オトシンクルスは、水槽に生えてくるコケを食べて綺麗にしてくれる熱帯魚です。見栄えの悪いコケが生えていると、綺麗なアクアリウムにが台無しに感じられることも多いため、アクアリウム水槽では重宝される存在です。
それに加えて、見た目は地味ではあるものの、顔つきや仕草が可愛らしいところもオトシンクルスの人気のポイントです。吸盤状の口でガラス面などに張り付く独特の習性を持っているところも面白いですね。
今回は、コケ取り生体として人気の高いオトシンクルスについて、どのような種類がいて、どうやって飼育すればよいのか、繁殖の方法はどうやるのかなど、飼育に必要な基本知識をまとめます。少しデリケートな部分もある熱帯魚なので、しっかりと準備してから飼育を始めましょう。
オトシンクルスとは
和名・流通名 | オトシンクルス |
---|---|
学名 | Hypoptopomatinae sp. |
英名 | Otto Oto Cat |
分類 | ナマズ目ロリカリア科ヒポプトポマ亜科 |
原産地 | アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、パラグアイ、ペルー、ベネズエラなど |
飼い易さ | ★★★☆☆ |
値段(1匹) | 200円程度~ |
最大体長 | 3~10cm程度 |
寿命 | 3年程度~ |
遊泳層 | 底層 |
生息環境 | 川岸に近い、酸素を多く含んだ流れの緩やかな水域(種類によっては流れの早い環境を好む) |
適合する水質 | 水温:20~25℃ pH:6.0~7.5 |
特徴 | 吸盤状の口で流木、水草や水槽のガラス面に張り付き、コケ(藻類)を削り取るようにして食べる。コケ取り生体としても人気が高い。 |
オトシンクルスは南米を原産とする、ナマズ目ロリカリア科ヒポプトポマ亜科に分類される熱帯魚の総称です。コリドリスやプレコと同じナマズ目の熱帯魚で、プレコとは科レベルまで同じ分類となります。
ヒポプトポマ亜科には下位分類として、オトシンクルス属、ヒソノトゥス属、パロトシンクルス属、ナノプトポマ属など多数の属が存在します。オトシンクルス属に分類される種だけでも20種弱が知られており、オトシンクルスの仲間として認識されているヒポプトポマ亜科全体を見渡すと、非常に多数の魚がこのグループに含まれることになります。
その中で、一般的に「オトシンクルス」という名前で販売されているのは、「オトシンクルス・ヴィッタータス」という種類であり、オトシンクルスの基本となる種であることから「並オトシン」とも呼ばれています。ただし、下で詳しく解説しますが、オトシンクルスの仲間は販売などの際に種類の取り違えが頻繁に起きており、並オトシンという名前で複数の種類の魚が販売されているのが実情です。
また、オトシンクルスという言葉は上述の通り非常に広範な魚を指しますが、アクアリウム向けの熱帯魚として販売される際に「オトシンクルス」と呼ばれるのは、オトシンクルス・ヴィッタータスとその近縁種が中心です。例えば、ゼブラオトシンクルスや、オトシンクルス・ネグロなどの種類が、オトシンクルスの仲間としてアクアリウム向けによく流通しています。
形態
オトシンクルスの仲間は、体長3~10cmほどの小型~中型の魚です。この仲間の最大の特徴は、吸盤のような構造の口です。この吸盤状の口を使い、流木、水草や水槽のガラス面に張り付き、コケ(藻類)を削り取るように食べます。
オトシンの仲間は、吸盤状の口で流木や水草に張り付きやすいように、あまり体の厚みがなく平べったい体型をしています。また、口先がやや尖っているため、全体としては扁平な流線型用な形態になります。腹側から見ると、吸盤状の口が見えることもあって、ヒレの生えたオタマジャクシのような姿をしています。
体色や柄は種類によって幅広く、全身にドット状の模様が入ったり、シマウマのような縞模様だったり、体側に太い線が入ったりと多種多様です。
生態
