キボシイシガメの飼育・繁殖・特徴まとめ!甲羅に星が輝く美しい亀

Spotted Turtle - Clemmys guttata

キボシイシガメはアメリカ合衆国に生息するミズガメの1種で、ペットとしても数多く飼育されています。黒い甲羅に黄色の鮮やかなスポットが入り、手足には赤みがかかるものすごく綺麗な亀です。大きくなっても甲長15cmにも満たず、日本の気候にも適応できることから、日本でペットの水棲ガメとして人気が高いのにも頷けます。

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キボシイシガメは2013年にCITES II(ワシントン条約附属書II)に掲載され、国際的に保護されています。国内のブリーダーによって繁殖されたCB個体も多く出回っていますから、飼育する際にはイベントなどでCB個体を購入することをオススメします。

キボシイシガメとは

和名・流通名 キボシイシガメ
学名 Clemmys guttata
英名 Spotted turtle
分類 カメ目ヌマガメ科キボシイシガメ属
原産地 アメリカ合衆国
飼い易さ ★★★★☆
値段(1匹) 20000~35000円程度
甲長 10cm程度(最大甲長 ♂:12.2cm ♀:14.3cm)
寿命 20~40年程度
生息域 水棲
生息環境 水の流れが緩やかで水深が浅く、水底が泥や粘土質で構成されている池沼、湿地など
適合する水質 水温:5~32℃程度
pH5~8.5
特徴 黒い甲羅に入る黄色の鮮やかなスポットが特徴的な亀。手足には赤みがかかり、背甲の地味さと相まって非常に美しい亀として知られる。小型で飼育も比較的容易ですが、近年生息数が減少しており保全の必要性が訴えられています。

キボシイシガメはキボシイシガメ属(Clemmys Ritgen)に分類され、この種のみでキボシイシガメ属を構成します。甲羅表面一部が透明なため内部の黄色い斑点が透けて見えるので、“キボシ”イシガメや“spotted”turtleという名前の由来になっています。

愛好家は斑点の数や明瞭さで個体の美しさを判断し、「メニースポット」や「ハイスポット」と呼ばれ高値で取引されることもあります。

形態

 Spotted Turtle (3)
Spotted Turtle (3) / Kerry Wixted

甲長はおよそ10cm前後で、記録上ではオスの最大甲長が12.2cm、メスの最大甲長が14.3cmとメスの方がやや大型になります。それでも亀の中ではかなり小型の部類で、広い飼育スペースを取りづらい日本の飼育環境にも適しています。

本種の特徴とも言える黒い背甲に散らばった黄色い斑点は、亀の甲羅の外側の甲板(角質甲板)の一部が透明なことにより、内側の甲板(骨甲板)の表面の黄色い斑点が透けて見える事によります。この特徴的な黄色いスポットは成長につれて数が増加しますが、ピークを過ぎると減少したり消失したりすることもあるらしいです。

背甲にはキールと呼ばれる筋状の盛り上がりはなく、甲羅の外縁の甲板(縁甲板)も鋸状に尖ったりしないため、全体的にかなり丸みを帯びた形をしています。腹甲は大型でハコガメのような蝶番はありません。暗い色味の背甲とは対照的に、腹甲は黄色や薄い橙色に大きな暗色斑が入ります。年老いた個体では斑紋が繋がって腹甲が黒くなることもあるそうです。

美しいのは背甲だけではなく、頭部・頸・手足の下側が黄色やピンク色など鮮やかな色になるところもかなり綺麗に見えるポイントです。

生態

自然下では底質が泥や粘土質で流れの緩やかな浅い水場を好み、池沼、湿地、森、平原などに囲まれた水場に生息しています。水棲傾向が強い亀ですが浅い水場を好むため泳ぎは上手くありません。また昼行性でバスキングを好む種とも言われています。

大部分の生息地では冬季に、南部および北部の気温が高く乾燥する地域に生息する個体群は夏季に、水中の泥や陸上の落ち葉の積もった場所などに潜って休眠します(夏眠・冬眠)。食性は雑食で、昆虫から魚や藻類まで幅広いエサを食べているようです。またアカミミガメなどとは異なり、水中・陸上の両方で餌を食べることができます。

主に3-6月(南部個体群は秋季にも)にオスがメスを追いかけ、時には頸部や手足に噛みついて動きを止めるという手荒な手段も使って交尾します。交尾は水中で行われることが多く、飼育下では交尾を嫌がり陸上に逃げたメスに対してオスが水中にくるようにアピールする様子も観察されますが、陸上で交尾が行われることもあります。

産卵時期は5~7月とされ、1クラッチで3~8個、年に1~2クラッチの産卵が行われます。孵化日数は50日前後で、亀には多く見られる、発生時の温度により性別が決定する温度依存性決定という特徴を持っています。22.5~27℃でオス、27.9~30℃でオスメス両方、30℃以上でメスが生まれるとされています。生後3~5年ほどかけて甲長が7~9cmまで成長すると性成熟し、繁殖可能になります。

キボシイシガメの寿命は一般的な水棲亀と同じくらいで、20~40年程度と考えられています。

分布

キボシイシガメはアメリカ合衆国の東部とカナダの南東の一部分に生息しています。

分布域が人口の多い地域であるため昔から人気があります。そのため飼育方法などの情報も多くCB化(ブリーダーによる繁殖)も進んでいます。生息地の環境が日本の気候に近く、日本での飼育でも特別な保温の必要がない比較的飼いやすいカメです。

