爬虫類飼育 エサ・栄養補助サプリメント

コストパフォーマンスの高い亀のエサ「カメプロス」のすべて

2014/10/30

コストパフォーマンスの高い亀のエサ・カメプロス

亀のエサには色々な種類がありますよね。最も基本的な飼育用品でありながら、種類が多くてカメにどのエサを与えれば良いのかよく分からないという方もいると思います。AquaTurtliumではそんな方のために、運営者 K-ki がこれまでに使用したことのある餌を成分の解説や食いつきなどのレビューも交えて紹介しています。

これまでにはテトラ レプトミンとレプトミン スーパーの2種類のエサを紹介しました。レプトミンは日常的に与えるエサとして、レプトミン スーパーは栄養補助や食欲増進のために使用するのがおすすめです。


テトラ レプトミン スーパー
ちょっとリッチな亀のエサ!レプトミン スーパーを分析!

水棲亀のエサの中でもかなり高価な部類に入る、テトラ レプトミン スーパーを紹介します。亀の好物のエビや魚など動物質原料を多く配合して嗜好性が高いため、状態が良くない、食欲減退中、まだ餌付いていない亀などに適したエサです。

今回3つ目として紹介するのはキョーリンから販売されているカメプロスです。私は上の写真にも写っている、メタル缶がセットになっていた時にメタル缶欲しさに購入しましたが、実際に使ってみると中々良いエサだと感じるようになりました。では今回もしっかり分析していきます。

キョーリン カメプロスとは

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キョーリンは日本のアクアリウム関連企業「カミハタ養魚グループ」に属する、観賞魚用飼料や飼育器具を扱う会社です。カミハタは「ヴォルテス」という水槽用照明や「Rio」シリーズというポンプなどのアクアリウム用品を扱っている会社で、知っている人も多いかと思います。キョーリンはそのカミハタグループの飼料部門といったところでしょうか。

カメプロスはそのキョーリンが自社ブランド「Hikari」から販売している水棲亀用の配合飼料です。キョーリンはエサ専門というだけあって、魚から両棲類、爬虫類、ハムスターや鈴虫まで、多くの生き物用の餌を売り出しています。生き物を飼ったことのある人は、一度くらいはキョーリン製のエサを使ったことがあると言っても過言ではないかもしれません。

そんなキョーリンがカメ用に販売しているカメプロスは、飼育水の汚れと臭いをおさえるという点とカメの腸内環境を整えるという点を特に売りにしているようです。以下で成分なども見ながらその効果を検討してみます。

保証成分

説明書きより保証成分を引用します。

キョーリン カメプロス テトラ レプトミン
粗蛋白質 41%以上 39.0%以上
粗脂肪 4.0%以上 4.5%以上
粗繊維 2.0%以下 2.0%以下
粗灰分 14.0%以下 15.0%以下
水分 10%以下 9.0%以下
りん 1.0%以上

比較のために亀のエサのスタンダード「テトラ レプトミン」の成分と比較しています。タンパク質と水分がやや多く、脂肪と灰分がやや少ないですがいずれも微々たる差です。表示されている成分的にはレプトミンと大きな差がない事が分かります。含有量の多い成分は表示するはずですから、表示されていない成分まで気にする必要はないでしょう。

亀のエサとして実績のあるレプトミンと大差のない成分であるということは、このカメプロスも日常的に与えるエサとしての使い方が良さそうですね。レプトミンでは表示されていないりんの含有量も表示してあるのは親切です。メーカー側の気配りを感じますね。

レプトミンスーパーの記事でも書きましたが、水棲カメの理想的な栄養バランスを示した文献を私は知らないので、栄養バランスだけで良い餌だと判断するのは難しいです。メーカーサイドからその辺りの出典も示してくれたら嬉しいんですけどね。リクガメならもう少し情報があるんですが…。

海外の文献とかを探すと書いてあるんでしょうか。知っている方がおられれば、ぜひコメントやメールなどで教えて下さると嬉しいです。

原材料

こちらも説明書きから引用します。原材料は以下の通りです。

フィッシュミール、小麦粉、かしこ、大豆ミール、ビール酵母、小麦胚芽、とうもろこし、乳化剤、海藻粉末、米ぬか、アミノ酸(メチオニン)、ハーブエキス(ローズマリー、タイム、オレガノ、シナモン)、ガーリック、茶葉、生菌剤、カロチノイド、ビタミン類(塩化コリン、E、C、イノシトール、B5、B2、A、B1、B6、B3、K、葉酸、D3、ビオチン)、ミネラル類(P、Ca、Fe、Mg、Zn、Mn、Co、Cu、I、Se)

こちらもレプトミンと比べるとかなり詳細に表示されています。日本企業だからなのか、あるいは飼料を専門に扱う会社であるがゆえのこだわりかは分かりませんが、この姿勢は個人的には非常に好印象です。見てもどうせ分からないだろうで済まさないのがプロですよね。

フィッシュミールのような動物性の原材料と、大豆ミールやとうもろこしのような植物性の原材料、それに加えてエサとしてまとめるための繋ぎの役割を果たす小麦粉と、ビタミン・ミネラル類などが主な原材料となっているようです。「かしこ」とは「樫粉=どんぐりの粉」らしく、これもつなぎの役目を負っているのではないかと思います。

