少し前に書きかけたままお蔵入りになっていた記事を見つけたので、せっかくだし公開します。以前ウチのイシガメが肺炎にかかり動物病院に通院していた事がありました。でもはっきり言って爬虫類を本当にきちんと治療できる病院なんてほんの一握りしか無くて、私の通っていたところはその一握りではありませんでした。そこでひとつの治療法として、薬を入手して投与することを考えました。
現在ではインターネットの発達により、亀に限らず犬や猫など色々なペット用の薬を入手することができます。今回はその際に利用することになる、個人輸入代行業者を比較してみます。紹介しておいてなんですが、やっぱり一番いいのは信頼できる獣医師を見つけることです。しかし爬虫類に関しては、よほど権威のある先生でないと信頼出来ないとされているのが難しいところですね…。
ペット医薬品購入までの経緯
ウチで飼っているカメが病気になってしまって以来、動物病院に何度も連れていったりとかなり手は尽くしたのですが、やはりカメのことをしっかりと治療してくれる獣医さんというのは少なく、あまり効果を実感できない日々が続いていました。しかし処方してもらえる薬には信頼感があり、動物病院に行かずに薬だけもらえれば十分と考えるようになりました。
そう考えて色々と調べた結果、動物病院に行かなくても薬を入手できる方法を見つけたので紹介します。あくまで最後の手段といった認識で、できる限り信頼できる獣医師を見つけ出して動物病院に行くことをお勧めします。
購入する薬を決める
まずは何という薬を購入するか決めなければいけませんが、ここが一番難しいかもしれません。薬には副作用もありますし、容量・用法を守って適切な投与を行う必要があります。完全に自分で判断して薬を決めるのは大きなリスクを伴います。私の場合はまず動物病院に行って薬をもらって上で、追加購入を通信販売で行ったという感じですし、獣医師の判断を仰ぐためにもまずは動物病院で適切な薬を処方してもらうのが最善かと思います。
亀くらいメジャーなペットになると、一応ネットで調べれば病気とその治療薬の情報はあります。第一線で活躍しているようなブリーダーであれば獣医師よりもカメについての知識がある可能性もありますし、参考になるかもしれません。以下のページではかなり詳細な情報が紹介されています。
http://www.st.rim.or.jp/~samacha/CareF/SickF/Sick.html
メインはリクガメについて書いてありますが、水棲・半水棲のカメについても参考になる部分はかなり多くあります。
また、犬や猫などさらにメジャーなペットについては以下のサイトで病気とそれに対する薬、その効果・副作などについて説明されています。
今回購入する薬
今回私はアスゾール錠250mgという薬を購入したので、それを例に薬を購入する方法を紹介していきます。この薬は幅広い動物の寄生虫の除去に主に使われていて、主成分はメトロニダゾール、フラジールもほぼ同じ薬です。今回はカメの呼吸器感染症(肺炎)の治療に使います。詳しくは以下の記事をご覧ください。
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亀や魚の病気に!メトロニダゾール(フラジール)の入手&使用法
飼育中の亀(ニホンイシガメ)が呼吸器感染症(肺炎)に感染し、現在治療中です。身近に信頼できる動物病院がないため、過去の診察や処方箋を参考に投薬治療を行うことにしました。治療薬「メトロニダゾール」の概要と個人輸入による入手、使用法等を紹介します。
薬の通信販売
薬の個人輸入
ここで紹介しているような薬は薬局などでは取り扱っておらず、普通は動物病院などを経由しなければ入手することはできません。しかし、薬事法では個人が自分で使用する目的であれば、いくつか条件はあるものの医薬品の輸入が可能になっています。これを利用し、海外から薬を個人輸入することにより入手することができます。
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一般の個人が自分で使用するために輸入(いわゆる個人輸入)する場合(海外から持ち帰る場合を含む。)には、原則として、地方厚生局(厚生労働省の地方支分部局)に必要書類を提出して、営業のための輸入でないことの証明を受ける必要がありますが、以下の範囲内については特例的に、税関の確認を受けたうえで輸入することができます。当然この場合、輸入者自身が自己の個人的な使用に供することが前提ですので、輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。
– 以下略 –
- 引用元: 医薬品等の個人輸入について – 厚生労働省
医薬品の個人輸入が認められているからといって気軽に実行に移せる人はあまりいないと思いますが、そこで医薬品の個人輸入代行業者というものを利用します。この業者を利用することで輸入に関する手続きなどを代行してもらうことができ、サイト上で薬を選択しクレジットカードなどで決済するというように、一般的なネット通販とおなじ要領で薬を個人輸入することができます。
以下で代表的な薬の個人輸入代行業者を紹介します。
ペットくすり
ペット用の医薬品をメインに扱う業者です。ペット用の薬がメインということもあり、ペットの病気とそれに対応する薬の紹介などもしています。値段も手頃な感じ。
オオサカ堂
医薬品の個人輸入代行の一番の有名どころ。取り扱っているのはペット用ではなく人間用の薬です。しかしペットに投与する薬はペット専用のものばかりではなく、人間用のものを少ない分量で与えることもあるので、欲しい薬が人間用の場合はこちらを利用するとよいかもしれません。価格は安めです。
空詩堂
私が亀の肺炎用の薬を購入した時に利用した個人輸入代行業者です。数ある個人輸入代行業者からここを選んだ理由は、日本製の医薬品を一度海外へ輸出し、それを輸入しなおすということができるからです。動物病院で処方された薬が日本製の場合には、他のサイトは海外製のものしか扱っていないので購入することができませんが、ここでなら購入できます。薬でもやはり日本製は品質が高く安心できますし、選択肢にはなる業者だと思います。ただし値段は高め、薬が届くのも遅めです。
病気・薬についての正しい知識が必要
ペットの医薬品の個人輸入代行業者を3つ紹介しましたが、どこの業者を利用するかよりも、ペットはどんな病気にかかっていてどんな薬をどの程度与えなければいけないのかを正しく把握することのほうがよっぽど重要です。誤った知識によって間違った治療をすることは、百害あって一利なしです。そして素人が正しい判断を下すのはとても難しいことです。
せめて1度は動物病院に行って、獣医師の話を聞いてみるのが良いと思います。爬虫類など獣医師も頼りにならない時には、本などを使って病気について調べると何か有益な情報があるかもしれません。亀ならば、カメの家庭医学という本がオススメです。
結構高い本なので私も書店でチラッと中を除いたことぐらいしかありませんが、亀の病気について多くの写真も交えながらとても詳しく説明してあります。亀の病気について知りたいことがあればまずこの本を読むのが良いと思います。和書ではこれが一番オススメですが、洋書にはもっと詳しい本もあるかもしれないので、必要に応じて洋書も探してみることをおすすめします。
ペット保険も選択肢に
この記事の内容とは少し趣旨が異なりますが、ペットに万一の事が起こるのに備えて、ペット保険に加入しておくことも良いかもしれません。備えがあるだけで、いざというときに慌てず落ち着いて行動できます。犬や猫だけでなく亀、イグアナ、鳥など結構多くの生き物に対応したペット保険があるようです。ペット保険に加入する際は、かかりつけの動物病院も決めておくのが良いかもしれません。
まとめ
動物用の医薬品の入手の際に利用する、個人輸入代行業者を比較してみました。他にも色々な業者がありますが、信頼できる業者を見定めて利用してくださいね。ウチのイシガメは肺炎の症状は収まりましたが今は甲羅の調子が良くなく依然として闘病中です。ペットの治療は本当に難しいですね…。