えてくるかもしれませんよ!
水草水槽
現在最も注目を浴びているアクアリウムといえば、間違いなく「水草水槽」が筆頭となるでしょう。水槽の中で熱帯魚を飼育するだけでなく、水草を植えることによってより自然観の溢れる、美しい水景を生み出すことができるのが特徴です。熱帯魚だけでなく水草の緑が水槽に加わるので、癒やし効果が特に高いと思います。
ネイチャーアクアリウム
ネイチャーアクアリウムはADA(アクアデザインアマノ)の前社長で写真家でもあった、故・天野尚氏が提唱したアクアリウムの中でも比較的新しいスタイルです。ADAのホームページによると、ネイチャーアクアリウムについて以下のように説明されています。
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水草を育てることで水槽の中に良好な環境を作り、さらに魚やエビなどの生き物を一緒に育てることで自然の生態系を再現するネイチャーアクアリウム。それは、自然の美しさと調和の撮れた環境が融合して作られる独自の世界。健康に育った水草が生い茂り、色とりどりの熱帯魚が泳ぐ美しい水景は、人の心も癒してくれます。
- 引用元: ADA – ネイチャーアクアリウムとは
正直に言ってこれを読んでもちょっとよくわからないんじゃないかと思うんですが、要するに「水槽の中に自然界の生態系を再現する」というのがネイチャーアクアリウムの根本的な趣旨です。
ネイチャーアクアリウム登場以前には、次に紹介するダッチアクアリウムのような、水草を整然と並べた水草水槽レイアウトが主流でした。それに対しネイチャーアクアリウムでは、「自然から学ぶ」という姿勢を取り入れます。もう少し具体的に書くと、自然にある美しい風景からその美しい要素を学び、水槽の中に切り取るように、石や流木で構図を作り、水草を植栽して景観を表現する、という方法が用いられたのです。
ネイチャーアクアリウムを提唱した天野氏は、実際の水中の景観を切り取ってきて水槽の中に再現するようなレイアウト作りを重視されていました。一方で、ADAが主催する世界水草レイアウトコンテスト(IAPLC)では、視覚的なインパクトの強さから水中に限らない水景を水槽の中でミニチュアのように再現した、ある種ジオラマ的なレイアウトが人気を獲得していきます。
このような経緯もあり、現在のネイチャーアクアリウムは必ずしも自然を再現したレイアウトというわけではなく、自然にヒントを得て美しいレイアウトを作るというスタイルが主流になっていると私は感じています。ネイチャーアクアリウムの「自然」というワードは、あくまでもダッチアクアリウムのような旧来の水草レイアウトよりも、自然を意識した作りになっているという程度のニュアンスです。
以下で、ネイチャーアクアリウムの中でよく見られるレイアウトの例を紹介します。
有茎草レイアウト
有茎草とは、ロタラやパールグラスの仲間のような、上方に茎が伸びてその節から葉が出る水草の総称です。パッと見た感じ茎があるように見える水草だと思えば良いでしょう。このタイプの水草は縦方向によく伸び、ネイチャーアクアリウムでは水草の密度を感じさせるような目的でよく利用されます。有茎草をたくさん植え、水草が密生した雰囲気を出すのが有茎草レイアウトです。
陰性レイアウト
陰性レイアウトは、あまりたくさんの光を必要としない、成長が遅めの「陰性水草」をメインで使ったレイアウトです。陰性水草としては、「ウィローモス」「ミクロソリウム」「アヌビアス」などが代表的な種類です。水草の成長が遅いので変化が少ないですが、管理が楽なのが特徴です。空間を広く使った清涼感のあるレイアウトが多いです。
石組みレイアウト
石組みレイアウトは読んで字の如く、石を主役にしたレイアウトです。ちなみに「石組み」は「いわぐみ」と読みます。石の存在感を際立たせるため、背の低い水草が多く使用される傾向にあります。いかに良い形の石を選び、どう配置するかでレイアウトの完成度が大きく変わってきます。