生菌剤を配合

この原材料にも表示してある生菌剤というのがカメプロスの鍵となる材料のようです。この生菌剤が亀のお腹で整腸効果を発揮して亀の腸内バランスを整えて健康をサポートしてくれるそうです。また、その効果により水の汚れと臭いも抑えてくれるとも書いてあります。

亀のお腹の中から変えていくことで汚れや臭いも抑えようという発想は面白いですね。

茶葉&ハーブエキスも効果あり

生菌剤の整腸&消臭効果を助けるのが茶葉とハーブエキスです。ハーブが消化吸収を助けて分が減ることで消臭効果まで期待でき、茶葉も消臭効果を発揮するそうです。よく考えられていますねー。

実際にカメプロスを開封するとかなり強いハーブの匂いがしますから、ハーブは結構含まれているんじゃないかと思います。

エサの与え方

説明によれば、1日に1回、数分で食べきれる量を与えてくださいとのことです。基本的にはこの程度の給餌量で大丈夫だと思います。レプトミンは給餌量をやたら多く指示しますが、カメプロスは割と適切な範囲なのが良いですね。

もう少し詳しく言えば、十分に成長したアダルト個体なら隔日くらいの給餌でも良いですし、生後1~2年程度の子亀なら1日2回与えても良いでしょう。どちらも亀の食べる様子をよく観察して、食べ残しの無いように与えます。

ラインナップ・バリエーション

カメプロスは内容量別に70g・200g・550gの3つのラインナップがあります。内容量によってエサの粒の大きさも違います。キョーリンの以下のページで、ほぼ実物大の粒サイズを確認できます。

参考両生類・爬虫類のエサ(両生類・爬虫類用飼料):カメプロスのここがすごい!

また、バリエーション商品として「カメプロス 沈下性」というものがあります。水に浮く浮上性のものが多い亀の餌の中では、水に沈む沈下性のエサは珍しいです。

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水深が深い飼育環境での給餌や、神経質な亀・泳ぎが下手で水底を歩きまわるタイプの亀などに餌を与える場合に特に有効だと思います。説明書きにも、そのようなタイプの亀であるニオイガメ・ドロガメなどにおすすめの餌だと書いてあります。

キョーリンのサイトがかなり分かりやすい

また、テトラに比べて公式サイトの情報が充実しているのもキョーリンの特徴です。成分・原材料や水を汚さないかどうかの検証、水を汚さないメカニズムの解説までなかなか詳しく解説しています。一度目を通してみると参考になると思います。

参考両生類・爬虫類のエサ(両生類・爬虫類用飼料):カメプロス

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使用感(レビュー)

ここでは亀が食べる様子などを観察して、私が独自に評価してみます。

亀の食い付きはかなり良い

私の使用した印象ではカメの食い付きはかなり良いです。少なくともレプトミンよりは良く食い付きます。レプトミンもレプトミン スーパーも食べないけどカメプロスは食べる個体もいるので、なかなか嗜好性が高いと言えます。ただし個体によってはあまり好きではない亀もいるようなので、個体ごとの好みが分かれやすいエサとも言えるでしょう。

カメプロスを与えているとだんだんレプトミンへの食い付きが悪くなってきたので、レプトミンと平行して使いたい場合は注意した方がいいかもしれません。

臭いがキツイが不快ではない

上の方にもちょっと書きましたが、開封直後はかなりキツいハーブの匂いがします。私は不快ではありませんでしたが、苦手な人もいそうな匂いではあります。時間が経てば徐々に匂いも収まりますが、一応注意です。

コストパフォーマンが高い

レプトミンに比べるとやや安めの価格設定です。栄養素的には大差なさそうなので、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

水の汚れ防止・消臭効果は未検証

私の飼育環境ではオーバーフローで濾過をバリバリに効かせているので、普段から水が汚れたり臭ったりすることはありません。なので水が汚れにくいかとか、匂いが少ないかときかれるとよくわからないという答えになってしまいます。

唯一言えるとすれば、最近イシガメを45cm水槽で無濾過で隔離していて、そこではカメプロスを与えていますが、1日くらいなら水が保つかなという印象です。それ以上のことは、定量的な評価が難しいのでちょっと分かりません。

こんな使い方がおすすめ!

成分的には亀の餌の定番であるレプトミンとほぼ変わらず、値段がやや安いということなので、日常的に与えるエサとして使用できると思います。ただしレプトミンには長期間にわたる実績があるので、そのあたりを重視するならレプトミン、そうでないならカメプロスという使い分けで良いのではないでしょうか。

私はレプトミンもカメプロスも両方持っているので、日によって与える餌を変えています。こんな感じでレプトミンと併用するのもアリですね!

コストパフォーマンスの高いエサ・カメプロスのまとめ

K-ki

今回は亀のエサとして人気もあるカメプロスを紹介しました。記事を書いていて思ったのは、メーカーの解説が詳しい良い餌だなということです。日本製のエサなので安心感もありますし、第一線で使えると思います。次にエサを買うときはカメプロスにしてみてはどうですか!?

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K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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