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カレンダー「深海生物図鑑」-神秘的で美しい深海魚と暮らす1年を。

2016/11/12

カレンダー「深海生物図鑑」 2017

年末が近づいてくると、どんどん冷え込みが厳しくなってきますね。K-ki(K-ki@AquaTurtlium)はもともと朝が弱いんですが、寒さでますます辛くなってきました。でも実は私、この時期には毎年密かに楽しみにしているアクアリウム的なカレンダーがあるんです。それを思えば多少の寒さは耐えられます…!

今回は、私が毎年楽しみにしているカレンダー「深海生物図鑑」を紹介します。水棲生物大好きなアクアリストなら、一年を楽しく過ごせてしまうことは間違いありません。来年のカレンダーを何にするか決めていない人は、このカレンダーを試してみませんか?

カレンダー「深海生物図鑑」

カレンダー「深海生物図鑑」は、手帳やカレンダーを扱う日宣テクノ・コムズ株式会社から販売されているカレンダーです。このカレンダーは2012年から販売されていて、私は2015年版から毎年愛用しています。

普段はあまり注目されないものの、信じられないくらい色鮮やかだったり、見たことのない形をしていたりと、実は魅力にあふれている深海生物を、美しく鮮明な写真で神秘的に見せてくれるのが魅力のカレンダーです。

未知へと誘う“いろ・かたち”

ここ数年は「ダイオウグソクムシブーム」もあり、かつてなく深海生物に注目が集まっています。しかし深海生物については分かっていないことだらけで、まだ誰も見たことのない生物もゴロゴロしているような状況ですから、表層的なブームでは深海魚・深海生物の魅力のほんの一部に触れただけに過ぎません。

本当に光の届かない深海に住んでいるの?と思わせる鮮やかな色、今までみてきたどんな生き物にも似つかない不思議な形、深海という隔絶された世界で独自の進化を遂げながら生きてきた深海生物たちには、まさに未知への興味を掻き立てる魅力があるんです。カレンダー「深海生物図鑑」は、そんな深海魚・深海生物の魅力を鮮明な写真で余すところなく表現しています。

生きた深海生物×黒背景で深海を再現

カレンダー「深海生物図鑑」 2017 写真の例 ニホンコツブムシ

深海生物図鑑カレンダーの写真はただ鮮明なだけではありません。一つの重要なポイントが「生きた深海生物」の写真のみを使っているという点です。実は深海生物を生きたまま捕獲するのは、海水の圧力や水温の変化が起こってしまうため非常に難しいのです。しかし深海生物図鑑カレンダーでは、生きた状態にこだわることで、深海生物をより魅力的に撮影することに成功しています。

また、深海生物図鑑カレンダーの写真背景は深海をイメージした真っ黒になっています。これは深海らしい雰囲気を再現することはもちろん、深海生物の色鮮やかさや特徴的な姿を引き立てることにも役立っています。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者による解説

カレンダー「深海生物図鑑」は、日本の海洋研究の最先端である国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の協力のもとで制作されています。JAMSTECの研究者である藤原義弘氏、土田真二氏、Dhugal Lindsay氏の3人によって撮影された写真と解説文が、カレンダー「深海生物図鑑」の核となっています。

写真の魅力は既に説明したとおりですが、解説文も分かりやすくて興味を引く内容になっています。一例を、2017年版のカレンダーから引用します。

ミオドコーパ亜綱の一種 Myodocopa

青白く発光することで知られるウミホタルと同じ貝形虫の仲間で、二枚貝のように全身が殻で覆われている。殻の内側に透けて見えるオレンジ色の丸いツブは卵で、殻の中で孵化する。卵の周辺には寄生性のカクレヤドリムシ類が3匹徘徊している。貝形虫には珍しくしっかりとした複眼を備える。

(文・写真・藤原 義弘)

ミオドコーパという何だか良くわからない生き物も、ウミホタルの仲間と言われれば多少親近感が湧いてきます。私の場合は、以前ウミガメの調査に行ったときに、深夜の海岸を砂浜に打ち上げられたウミホタルを蹴飛ばしながら歩いたなあ、なんて事も思い出しました。その道の専門家による情報なので信頼性・価値が高いですし、図鑑的な説明ではありながらも難しすぎない内容なので、子供でも興味を持ちやすいでしょう。

