アクアリウム 生体の選び方 コケ・藻類対策

水槽のコケ対策!おすすめのコケ取り生体の種類と効果まとめ

2015/01/29

アクアリウムで厄介な問題の筆頭とも言えるのが「コケ」の発生です。観賞目的で水槽を設置しているのに、ガラスや石、流木や水草などがコケまみれでは、癒やし効果どころか不快感すら覚えてしまいます。コケのない水槽をつくり上げることは、多くのアクアリストにとって至上命題ともいえる超重要な目標の一つなわけです。

そうは言ってもアクアリウムは自然と向き合う趣味です。何でもかんでも思い通りに行ったりはせず、コケの全く出ない水槽を実現するのもまた不可能です。しかし、コケの発生を抑えたり、目立たないようにすることはできます。今回はそんなコケの対策法の一つである「コケ取り生物」を利用する方法について解説します。水槽でコケを食べる生き物を飼育して、コケが目立たないようにすることを目指します。

そもそもコケとは何か

アクアリウムでいう「コケ」とは、植物に属するグループである「コケ植物」や「苔類」ではなく、「藻類」という括りでまとめられるものを指します。つまりウィローモスなどの「苔」とは全然違うものだと知っておいて下さい。このブログではなるべく、ウィローモスなどは漢字で「苔」、黒髭コケのようなものはカタカナで「コケ」と表記して区別しています。

水槽の汚れとして発生するコケにはいくつかの種類があり、コケの種類によって有効なコケ取り生物の種類が異なります。この記事ではコケを以下のように分類し、それに対して有効なコケ対策生物を紹介します。苔の名前だけを見ても良く分からない!という方は、このページ下部のコケの種類別オススメのコケ取り生体の項目で、それぞれの苔の簡単な説明をしています。

参考種類ごとのコケ対策[水槽での苔対策と除去]

以下で熱帯魚・日淡・エビ・貝など、生物の分類別にコケ取り生体として活躍してくれる生き物たちを紹介していきます。

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熱帯魚

ネイチャーアクアリウムでは「魚は脇役」なんて言われてたりもしますが、熱帯魚は水槽の中で目を引く存在であるのは間違いありません。コケ取り生体というと水槽の中でも縁の下の力持ち的な存在に思いがちですが、熱帯魚をコケ取りに使った場合はよくも悪くも水槽の中で目立つ存在になります。

熱帯魚をコケ取りに使う場合は、コケ取り能力だけでなく姿形が気にいるかどうかも重要な要素になると思います。

オトシンクルス

効果のあるコケ 茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★★☆☆
体長 5cm程度
特徴 可愛い、餌付けがやや難しい
価格 5匹:1000円程度(オトシンクルス)

オトシンクルス(オトシン)は体長5cm程度と小型のナマズの仲間で、アマゾン川を中心とした南米の河川に分布しています。水槽の中を泳ぎまわるというよりは水底や流木、石、水草の上を這うように泳ぎます。小さな体で水槽のあちこちをちょこまかと動き回る様子が可愛らしく、コケ取り生体の中でもかなり人気があります。

オトシンの口は吸盤状になっており、その口で水草やガラス面に張り付くようにしてコケを食べます。そのため食性は完全な草食性というわけではなく、魚の死骸など動物質のエサも食べる草食傾向の強い雑食といったところです。

ただし飼育下での餌付けが少し難しく、コケを食べ尽すとそのまま何も食べずに死んでしまう場合もあります。導入後のなるべく早く段階で、茹でたほうれん草や冷凍赤虫、市販の人工飼料などに餌付けさせておくようにしましょう。

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オトシンクルスの仲間には、「オトシンクルス・ヴィッタータス」「オトシンクルス・ネグロ」「タイガーオトシン」といったいくつかの種類が存在します。最も一般的な種類はオトシンクルス・ヴィッタータスです。オトシンネグロは「コケとり能力が高い」とかいう触れ込みでやや高めの値段で販売されることもあるようですが、実際のところはコケ取り能力に大差はないようです。

ただし、オトシンネグロは繁殖が他種に比べて容易なので、水槽内で稚魚を見られる確率が他種より高いのはメリットですね。タイガーオトシンは小型・派手で魅力的な種類ですが、飼育が非常に難しいので、コケ取り目的で安易に購入することはおすすめしません。

プレコ

効果のあるコケ 茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★★★☆
体長 10~60cm程度
特徴 美しくコレクション性が高い、大型化、アクリル水槽を傷つけることがある
価格 1匹500円~数万円(種による)

オトシンと同じくナマズ目ロリカリア科に属する魚で、こちらもアマゾン川を中心とした南米の河川に分布しています。水槽の中を泳ぎまわるというよりは、水底付近を這うように移動するいわゆる「底物」です。美しい魚とされ、コケ取りに用いられるだけでなくプレコ専門の愛好家もいて、コレクションされることもあります。オトシンとはちょっと似ていますが、最大の違いは一部の種がかなり大型化する点です。