オトシンクルスはナマズの仲間であるため、多くの近縁種と同じく夜行性の性質を持っています。雑食性ではあるものの草食性の傾向が強く、水槽や水草についたコケなどを好んで食べる特性を持っています。穏やかで大人しい性格のため、比較的混泳はさせやすいといえるでしょう。
基本的には病気になりにくく丈夫な種類ではありますが、寿命は3年~で、熱帯魚の中ではあまり長い方ではありません。また、草食傾向が強く、人工飼料に餌付きにくい場合があります。加えて吸盤状の口で流木や石などにしっかりと張り付けるよう、骨格がしっかりしているため、痩せていても気づきにくいです。
そのため、特に飼育下では、水槽内のコケを食べているだろうと思っていたら、想像以上に痩せていて餓死してしまったという事故が起こりやすいです。オトシンクルスはコケを食べはしますが、どんなコケでも食べるわけではありません。餓死を防ぐためにも、餌を摂っているか日頃からよく観察し、餌を食べていないようなら、小松菜など野菜の切れ端や植物質の多い人工飼料を与える、飼育環境を改善するなど、早めに手を打つようにしてください。
オス・メスの見分け方
オトシンクルスの仲間では、オスはメスより一回りほど小さく、メスはお腹のあたりがふっくらとしています。水槽の表面のコケを食べている時にはお腹がよく見えるので、違いを観察することができます。
オトシンクルスの種類と混同について
ここでは、オトシンクルスの仲間であるヒポプトポマ亜科の魚の中でも、オトシンクルス属に分類される種を中心に、どのような種類が存在するのかを解説します。アクアリウムで飼育される熱帯魚として特にメジャーなのは、オトシンクルス・ヴィッタータスを中心とした「並オトシン」と呼ばれるグループと、オトシンクルス・ネグロ、そしたゼブラオトシンクルス辺りと言えるでしょう。
オトシンクルス・ヴィッタータス
学名 | Otocinclus vittatus |
---|---|
原産地 | アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、パラグアイ、ペルー、ベネズエラ |
最大体長 | 4cm程度 |
適合する水質 | 水温:20~25℃ pH:6.0~7.5 |
オトシンクルスの仲間の中でも最もよく流通しているオトシンクルス・ヴィッタータスは、ブラジル各地で見られる熱帯魚で、尾びれにダブリューの形の模様が並んで2つ入っているのが特徴です。また、身体に走る黒いラインは尾びれの先に近づくにつれて自然に細くなっていきます。
本種はオトシンクルス属の模式種であり、単に「オトシンクルス」と言えば本種のことを指すのですが、実際にはオトシンクルスという名前でヴィッタータス以外の種類が混同されて販売されていることが多くあります。
オトシンクルス属には見た目の似た種類が多く、見た目だけで完全に種を同定するのは困難ですが、尾びれの部分に注目することでいくつかの種類を見分けることが可能です。次に紹介する3種は、ヴィッタータスと混同されることのある種類です。
オトシンクルス・マクロスピルス
学名 | Otocinclus macrospilus |
---|---|
原産地 | ペルー |
最大体長 | 3.5cm程度 |
適合する水質 | 水温:21~26℃ pH:5.5~7.5 |
オトシンクルス・マクロスピルスは主にペルーのアマゾン川流域を生息地とする種類で、よくヴィッタータスと混ざって販売されています。尾びれの近くで一旦ラインが途切れ、丸身を帯びたダイヤモンドの形のような大きな黒い斑点が尾びれの付け根に見られます。
オトシンクルス・アフィニス
学名 | Macrotocinclus affinis |
---|---|
原産地 | ペルー、コロンビア、エクアドル |
最大体長 | 3.5cm程度 |
適合する水質 | 水温:20~26℃ pH:6.0~8.0 |
オトシンクルス・アフィニスはブラジル南東部に生息する熱帯魚です。生育地の減少などから近年は見かけることが少なくなりましたが、たまにヴィッタータスと混ざって販売されています。身体全体が錆びた茶色~緑色をしており、ヴィッタータスと比べると大きな目を持っています。また、体側の黒いラインは尾びれの近くで途切れています。このような見た目は、毒を持っている「コリドラス・ナッテリー」に擬態したものと言われています。