深海生物の「採集データ」も紹介

カレンダー「深海生物図鑑」 2017 採集データ

カレンダー「深海生物図鑑」には、メインの写真と解説文に加えて、被写体となった深海生物の「採集日」「調査船」「採集機器」「生息環境」「大きさ」「採集場所」「水深」といった採集データも紹介されています。カレンダーをきっかけに深海生物についてもっと調べてみようと思った際には、良い足がかりになる、まさに「図鑑」らしい特徴ですね。

これらの情報は、上の写真のように、カレンダーの日付部分の右端にまとめられています。しかもよく見ると、右端の船のイラストは、実際に調査に使われた船のイラストになっています。こういった細かい部分への気配りは、個人的にはかなり好印象です。

人気も上昇中…多方面で取り上げられる

私も愛用している深海生物図鑑カレンダーですが、世間でも人気が上昇してきているようで、多くの人がSNSなどで取り上げています。シャープの公式Twitterでも紹介されるくらいの人気ぶりです。

なんていうか男心をくすぐる作りだなーと思います。ツヤツヤの表紙に「謎のモンスター」が詰め込まれたような感じですよね。カッコいい…笑

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2018年版の特徴と掲載されている深海生物

2012年から毎年刊行されているカレンダー「深海生物図鑑」ですが、実は年によって少しずつ違いがあります。まずは2018年版から、特に注目しておきたいポイントや掲載されている深海生物紹介します。

カレンダー「深海生物図鑑」2018
【読者プレゼント】カレンダー「深海生物図鑑」2018がカラフルで格好いい!

カレンダー「深海生物図鑑」2018年版は、アクアリウムや深海魚・深海生物が好きな人におすすめのカレンダーです。深海らしい奇妙な形、深海らしからぬ色鮮やかさの生き物がたくさん登場します。当サイトの読者に、不思議な色や形を堪能できるこのカレンダーをプレゼントします!

なお、2018年版の詳細はこちらでも紹介しているので、興味のある人は併せて読んでみてください。

2018年版に掲載されている深海生物たち

深海魚好きの人なら、まずは「どんな生き物が掲載されているのか」という点も気になりますよね。2018年版の深海生物図鑑カレンダーに掲載されている深海生物は、以下の通りとなっています。

  • 1月:ガラスシタダミ科の一種
  • 2月:ヒラツノコシオリエビ属の一種
  • 3月:ミルズクロクラゲ
  • 4月:ヨコスジクロゲンゲ
  • 5月:フトヒゲソコエビ科の一種
  • 6月:アミの仲間(プセウドンマ属の一種)
  • 7月:ヒゲナガダコの仲間
  • 8月:カドナシフタツクラゲ
  • 9月:ゴカイ科の一種
  • 10月:ソコクラゲ
  • 11月:ムンナ属の一種
  • 12月:ハイイロタマガイ属の一種

全体的な傾向として、2018年版は魚の数が少なくクラゲの数が多くなっています。魚類で収録されているのは、4月のヨコスジクロゲンゲのみです。「深海生物」図鑑ですから、「深海魚」にはこだわっていないというのがよくわかりますね。

私はエビやカニの仲間が結構好きなので、2月のヒラツノコシオリエビ属の一種が気に入りました。

写真は非常に迫力がありますが、実物は全長1.3cm、甲長では約4mmしかないとても小さな生き物だそうです。やはりこのカレンダーでなければ、この魅力には触れることが出来ません。

北極海で採取された3種の美しいクラゲが見どころ

2018年版は、例年に比べて色鮮やかな生き物がかなり多く掲載されています。その中でも一際目立つのが、北極海で採取された「ミルズクロクラゲ」「カドナシフタツクラゲ」「ソコクラゲ」の3種のクラゲたちです。

深海生物には発光するものが多くいますが、これら3種のクラゲは一際鮮やかな色合いをしています。ミルズクロクラゲやカドナシフタツクラゲは、虹のような鮮やかな色合をしていますし、ソコクラゲは毒々しいとも言える蛍光ブルーに発光しています。