プレコの口はオトシンと同じく吸盤状になっており、ガラス面や石・流木などに張り付き、その表面にこびりついた珪藻や斑点状藻を歯で削り取るようにして食べます。ただしオトシンよりも大きな分歯の力が強く、アクリル水槽の表面を傷つけて曇らせたり、水草を食害するといった問題を起こす場合もあります。またその歯で他の魚の体表を舐めて傷つける可能性があり、エンゼルフィッシュ、ディスカス、ポリプテルス、ガーパイクなどの魚との混泳は相性が悪いとされています。

種類が多く中には大型化するものも

プレコの仲間は現在知られているだけでも60種ほどおり、「セルフィンプレコ」「ロイヤルプレコ」「インペリアルゼブラプレコ」「ブッシープレコ」「タイガープレコ」などが有名な種類です。セルフィンプレコやロイヤルプレコは大型化する種類で、最大で50~60cmに達します。これらの種は大型魚水槽のコケ取り生体としてはうってつけですが、水草水槽ではもてあますのは目に見えています。特にセルフィンプレコは安価で販売されているので、軽い気持ちで飼い始めたら大きくなりすぎて手に負えなくなるという問題が良く起こっています。

インペリアルゼブラプレコ、ブッシープレコ、タイガープレコなどの小型種は大きくなっても10cm程度なので、水草水槽のコケ取り生物として使うならこれらの方が良いでしょう。ただしインペリアルゼブラプレコはその美しさからかなりの高値が付きますから、コケ取り目的というよりはメインの生体として飼育する場合の方が多そうですが…。

サイアミーズフライングフォックス

効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ、茶ゴケ(珪藻)、黒髭コケ
コケ取り能力 ★★★☆☆
体長 最大12cm程度
特徴 黒髭コケを食べる数少ないコケ取り生体
価格 10匹:1700円程度

コケの中でもかなり厄介な「黒髭コケ」を食べる数少ないコケ取り生体として有名な、タイ原産のコイの仲間です。黒髭コケだけでなくアオミドロや珪藻も食べますが、コケをメインに食べると訳ではなくあくまでちょっと食べる程度なので、サイアミーズフライングフォックスがいればコケが無くなるなんてことはありません。ただし、かなり効果があるとする人もいるので、コケとり能力に関しては個体差も大きいようです。

また、成長すると12cm程度と少し大きくなる上に、コケを食べなくなって気性も荒くなる傾向にあります。他の魚に与えた人工飼料なども積極的に食べる雑食性なので、混泳魚が小型魚だと、エサ取り競争に負けて弱ってしまう可能性があります。

サイアミーズ・フライングフォックス(Crossocheilus oblongus)
黒髭コケ対策・サイアミーズフライングフォックスの飼育と偽物判別法

アクアリウムの美観を損ねるコケ・藻類を食べるコケ取り生体の一種「サイアミーズ・フライングフォックス」を紹介します。サイアミーズ・フライングフォックスは厄介な黒髭コケを食べる熱帯魚として有名ですが、幾つか問題も抱えた魚なので、導入前に特徴をよく知っておきましょう。

サイアミーズ・フライングフォックスについては、こちらのページで詳細を解説しているので、導入を検討している人はぜひ参考にしてください。

遊泳力と別種に注意

サイアミーズフライングフォックスは遊泳力が高く、飛び出し事故が起こりやすい点に注意しなくてはなりません。また、「フライングフォックス」という良く似たコケを食べない別の魚がいるのですが、キチンと区別されずに販売されている場合があるので注意が必要です。「フライングフォックス」は、体側面の黒いラインが尾びれにまで続かないという違いがあるようなので、購入の際は気をつけるようにしてください。

アルジイーター

効果のあるコケ 茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★☆☆☆
体長 20cm程度
特徴 大型化、コケを食べるのは幼魚期のみ
価格 4匹:800円程度

アルジイーターは中国、タイ、ラオス、カンボジアなどに生息するコイ目の魚です。英語で書くと“algae eater”となり「コケを食べる魚」という意味になります。水槽のコケ取り役として古くから親しまれている魚です。

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幼魚の内は珪藻などを良く食べてくれますが、成長するに従ってコケをあまり食べなくなります。また大型化するため痩せないように人工飼料を与えるとますますコケを食べなくなるという悪循環です。成魚になると性格も荒くなるため、コケ取り用のタンクメイトとしての役割はほぼ果たさなくなります。

サイアミーズフライングフォックスが役割的に近い部分があるので、もしもアルジイーターを導入しようと考えている場合は、代わりにサイアミーズフライングフォックスを検討したほうがよい場合も多いでしょう。ゴールデンアルジイーターという改良品種も一般に出回っていますが、こちらも色が違うだけで基本的には同じです。

ブラックモーリー

効果のあるコケ 藍藻、緑藻・アオミドロ
コケ取り能力 ★★★★☆
体長 6~10cm程度
特徴 藍藻を食べる、繁殖が容易
価格 5匹:800円程度

ブラックモーリーはメキシコ原産の卵胎生メダカです。ざっくりいえばグッピーの仲間ですね。駆除の厄介な藍藻を食べるため重宝されているコケ取り生体です。藍藻以外に水面の油膜も食べてくれますし、真偽は定かではありませんが黒髭コケを食べたという情報すらあります。草食性が強いですが、エサが多くある状況ではあまりコケを食べないので給餌量の管理などが必要になってきます。