流木レイアウト
こちらも名前を見れば分かってしまいますが、流木がメインになるレイアウトです。流木にはモスやミクロソリウムなどの活着する水草を巻きつけ、より自然感のある水景を作るという方法がよく取られます。流木を使うと簡単にレイアウトに立体感を与えられるので、初心者にも人気が高いです。
単植レイアウト
1種類の水草のみを使って作る水槽レイアウトです。水草はたくさんの種類を植えるよりも、少ない種類を植えた方が水景全体にまとまりが生まれます。単植レイアウトでは、石組みにグロッソスティグマやショートヘアーグラスといった背の低い前景草を組み合わせるというのが定番です。
ダッチアクアリウム
アクアリウムは、歴史的には主にヨーロッパで発展してきました。ダッチアクアリウムは、このようなアクアリウム先進国の一つであるオランダ発祥のアクアリウムです。水景を楽しむネイチャーアクアリウムに対し、ダッチアクアリウムでは水草そのものの美しさを楽しむことを重視しています。
ダッチアクアリウムでは流木や石などは基本的に使わず、多様な種類の水草のみで、色や種類で隣との区別をはっきりさせるようにレイアウトします。また、背の低い水草を水槽の後ろに植えてもよく見えるように、底床を水槽の後ろに行くにつれ階段上に高くしていくのも特徴です。
ネイチャーアクアリウムのような「自然に寄り添う」という考え方ではなく、「自然を支配する」という考え方が根底にあるように感じられます。このあたりは日本庭園とヨーロッパの庭園の違いにも通じるところがあるように感じますね。文化の違いというところでしょうか。
現在の日本では主流とは言い難いですが、ダッチアクアリウムでも美しいレイアウトはたくさんあります。以下のサイトで詳しく紹介されています。
参考ダッチアクアリウム(オランダ式水草水槽)の哲学 | 明石雅弘のブログ ・ 建築家の千紫万紅
生体メイン水槽
上で紹介した水草水槽では、水槽の主役はどちらかというと熱帯魚よりも水草です。水槽管理の際にも、熱帯魚の状態を良くするよりも水草の調子を上げることに重点が置かれる場合が多々あります。
熱帯魚と水草の育成には相反する部分もあるので、水槽を立ち上げる際には、その水槽が水草水槽なのか、それとも生体メイン水槽なのかということは、意識しておいた方が良いでしょう。水草水槽か生体メイン水槽かをあとから変更することができる場合もありますが、有茎草を使ったレイアウトのように、底床にたくさんの肥料分が必要となる場合には、後から変更することは難しく水槽のリセットが必要となってしまいます。
以下で紹介するような生体メインの水槽では、水草やレイアウトよりも、多くの生体を飼育したり、生体の調子を良くすることが重視されます。またアクアリウムにおいては、生体は魚に限らず、様々な生き物を飼育することができます。
大型魚・古代魚水槽
大型の魚を1匹、または複数でも極少ない数飼育することを目的とした水槽です。生体が大型であるため水を汚しやすいので、濾過能力が高い上部フィルターやオーバーフロー水槽を使い、ベアタンクか底床を薄く敷いただけの水槽でメンテナンス性を高くしている場合がほとんどです。
このような水槽で飼育されるのは大型の肉食魚が中心で、人気のある種類は古くから姿形の変わっていない「古代魚」である事も多いです。以下で代表的な種類を挙げてみます。
アロワナ
大型魚の代表格とも言えるアロワナは、バブル期にお金持ちのステータスのように扱われたので、多くの人が知っていると思います。アロワナは古代魚でもあり、中でも古い種である「アジアアロワナ」は、およそ1億年前に現れたとされています。しかし環境破壊やペット向けの乱獲により絶滅危惧種になっていますから、人間の罪深さを感じますね。