本種は、以前はオトシンクルス属とされていましたが、現在ではマクロトシンクルス属に再分類されています。流れが早く川底が砂地の場所を好みます。
オトシンクルス・フレキシリス
学名 | Macrotocinclus flexilis |
---|---|
原産地 | ペルー、コロンビア、エクアドル |
最大体長 | 7cm程度 |
適合する水質 | 水温:20~25℃ pH:6.5~7.5 |
オトシンクルス・フレキシリスは、アフィニスと同じくマクロトシンクルス属に分類されます。同属なだけあってアフィニスと似た濃い褐色の体色をしており、並オトシンとして販売されることがあります。
アフィニスは最大体長3cm程度の小型種ですが、フレキシリスはオトシンの仲間の中でも比較的大きくなる種類で、最大体長は7cm程度、場合によっては10cm近くなることもあるようです。やはりアフィニスと同様に、流れの早い環境を好みます。
オトシンクルス・ネグロ
学名 | Otothyropsis piribebuy |
---|---|
原産地 | パラグアイ |
最大体長 | 5cm程度 |
適合する水質 | 水温:20~25℃ pH:5.0~7.0 |
オトシンクルス・ネグロ(オトシンネグロ)は、ヴィッタータスと並んでメジャーなオトシンクルスで、オトティロプシス属に分類されます。ヴィッタータスに比べると体色が濃く、体の側面のライン上の模様もありません。並オトシンと呼ばれるグループに比べると丈夫で、高温・低温への耐性が高く、非常に飼いやすい種類と言えます。
茶ゴケ(珪藻)を食べる能力は非常に高く、コケ取り生体として非常に優秀です。また、繁殖の難しいオトシンクルスの仲間の中では例外的に、繁殖の難易度が低く、オトシンクルスの繁殖を楽しみたい場合にもおすすめできる種類です。
ゼブラオトシンクルス
学名 | Otocinclus cocama |
---|---|
原産地 | ペルー |
最大体長 | 4.5cm程度 |
適合する水質 | 水温:21~25℃ pH:6.0~7.5 |
ゼブラオトシンクルス(ゼブラオトシン)は、比較的最近知られるようになった熱帯魚で、体中に黒と白の縞模様が入っています。オトシンクルスの中では派手な見た目をしており、他種と見分けるのも簡単です。
原産地からコンスタントに輸入されていますが、輸入量は多くなく、状態も悪い事が多いです。そのため、導入初期はよく観察して餌をしっかり食べさせるようにしましょう。
タイガーオトシン
学名 | Parotocinclus sp. |
---|---|
原産地 | 不明 |
最大体長 | 3cm程度 |
適合する水質 | 水温:20~26℃ pH:6.5~7.5 |
タイガーオトシンは、最大でも3cm程度までしか成長しない、オトシンクルスの中でも小型の魚です。バンブルビー・オトシンやピグミーオトシンの別名で呼ばれることもありますが、正確な学名や原産地は不明で、よく分かっていないことが多いです。
黒と白の斑模様の入った体色は、ゼブラオトシンに負けず劣らず派手で、人気もある種類なのですが、飼育は非常に難しく、まだ明確な飼育法が確立されていないのが現状です。安易に手を出すことはおすすめしません。
ボルケーノオトシン
学名 | Hypoptopoma sp. |
---|---|
原産地 | 不明 |
最大体長 | 3cm程度 |
適合する水質 | 水温:20~25℃ pH:6.5~7.5 |
ボルケーノオトシンは、2004年頃から流通し始めた、ペルー原産のオトシンクルスです。発見されてから時間があまり経っていないため、学名もまだ決まっていません。薄茶色の体に白いバンド模様と黒い筋状の模様が入る、独特な風貌をしています。ゼブラオトシンやタイガーオトシンに混ざって輸入されてくると言われています。
タイガーオトシンと同様に飼育の難易度は高いとされ、こちらも安易に手を出すことはおすすめできません。
