
亀を飼い始めて一番最初に悩むことって何でしょうか。どんな飼育ケージを使うか? それもあるかもしれません。でも同じようなタイミングで、これから毎日何を食べさせていくのかということも考えますよね。
そんな時の参考になるように、私が使ったことのある亀のエサを色々と紹介してみることにしました。飼育歴の長い人でもいつも同じエサを使っている場合もあるので、実はあまり多くの餌のことを知らないということもあるかもしれません。何かのお役に立てば幸いですし、私が使ったことのない餌を使っている人にはぜひ使用感など教えてもらいたいです。
今回は亀のエサ紹介の第1弾として、まずは水棲亀のエサでは定番中の定番であるテトラ レプトミンを紹介します。ちなみに餌よりも飼育ケージの方が気になる!という方や、餌だけでなく亀の飼育全体のことが知りたいという方は、以下の亀の飼い方をまとめたページを参考にして下さい。
この記事の目次
テトラ レプトミンとは
「テトラ レプトミン」とは、ドイツのアクアリウム用品などを手がける業界きっての有名企業・テトラ社が製造しているカメ用の配合飼料です。亀を飼っている人ならば一度は名前を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
以前私が飼育している亀を動物病院に連れて行った時、獣医さんに「餌は何あげてます?レプトミンですか?」みたいな感じで訊かれるくらいメジャーな亀のエサです。
本体側面の説明書きによると、レプトミンは亀の成長に必要な栄養素をすべて配合したバランス栄養食で消化吸収にも優れるそうです。カルシウム(Ca)とリン(P)がバランス良く含まれており、甲羅を丈夫に保つことができるとも書いてあります(ちなみに水棲亀に最適なカルシウム・リン比は、 Ca : P = 2~3 : 1と言われています)。
レプトミンの栄養バランスの良さには定評があり、これだけ食べさせておけば大丈夫というブリーダーもいるとか。世界中で利用されており歴史も長い商品なので、信頼性の高さはピカイチです。
成分
保証されている成分は以下の通りです。
粗蛋白質 | 39.0%以上 |
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粗脂肪 | 4.5%以上 |
粗繊維 | 2.0%以下 |
粗灰分 | 15.9%以下 |
水分 | 9.0%以下 |
それぞれの成分について簡単に説明します。
粗蛋白質はアミノ酸やアンモニアも含んだ大雑把なタンパク質の量のことで、粗脂肪は飼料中の脂溶性物質のことです。粗脂肪のには脂肪の他にろうなども含まれます。また粗繊維は腸内環境を整えると言われるセルロースにその他の糖などを合わせた量で、粗灰分は飼料中のおおよそのミネラルの量のことです。水分は文字通りですが、この水分が少ない方が腐敗しにいエサとなります。
それぞれに「粗」とついているのは、厳密な量を測るのが難しいため大体の値を示しているからです。生餌などをあたえると栄養分の管理が難しくなりますが、レプトミンのような配合飼料では成分が保証されているので管理しやすいです。
他に特徴的なものとして、ビオチンをはじめとしたビタミン類、魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸(いわゆるDHA)、免疫力を高めるβグルカンなども配合されています。
亀の餌の種類や、亀が必要としている栄養素についてもう少し詳しく知りたいという方は、こちらの記事も読んでみて下さい。配合飼料だけでなく、生き餌や乾燥飼料、エサの与え方、与えてはいけないエサ、栄養補助のためのサプリメントなどかなり幅広い内容について解説しています。
原材料
こちらも説明書きによると以下のようになっています。
野菜類、フィッシュミール、植物性蛋白質、酵母、オキアミミール、油脂、藻類、ビタミン類、ミネラル類、レシチン、β-グルカン
野菜類が多いのが特徴的です。植物質の原材料を入れて栄養バランスを向上させようとしているのが伺えます。レプトミンの緑っぽい色はここら辺の植物由来のものかもしれませんね。
えさの与え方
1日最低2~3回、数分で食べ尽くす量を与えるようにとのことです。ただ、これは子亀の時の基準ではないでしょうか。ある程度成長したカメにこんな量を与えていたらすぐにぶくぶくに太ってしまいそうです。甲長10cm以上のカメ用サイズの商品の説明書きにもこんな感じに書いてあるのは少し不思議ですね。
私が飼育している亀は大体2歳のニホンイシガメ雄ですが、餌は2日に一回程度にしています。私の飼い方では基本的に冬眠させないため、太りすぎないように心がけています。しかしやや気にし過ぎな気もするので、セミアダルト~アダルトの亀には1~2日に1回程度の給餌が標準的な量ではないかと思います。
ラインナップ

甲長 5~10cm未満のカメ用の小さなスティックタイプ(26g/65g)と、甲長 10cm以上用の大きなスティックタイプ(110g/220g)の合せて4つのラインナップがあります。これだけのラインナップがあるので、カメのサイズや手持ちの餌の量、今後の成長予測などによって適切なサイズを選択できるのがとても便利ですね。
テトラ創立60周年の時には上の画像のような20%増量タイプが同じ値段で販売されておりなかなかお得でした。こういうサービス精神は嬉しいですね!