アロワナには幾つかの種類が存在し、色合いによっても様々な品種が存在します。こういったコレクション性もマニアからの人気の源となっているのは間違いないでしょう。大型の肉食魚で大きなものでは体長1mにも達しますが、性格は温和です。
ポリプテルス
ポリプテルスも人気のある大型魚です。こちらもアロワナと同じく古代魚で、出現したのは4億年前と言われています。恐竜を思わせるようなトゲトゲした格好良い姿が特徴的です。アフリカの熱帯地域に生息しています。体長は種類によって異なり、30cm~1m程度です。
鯉
水槽というよりも池で飼われる事が多いですが、鯉も立派なアクアリウムで飼育される大型魚の1種です。体長は60cm程度ですが、中には1mを超えるものもいます。中央アジア原産ですが、食用魚として養殖・放流されたため現在では世界中に生息しています。
鯉も品種が豊富な魚で、愛好家による品種改良も活発に行われています。また近年では、海外での人気も高まっています。
中型魚水槽
大型魚は見応えがあり、魚を飼う楽しみを存分に味わうことができますが、飼育するためには大規模な設備が必要になります。そこで、もう少し小さめの魚を飼育するという需要もあります。
このような中型魚飼育では、一匹一匹の見応えはありつつも、複数匹を飼育でき、また水草水槽のようにレイアウトされた水槽でも飼育できるという点が魅力です。このサイズの熱帯魚を飼育する際には、魚自体の美しさを楽しみたいというニーズがあるため、色合いや柄が派手なものが人気となっています。以下で代表的な種類を紹介します。
エンゼルフィッシュ
エンゼルフィッシュは南米アマゾン川流域を原産とする熱帯魚で、平たい体に長い鰭を持ち、縦に長い特徴的な形の魚です。熱帯魚の中でもかなりメジャーな魚で、人気が高く改良品種も多数存在します。
全長は約15cmで、肉食性で口に入るサイズの生き物は食べてしまうため混泳には注意が必要です。「熱帯魚の女王」とも呼ばれる美しい魚であり、ぜひとも綺麗にレイアウトされた水草水槽で飼育したいですね。
ディスカス
全長20cmほどの平たい体に鮮やかな模様を持った熱帯魚で、横から見ると円盤(ディスク)のように見えることからこの名前がつけられました。エンゼルフィッシュが熱帯魚の女王と呼ばれるのに対し、ディスカスは「熱帯魚の王様」と呼ばれます。このような呼び名からも、人気の高さが分かりますね。
ディスカスは水質に敏感で、飼育が難しいと言われています。その対策として、「ブラックウォーター」と呼ばれる水質で飼育するなど、様々な工夫が凝らされています。飼育の難しさも、愛好家にとっては魅力の一つになっているんでしょうね。
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ブラックウォーターの効果・作り方-熱帯魚水槽の水質調整法
水質を弱酸性の軟水にし、抗菌効果もある「ブラックウォーター」の成分や詳細な効果、作り方等を紹介します。ディスカス・グラミー・ベタ等はブラックウォーターを好むとされています。ブラックウォーター作りに必要な用品も紹介します。
ベタ
ベタは体長7~8cm程度で、タイのメコン川流域を原産地とする魚です。「ラビリンス器官」という空気呼吸するための器官を持っており、水質にもうるさくないので、コップで飼育できるという触れ込みで人気を得ましたが、もちろんそんな環境での飼育はベタに負担を強いるので推奨されません。
古くから観賞魚として親しまれてきましたが、縄張り意識が強く、オス同士がエラを最大限まで広げ体を震えさせて威嚇し合う「フレアリング」をするという性質を持つことから、闘魚として飼われるという一面もあります。
野生種の「ワイルド」、闘魚として品種改良された「プラガット」、それを観賞目的に品種改良した「トラディショナル」、そこからさらに鮮やかになるよう改良した「ショウベタ」などの品種群に分類され、品種の数はとても多いです。
金魚