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グッピーのように卵ではなく稚魚を生む卵胎生のため、繁殖力が非常に旺盛で気づいたら増えていたなんてことも良くあります。ただし生まれてすぐの稚魚は親魚に食べられてしまう場合もあるので、繁殖を狙うなら水草を多く植えるなど稚魚が隠れる場所をつくるのが重要です。また他の卵胎生メダカやグッピーと交雑することが知られているので、そういった魚と混泳させる場合には注意が必要です。飼育・繁殖の詳細は以下を参考にしてください。

ブラックモーリー(ライアーテール)
ブラックモーリーの飼い方と繁殖!アクアリウムの藍藻対策におすすめ

ブラックモーリーは卵胎生メダカの仲間で、モーリーのメラニズム(黒化)個体を固定した品種です。黒一色の美しい姿や、水槽に生える厄介なコケの一種「藍藻」を食べてくれるコケ取り生体としての役割から非常に人気が高い熱帯魚です。本来は汽水域に生息し、卵ではなく稚魚を産む特徴的な魚です。

また、ブラックモーリーは細菌性の感染症にやや弱いため、導入時の水合わせやトリートメントは丁寧に行うのをお勧めします。水合わせ・トリートメントを行う際は、以下の記事を参考に、生体に負担がかからないよう注意して実施しましょう。

生体導入!熱帯魚やエビの水合わせ&トリートメントの方法

熱帯魚やエビの水槽への導入を安全・慎重に行うための鍵になる「水合わせ」と「トリートメント」について解説します。水合わせは環境の変化で生体にダメージを与えないために、トリートメントは病気の蔓延を防ぐために、とても重要です。

プラティ

効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ
コケ取り能力 ★☆☆☆☆
体長 4~6cm程度
特徴 卵胎生で卵ではなく稚魚を直接産む
価格 1匹400円程度(品種による)

プラティは標準和名をサザンプラティフィッシュといい、別名ムーンフィッシュなどとも呼ばれるメキシコ原産の魚です。ブラックモーリーと同じく卵胎生の魚で、卵ではなく稚魚を直接産むという特徴があります。飼育・繁殖のどちらも簡単とされています。

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グッピーと同様に古くからアクアリウムでよく飼育されてきた魚で、特に海外では愛好家が多いです。歴史が長いため改良品種がかなり多く作出されており、尾びれの付け根に黒い丸が3つ組み合わさった斑点の入る「ミッキーマウスプラティ」や、ヒレが長く伸びた姿が美しい「ライヤーテールプラティ」など綺麗な品種がたくさんいます。また、複数の品種の特徴が混ざっていることも少なくありません。

コケ取り生体としての能力に関しては、はっきり言うと十分なものではありません。コケの除去というよりも予防程度に考えておいたほうが良いでしょう。プラティについては以下のページが詳しいので、興味のある人は読んでみてくださいね。

プラティ
プラティの種類・品種と飼育方法―混泳の相性から繁殖まで!

アクアリウムで飼育される熱帯魚の一種であるプラティ(サザンプラティフィッシュ)について解説します。卵胎生メダカの一種のプラティは、卵ではなく稚魚を産む魚で繁殖が容易、改良品種の数も多いです。様々な色や柄を楽しめる魚です。

ペンシルフィッシュ

効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ
コケ取り能力 ★☆☆☆☆
体長 3~6cm程度
特徴 コケ取り生体として有名ではあるが、コケ取り能力は実はあまり高くない
価格 3匹1000円程度(ワイルド個体は高価)

ペンシルフィッシュはカラシン目レビアシナ科ナノストムス属に分類される、細長い体型をした魚たちを指します。以前はナノブリコン属という分類も存在し、こちらに分類される種は、頭を上に向けながら体を大きく傾けて泳ぐ特徴をもつとされていました。その姿が鉛筆で文字を書くように見えるのがペンシルフィッシュという和名の由来になっています(現在ではナノブリコン属はナノストムス属に統合されています)。これらペンシルフィッシュは体長5cm程度の小型カラシンで、南米のアマゾン川、ネグロ川、オリノコ川などに生息しています。

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ペンシルフィッシュは小型で口も小さいため、エビなどと混泳させても稚エビが食べられにくいという長所があります。しかし一方で肝心のコケ取り能力はあまり評価が高くありません。特に、元ナノブリコン属の種はほとんどコケを食べないようで、期待はずれとの声も聞かれます。それ以外の種はまだコケを食べるようですが、それでも期待したほどではないという人も多いです。

ナノストムス・エクエス(ペンシルフィッシュの仲間)
ペンシルフィッシュ10種まとめ!飼育・繁殖法とコケ取り能力

アクアリウムで古くから飼育される美しい熱帯魚・ペンシルフィッシュを紹介します。ペンシルフィッシュはカラシン目レビアシナ科ナノストムス属に分類される魚の総称で、2013年時点で20種が存在します。コケ取りを期待されることもありますが、実際はあまりコケを食べません。