深海生物が全てこのような鮮やかな色合いをしているわけではないでしょうが、せっかく1年間飾るカレンダーなのですから、多少は派手な方が嬉しいですよね。

2017年版の特徴と掲載されている深海生物

2017年版のカレンダー「深海生物図鑑」の特徴や、掲載されている深海生物を以下にまとめておきます。

2017年版に掲載されている深海生物たち

  • 1月:ドーリス科の一種
  • 2月:テンロウヨコエビ科の一種
  • 3月:キホウボウ
  • 4月:オヨギゴカイ属の一種
  • 5月:ホテイヨコエビ科の一種
  • 6月:ニホンコツブムシ
  • 7月:ミオドコーパ亜綱の一種
  • 8月:ヨコエソ
  • 9月:ネコジタウミギク
  • 10月:ホソウミナナフシ科の一種
  • 11月:トリノアシ
  • 12月:ヒゲツノザメ

一通り眺めてみて私が特に気に入ったのは、6月のニホンコツブムシ、8月のヨコエソ、11月のトリノアシあたりでした。カレンダー深海生物図鑑制作スタッフのTwitterアカウント(@Abe_ntc)で、2017年版カレンダーの写真が公開されているので、ひとつ紹介しておきます。

Googleとかで画像検索するとわかりますが、ヨコエソは採集してから時間が経つと黒ずんでしまい、多くの写真では真っ黒になっています。しかし生きた深海生物を撮影することにこだわっている深海生物図鑑カレンダーでは、採集直後の美しい光沢のある姿を写真に収めています。深海生物図鑑カレンダーのこだわりが深海魚の魅力を引き出しているのがよくわかりますね。

しんかい6500の世界一周航行「QUELLE2013」の成果

私の知る限り、深海生物図鑑カレンダーではこれまで日本近海の深海生物のみを取り上げていました。しかし2017年9月のカレンダー写真に選ばれた「ネコジタウミギク」は、ニュージーランドのケルマディック島弧北部・ヒネプイア海山にて、2013年10月30日にJAMSTECの深海探査船「しんかい6500」によって採集されたものです。

実はしんかい6500は2013年に「QUELLE(クヴェレ)2013」という1年間に渡る世界周航研究航海を行っており、このネコジタウミギクの写真はその成果の一部なのです。QUELLE 2013では様々な成果があり、例えば、こちらのページで紹介している新種深海生物の大量発見などもその一つです。

深海生物の謎に迫る!しんかい6500が暴く「飛び石仮説」とは?

しんかい6500が発見した鯨骨生物群集から、41種の新種深海生物が発見されました。この発見は、化学合成生態系の分散を紐解く「飛び石仮説」の実証材料ともなる模様です。専門知識を平易に解説し、しんかい6500と海洋研究開発機構の成果を紹介します。

世界周航研究航海という壮大なプロジェクトの成果の一端にこんな形でお目にかかれるとは…感激です。

参考「しんかい6500」世界一周航海「QUELLE2013」南太平洋 YK13-11<レポート<有人潜水調査船「しんかい6500」

ネコジタウミギクが採集された頃の航海レポートもありました。興味のある人は読んでみると面白いですよ。

一部でミニサイズの写真が追加

2017年版のカレンダー「深海生物図鑑」では、これまでになかった特徴として、メイン写真とは別に小さな深海生物の写真が掲載されているページがあるという点が挙げられます。例えば下のキホウボウの月などがその例です。

メインの写真とは異なる角度から深海魚を撮影してあるので、その生き物がどんな形をしているのか分かりやすい所が良いですね。ただしその反面、でかでかとメイン写真だけが掲載されているシンプルが故のカッコよさはちょっと損なわれている気がしないでもないです。この小さな写真がついていたのは2ページだけだったので、実験的な要素が強いのかもしれません。

深海魚の魅力を伝えるポスターのような図鑑

深海生物「図鑑」という名前ではありながらも、このカレンダーに掲載されている写真は、全身が写っていない一部分のクローズアップ写真だったり、深海生物を部分的に背景の黒色に溶け込ませたりと、被写体がより魅力的に見えるように工夫されているものが多いです。こういった写真では生物の形態を正確に把握できないため、図鑑では採用されないのですが、あえてこのような写真を使うことで、図鑑という枠組みにとらわれない魅力的なカレンダーに仕上がっています。

実はこのような写真が採用されだしたのは2016年版からで、それまでの深海生物図鑑カレンダーはもう少し図鑑よりの、生物の形態が分かりやすい写真を採用していました。カレンダーは図鑑とは異なりずっと目につく場所に飾り続けるものですから、個人的にはポスター風の写真を使うほうが面白いと感じています。

過去のカレンダー「深海生物図鑑」

K-ki(K-ki@AquaTurtlium)は2015年版以降、毎年このカレンダー「深海生物図鑑」を使用しています。そのため、このサイトには各年ごとのカレンダーのレビュー記事があります。

深海生物図鑑カレンダーがどのように変化してきたのか、以前はどんな深海生物が取り上げられていたのかに興味がある方は、ぜひ過去記事も読んでみてくださいね。

カレンダー「深海生物図鑑」 2015

「深海生物図鑑カレンダー」で深海魚と一緒に1年を過ごそう!