日本人にお馴染みの金魚は、中国でフナの突然変異を品種改良していって生み出された観賞魚です。水草を食害するため、水草レイアウト水槽での飼育には向きません。石組みや化粧砂を使った、清涼感のある和風のレイアウトで飼育すると、慣れ親しんだ金魚も美しい観賞魚であることを再認識できると思います。
小型魚水槽
大型魚や中型魚は、魚1匹1匹の姿を楽しむのが主流ですが、小型魚を飼育する場合には、1匹1匹というよりも複数匹の群泳を楽しむのがメインになります。小さい分派手さにはやや欠けますが、群れで泳ぐ姿にはまた違った良さがあります。
1匹1匹が小さく主張し過ぎないので、水草を上手く植えることで、水草と魚の調和を感じられるような水槽を作ることが出来ます。例えば以下の魚達の飼育をメインに据えた水槽が、小型魚水槽となります。
グッピー
熱帯魚の世界には「グッピーに始まりグッピーに終わる」という格言があります。飼育・繁殖が簡単な熱帯魚で初心者が熱帯魚の基本を学ぶのにもおすすめですが、品種の作出などを始めると、非常に奥深い世界になるからです。小型魚の中ではかなり派手な品種がたくさんいる種類です。
めだか
最近のアクアリウム界隈では、めだかの人気が急上昇中です。少し前までは品種が数種類しかありませんでしたが、近年品種改良が重ねられて「幹之」「ラメ」「銀河」「琥珀」など、新しい品種が次々に作出されています。現在では品種数は200は下らないと言われるほどです。水草水槽よりも、和の雰囲気を感じさせる石や砂を使って空間を広く取ったレイアウトで飼育する方が、風情が感じられて良いかもしれませんね。
小型カラシン(ネオンテトラ等)
熱帯魚といえばネオンテトラ!という人もいるでしょう。小型熱帯魚の定番となるグループです。鮮やかでも主張し過ぎない魚が多く、水草との愛称は抜群です。
日本産淡水魚(日淡)
日本産淡水魚、通称「日淡」をメインで飼育しているアクアリストも多くいます。身近な魚ですが、種類によっては大きくなったり低水温を要求したりと、飼育が簡単というわけではありません。熱帯魚のような派手さは無いと思われがちですが、繁殖期には「婚姻色」と呼ばれる鮮やかな体色に変化する魚も多いです。また派手すぎない、むしろ渋いところが人気だったりもします。
海水魚・汽水魚
ここまでは淡水に住む魚を紹介してきました。アクアリウムはもちろん淡水だけでなく、海水もその守備範囲です。また、海水と淡水が混ざった「汽水」という水質に生息する魚もおり、こういった汽水魚ももちろんアクアリウムで飼育されます。ここでは海水魚・汽水魚の中でもメジャーなものを紹介します。
ちなみに熱帯魚とは「熱帯に生息する魚」のことなので、熱帯以外の地域に生息する海水魚のことは本来は熱帯魚とは呼びません。また海水魚は生息範囲が広い種類が多く、熱帯などの地理的な分類と合致しないことも良くあるため、アクアリウムの世界では海水魚は熱帯魚に含めないことが多いです。
なお、この記事を書いているK-kiは海水水槽を維持したことがないので、海水魚にあまり詳しくない点はご了承下さいませ。
カクレクマノミ
ディズニー映画「ファインディング・ニモ」の影響で、観賞用の海水魚では一番知名度のある魚だと思います。しかし人気のきっかけとなった「ニモ」は、実はカクレクマノミではなく近縁種の「クラウンアネモネフィッシュ」だと言われています。
上がカクレクマノミ、下がクラウンアネモネフィッシュの画像です。白い柄の部分の縁が黒くなるのがクラウンアネモネフィッシュ、ならないのがカクレクマノミなんですね。映画に登場するニモの映像をよく見ると分かりますが、ニモは柄の縁が明確に黒くなっています。カクレクマノミじゃなかったんですね。
クマノミの仲間はイソギンチャクと共生するという面白い生態を持っているので、海水水槽を用意するというハードルは高いですが、飼育してみるときっと楽しいと思います。ただしイソギンチャクはれっきとした動物であり、実は時速数cmですが動くことが出来ます。水槽の中では色々な場所に動き回ることもあり、イメージ通りのレイアウトを実現させるのはやや難しいようです。