もともとコケ取り能力があまり高くない上に、コケ以外の餌が豊富にあるとますますコケを食べなくなってしまいますが、小型魚のため、餌を減らすとすぐに餓死してしまうという問題点も併せ持っています。ペンシルフィッシュは小型で見た目が綺麗なことに加え種類も豊富なので、コケ取り能力は重視せず観賞用として飼育するほうが楽しめるかもしれません。

カラープロキロダス

効果のあるコケ 茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★☆☆☆
体長 20~30cm程度
特徴 アロワナなどの大型魚と相性が良い、ポリプテルスやガーパイクの体表を傷つけることがある
価格 1匹500円~2万円程度(サイズによる)

カラープロキロダスは南米の河川に生息し、別名フラッグテールカラシンとも呼ばれる尾びれの縞模様が特徴的な美しい魚です。コケ取り生体として用いられる熱帯魚の中では大型で遊泳力が高く、大型魚と混泳させても食べられたりしないので飼育のお供に良く利用されます。中でもアロワナ飼育では定番とも言える存在で、華僑の間ではアジアアロワナを「龍」、カラープロキロダスを「鳳凰」に例え、アロワナとカラープロキロダスの混泳を「鳳凰配」と呼んで縁起の良い混泳としてきました。

口にはプレコと同じようなヤスリ状の歯があり、苔などを削りとって食べます。植物食傾向が強いですが、飼育下では配合飼料やアカムシなど何でも食べるようです。そのため残餌の処理要員としても活躍が期待できますが、苔以外のものを食べるようになるとコケ取り生体としての能力は落ちてしまうかもしれません。また、これもプレコと同様に、ポリプテルスやガーパイクのような大人しい魚と混泳させると、突いたり体表を舐めて傷つけたりしてしまうため相性が悪いです。

カラープロキロダスという名前で流通しているのは、厳密には「Semaprochilodus insignis」と「Semaprochilodus taeniurus」の2種の魚であり、Semaprochilodus insignisの方がより大型になります。またカラープロキロダスはジャンプ力が非常に強いため、水槽には必ずフタをして飛び出し事故に注意しておきましょう。

その他

ここで紹介した熱帯魚以外にも、ファロウェラ・ビッタータやペルヴィカクロミス属の魚などがコケ取り生体として利用されています。ただしこれらはあくまでもコケの予防程度の役割しかせず、コケ取り能力で言うとここで紹介した熱帯魚には劣ります。

日本産淡水魚(日淡)

熱帯魚は派手でいいですが、私のように日本産淡水魚の渋さみたいなところに魅力を感じる人も少なくないと思います。日淡の水槽を維持していると、なかなかコケ取り用の生体に適任がおらず困ることもあると思います。そんな傾けに日淡魚の中からコケ取り生体として活躍でそうな魚をピックアップしてみました。

日淡だけでなく、雰囲気的には金魚のお供にも良いかもしれません。またあまりデータが無いため、効果については不明瞭な部分もあるのでご了承ください。コケ取り能力のある日淡魚の情報をお持ちの方は教えて頂けると嬉しいです。

ボウズハゼ

効果のあるコケ 茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★★☆☆
体長 20cm程度
特徴 ルリボウズハゼ、ナンヨウボウズハゼといった小型美麗の近縁種がいる
価格 2匹:5000円程度(ナンヨウボウズハゼ)

ボウズハゼは日淡の中でもコケ取り能力が高いとされている魚です。自然下では河川の渓流域に生息し、石に付着する藻類を主な餌としている草食傾向の強い魚です。草食性で藻類を主に食べるところを坊主になぞらえて命名されたと言われています。

ボウズハゼは20cm程度と大きくなる魚ですが、温和な性格であまり他種に噛みついたりはしないようです。また、ルリボウズハゼやナンヨウボウズハゼといった小笠原諸島や南西諸島に分布するボウズハゼの仲間がおり、それらは体長も5~10cmと小型で色鮮やかな美しい魚ですから、タンクメイトとしてはかなり良いかもしれません。

ただし両側回遊性の魚であり繁殖には海水が必要となるのが問題です。美しい魚なのでできれば飼育下繁殖個体が流通してほしいのですが、難易度や需要も考えるとあまり現実的ではなく、乱獲がやや心配な魚でもあります。

オイカワ

効果のあるコケ 茶ゴケ(珪藻)
コケ取り能力
体長 15cm程度
特徴 婚姻色が綺麗
価格 5匹:500円程度

オイカワは日本産淡水魚の中でもかなりの人気を誇る魚と言えるでしょう。婚姻色は日淡随一といっても過言ではない美しさを誇ります。この魚を飼育する場合は、コケ取り用のタンクメイトとしてではなくメインの生体として飼育する場合の方が圧倒的に多いと思います。それくらい綺麗で人気のある魚です。また釣りの対象としても人気があります。

