私は3ヶ月ほど前から、20cmキューブ水槽に発生する藍藻(シアノバクテリア)を駆除しようと色々な対策を講じてきました。その時に藍藻への対抗策や駆除方法をまとめたのが以下の記事です。
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水草水槽の厄介なコケ!藍藻(シアノバクテリア)対策と駆除
アクアリウムの厄介なコケの代表格・藍藻(シアノバクテリア)について解説しています。藍藻とは何か、発生原因は何か、どんな被害を及ぼすのか、どんな対策・駆除方法があるのか等を紹介しています。確実な効き目のある薬品も紹介しています。
この記事では色々な駆除方法を紹介した上で、結局は藍藻が発生しているショートヘアーグラスのトリミングと、原因の一つと思われた外掛けフィルターの掃除という対策を取りました。これらの対策では多少の効果は見せたものの、根本的な解決とはならず藍藻は再び増えてきてしまいました。
そこで今回はさらに積極的に藍藻を除去するため、薬品を使う駆除方法を試してみます。今回使用するのは、藍藻駆除薬として実績のある「アンチグリーン」と同等の効果を持つと言われている代用品「オキシドール(過酸化水素)」を使用して藍藻を駆除する方法を紹介します。
アンチグリーン
まずは藍藻駆除薬「アンチグリーン」について紹介しておきます。
アンチグリーンは日本のアクアリウム用品メーカー「カミハタ」が販売しているコケ除去剤です。水槽内に付着する緑色のコケや茶ゴケ、また付着性の藍藻などに効果があるとされています。またメーカーの販売ページによると、水槽にあらかじめ投与しておくことでコケの予防にも利用できるそうです。
コケ除去剤と言っても淡水水槽にはいろいろな種類のコケが生えるため、効きやすい・効きにくいといった相性があります。アンチグリーンが特に有効なのが藍藻で、直ぐに効果が得られ、次いで緑藻・珪藻にはゆっくりと効いていきます。アオミドロに対しては効果が得られるまでやや時間がかかり、黒髭やアオコには効きづらいとのことです。
使用法
アンチグリーンは淡水専用なので、以下では淡水水槽への使用を前提とします。
水槽内のコケをできるだけ手で取り除く
アンチグリーンのコケ除去効果を最大限に活用するために、手で取り除けるコケは事前に駆除しておきます。こうすれば取りこぼしたコケにより重点的に効果が出るので、藍藻などのコケの完全な駆除を達成できる可能性が高まります。
殺菌灯の電源を切る
アンチグリーンを使用するときは殺菌灯の電源を切るように指示されています。投与完了後、丸一日経ったら殺菌灯の電源を入れても良いそうです。
アンチグリーンを水槽に添加する
アンチグリーンを以下の規定量に従い、付属の計量カップを使って4日間連続で投与します。それ以降はコケの様子を見ながら、2日に1回添加します。
初日 | 100Lの飼育水に対して6mLを添加 |
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2日目 | 100Lの飼育水に対して12mLを添加 |
3日目 | 100Lの飼育水に対して18mLを添加 |
4日目 | 100Lの飼育水に対して24mLを添加 |
以降 |
100Lの飼育水に対して24mLを添加 (2日に1回・コケの様子を見ながら) |
これをコケが完全になくなるまで続ければ良いとのことです。コケの予防として使用する場合には、初日の分量を週に1度添加すれば良いそうです。また、立ち上げたばかりの水槽には使用できません。
ラインナップ・注意点
アンチグリーンは容量毎に、100mL、250mL、500mLの3つのタイプがあります。
上のアンチグリーンの使用量を見ると、案外少ない量で藍藻を駆除できるんだなと思うかもしれません。しかし実際には4日で藍藻を完全に駆除できることはほぼ無く、それ以降も継続してアンチグリーンを水槽に添加していく必要があります。するとアンチグリーン 100ml
ではすぐに足りなくなってしまうので、アンチグリーン 250ml
か、できればアンチグリーン 500ml
を購入した方が良いでしょう。
また(そんな状況はないとは思いますが)、食用とする生体へは使用できないので注意して下さい。使用期限は開封後6ヶ月で、冷暗所での保存が推奨されています。
オキシドール(過酸化水素水)
次に、アンチグリーンの代用品となりうるオキシドールについて紹介します。
オキシドールは医療用の外用消毒剤として利用される2.5~3.5%の過酸化水素水(H2O2)のことです。過酸化水素水は常温では無色で、水よりわずかに粘度が高い弱酸性の液体です。過酸化水素は不安定で、以下の化学反応式によって水と酸素に分解されます。
2 H2O2 → 2 H2O + O2
過酸化水素水は強い酸化剤なので、世間一般では漂白剤や殺菌剤、果てはロケットの推進剤などにも使われている物質です。
アンチグリーンとの比較
誰が言い出したのかは分かりませんが、アンチグリーンの主成分は過酸化水素水だと言われています。メーカー側は成分を明らかにしていないのでこれは推測の域を出ませんが、製品情報ページにはこんな記述もあります。
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成分は水と酸素に分解されますので残留することもありません。
- 引用元: 神畑養魚株式会社
これはまさに過酸化水素水の特徴なので、恐らくこの推測は正解だと思います。ネット上を探せばアンチグリーンの代用品としてオキシドール(過酸化水素水)を使用し、良い結果が得られたという報告も多くありますから、オキシドールを使用することをそんなにためらう必要もなさそうです。
