今もまだ世界の各地には人間の見たことのないような生き物がたくさんいます。色々な努力や偶然が重なり、人間はまた新たな生き物に出会うことができるのです。今回はベトナムから、新しいトカゲが見つかったという報告がありました。
ベトナムで発見されたこの新種トカゲの名前は「カロテス・バカエ」といいます。カロテスというのは属の名前で、南アジアに生息するアガマの仲間に分類されるトカゲです。上の写真はカロテスの1種で今回発見された新種とは別種です。この写真のトカゲも綺麗ですが、発見された新種トカゲはさらに派手で美しい姿をしています。
ベトナムで新種のトカゲ「カロテス・バカエ」が発見される。
- "Spectacularly Colored New Lizard Species Found in Vietnamese Rainforest"
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引用元
- 抜粋
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“The lizards were well known by the Vietnamese and scientists as well, but until now they were confused with another blue lizard species known from Myanmar and Thailand. By a genetic comparison, the German-Russian research team revealed that the Vietnamese lizards are a distinct new species”, said Timo Hartmann, PhD candidate at the Museum Koenig’s Herpetology Department and lead author of a study published in the journal Zootaxa.
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The new species belongs to the genus Calotes, measures up to 10 cm in length, and has spines on its back.
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The species was named Calotes bachae after Rike Bach from Bonn, Germany, in gratitude for supporting Peter Geissler during several fieldtrips in Indochina.
Males of C. bachae impress with their astonishingly rich coloration. During the mating season, their azure heads shine bright like in a contest, just to impress the females.
C. bachae can also reduce their play of colors, similar to the well-known chameleons. For example, at night they are inconspicuously dark and brownish.
“The full species richness of our planet is not nearly recorded yet”, added study senior author Dr Dennis Rödder, Head of the Herpetology Department at the Museum Koenig.
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- 記事内容翻訳
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研究を率いたTimo Hartmann氏によると、このトカゲはベトナムの人々や学者たちにはよく知られていたが、これまでミャンマーやタイに生息する別の青いトカゲと混同されており、ドイツとロシアの共同研究チームが遺伝子解析によって,このベトナムのトカゲが全く別の新種であることを明らかにした。
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この新種はカロテス(Calotes)属に分類され、体長10cmほどで背中にとげがあるという。
<-中略->
この種は幾度もの実地調査をサポートした、Rike Bach氏にちなんでよりカロテス・バカエと名付けられた。
カロテス・バカエの雄はその驚くほど鮮やかな体色が印象的である.繁殖期には彼らの空色の頭は競い合うように輝き,雌にアピールする.
同様に,カロテス・バカエはカメレオンのように体色を変えることもできる。例えば、夜には目立たないように黒っぽかったり茶色っぽい色になる。
Dennis Rödder博士は、「地球上の種の豊かさは、未だ到底明らかになっているとはいえない」と付け加えている。
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かなり綺麗なトカゲですねー。記事を補足しておくと、このカロテス・バカエという新種は、トカゲ亜目アガマ科アガマ亜科カロテス属に分類され、これまで同属のシロクチカロテスと混同されていたようです。
シロクチカロテスはペットリザードとしての流通もあるようなので、もしベトナム産のシロクチカロテスを飼っている方がいたら、実はカロテス・バカエだったということもあるかもしれません。少し調べたところ、ナショナルジオグラフィックの日本語サイトでもニュースとして取り扱われていました。そちらではシロクチカロテスとカロテス・バカエの見分け方も書いてありましたので気になる方は見てみるとよいかもしれません。
私はトカゲは飼っていないのでそこまで詳しくありませんが、アガマ科といえばトカゲの中でも結構メジャーな部類なのではないかと思います。フトアゴヒゲトカゲに代表されるアゴヒゲトカゲ属や、ウォータードラゴン属もアガマ科ですね。日本のトカゲではあまりみないゴツゴツした感じが魅力的ですよねー。
Timo Hartmann氏によると、東南アジアではまだまだ新種トカゲが発見されるはずだ、とのことなので今後に期待したいですね。
ただ素人がこんなことを言うと怒られるかもしれませんが、分類学っていうのも結構不毛ですよね。遺伝情報なんて個体ごとに違うわけで、それがある程度似ているものを種だとか属だとかしてるんでしょうが、結局自然に対して自分に分かりやすいように後付けしているだけに感じます。意味がないとは思いませんが、追及していっても結局不確かなものになりそうで難しいですよね…。