高水温にはやや弱いですが飼育は容易です。しかし遊泳力が強すぎて飛び出し事故が起こりやすい点に気をつける必要があります。上手くいけば水槽内での繁殖を目指せるのも良い点です。

肝心のコケ取り能力ですが、多分そこまで大したものではないと思います。オイカワは草食性の強い雑食性ですが、実際は割と何でも食べるのでコケ以外のエサがある環境ではあまりコケを食べないのではないかと思います。あくまでも軽い予防策程度の認識ですかね…。

カネヒラ

効果のあるコケ 茶ゴケ(珪藻)
コケ取り能力
体長 12~15cm
特徴 国産タナゴ最大種
価格 2匹:500円程度(成魚)

カネヒラは日淡の中でも人気のタナゴの仲間で、国内最大種でもあります。食性は植物食に偏った雑食で、コケ取り能力の程は多分オイカワと同じくらいで大したものではないと思います。タナゴの仲間は横幅があるため、体長の割に水槽内で大きく感じるはずです。こちらもコケ取りのタンクメイトというよりも、メインの生体として飼う場合の方が多いでしょう。

エビ(シュリンプ)

コケ取り生体というとエビを思い浮かべる方も多いと思います。エビの仲間は基本的に温和で、魚と混泳してもほとんど悪影響がない点が優秀です。また、魚だけでなくエビもいた方がより自然な水景に見える点も重要です。

ただし全てのエビがコケ取り生体として利用できるわけではなく、肉食性の「スジエビ」がミナミヌマエビなどに紛れて水槽内に混入すると魚を捕食してしまうため注意が必要です。また、ビーシュリンプなどの小型で繊細なエビではコケ取りの能力はかなり低く、同居の魚に食べられるだけなのでお勧めしません。

ヤマトヌマエビ

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効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ、茶ゴケ(珪藻)
コケ取り能力 ★★★★★
体長 最大5cm程度
特徴 コケ取り生体の最メジャー種
価格 10匹:600円程度

ヤマトヌマエビは日本原産の大形のヌマエビで、絶大なコケ取り能力を有します。ネイチャーアクアリウムを提唱するADAもヤマトヌマエビをかなり重宝していますし、個人的にはコケ取りといえばまずヤマトから、というくらい基本的なコケ取り生体だと思っています。特に水草水槽では必須ともいえる存在で、主に緑藻やアオミドロといった、水草などにつく糸状のコケの除去に有効です。

エビ類の中でも大型のためコケ取り能力が高く、60cm水槽に10匹程度を目安として導入しておくとかなりのコケ取り効果を実感できます。ただしその分大食漢で、コケが無くなってくると水草への食害や、植えた直後の根が張っていない水草を引き抜いたり、弱った魚を捕まえて食べることすらあるようです。コケが大量に発生した水槽には多めに導入したくなりますが、コケが無くなった後どうするかまで考えてから購入するようにしてください。また糞の量が多いので、真っ白な化粧砂などを使ったレイアウトでは掃除が大変になると思います。

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ヤマトヌマエビは両側回遊型の生物で、幼生は川で生まれるとすぐに海へ下り、成長してから川へと遡上してくるという生態を持っています。そのため幼生が親エビになるには海水が必要で、飼育下での繁殖はかなり困難です。これはつまりアクアリウムに使われている分だけヤマトヌマエビの数は減っているため、今後生息数が減少するなどの被害が生じる可能性があります。できる限り自家繁殖をさせて、乱獲の防止にひと肌脱げる飼育者になりたいものです。

ミナミヌマエビ

ミナミヌマエビ:Neocaridina denticulata

効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ、茶ゴケ(珪藻)
コケ取り能力 ★★★☆☆
体長 3cm程度
特徴 小型、水槽内繁殖が容易
価格 10匹:500円程度

ミナミヌマエビは日本固有の小型のヌマエビの亜種です。アクアリウムでは中国原産のシナヌマエビとしばしば混同され、ショップで「ミナミヌマエビ」として販売されているものはほとんどがシナヌマエビだと言われています。

ヤマトヌマエビと比べて小型な分1匹あたりのコケ取り能力も低いので、コケ取り生体として利用するためにはヤマトヌマエビの3倍の数が必要とも言われています。しかし、ミナミヌマエビは淡水のみで繁殖が可能で、水槽の中でも稚エビが魚に捕食されないような隠れ家さえあれば簡単に増えてくれます。

コケ取り能力が低い分食害や水草の引き抜き、魚を襲うなどといったリスクは少ないですが、逆にミナミ自身が小さいために魚に捕食されやすいです。特に大きな魚のいる水槽ではすぐに食べつくされてしまう可能性があるので、混泳させる魚のサイズには注意してください。

ミナミヌマエビについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事がオススメです。

ミナミヌマエビの特徴と飼い方-繁殖が容易なアクアリウムの人気者

アクアリウムで飼育されるミナミヌマエビの分類・特徴・分布・飼育・繁殖・保全状況等を解説します。ミナミヌマエビは日本固有亜種ですが中国南部原産のシナヌマエビとよく混同されます。一生を淡水で過ごす陸封型のため繁殖が容易です。