飼育

キボシイシガメは小型亀の中でもかなりの美麗種で、その上飼育も難しくありません。多くの亀好きに飼育をおすすめできる水棲ガメです。ただし種の保全状況は決して良いとはいえないので、くれぐれも貴重な生き物を飼っているという自覚は持つようにしてください。

入手

2013年に動物愛護法が改正され、爬虫類の販売では現物確認と対面説明が義務付けられました。以前のようにネット通販などでは購入できなくなったため、爬虫類の専門店に出向くか、ぶりくら、HBMなどの爬虫類の即売イベントで購入するのが一般的な入手方法となります。

同じく2013年にはCITES IIに掲載されたため、販売価格も以前と比べてやや高くなったようです。5~6cmの幼体で大体2万円弱~3万円強くらいの価格が付いています。背甲への黄色いスポットの入り方が美しいものは、もっと高値がつくこともあります。

飼い方

キボシイシガメはバスキングを好む一般的な半水棲カメの飼育方法で飼育できます。大雑把に言えば、飼育ケースに水場・陸場・隠れ家を用意し、紫外線ライトとバスキングランプを使ってホットスポットで擬似的な日光浴ができるような環境を整えます。

秋~春先まではヒーターを使って水を温めるか、冬眠させます。幼体は冬眠させずに加温して越冬させる方が安全です。水は綺麗に保つため、毎日水換えをするか相応の規模のろ過フィルターを使用します。

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飼育環境のセッティング方法は、上の記事で詳しく説明されています。紹介しているのは必要最低限の飼育環境なので、ここに濾過装置を加えたり水槽のレイアウトを工夫したりと、キボシイシガメが暮らしやすい環境を自分なりに整えていって下さい。

上では水槽での室内飼育の方法を紹介していますが、キボシイシガメは日本の気候に適応できるので1年を通じて屋外飼育が可能です(冬眠も可能)。また浅い水場を好みあまり泳ぎが上手くないので、飼育の際には足場を多くしたり水深が浅い場所を作るなどの工夫をした方が良いと思います。

エサについては(特にワイルド個体で)やや偏食する個体もいるようですが、現状手に入りやすいのはほとんどCB個体なので、レプトミンなどの配合飼料を食べてくれると思います。

また発情したオスはメスに対して荒々しく交尾を迫りメスの負担が大きくなるので、基本的には単独飼育が好ましいという意見もあります。

楽しみ方

普通に育てるだけでも十分に楽しいですが、キボシイシガメの愛好家はその美しさを競う部分もあります。特に美しい個体の特徴としては、背甲の斑点の一つ一つが大きくハッキリしている「ハイスポット」や、斑点の数が特に多い「メニースポット」が知られています。

動画の個体はハイスポットとされていますが、メニースポットとも言えるようなスポットの多さで綺麗な個体だと思います。キボシイシガメのスポットの数や皮膚のピンク色は遺伝する可能性が高いとされているので、綺麗な親を繁殖させ、さらに綺麗な子亀を生み出すというのも楽しみ方のひとつです。

こちらはモリイシ・スイッチのもりかめさん(@morikame)がTwitterに投稿した画像です。この個体もかなり斑点の数が多くキレイですね。アメリカ本国の方に褒めていただいたということですから、そのレベルの高さがうかがえます。

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繁殖

キボシイシガメの繁殖は特に難しくなく、十分に性成熟したペアを飼育していたら卵を産んで殖えた、なんてこともあるようです。

繁殖の成功率を上げるためには、冬眠やクーリング(低温環境において冬を疑似体験させることにより繁殖を誘発させる)を行うのが良いとされています。また、親亀が産んだ卵の負荷率を上げるため、孵卵器を用意して人の手で管理するという方法もよく取られます。

参考産卵 ’09-6 &孵卵方法 – はれ ときどき かめ日記

上のリンクに孵卵の要領が詳しく書かれているので、参考にして下さい。

キボシイシガメはCITES IIに指定されたため、今後一層国内でのCB個体の充実が望まれています。また、綺麗な個体の作出にも楽しみがある種類なので、飼育するのであればぜひ繁殖に挑戦してみて欲しいです。

保全状況

生息地の破壊や水質汚染、ペット用の乱獲などのため生息数は減少しています。以前よりアメリカ合衆国では分布する多くの州で保護対象とされていましたが、2013年よりCITES II(ワシントン条約附属書II)に掲載され、国際的な保護の対象となりました。

これによりキボシイシガメの輸出入には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となるため、アメリカの野生個体は入手しづらくなりました。CB個体なら手に入りますが、値段は以前よりも少し上がっています。

参考サイト

参考キボシイシガメ – Wikipedia
参考キボシイシガメ [爬虫類・両生類] All About

ちなみに、キボシイシガメ以外にも私が飼育をおすすめしたい亀はたくさんいます。「キボシイシガメは買えないけど他の亀を飼いたい」とか、「キボシイシガメ以外にどんな亀がおすすめなのか知りたい」という人は、ぜひこちらのページを参考にしてください。

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コメント

  1. […] なり、水中・陸上の両方で餌を食べることができます。 22.5~27℃でオス、27.9~30℃でオスメス両方、30℃以上でメスが生まれるとされています。 [紹介元] キボシイシガメ:Clemmys guttata […]

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