カメ目最大種であり、1種のみで独立した科と属を形成するオサガメ。他のカメとはかなり違う身体のつくりをしていて非常に面白い種ですが、そんなオサガメに種の存続の危機が訪れようとしています。
- "Say Goodbye To The Largest Species Of Turtle On Earth"
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引用元
http://www.businessinsider.com/pacific-leatherback-sea-turtle-extinct-2013-2
- 抜粋
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Pacific leatherback turtles, the largest turtles on Earth, could go extinct within the next 20 years, a new study finds.
According the report, published in the journal Ecosphere, around 75 percent of Pacific leatherback turtles nest at Bird’s Head Peninsula in Indonesia. Researchers estimate that only 489 breeding turtles remain on the largest nesting site in the Pacific. That’s a 78 percent decline over the last 27 years.
There are two main causes for the decline: humans and warming beaches.
Fisherman kill the turtles for meat. The eggs are also harvested for food. Dogs and pigs that roam the beaches also eat some of the eggs. Warmer sand, due to increasing temperatures, can kill the eggs, too.
“If the decline continues, within 20 years it will be difficult if not impossible for the leatherback to avoid extinction,” Thane Wibbels, a biology professor at the University of Alabama said in a statement.
- 記事内容翻訳
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現生種で世界最大のカメであるオサガメが、今後20年で絶滅に至る可能性があることが、新たな調査により判明した。
Ecoshere誌に掲載されたレポートによると、オサガメのうち75%はインドネシアのBird’s Head半島で産卵を行う。しかし研究者たちによると、太平洋最大の産卵場であるBird’s Head半島には489匹のカメしか訪れていないという。これは27年前から78%もの減少である。
この減少には2つの理由がある。人間と温暖化だ。
漁師は肉を得るためにカメを獲り、卵も食料として採集される。イヌやブタもオサガメの卵を食べてしまうことがある。また、温暖化による砂の温度上昇で、卵が死んでしまうこともある。
Alabama大学のThane Wibbels教授(生物学)によると「もしこのまま減少が続けば、20年以内にオサガメの絶滅は避けられないものになるだろう。」とのことである。
オサガメは甲長120~180cm、体重は900kg以上と、現生するカメの中では最大の種類となります。体内に発熱器官があったり、骨が中空になっていて軽量化されていたりと、かなり特徴的な種類でもあります。オサガメの仲間の起源は古く、白亜紀ごろの化石も見つかっているので、オサガメは生きた化石と呼ばれることもあるそうです。
そんな長い時代を生き抜いてきたオサガメも、人間による乱獲や温暖化の影響によって個体数を急速に減らしているようで。乱獲が大きな影響をもつことは当然ですが、温暖化の影響も見逃せないですね。カメの仲間は卵のときの周囲の温度によって雌雄が決定される種が多く、オサガメもそのような種のひとつだそうです。なので温暖化によって雌雄のバランスが崩れてしまう危険性もあるんですね。オサガメではすでに、産卵場の温度の上昇によってオスの割合が減少しているそうです。
保護活動をしようとしても、太平洋の各地を回遊するオサガメに対しては1つの国だけではどうしようもない問題もあり、対応が非常に難しいようです。
人間のせいでまた生き物が影響を受けてしまっています。ただただ悲しいですね…。