アルジー・ライムシュリンプ

(エビ)アルジー・ライムシュリンプ(20匹)+(2匹おまけつき)
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効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ、黒髭コケ?
コケ取り能力 ★★☆☆☆
体長 3cm程度
ポイント 黒髭コケを食べるという噂アリ
価格 10匹:1000円程度

アルジーライムシュリンプは中国南部原産のヌマエビで、ミナミヌマエビの近縁種です。基本的にはほとんどミナミヌマエビと変わりませんが、薄緑~黄色の体色とコケ悔いの良さが特徴とされています。特に「黒髭コケを食べる」との触れ込みで販売されています。

…ですが、ネット上では黒髭コケを食べたという報告はほとんど聞きません。ミナミヌマエビよりもコケ取り能力は下という報告もあります。はっきり言うとあまりオススメできるコケ取り生体ではありませんね。もし誰かこのエビがコケ取り生体として成果をあげた例を知っている方は教えて下さい。

ビーシュリンプ

効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ
コケ取り能力 ★☆☆☆☆
体長 2cm程度
特徴 縞模様が美しく観賞性の高いエビだが、小型・繊細でコケ取り生体には適さない
価格 6匹2000円程度~(グレードによる)

ビーシュリンプは茶色と白の縞模様が特徴的な小型の淡水エビです。このビーシュリンプのうち、赤白の縞模様の色彩変異個体を固定したのが、アクアリウムで一番熱狂的なファンの多いエビである「レッドビーシュリンプ」です。赤だけでなく黒白縞模様のビーシュリンプも存在します。世界中のマニアにより、日々美しいビーシュリンプの作出が目指されています。

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ビーシュリンプは繊細なエビで、急に水質が変化すると簡単に死んでしまいます。またかなり小型なので、魚と混泳させると稚エビがほとんど食べられてしまいまともに繁殖させられませんし、大きな熱帯魚と混泳させると親エビですら食べられてしまう可能性が高いです。そのため、基本的には単独飼育が行われます。従って、既存の水槽にタンクメイト的に導入するのは難しい面があります。

他にも、小型すぎてコケとり能力が低い、観賞性が高いため価格が高い、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビといった優秀なコケ取りエビが存在するなど、ビーシュリンプがコケ取り生体に適さない理由は多くあります。見た目には綺麗で水槽にいると楽しそうですが、現実的には難しいです。

貝類

貝類は石やガラス面に付着したコケの掃除に絶大な威力を発揮します。見た目的に受け付けない方もいますし、ガラス面に張り付く姿はお世辞にもきれいとは言えずどちらかというと美観を損ねますが、数を絞って使えば効果的なコケ取り生体です。

石巻貝(イシマキガイ)

効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ、茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★★★☆
殻長 最大2cm程度
特徴 ひっくり返ると自分で起き上がれない
価格 10匹:500円程度

コケ対策のための貝でいちばん有名なのは石巻貝(イシマキガイ)でしょう。石巻貝は日本の汽水~淡水域に生息するカノコ貝の仲間で古くから人気があります。カノコ貝の仲間は主に汽水域に生息しているのですが、石巻貝はその中でも淡水への順応性が高く、低pHになることの多い水草水槽にも適応できます。

(エビ・貝)石巻貝 よりなし(無選別) 100g(約280匹)

また、見た目が地味な点が水槽の中で目立たないとして好まれる部分もあります。繁殖には気水が必要なため、その他のスネールのように水槽内で大量に増えることはありませんが、水槽の壁面や石などに卵をうみつけます。この卵の見た目が悪く、嫌がられることもあります。スクレーパーなどで取り除けばいいんですがその作業も結構大変です。

石巻貝は活発に活動すると水面を越えて動き回る場合もあるので脱走には注意が必要です。また、活発に動き回る割に何かの拍子で落っこちてひっくり返ってしまうと、自力では起き上がれないので飼育者が起こしてやる必要があります。ヒーターを使う場合は直接貼りつくと火傷で死ぬこともあるので、ヒーターカバーを用いる方が良いです。

成長につれて殻の頂部などが浸食されて崩れたり、穴があいたりしてくることがあります。生死には直結しませんが、殻を形成するカルシウムなどが足りていない可能性もあるので、その場合には水質を見直して見て下さい。

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またサザエ石巻貝(イガカノコ貝)、カラー石巻貝(カノコ貝)、カラーサザエ石巻貝(スパイラルホーンスネール)など、見た目がちょっと派手な近縁種も存在しますが、基本的にはイシマキガイと同じようにコケ取り生体として利用できます。

フネアマ貝

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効果のあるコケ 緑藻・アオミドロ、茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★★★★
殻長 最大4cm程度
ポイント 強力なコケ取り能力
価格 4匹:1200円程度