オトシンクルスの分布・生息地・生息環境
オトシンクルスは南米原産の熱帯魚で、コロンビアからアルゼンチン北部の幅広い地域に分布しています。基本的には、アンデス山脈の東側に生息する種類で、主にアマゾン川やオリノコ川下流域の緩やかな流れの場所に生息しており、水質の良い場所を求めて常に群れで移動しています。
このような地域の、川岸に近い、酸素を多く含んだ流れの緩やかな水域で暮らしています。また、飼育下でもよく見られる特徴ですが、水中の植物など、何かしらの物体に張り付いていることが多いです。
オトシンクルスの飼育方法
オトシンクルスは水槽のコケ取り生体(メンテナンスフィッシュ)として導入されることが多いです。基本的に丈夫で気性も穏やかなため、導入時の水質変化に注意し、水質を保つことができれば、それほど手をかけずに水槽に導入できる熱帯魚といえます。
基本的な飼い方
オトシンクルスは大人しく穏やかな種類で、熱帯魚の中でも比較的飼いやすいとされています。注意しておきたい点は、オトシンクルスは水質や水温の急変に弱い魚であるということです。オトシンクルスを死なせてしまう多くの原因が、導入時の水質・水温の変化であるとされています。
そのため、導入時の水合わせには細心の注意を払う必要があります。点滴法または浮かべ法による水合わせを行い、オトシンクルスを少しずつ水槽の水質に慣れさせましょう。また、水換えの際も水槽内の飼育水と水槽に足す水の温度をきちんと合わせ、丁寧な作業を心がけることが望ましいです。
水質
オトシンクルスの仲間には多くの種類が含まれるため、一概に適切な水質を示すのは難しいですが、20~25℃程度であれば幅広い種類で好ましい温度帯と言えるでしょう。原産地が南米アマゾン川周辺ということもあり、水温が15℃以下になると、低温帯性の低い種類から死んでしまう可能性が高まってきます。
また、酸欠にも弱い傾向があるため、溶存酸素量の減る高温にも注意が必要です。しっかりと餌を食べている体力のある個体なら、30度程度までは大丈夫ですが、それより高水温になると危険です。pHは6.0~7.5程度、硬度については軟水が望ましいです。
エサ
まず、オトシンクルスはコケを食べると言われますが、オトシンクルスが好んで食べるコケは、水槽立ち上げ初期にガラス面や水草に発生する茶ゴケや緑藻などのうっすらと生えるタイプのコケです。流木にや水草にこびりつくように生える黒髭コケや、濃い緑色のドロッとした藍藻などは食べません。
また、見た目に似合わず食欲旺盛な魚なので、水槽内からオトシンクルスの好むコケがなくなってしまうことがあります。コケがなくなってしまった場合、水槽内でコケのみを食べていたオトシンクルスは、人工の餌を食べることができずに餓死してしまう場合もあります。
上にも書きましたが、オトシンクルスは骨格がしっかりしているため、水槽内のエサがなくなって飢えているときも、パッと見には変化が現れず見抜けない場合があります。エサ不足で痩せている場合には、お腹側から見たときに腹部が凹んでいるのがわかると思うので、腹側からの観察は定期的に行いましょう。
水槽に「予想外に」生えてくるコケだけでオトシンクルスを飼育しようという考え方は、はっきり言って無計画すぎます。オトシンクルスが食べる餌を確実に確保できる状態を作り出すためにも、日頃から植物性のフレークフードやプレコ用のタブレットを砕いたものなどを与えておき、人工飼料にも餌付かせておきましょう。
混泳
オトシンクルスは温和な性格なので、水質が合い、同程度の大きさの熱帯魚が泳ぐ混泳水槽であれば、問題なく飼育することができます。一方で、オトシンクルスを襲う可能性のある大型魚や気性の荒い種類との混泳は避けた方が無難です。
オトシンクルスと混泳の相性が良い魚は多数いますが、あえて例を挙げるとすれば、温和なカラシンの仲間で特に色鮮やかなカージナルテトラや、遊泳層が被らないハチェットフィッシュの仲間、カラシン同様に温和なコイの仲間で小型種のミクロラスボラ・ハナビ、そしてミナミヌマエビなどのエビ類が、定番の組み合わせです。
アクアリウム水槽での役割