深海生物の神秘的で美しい写真と不思議な生態を解説する、図鑑のような「深海生物図鑑カレンダー 2015」をみずものコムさんにプレゼントして頂きました!写真と解説で好奇心をくすぐる、深海魚好き必見のオススメカレンダーです。

私が初めて手に取ったのは2015年版の深海生物図鑑カレンダーでした。深海生物とは思えない色鮮やかさ、見たこともない不思議な形に魅了されたのをよく覚えています。

カレンダー「深海生物図鑑」 2016

深海生物図鑑カレンダーをゲット!アクアリストなら2016年もコレ!

深海生物の美しく神秘的な姿を捉えた鮮明な写真が魅力的なカレンダー「深海生物図鑑」の2016年版をレビューします。私は今年に引き続き来年もこのカレンダーを使用します。掲載されている深海魚の種類やカレンダーの特徴を紹介します。

2016年版では、2015年版からの進化に驚かされました。何と言っても写真の魅力がぐっと増していたところが嬉しかったです。

カレンダーとしての機能と使い勝手

深海生物図鑑カレンダーの「深海生物」部分に熱が入りすぎてしまいましたが、これはもちろんカレンダーなので、カレンダーとしての機能性にも触れておきましょう。

高級感のある光沢紙の表紙

カレンダー「深海生物図鑑」 2017 表紙

表紙はこのように、「深海生物図鑑カレンダー」という文字の周りを、掲載されている深海生物たちがとりまくようになっています。表紙はかなり光沢のある紙で、高級感が有ります。

裏表紙には、著者・撮影者のプロフィールとカレンダーの見方が書いてあります。

比較的コンパクトなサイズ感

サイズは閉じている時で297mm×297mm、見開き時で594mm×297mmで、一般的な壁掛けのカレンダーと比べると比較的コンパクトなサイズです。

開いた状態では、上側に日付や解説文、採集データなどが書いてあり、下側半分は深海生物の写真になっています。

書き込みはほぼ不可能

被写体の魅力を引き出すために背景が黒地の写真を使用しているため、書き込みをしても文字が見えづらく基本的に書き込みは出来ません。ポスターのような飾るためのカレンダーです。

時間が経つと反りやすい

紙質の問題だと思いますが、カレンダー「深海生物図鑑」は、特に表紙が時間の経過とともに反り返りやすくなっています。高級感のある紙ですし、図鑑としても面白いので、1年間使用した後も捨てずに取っておこうと思う人も多いと思うのですが、紙が反ってしまうのでちょっと残念な気持ちになります。

できれば、紙質を改善してもらい、時間が経っても反ったりしないものになるともっと嬉しいですね。

カレンダー「深海生物図鑑」を読者プレゼント!

今回その魅力を存分にお伝えした『カレンダー「深海生物図鑑」』ですが、実はなんと当サイト「AquaTurtlium」では、2017年版から毎年、読者の方に完全無料でプレゼントしています!こんなチャンスは早々ないので、いつもこのブログを読んでいる方もそうでもない方も、ぜひともこの機会にプレゼント企画に応募して下さいね!

プレゼントへの応募方法などの詳細は、毎年10月末~11月初頭に告知していますので、その時期を狙って当サイトをチェックするか、この記事の下にあるボタンからFacebookでいいね!したりTwitterをフォローしたりして、当サイトの更新情報を購読してください。応募期間はあまり長く設定しないため、見逃さないように注意してくださいね。

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K-ki

毎年カレンダー「深海生物図鑑」の記事を書くたびに、年末だなーという気分になります。アクアリウム好きの人なら絶対に気に入るカレンダーだと思うので、ぜひ一度手にとってみてください。プレゼント企画には奮って応募してくださいね!

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K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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