フネアマ貝は貝類最強との呼び声も高い強力なコケ取り生体です。アワビのような形の殻に褐色~明褐色の模様が入る形態をしていて石巻貝よりも大型になりますが、そのコケ取り能力は非常に高いです。水槽のガラス面や石などに強力に張り付いて活発に動きまわり、珪藻や斑点状藻を根こそぎ舐めとってくれますが、張り付く力が強すぎて無理に引き剥がすと身から殻が剥がれてしまうこともあります。また大食漢でコケがなくなるとすぐに痩せてしまうため、あまり水槽に多くの数を入れないようにして下さい。

石巻貝と同様本来汽水域に住む貝なので、CO2を添加している水草水槽のような、低pHの水は好みません。石巻貝よりも淡水への適応力が低く、純淡水ではあまり長生きできないという意見もありますが詳しくは分かりません。また石巻貝とは違いひっくり返っても自力で起き上がれます。その他ヒーターや殻の侵食に関する注意点は石巻貝と同じです。

発酵式CO2添加装置の作り方-水草水槽のCO2ボンベ代用法

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ラムズホーン

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効果のあるコケ アオコ、茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★☆☆☆
殻高 2cm程度
ポイント 雌雄同体なので2匹いれば繁殖可能、その上繁殖力はかなり強い
価格 5匹:700円程度(ヒメタニシ)

ラムズホーンはインドヒラマキガイという貝の色彩変異を固定化したものです。レッド・ピンク・ブルーなどの色鮮やかなカラーのものが販売されています。アクアリウムショップなどに行くと良く販売されているので、見たことのある方も多いかと思います。

この貝は雌雄同体のため2匹いれば繁殖可能で、むしろ繁殖力が強すぎて疎まれることすらあります。イシマキガイとは異なり純淡水で繁殖が可能なため、水槽内で増え続けて気づいたらラムズホーンだらけになっていたなんてことも少なくありません。

コケとり能力はそこそこありますし、残餌の処理もしてくれます。また、貝類の中では比較的酸性の水質に強く、水草水槽にも適応し易い傾向にあります。一方で数が増えすぎたり、水草を食害したりするという問題点あるため、コケ取りに貝を利用するのであれば個人的にはラムズホーンよりもイシマキガイの方をオススメします。

タニシ

効果のあるコケ アオコ、茶ゴケ(珪藻)、斑点状藻・スポット状藻
コケ取り能力 ★★★☆☆
殻高 3.5~6.5cm程度
ポイント 3つの摂食法によりアオコ、茶ゴケなどを食べる
価格 10匹:800円程度(ヒメタニシ)

タニシは日本に生息している身近な巻貝ですが、コケ取り生体としても利用できます。日本のタニシの仲間には「マルタニシ」「オオタニシ」「ヒメタニシ」「ナガタニシ」の4種がおり、その中でもヒメタニシがアクアリウムでは最も用いられていると思います。どちらかと言うと水槽よりもビオトープや屋外の池などで飼育される印象です。

タニシの摂食法は特徴的で、石などの表面に生えた藻類などを削り取って食べる刈り取り食、水底の沈殿物を食べるデトリタス食、水中の懸濁物をエラで集めて食べる濾過摂食の3つの摂食法を使えます。このため珪藻、斑点状藻のようなコケ意外にも、水中を浮遊するアオコを食べて水を透明にすることもできます。

参考タニシ(マルタニシ)

またタニシは淡水中で繁殖可能ですが、卵胎生であり卵ではなく仔貝を産みます。そのため1回に産む仔貝の数は少なく、アクアリウムで嫌われるスネールのように抑制できないほど増えてしまったりはしません。さらに雌雄異体なので繁殖のコントロールも比較的簡単です。

他の貝類と同様に、低pHで殻の形成に必要なカルシウムなどが少ない環境はあまり生息に適さないので、できればソイルではなく砂礫系の底床の水槽で飼育するのが良いでしょう。コケ取り能力も低くはないですし、個人的にはもっと注目されても良い生体だと思っています。

外来種「ジャンボタニシ」に注意

タニシは身近な巻貝であるため、田んぼなどで採取しようと思う人もいるかもしれませんが、その際はジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)に注意して下さい。ジャンボタニシは外来種で、稲の食害をするためかなり嫌われています。また繁殖力が強く日本に定着してしてしまっています。イネを食害するくらいですから、当然水草の食害もするため水槽内に入れてはいけません。

ジャンボタニシは卵塊が特徴的なことで知られています。上の画像のピンク色のツブツブが卵塊で、この卵塊に毒があるためにジャンボタニシは上手く繁殖できています。このような卵を産む貝はジャンボタニシなので、採取しないようにして下さい。

ちなみにこの卵塊は空気中でしか孵化できないため、見つけたら水の中に蹴り落としておくと駆除にもなります。ジャンボタニシは要注意外来生物や侵略的外来種などに指定されているので、積極的に駆除して問題ありません。

シジミ

効果のあるコケ アオコ
コケ取り能力 ★★★☆☆
体長 3~4cm程度
ポイント 飼育が難しい
価格 10匹:700円程度

シジミの仲間はタニシの項でも紹介した、水中の懸濁物をエラで集めて食べる濾過摂食を行うためアオコやグリーンウォーターに効果があります。アクアリウムでよく見られるのは汽水域に住むヤマトシジミと淡水域にすむマシジミの2種です。当然ながら淡水の水槽ではマシジミを利用した方が良いのですが、ヤマトシジミも淡水に適応できるという人もいます。