オトシンクルスは草食性が強い雑食性で、水槽内では美観を損ねるコケを除去する役割を果たしてくれます。ガラス面に発生したコケなどを食べ、水槽を綺麗にしてくれます。吸盤状の口を上手く使ってコケを舐め取るように食べていく姿が特徴的です。
ただし、どんなコケでも食べてくれるわけではなく、茶ゴケ(珪藻)や緑藻などの、石、流木やガラスなどの表面にうっすらと生えるコケのみを好んで食べる点には注意が必要です。水槽にコケが発生している場合は、藍藻対策にはブラックモーリー、黒髭コケ対策にはサイアミーズフライングフォックスなど、コケの種類に応じて適切なコケ取り生体を選んで導入するようにしましょう。
-
水槽のコケ対策!おすすめのコケ取り生体の種類と効果まとめ
アクアリウムで問題になるコケの対策に有効なコケ取り生体を熱帯魚・日淡・エビ・貝から紹介します。各種のコケ取り能力やよく食べるコケ、特徴、価格、体長などをまとめました。またコケの種類別に有効なコケ取り生体もまとめています。
発生したコケと照らし合わせて、適切なコケ取り生体を選ぶには、こちらのページが役に立つと思うので、併せて読んでみてくださいね。
オトシンクルスの繁殖方法
オトシンクルスは、個人の飼育下での繁殖難易度は高いとされています。水槽内で繁殖した例がないわけではありませんが、あまり数が多くなく情報も不足しています。
それでもオトシンクルスの繁殖にチャレンジしてみたいという場合は、オトシンクルス・ネグロという種類を試してみると良いでしょう。オトシンクルス・ネグロは並オトシンよりも小柄で丈夫な種類です。オトシンクルスの中では、比較的繁殖が容易であるとされています。
産卵・採卵の方法
産卵させるためには、まず十分に成熟したオトシンクルスの生体を用意します。オトシンクルス・ネグロの場合は、オスは体長3cmくらいになれば十分に繁殖可能です。また、卵を持ったメスは腹部がパンパンに含むので、簡単に見分けることが出来ます。繁殖を促進させるためには、栄養価の高い冷凍赤虫などの動物性飼料を与えると良いでしょう。
繁殖水槽では、オスよりもメスを少し多くした(1:2程度)ハーレムを作ってやります。飼育水のpHが上昇したり、水換えなどで水の中の不純物が減ることがきっかけになり、繁殖を始めることが多いようです。オスがメスを追いかけるようになれば、数日程度で、水草の植えやガラス面などに粘着性の卵を産み付けます。
稚魚の育て方
産卵後48~72時間程度で、稚魚が生まれます。稚魚が生まれたら、親魚に食べられてしまわないように、別途用意した稚魚水槽(プラケースなどで可)に隔離しましょう。オトシンクルスの仲間は装飾性が強く、好んで稚魚を食べたりはしませんが、口の前にいる稚魚はやはり食べてしまうようです。また、産卵前の卵を下手に動かすと孵化しなくなる可能性があるため、隔離は孵化してから行うのがおすすめです。
オトシンクルスの仲間は稚魚が非常に小さい種類が多いため、孵化後にエサを上手く食べさせられるかが重要なポイントです。生まれてすぐはインフゾリアや冷凍ワムシを与え、生後1週間ほどしたらブラインシュリンプに切り替えて行くと良いでしょう。また、草食傾向の強い魚なので、グリーンウォーターを使ったり、水槽内にマジックリーフを沈めておくと、これらを食べてくれることもあるようです。特に、マジックリーフにはブラックウォーターを作り出す効果もあり、原産地の環境に近づけることができるため、稚魚の育成に相性が良いと言えるでしょう。
稚魚は生まれてしばらくはブラインシュリンプなど動物性のエサを主体に育てますが、生後2~3週間経過したら植物質の餌もよく食べるようになります。プレコ用のタブレットなど、早めに人工飼料に餌付かせると、飼育が非常に楽になります。
オトシンクルスの魅力・おすすめポイント
オトシンクルスはガラス面に張り付いてジッとしていたり、口を器用に動かして水槽の中を綺麗にしていたりする姿が可愛らしく、コケ取り生体の中でも人気の種類です。コケ取りとしても、観賞魚としても、おすすめの熱帯魚です。
© 2024 AquaTurtlium