共生ハゼ
共生ハゼは、テッポウエビというエビと共生するハゼの仲間です。テッポウエビは巣穴を掘って生活するエビで、ハゼはその巣穴を一緒に使わせてもらいます。その代わり、敵が来ないか、危険はないか等をテッポウエビに知らせる、見張り役をこなしています。エビとハゼが共生する姿がとても興味深く、人気があります。
ミドリフグ
ミドリフグは海水と淡水の混ざった、河口などの汽水域に生息する汽水魚です。丸々とした体に可愛らしい目つき、そして人に慣れやすいといった点が人気を呼んでいます。
エビ(シュリンプ)
アクアリウムでは魚だけでなく、エビも水槽の主役として飼育されます。特に人気が高いのは「レッドビーシュリンプ」と呼ばれる、赤と白の柄を持った体長2cm程度の小型のエビです。
このエビには熱心なマニアがたくさんいて、より美しい柄のレッドビーシュリンプを生まれさせることを競い合っています。特に美しい個体では、1匹数十万円で取引されたこともあるようです。水質に敏感でやや飼育が難しいエビで、小型なため魚と混泳させると食べられてしまうので、基本的には単独で飼育されます。
貝
貝の仲間もアクアリウムではよく飼育されますが、魚やエビのように水槽の主役として捉えられることはあまりありません。タナゴのように特定の種類の貝がいないと繁殖できない魚の繁殖に利用したり、水槽のガラス面や石についたコケを食べさせたりするなど、補助的な目的で飼育されることがほとんどです。
水棲亀・爬虫類
アクアリウムでは亀のような爬虫類も飼育されます。私もアクアリウムの考え方を応用し、90cm水槽でニホンイシガメを飼育しています。
タグ90cm水槽
水棲の爬虫類というと真っ先に思いつくのは亀ですが、ミズトカゲなどの水棲トカゲや、ミズヘビという水棲ヘビの仲間もいます。魚の飼育とはまた違う難しさがありますが、爬虫類とアクアリウムという組み合わせは非常に面白いと思います。
両生類
もちろん両生類もアクアリウムで飼育できます。ただし両生類の生体は肺呼吸なので、陸地を作るなどして溺れないようにしましょう。また、種類によってほとんど水に入らない両生類もいるため、アクアリウムでの飼育に適した種類を見極めることが重要です。アクアリウムでよく飼育される両生類としては、「アカハライモリ」や「ツメガエル」のような水棲傾向の強い種類が挙げられます。
サンゴ水槽(コーラルアクアリウム)
海水水槽では、魚ではなくサンゴが主役という場合も良くあります。サンゴは動物ですが、体内に褐虫藻という藻類を共生させて光合成によるエネルギーを得ているものもいます。そのため飼育には照明システムが不可欠であり、どことなく淡水水槽の水草を思い起こさせます。
その飼育は難しく、高価な飼育設備を整えなければならないこともあり、ハードルは高いです。しかし家に美しいサンゴ礁が作れると考えると、いくらでもお金を出せてしまう人もいますよね。
水槽サイズや飼育容器による分類
アクアリウムでは水槽のサイズによっても色々な特徴・傾向があります。次は水槽のサイズごとにアクアリウムを分類してみましょう。
大型水槽
アクアリウムで使用される水槽には、様々な企画があります。色いろあるように見える水槽も、実は幾つかのタイプに分類することが出来ます。
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アクアリウム水槽(熱帯魚・金魚・水草)のおすすめと選び方
ネイチャーアクアリウムのような美しい水草水槽や、熱帯魚・亀・金魚等の飼育に必要な水槽を購入する時のポイントをまとめました。サイズ・設置場所・素材・デザイン・品質・メーカーなど多岐にわたる要点やおすすめの水槽を紹介します。