ただしシジミ自体が水中に常に餌のプランクトン等がいる状態でないと生きていけないため、飼育が難しくヤマトシジミだろうがマシジミだろうが長期維持できたという話はあまり聞きません。アオコやグリーンウォーターが気になるのであればタニシを使えばいいですし、さらに言えばそんな状態は水槽の環境を見直すべきです。

またシジミに濾過能力があるとかいう話をする人もいますが、あくまで水中の懸濁物をたべる濾過摂食というだけで、アンモニアの硝化に関わるようなアクアリウムでいう「ろ過」に相当する能力は無いのではないかと思っています。安易に導入しても死なせるだけなので、コケ対策にはあまりオススメしません。

連載ろ過の原理と利用方法

コケの種類別オススメのコケ取り生体

ここまでで色々なコケ対策に利用できる生体を紹介しました。まとめとしてコケの分類を軽く説明しながら、コケの種類別にオススメのコケ取り生体を紹介していきます。

茶ゴケ(珪藻)

ガラス面や石に付着する茶色い柔らか目のコケです。水槽の立ち上げ直後など水質が不安定な時期に発生しやすいですが、水換えの直後にも水道水に含まれるケイ素によって発生する場合があります。

このコケは多くの生体が食べてくれ、エビ、魚、貝など何らかのコケ取り生体を入れておけば誰かしらが食べてくれます。特にどのコケ取り生体がオススメとかはありませんが、強いていうならヤマトヌマエビあたりが無難でしょうか。

斑点状藻・スポット状藻

茶ゴケと同じく石やガラス面に発生しますが、茶ゴケよりも付着力が強く落としにくいです。基本的に緑色で、水槽の状態が良く水質が安定しても発生します。

付着力が強いので、プレコフネアマ貝などの強力にコケを削り取るタイプのコケ取り生体を利用するのが良いと思います。

黒髭コケ

水質が安定しているときにも発生する、黒いヒゲ状のコケです。特に水流が強いところに発生しやすいです。見栄えが悪いのですが付着力が強いため除去が大変です。

黒髭コケが治まってきた20cmキューブ水槽
黒髭コケが治まってきた原因を考察!エビの活躍?ソイルの養分減少?

アクアリウムでは厄介なコケとして知られる黒髭コケですが、私の20cmキューブ水槽にもしっかり生えています。しかし最近黒髭コケの勢いが弱まってきました。原因を3つのポイントから考察し、黒髭コケの対策・除去についてを考えます。

多くのコケ取り生体はこのコケに対しては有効な対策にはなりませんが、唯一サイアミーズフライングフォックスが黒髭コケを食べてくれます。しかしその効果も限定的なので、手作業で取り除くことも検討して下さい。

藍藻

藍藻は濃い緑色をしたヘドロ状・膜状のコケで、水草や水槽のガラス面を覆い尽くします。他のコケと比べても増殖スピードがかなり速いのが印象的です。このコケに対しては、ブラックモーリーが効果的と言われています。

水草水槽の厄介なコケ!藍藻(シアノバクテリア)対策と駆除

アクアリウムの厄介なコケの代表格・藍藻(シアノバクテリア)について解説しています。藍藻とは何か、発生原因は何か、どんな被害を及ぼすのか、どんな対策・駆除方法があるのか等を紹介しています。確実な効き目のある薬品も紹介しています。

コケ取り生体を使う以外の駆除方法ももちろんあります。詳しくは上の記事を参考にしてください。

緑藻・アオミドロ

緑藻やアオミドロは、緑色をした細い糸状のコケです。水草の葉やモスなどによく付着します。この手のコケに対してはエビが効果的で、中でもやはりヤマトヌマエビがよく食べてくれます。

アオコ

アオコは藍藻や緑藻の中でも水中を漂うタイプのものを指します。このようなコケに対しては、濾過摂食が可能なタニシを用いるのが効果的です。タニシには緑色の水の原因である水中の藻類をエラで濾しとって食べる事ができます。

コケはまだまだ奥が深い

ここまでコケやその除去方法について、主にコケ取り生体という視点から考えてみましたが、アクアリウムとコケは永遠のライバルとも言える、まさに切っても切れない関係です。このページだけでコケの全てを書き切ることは到底出来ません。

タグコケ

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K-ki

私が知る限りのコケ取り生体をまとめてみました。色々なコケ取り生体がいますが、コケ対策には生体の力を借りる意外にもいろいろな方法があります。様々な方法を組み合わせたり、そもそものコケ発生の原因を取り除くなど多角的な対策を取るのがおすすめです。また、コケ取りだけの目的で長期飼育や繁殖の難しい生体を導入するのは出来る限りやめて下さい。ヤマトヌマエビとか特に大きな問題になりうると思うんですよね…。私も人のことを言えた身ではありませんが、一人でも多くの人がこの問題を心に留めておいてくれたらな…と思います。

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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