バリエーション
レプトミンの商品バリエーションとしては、小さなカメ用の「テトラ レプトミン ミニ」、嗜好性バツグンの「テトラ レプトミン スーパー」があります。
テトラ レプトミン ミニは通常のレプトミンと成分などは同じで、単純にサイズを小さくしただけのものです。甲羅の大きさ(甲長)が5cm以下の子亀の口のサイズに合わせて作られているため、子亀にとっても食べやすく、また一口で食べられるので食べかすによる水の汚れを多少マシにしてくれます。
レプトミン スーパーの方は成分も通常のレプトミンとはだいぶ異なり、亀の好物であるエビなどを多く配合することで嗜好性を高めています。それにより偏食傾向の強い亀や、飼育を開始直後の警戒心が強くなっている亀も食いつきやすい餌になっています。
レプトミンスーパーについては個別に解説した記事もあるので、ぜひこちらも読んでみて下さい。嗜好性が高いだけでなく、色揚げ効果(体色が綺麗になる効果)があるとも言われています。
使用感・レビュー
レプトミンについて解説したところで、私が実際にレプトミンを使用した際の使用感を交え、テトラ レプトミンというエサのレビューをしたいと思います。
絶大な安心感
やはり有名で信頼性が高いエサなのでこれを使っていると安心感があります。今のところレプトミンが原因のトラブルなどはありません。
もしカメが病気になったりしても、原因としてエサをまず外せるというのは原因解明に大きく役立ちます。そういった意味でやはり安心感がある餌ですね。
嗜好性はそこそこ
ウチではレプトミン以外の餌も色々と試していますが、他の餌に比べるとやや食いつきに劣るかなという印象があります。決して食べないということはありませんが、レプトミン スーパーやレバーなんかを与えると本当に激しく餌の追加を求めてくるのに対し、普通のレプトミンだとそこまで激しい行動はとらないですね。
レプトミンスーパーやレバー以外の、特に嗜好性が高いわけではない普通の配合飼料にも、レプトミンよりも食いつきが良い餌は多くあります。また、長期間与えているとレプトミンに対する飽きがくることもあるようです(他の餌も同様だと思いますが)。やはり動物質のエサの方が食い付きが良いので、植物質を多く含むレプトミンは嗜好性という点では劣りがちなのかも知れません。
こんな時に使いたい!
亀の日常的な主食にすることをおすすめします。これをベース飼料として与えながら、時々違う餌も与えて亀の食欲を保つのがいいのではないでしょうか。ただし嗜好性の高い餌をあげすぎるとレプトミンを食べてくれなくなる可能性があるので注意です。
すこし値段が高めなのが唯一の弱点といったところでしょうか。
今回は亀の餌の定番中の定番であるテトラ レプトミンを紹介しました。いつも使っているえさでもこうして詳しく調べてみることで分かることもありますね。私にとっても勉強になりました。今後はまた違う種類の餌のレビューもしていく予定です!