水槽のサイズ(横幅)では、30cm・45cm・60cm・90cm・120cm・150cm・180cmあたりがメジャーな規格ですが、この中でも90~120cm以上の大きさの水槽は「大型水槽」と呼ばれます。やはり水槽が大きいほど迫力や自由度が増すため、大型水槽を持つことはアクアリストの夢の1つです。
大型水槽では、大きさを活かして大型魚を飼育されたり、細部まで作りこんだ緻密なネイチャーアクアリウムが制作されたりします。大きいのでメンテナンスが大変で値段も高く場所も取りますが、アクアリストにとって水槽が大きいということは自分の世界が広いということです。何でもできるので満足度は非常に高くなります。
60cm水槽
水槽のサイズとしては最も手頃と言われているのが60cm水槽です。アクアリウムでは濾過によって水質を保たなければいけないのですが、あまり水槽が小さいと水質が不安定になりやすいので、初心者にもおすすめされています。水草を植えても良いですし、中型程度の魚なら大体なんでも飼えるのも嬉しいです。汎用性が高い水槽です。
小型水槽
30cm以下の水槽は小型水槽と呼ばれます。場所を取らないので、部屋が狭くても設置できますし、30cmキューブ水槽なら水量もある程度確保できるので初心者にもおすすめです。基本的には小型の熱帯魚を飼育したり、小規模な水草水槽を制作したりするのに利用されます。立方体の形をした「キューブ水槽」は、オシャレな雰囲気があるのでインテリアとしても人気です。
ボトルアクアリウム
水槽ではなく少し大きめの空き瓶などを使ったアクアリウムが「ボトルアクアリウム」です。基本的に濾過フィルターなどは使用せず、ボトルの中で生きる水草や魚、エビによって、自然界のバランスのとれた生態系を再現することでアクアリウムを維持する、という考え方に基づきます。
小さなビンを使って水草や魚を育てるという点が可愛いと人気になりましたが、水槽に比べると少ない水量で飼育することになり、フィルターも使用しないため水質が安定しづらく、アクアリウムとしては割と難易度が高めです。
維持するポイントは、ビンに色々な生き物を詰め込み過ぎず、水草をたくさん入れて光合成もしっかり行わせるように心がけることです。上手く管理できれば、卓上に小さな自然が感じられ、とても楽しめると思います。
池・ビオトープ
池やビオトープのように、屋外に規模の大きい設備を用意して魚や水草を育てるのも、アクアリウムの一つのスタイルです。
池やビオトープは水槽のように閉鎖された環境ではなく、自然界と繋がったオープンな環境です。トンボが卵を産んでいつの間にかヤゴがいたり、風にのって種が飛んできた何か分からない植物が生えていたりします。このように、身近な自然の影響を受けて環境がどのように変化していくかという、まさに自然の移ろいを見ることができるのが大きな魅力でしょう。自分の管理外の要素があるという、他のアクアリウムとは少し毛色の異なるアクアリウムです。
睡蓮鉢
睡蓮鉢は本来、スイレンを育てるための鉢として使われてきました。最近では睡蓮鉢で、スイレンに限らず様々な水草や水生植物、メダカなどを育て、小規模な池・ビオトープとして楽しむ人が増えています。庭に池やビオトープを作るとなると大変ですが、睡蓮鉢なら買ってきたものを置いて水を張るだけで良いので、非常に手軽にビオトープを楽しむ事ができます。
水域による分類
ここまでは、アクアリウムをメインで扱う生き物(水棲動物・水棲植物)や、水槽のサイズによって分類してきました。次は、アクアリウムで扱う「水域」別に分類していきます。
淡水水槽
淡水を扱うアクアリウム全般を、淡水水槽といいます。しかし特に何も言及しない場合は淡水だとみなされることも多く、単純にアクアリウムといえば淡水水槽を指すことが多いです。また、アクアリウムの世界で熱帯魚と言えば「熱帯に生息する淡水魚」を指し海水魚は含めないことが多いので、「熱帯魚水槽」という言葉が淡水のアクアリウム全体のことを意味する場合もあります。
