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コケや汚れの原因解消!ろ過槽・フィルターを掃除するタイミングと方法

2014/07/31

濾過槽を掃除するタイミングと方法

アクアリウムでも亀飼育でも、水槽を維持していく上で水換えは欠かせないですよね。毎週とはいかなくても、少なくとも月に1回くらいは水換えをしているのではないかと思います。

それに対してろ過フィルターや濾過槽の掃除はどれくらいの頻度でしているでしょうか。1ヶ月に1回!というマメな方もいれば、もう1年いやもっと掃除してないやという方もいると思います。今回はそんな感じでおざなりになりがちな、濾過槽・濾過フィルターの掃除についてまとめていきます。

濾過槽・フィルターを掃除する理由

一口に濾過といっても物理濾過や生物濾過などいくつかの種類があるということは以前の記事で説明しました。その濾過の種類によって掃除する理由も変わってきます。ここでは濾過の種類ごとに掃除理由を説明します。

物理濾過

物理濾過は水が汚れる前に汚れの原因となる物質を取り除くための方法です。ウールボックスやプレフィルターなんかが物理濾過の代表例ですね。

この方法では大きめのゴミなどを濾し取るため、フィルターが目詰りしやすいという特徴があります。従って生物濾過などに比べてこまめにメンテナンスしてやらないと、せっかく濾しとったゴミが水槽内に流れ込んだり、フィルター内で分解されて結局水の汚れの原因担ってしまいます。

物理濾過で濾しとったゴミが水の汚れになる前に取り除く、というのが物理濾過の掃除の理由ですね。

生物濾過

生物濾過はバクテリアによって水の汚れを分解するという方法です。万能な濾過方法に思われがちですが、何でもかんでもすぐに分解できるわけではありません。例えば多糖類などはゆっくりとしか分解されず、その過程でデトリタスと呼ばれる粒子状の有機物になります。これがソイルの隙間や濾過槽の底に沈殿しているドロのような汚れの正体です。

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デトリタスはドジョウなどのデトリタス食性の生物のエサになったり、濾過バクテリアの住処になって濾過に貢献するなどのメリットも有りますが、やはり多過ぎると水質汚染やコケ発生の原因などになると言われています。生物濾過ではこのデトリタスのような汚れ・堆積物を除去してやる必要が有ることが、濾過槽を掃除する理由です。

化学濾過(吸着濾過)

化学濾過は掃除というよりは交換ですね。活性炭などに代表される化学濾過ではその原理上、濾過に有効期限が存在します。

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有効期限が切れた活性炭などを水槽に入れていても良いことは何もないので、新しいものに交換します。

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掃除の方法

掃除タイミングの見極め

濾過槽はどんなタイミングで掃除すればいいのでしょうか。よくあるタイミングとしては、以下の様な場合がありますね。

  • コケが発生しやすくなった
  • 水面に油膜が発生するようになった
  • 水の透明感が下がった
  • 水面の泡が消えにくくなった

このように水が汚れていると感じるようになってきたときは、濾過槽が汚れている可能性があります。このような状態になったら、まず水換えをしてみて、それでも状況が改善されない場合には、濾過槽に原因があるということが考えられるので、濾過槽の掃除をしてみると良いと思います。

濾過槽の汚れのせいで黒髭コケが大量発生しウィローモスが黒髭コケまみれに
石にこびりついた黒髭コケ

実際に私の90cm水槽でも、上の写真のようにこのごろ黒髭苔が大量発生するようになり、手で取り除いて水換えをしても一向に収まらないことから濾過槽の汚れを疑いました。

ろ過層に沈殿したデトリタス

濾過槽を覗いてみるとこんな感じでした。赤線で囲ってある部分にデトリタスが大量に沈殿しています。こんなに汚れてたらそりゃー水質も悪くなるかもな…ということで濾過槽を掃除することにしました。

