日本にはニホンイシガメやクサガメ、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)など色々なカメが生息しています。その中でもアカミミガメは「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されていて、亜種ミシシッピアカミミガメは「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されているなど、日本の生態系にかなり大きな影響を与える存在となってます。
この原因は、元をただせばペットとして飼育していたカメが捨てられたり逃げだしたりして野生化したことにあり、要は人間のせいなのです。アカミミガメがこれ以上日本の亀に打撃を与えないよう、その駆除が近年注目されています。
AquaTurtliumでも、今までにニホンイシガメの保護やアカミミガメの駆除に関する情報を発信してきました。
兵庫県加古川市で行われた外来種・アカミミガメ(ミドリガメ)の駆除活動を紹介します。激減する在来種・ニホンイシガメを保護するための「和亀保護大作戦」という活動です。亀に限らず日本の生態系を守るために、様々な活動が行われています。 兵庫県加古川市で行われた外来種・アカミミガメ(ミドリガメ)の駆除し激減する在来種・ニホンイシガメを保護する「和亀保護大作戦」という活動の結果を紹介します。この活動を通じ、多くの人に外来種問題に注目して欲しいと思います。
ニホンイシガメを守れ!固有種保護のための外来種の捕獲活動
ニホンイシガメの保護活動!「和亀保護大作戦」の続報
今回は、上の記事でも紹介している兵庫県明石市のNPO法人ぴ~すが、アカミミガメの殺処分以外の駆除方法として、カメの肉を活用したカレーを作って食べるという方法を考案したというニュースを紹介します。このNPO法人ぴ~すは、以前にもアカミミガメを使った「カメチリ」なる料理を考案していて、アカミミガメの駆除方法を模索しています。
アカミミガメの新しい駆除方法 カメ肉カレー
- "アカミミガメ大量繁殖に一石 カメ肉カレー考案"
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引用元
- 抜粋
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「明石市ミシシッピアカミミガメ対策協議会」に加入するNPO法人ぴ~す(兵庫県明石市)が、カメの肉を活用したカレーを考案した。11月1日に大中遺跡(播磨町)で開かれるイベントで販売する。
<-中略->
同協議会が殺処分以外の駆除について模索する中、同法人は食材としての利用に挑んだ。このほど開いた試食会では、専門家の指導を受け、捕獲したカメを肉だけの状態にして冷凍し、ボイルした後、味付けにニンニクパウダーとカレーパウダーをまぶして油で炒めた。
赤米の入ったご飯とカレーの上に載せ、親子連れら約30人に食べてもらったところ、「少し硬い鶏肉か牛のハラミみたい」「カメ肉と聞かなければ分からない。臭みもない」などの感想が寄せられた。同法人の緒方信也理事長は「意外に好評なので驚いたが、手間がかかり過ぎて高級食材並みのコストがかかるので実用的ではない」と分析する。
<-後略->
ちなみに前回「カメチリ」を作った際のニュース記事はこちらです。
参考神戸新聞NEXT|東播|大量繁殖のミドリガメ活用 “カメチリ”に挑戦 明石(元記事削除済)
カメチリもカメカレーも、特有の臭みを隠すために風味付けを強くすることを意識しているみたいですね。個人的には、臭いとされているラム肉(マトン)もインド風のスパイスを効かせたカレーで使うとかなりおいしいので、カレーを選んだのは結構いい線をいっているんじゃないかと思います。
一番の問題は、手間がかかってコストがかさみ、実用的ではないということのようです。NPO法人ぴ~すのブログによると、100gで1500円くらいと高級食材並みになってしまうそうです。こればっかりはどうにも難しい問題ですね。
ミドリガメはペットとしての流通も多く食べ物という認識はまずないと思うので、どうしても抵抗のある人が多いはずです。サルモネラ菌が話題になったりしたこともあるので衛生面も気になるでしょう。同じ亀でもスッポンは高級食材として扱われているので、そんな立ち位置を目指すのも一つの方法かもしれません。食用に用いられるようになった背景が駆除のためだとそれも難しいでしょうか…。
もっと詳しく知りたい人は
もっと詳しく知りたい人向けに、今回のプロジェクトを実行しているNPO法人ぴ~すのホームページと、カメカレーの試食会について書いたブログ記事を紹介しておきます。
http://npo-peace.org/
http://ameblo.jp/npo-peace/entry-11943578336.html
カメを食べる方法だけを考えているわけではなくて、子供の自立支援・地域活性化のための働きかけを行政・市民・地域に対して積極的に行っているそうです。そういった活動の一環として、アカミミガメの駆除方法を考案することにも取り組まれているのだと思います。生命の大切さを考えるきっかけにもなりますしね。
2015.08.13 追記
日本の生態系を破壊し、農作物への被害も発生していることが問題視されてきたミドリガメですが、2015年7月29日に環境省からアカミミガメの輸入・販売・飼育を規制するという内容の発表が行われました。
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(撤回)ミドリガメ輸入・販売・飼育禁止?-飼い主はどうすれば良い?
日本で最も人気のペット亀・ミドリガメ(アカミミガメ)が、生態系保護等の理由で2020年を目処に輸入・販売・飼育禁止となることが決定しました。規制の背景・内容・今後の展開と現在飼育している飼い主が取るべき行動をまとめます。
発表によると、5年後の2020年を目処にミドリガメを特定外来生物に指定するとのことです。特定外来生物に指定されることによる規制内容やその背景、今後の展開、環境省の取り組み、そして現在ミドリガメを飼育している飼い主がこれからどのような行動を取れば良いのかを解説する記事を書きました。ミドリガメ問題に関心のある方は、ぜひこちらの記事も読んで下さい。
以前のカメチリのときはちょっと食べたくないな…というのが正直な感想でしたが、無類のカレー好きの私としては、カメカレーなら一度くらいはチャレンジしてみてもいいかも…と思いました。カメカレーが食べれるイベントはもう終了してしまいましたが、このブログの読者の方の中に行ってみた人はいるのでしょうか?できれば感想など聞いてみたいところです!良ければコメントして行ってくださいね。