淡水水槽の主役は基本的に「魚」と「水草」です。魚や水草をいかに良い状態で美しく育てるか、また魚や水草を含めた水槽の中の水景全体を如何に美しく創り上げるかが、多くの淡水水槽の目指すところとなってます。
海水水槽(マリンアクアリウム)
淡水ではなく海水を扱うアクアリウムは、海水水槽または「マリンアクアリウム」と呼ばれます。海水水槽は淡水水槽と比べて、一般的に難易度が高いとされています。
海水水槽が難しい原因は、魚の生息環境の違いにあります。河川や湖は、海と比べて水質などの環境が変化しやすいです。しかしそこに住む魚達は、環境が変わったからといってどこか別の場所へ移動するのも困難なため、変化した環境に適応しなければならず、淡水魚は環境適応力が高くなりました。一方で海は淡水域と比べて水質も変化しにくい上、もし水質が変化したとしても魚は自分に適した環境の場所へと自由に移動することが出来ます。その結果、海水魚は環境適応能力が低いという特徴を持っています。
このような環境の変化に弱い海水魚を飼育するためには、水槽内を可能な限り海と同じ環境に近づけ、その状態を安定して維持しなければなりません。そのため必要な飼育設備や機材が淡水水槽よりも多く、比較的高価なものとなります。また、飼育器具を使いこなして水槽内を理想的な環境にするために必要な知識も、淡水より多く必要です。こういった背景があり、マリンアクアリウムは淡水水槽よりも難しいとされています。
しかし海水魚は淡水魚よりも派手で美しいものが多いですし、サンゴを始めとした淡水とは異なる楽しみがあることも事実です。ハードルは高いですが、それだけの楽しさはあると思いますよ。
汽水水槽
汽水とは、淡水と海水が混ざり合った状態の水を指します。河口部や干潟の陸よりの部分などが、自然界において汽水域に分類される場所です。
汽水水槽では、塩分のせいで多くの水草は育たず、またサンゴの生育にも適した条件ではないため、凝ったレイアウトを作るむのは難しいです。主に魚やエビのような甲殻類、貝類などを育てるのがメインになるでしょう。人気のある汽水魚としては「ミドリフグ」や「マッドスキッパー」などがいます。またヤマトヌマエビや石巻貝のように、普段は淡水で生活していても繁殖は汽水域で行うような生き物もいて、これらも汽水水槽で飼育できます。
汽水水槽では飼育水として薄めた海水を用意する必要があるものの、海水水槽ほど高度な設備が必要ではないため、海水に興味がある人にとっては取っつきやすいかもしれません。
アクアテラリウム・パルダリウム
これまで紹介してきたアクアリウムは、水中だけをターゲットにしていました。しかしアクアテラリウムでは、水中とその付近の陸上もターゲットにします。大きな流木を組み合わせるなどして、一般的なアクアリウムに陸地の部分を付け加えるというのがよく用いられる方法です。ちなみに英語では、沼地や湿地を意味するラテン語「palus」と「-arium」を組み合わせて「パルダリウム(Paludarium)」と呼ぶそうです。
アクアテラリウムでは、水中だけでなく水上部分も用意することにより、多様な動物や植物を飼育する事ができます。特に両生類や水棲爬虫類のように、水場だけでなく陸場も必要とする生き物の飼育によく利用されます。一方で、レイアウト的な美しさを追い求めた結果水上部分も作りこむことになっただけで、水中にしか動物を配さず水上部分は植物だけというパターンも有ります。
水中だけのアクアリウムと比べると、レイアウトが複雑になりメンテナンスが大変だったり、水上部分の管理には水中とは違うノウハウが必要だったりしますが、水中だけでなく水上にも自分の世界が広がる楽しさは格別です。また水草の多くは水中だけでなく水上でも育成できるので、お気に入りの水草の新たな一面を見ることができるのも面白いと思います。
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余った水草を水上化!水上葉でお手軽ストック&簡単増殖!?
