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汚れた甲羅もピカピカに!亀の甲羅の苔や藻を落とす方法

2014/07/23

カメの甲羅にコケ

甲羅にコケや藻が生えた亀は場合よっては蓑亀(みのがめ)なんて呼ばれて珍重されたりしますが、実はカメの健康にとってはあまり良いことではなかったりします。今回はそんなコケが生える原因や、なるべくカメにダメージを与えないようにしながら綺麗にコケを落とす方法を紹介します!

甲羅にコケが生えるなんて大したことではないと思いがちですが、日々のちょっとした気遣いが亀を健康にしてくれますよ。

甲羅にコケや藻が生える原因と影響

まずは亀の甲羅にコケが生える原因と、その影響について説明します。これを抑えておけば、亀の甲羅にコケが生えてきたことを、亀の飼育環境を見直すきっかけにすることもできますね。

原因

亀の甲羅にコケや藻が生える大きな原因は、水質日光浴不足であるとされています。水が富栄養化しているとコケの繁殖が盛んになり、亀の甲羅にまで生えてくるようになります。富栄養化というのはざっくりといえば水が汚れているということです。日常の管理という観点から考えると、水換えの頻度が十分でないという可能性があります。

また本来なら少々甲羅にコケが生えても多くの亀は日光浴をするのでその時にコケや藻は死んでしまうのですが、日光浴が足りていないとコケが死にきらず、どんどん増えていってしまうようです。あまりにも水が汚れていると日光浴では追いつかないくらい甲羅が汚れていってしまうこともあります。また、もともと日光浴をあまりしない種類のカメだとよりコケが付きやすくなります。

カメに与える影響

亀などの爬虫類は日光浴をすることで紫外線を浴び,体内でビタミンD3を作ります。このビタミンD3はカルシウムを吸収するのに必要な栄養素であるため、日光浴が不十分だとカルシウムが不足して甲羅や骨の形成が上手くできず、甲羅がデコボコになったり柔らかくなったりしてしまいます。

甲羅にコケや藻が生えていると紫外線の吸収が阻害されるためビタミンD3が作れず、その結果カルシウム不足に陥ってゆくゆくは甲羅や骨にも影響が出てきます。多くの場合にはここまで重症化することはありませんが、それでも一度こうなると元通りには治らない場合が多いので、早めにコケを落としてやらなければいけません。

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コケや藻の落とし方

では、なるべく亀に優しく甲羅のコケを取り除く方法を紹介します。

甲羅を磨く

使い古した歯ブラシやスポンジなどの柔らかめのもので優しく甲羅を磨いてあげます。亀の甲羅は硬いから丈夫だと思ってしまうかもしれませんが、結構デリケートなものなんです。

硬いもので磨いたり強く磨いたりすると甲羅に傷がついてしまいます。そうするとそこから細菌やカビに感染して病気になってしまう可能性もあります。また、傷の中に再びコケが生えたりすると落としづらくなります。くれぐれも優しく磨くようにして下さい。

イソジン(ヨード液・ヨウ素液)を使う

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甲羅を磨いても完全にはコケが取れない時もあります。そんな時は市販されているイソジンを使うと綺麗にコケを落とせます。イソジンは殺菌効果の高いヨウ素を使っているので、コケや藻も殺してくれるわけです。

手順を簡単に紹介します。

カメに日光浴をさせて乾燥状態にする

亀に日光浴をさせて乾かします。甲羅が濡れていない状態になればOKです。コケがひどい時は歯ブラシなどで軽く磨いておきます。

亀の甲羅のコケを落とすイソジン薄め液

イソジンを水で10倍程度に薄めます。きず薬タイプが一番使いやすいと思います。

コケの生えている部分に塗って再び日光浴させます。亀がイソジンを飲んでしまうといけないので、口の中に入ってしまわないように気をつけてください。大体1時間くらい日光浴させれば大丈夫です。日光浴中は熱中症なんかにならないように影を作っておくなどしてあげましょう

亀の甲羅のコケが落ちました

これだけで冒頭の画像の状態からここまでキレイになりました! 簡単ですがなかなかの効果があります。イソジンの色が甲羅についてしまうかもしれませんが、色はそのうち自然に落ちるので問題ありません。亀を水槽に戻す前に一応軽く水でイソジンを流しておくと良いと思います。

ちなみにこの方法は甲羅のコケを落とすだけでなく、初期であれば水カビ病の対策としても活用することが出来ます。

汚れた甲羅もピカピカに!亀の甲羅の苔や藻を落とす方法

亀を飼育していると甲羅にコケや藻が生えてくることがあります。実はこのコケや藻を放置すると亀の健康を害する恐れがあります。今回は亀の甲羅にコケが生える原因と影響、イソジンや歯ブラシ等を使って甲羅を掃除する方法を紹介します。

症状が重いのであればイソジンなどに頼らず獣医師に診察してもらうべきですが、軽いのであればイソジンで消毒して様子見するのも一つの方法です。ただしその場合は、しばらくして改善が見られなければ獣医師の診察をうけた方が良いでしょう。

亀の病気の兆候は些細なものも多く、見逃しがちです。悪化していないから、と思っていても、サインを上手く見抜けていないだけかもしれません。安全を期すのなら、症状が悪化しているとは思わなくても、改善している様子が見られない時点で動物病院に連れて行った方が安心です。

環境改善

ここまでに紹介した方法でコケや藻を落としても、水が汚れていたり日光浴ができない環境ではまたコケが生えてきてしまいます。根本的な原因を解消するために環境を見直してあげましょう。

具体的には、水換えの頻度・量を上げる、日光浴ができる陸場を作る・広くする、室内飼育なら紫外線灯とホットスポット用の電球を設置する・新しいものに交換するなどの方法があります。

K-ki

今回は亀の甲羅のコケや藻をキレイに落とす方法を紹介しました。ちょっとした手間で亀の健康が守られるので、気になっている方は是非試してあげてください。見た目も綺麗になるので亀への愛着もいっそう湧くと思います。日頃から状態良く管理しておけば、亀が病気になったりするリスクを減らせるので、ぜひ気を付けてみてくださいね。

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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