適切な掃除頻度

濾過槽の適切な掃除頻度はいろいろな意見がありますが、3ヶ月に1度くらいの掃除が妥当だと私は考えます。これくらいの頻度で掃除していれば、水槽に影響が出だす前に掃除ができていることになると思います。

黒髭苔が大量発生するようになったうちの水槽は1年以上掃除していませんでしたからね…。当然水槽の環境にもよりますが、このくらい掃除しないと水槽に何らかの影響が出てくる可能性は高いと思います。

ここまでの話は私のオーバーフロー水槽での経験に基づいたものですが、外部フィルターなどでも大した違いはないと思います。ただ、市販のフィルターであれば説明書に掃除の仕方や頻度などについても記載があると思うので、そちらも参考にして下さい。

注意点

ここまで濾過槽の掃除について色々書いてきましたが、中には濾過槽の掃除なんて必要ない!という人もいます。そういった方々の考えは、濾過槽を掃除することによって病気が蔓延する場合があるので、そんなリスクを負ってまで掃除する必要はない、というものだと思います(ざっくりとしたまとめですが)。

こういった考えは特にマリンアクアリウムをやっている方に多い印象です。淡水に比べて水槽のバランスが繊細な海水では、そういったトラブルが起こりやすいんだと思います。

私の見解では、少なくとも淡水では濾過槽の掃除はした方がいいと思います。上記のリスクが気になる時には、

  • 濾過槽の汚れが飼育水槽に逆流しないようにポンプは停止する
  • 濾過槽に戻し配管をつけ、掃除後は濾過槽だけでしばらく水を回しデトリタスなどががある程度沈殿するのを待つ

という対策を取れば良いと思います。

また、濾過槽の掃除を一気にすると濾過のバランスが崩れるので、複数回に分けて少しずつ掃除するという方法や、水槽の濾過バランスに大きな影響を与えないように濾過槽の掃除と水換えは一緒にしないという方法も、安全のために重要であると言われています。

掃除の手順

では実際に濾過槽を掃除する手順を紹介します。

ウールボックス

ウールボックスの掃除は簡単です。単純にウールボックスからウールマットを取り出して交換する、またはウールマットを洗って再利用するというだけです。

私はウールボックスクスの掃除は2週間に1度くらいはしています。ウールボックスは物理濾過なので、こまめなメンテナンスとても重要だからです。水換えの時についでに洗うのが良いと思います。

濾過槽

濾過槽を掃除するときは、まず水を循環させているポンプを停止します。その後で、何かの拍子に飼育水槽から水が流れてこないような工夫をしておくと、尚良いでしょう。

塩ビパイプの配管を動かしポンプを停止

私の場合はこんなふうに水槽からの塩ビ管の先を上に向けておきました。しかしちょっと邪魔になったので、結局は塩ビパイプの先にフタをはめ込んでおくことにしました。結構便利ですよ。

ちなみに私はダブルサイフォンというものを使ってオーバーフロー水槽を構成しているので、そこら辺の配管は普通のオーバーフロー水槽とはちょっと異なります。

フタや冷却ファンなどの周辺機器を外す

次にフタ冷却ファンなどの周辺機器を外します。濡れて壊れたら嫌ですし、何より邪魔ですからね。

水槽用の冷却ファンを外した

水槽用の冷却ファンを外した様子です。このファンの自作方法を水槽用冷却ファンの自作!アクアの関門“夏”を乗り切る方法で紹介しているので、良かったら読んでみてくださいね。

ウールボックスも取り外す

次はウールボックスも邪魔になるのでどけます。私が自作したウールボックスは、引出しのついたの高性能なやつ(自慢)です。このウールボックスの作り方を解説した記事もあるので、良かったらそっちもどうぞ! ウールボックスは穴があいているせいで水が滴り落ちてくるので、バケツの上にでも載せておきます。