調子良く水草水槽を維持していると、トリミングで余った水草をどうするか悩まされます。余った水草を捨てずに有効活用する方法として、水上葉へと水上化させて水上栽培でキープする方法を紹介します。急に水草が欲しくなった時にも役立ちます。
ビバリウム
ビバリウムはアクアテラリウムをさらに陸上成分強めにしたもので、アクアリウムからは少し離れますが、アクアリウムが好きな人は興味をもつと思うので紹介しておきます。ヤドクガエルの飼育環境として、生息地の環境を再現するようなものを作ったの始まりだと思います。
生き物が住む水中の世界を作りこむのがアクアリウムなら、その陸上版はビバリウムです。私もいつかチャレンジしてみたいと思っています。
目的による分類
アクアリウムの中には、ある特定の目的をもったものもあります。この項目では、そのような特定の用途に特化したアクアリウムを紹介します。
ストック水槽
水草のレイアウトではなく、ストック(保存・蓄えること)を目的とした水槽です。適切な環境で育てると水草はよく伸びるので、綺麗なレイアウトを維持するためにはこまめにトリミング(剪定)する必要があります。この時に切り取った水草は、水槽の中に植えておくと根を張ってちゃんと育ってくれるのですが、スペースの問題で植え直すことが出来ない場合があります。
このような場合、レイアウトを度外視して水草を蓄えておくことを目的とした、ストック水槽が用いられることがあります。特に珍しい水草や高価な水草を育てるときは、ストック水槽があれば保険の役目を果たしてくれるので安心ですね。
繁殖水槽・稚魚水槽
飼育している生き物の繁殖を狙う場合に、通常の観賞用の水槽ではなく別に繁殖用の水槽を用意する場合があります。繁殖水槽は、水質が合わなかったり、稚魚を食べてしまうような混泳魚がいたりするなど、観賞用水槽の環境が繁殖に適していない場合に利用されます。
また、産卵した卵や生まれた稚魚を隔離して育てる稚魚水槽が用意されることもあります。生まれたての小さな稚魚は、親魚に食べられてしまうことも多いので、生存率を上げるには稚魚専用の水槽を用意することが有効になります。
その他のアクアリウム
色々な視点からアクアリウムを分類し、その種類を紹介してきました。最後にここまでの内容では分類しづらかったアクアリウムを、まとめて紹介します。
バランスドアクアリウム(バランストアクアリウム)
バランスドアクアリウムはアクアリウムの考え方・哲学、またはそれに基づいた水槽環境を指します。
バランスドアクアリウムでは、ヒーターや、エアポンプのような水槽以外の飼育器具は使わず、魚と水草などで酸素と二酸化炭素のバランスがとれているアクアリウムを指します。生物の呼吸と光合成に関して、水槽の中でバランスがとれたサイクルが完成している状態が「バランスドアクアリウム」ということになります。
睡蓮鉢やボトルアクアリウムは、このバランスドアクアリウムの一つの形です。
パーフェクトアクアリウム
パーフェクトアクアリウムは、バランスドアクアリウムをさらに発展させたものです。酸素・二酸化炭素に加えて、エサや糞の分解などの窒素サイクルについても、水槽内でバランスがとれたサイクルが完成している状態を指します。太陽の光と熱、そして水面を介して水中と空中を行き来する気体以外は、外界との干渉が一切ないアクアリウムです。中には水槽を密閉し、気体の交換も無くしてしまう場合もあります。窒素サイクルなど言葉の意味が分からない人は以下のカテゴリを参考にして下さい。
エサやりの必要すらないためほとんど手が掛からないアクアリウムですが、趣味レベルで実現するのはなかなか難しいです。水槽の状態をよく観察した上で、バランスを保つように少しずつ手を加えていって最終的にパーフェクトアクアリウムを完成させるという方法が取られるようですが、果たしてどれくらいの人がこのパーフェクトアクアリウムを実現しているのでしょうか…。
手のかかる子ほど可愛いとも言いますし、何もすることのない趣味っていうのもつまらないので、あんまりこれを目指している人はいないのかな、と思っています。なお、バランスドアクアリウムとパーフェクトアクアリウムに関しては以下のサイトを参考にさせて頂きました。
参考典型的なスタイル
フィギュア・プラモデル アクアリウム
水槽の中にフィギュアやプラモデルを入れてアクアリウムを楽しむ人もいます。アニメや漫画の世界を再現しようとしている水槽もあるようです。この手のレイアウトでは、ジブリ映画の名作「天空の城ラピュタ」に登場するロボット兵の頭部を水槽に入れているようなレイアウトをよく見かけます。
自然を追い求めるネイチャーアクアリウムとは異なる考え方なので、賛否の別れる部分はありますが、私はアクアリウムとは水槽の中に自分の世界を表現することだと思っているので、こういった表現方法もとても面白いと感じます。
実は様々に分類することのできる、アクアリウムの種類を紹介しました。一口にアクアリウムと言っても、多種多様なものがあるということが分かったと思います。これからアクアリウムを始めてみようという人は、まずはこのページを参考に、自分がどんなアクアリウムを作りたいのかよく考えてみのが良いと思いますよ!