濾材をネットごとバケツに取り出して洗う

濾過槽の周辺機器を取り外したら、次は濾材をネットごとバケツになどに取り出します。バケツには飼育水を少し溜めておき、そこで濾材をすすぎ洗いします。

濾材をすすぎ洗いしたあとの飼育水がめちゃくちゃ汚い

出るわ出るわ。

大量の汚れが出てきました。あんまり何度もすすいだり強く擦り洗いしたりすると、濾過バクテリアも流されてしまうので、1~2回軽くすすぐ程度で良いと思います。

濾材を濾材ネットに入れる

ちなみに私は一部の濾材をネットに入れずそのまま濾過槽に入れていました。これが本当に大失敗で、濾材が濾過槽内に散らばってポンプの周りに集まったりととても邪魔になっていました。そこで、濾過槽掃除のタイミングですべての濾材をネットに入れてしまうことにします。

2年経過した洗車スポンジで自作したスポンジ濾材

その際にスポンジ濾材の色を見たらこんな感じになっていました。このスポンジ濾材も洗車スポンジから自作したものですが、2年程度使っても全然問題無いですね。茶色いのは濾過バクテリアと汚れなどが染み込んでいるからです。すすぐとだいぶ綺麗になります。

すのこを取り出して洗う

濾材を全て取り出して洗えたら、最後に濾過槽の底にあるすのこを取り出します。このすのこは濾過槽内の通水性を向上させるためのものです。

デトリタスごと水を抜く

すのこを取り出したら濾過槽から沈殿したデトリタスごと水を抜きます。濾過槽が空になるくらいまで水を抜けば、デトリタスもほとんど取り除けます。

再びすのこを敷く

このときにプロホースのような、水槽の掃除用の排水ホースがあると、掃除がとても楽になります。

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もちろん濾過槽の掃除だけでなく、水槽内の底砂掃除にも使えます。ちゃんとした道具があるだけで、面倒な掃除でも頑張ってやろうという気持ちになれることもあるので、できれば持っておきたいアクアリウム用品ですね。

汚れを取り除いたら再びすのこを敷きます。

飼育槽から濾過槽に注水する

そして飼育槽から水を濾過槽に少し移します。濾過槽に新しい水を入れてそこに濾材を入れてしまうと、濾材に付いている濾過バクテリアにダメージを与えてしまう可能性があるからです。それを避けるため、濾過槽に今までの飼育水を入れていきます。私は生体よりも濾過バクテリアの方が水質変化に敏感なのではないかと思っているのでこの様なやり方をしています。

濾材を濾過槽に戻す

そして濾材を濾過槽に戻して…。

アクアリウム水槽に水を足す

元の水量になるまで水を足していけば完了です。もちろんカルキ抜きをするのを忘れないようにしましょう。病気の発生などが気になる場合は濾過槽の戻し配管を使って、濾過槽だけでしばらく水を回すのがよいでしょう。

掃除後のろ過層

今回の濾過槽の掃除で上の画像のように濾過槽はすっかり綺麗になりました。しばらくは安心できそうですね。

その他の濾過フィルター

ここではオーバーフロー水槽の濾過槽の掃除方法を紹介しました。今回紹介できなかった市販の外部フィルターなどの掃除方法は、説明書に従って下さい。私の説明なんかよりよほど丁寧だと思いますよ!

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熱帯魚、金魚、亀等を飼育するアクアリウムで必要になる水槽用のろ過装置を解説します。外部フィルター、底面フィルター等のろ過フィルター別の長所・短所・適合水槽や、ろ過の原理、ろ過フィルターの種類、ろ材についてもまとめます。

このブログの中で参考にするとしたら、こちらの記事が役に立つかもしれません。具体的な掃除の方法というより、各フィルターごとの掃除方法の概要や手間の大小を紹介している記事ですが、大筋をつかむだけでも意味はあるはずですよ。

K-ki

この記事の執筆時点で、掃除後1週間強が経過しましたが、黒髭苔が生えてくるスピードがだいぶ緩やかになったと感じます。最近水質があまり良くないとか、コケが大量発生すると悩んでいるアナタ! 濾過槽や濾過フィルターの掃除を試してみてはいかがでしょうか?

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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