アンチグリーンとオキシドールの比較については、YouTubeの以下の動画が非常に参考になります。
この動画の投稿主さんのブログと思しきページも発見したので、併せて紹介しておきます。
参考アンチグリーンの効果 藍藻の駆除・除去方法 前編|四季の彩り
この動画によれば、アンチグリーンとオキシドールの効果は基本的には同じだが、アンチグリーンの方がより効果が高いとのことでした。もしかすると、過酸化水素水の濃度がアンチグリーンの方が高いとかの違いがあるのかもしれません。
効果・毒性
過酸化水素水は強力な酸化剤であり、菌などの細胞の成分を酸化して機能を阻害する効果があります。アンチグリーンやオキシドールには、藍藻の光合成を阻害する効果があるとも言われているので、酸化の効果がこのような部分に効いているのではないかと思われます。
また過酸化水素水は水に溶けると、分解されるまでは水生生物に対して若干の毒性を持ちます。一方で多くの生き物は過酸化水素を分解する酵素であるカタラーゼを持っているので、生体内での過酸化水素の寿命はとても短いです。そのため水槽内の魚やエビ、水草に悪影響が出ることはほとんどありません。
とは言っても毒性を持つことは確かなので、規定量を守って使用するようにして下さい。
使い方
使い方はアンチグリーンと全く一緒です。水槽内のコケをできるだけ手で取り除き、アンチグリーンと同じ量・頻度でオキシドールを水槽に添加します。殺菌灯を使用している場合は、アンチグリーンの指示に合わせて電源を切って置くのが良いと思います。
オキシドールを使用した藍藻の除去
実際に藍藻を駆除した様子も紹介します。
まずは水槽内の藍藻を出来る限り手で取り除きます。写真に写っているのは、渓石に活着させたサムライモスが藍藻に侵されてしまった様子です。サムライモスは割と貴重なモスなので、出来る限り捨てたくはなかったのですが、こうなってしまうとどうしようもないので泣く泣く根本意外をカットして捨てました。
手で駆除した後の水槽の様子です。ちょっと閑散としてしまいました…。
次はいよいよ薬品の出番です。今回はアンチグリーンではなく、実験も兼ねてオキシドールを使用しました。
…まあ本当のところは安かったからですが。
アンチグリーンと違いオキシドールには分量を測れるカップはないので、おおよそになりますがスポイトで測り取ります。水槽の水量を考慮してどれくらいの量のオキシドールを使用するか計算して下さい。
この時は初めてだったので、安全を期すため一度プラスチックコップでオキシドールを飼育水で薄めてから水槽に添加しました。
ただ、のちのち面倒になって結局オキシドールの原液を目分量で添加するようになってしまいました。それによって生体や水草悪影響が出たということはありませんでした。一回薄めてから水槽に添加した方が水槽全体に行き渡りやすい気もしますが、多分大差ないと思います。
オキシドール添加の結果
私が実際に藍藻の駆除にオキシドールを使って得られた効果をまとめます。果たして藍藻は無くなったのでしょうか…?
効果はあるが根絶はできなかった
オキシドールを添加して数日すると、明らかに藍藻が減ってくるのは確認できました。そこでとりあえず10日ほどオキシドールを添加した後一旦オキシドールの添加をやめてみると、数日で藍藻は復活しだしてまた水草を覆うようになりました。
その後は、もう一度オキシドールを添加→藍藻がほぼ消えたのを確認して添加をやめるとまた藍藻の再発、ということを数度繰り返しましたが、遂に根絶には至りませんでした。理由としては、
- 藍藻が完全に無くなる前にオキシドールの添加をやめてしまった
- オキシドールで弱らせた藍藻を取り除かなかった
この辺りが大きいと思います。オキシドールの添加は藍藻が完全に目につかなくなってから1週間~10日くらいは継続したほうが良さそうです。また、オキシドールによって白く変色した藍藻は、できれば放置せずに何かしらの手段で取り除いたほうが良いみたいです。
生物兵器「ヤマトヌマエビ」を投入
上で紹介した「オキシドールで弱らせた藍藻を取り除かなかった」という方の藍藻根絶に至らなかった原因を解消するため、コケ取り要員としてヤマトヌマエビを導入しました。
20cmキューブ水槽に3匹と少し多めに入れることで、オキシドールで弱った藍藻を完全に駆除させるのが狙いです。
しかし結局のところ、これでも藍藻の根絶には至りませんでした。オキシドールで駆除→再発を繰り返した藍藻は、強い勢いで拡大する様子はありませんが、水草などに強くこびりついてしまいエビもあまり食べようとしません。どうやら私はこの方法での藍藻駆除には失敗してしまったようです…。
これはオキシドールに藍藻駆除の効果が無いわけではなく、上手く使わなければ失敗すると思ってもらうのが良いと思います。上にも書いたように、藍藻が完全になくなるまでオキシドール(またはアンチグリーン)の添加を続け、その間にも手で藍藻を取り除いたり、早い段階でヤマトヌマエビを導入するなどした方が良さそうだというのが、今回の失敗を通じて得た結論です。
また、コケ取り生体として活躍してくれる生き物は、ヤマトヌマエビの他にも色々な種類が知られています。
アクアリウムで問題になるコケの対策に有効なコケ取り生体を熱帯魚・日淡・エビ・貝から紹介します。各種のコケ取り能力やよく食べるコケ、特徴、価格、体長などをまとめました。またコケの種類別に有効なコケ取り生体もまとめています。 ブラックモーリーは卵胎生メダカの仲間で、モーリーのメラニズム(黒化)個体を固定した品種です。黒一色の美しい姿や、水槽に生える厄介なコケの一種「藍藻」を食べてくれるコケ取り生体としての役割から非常に人気が高い熱帯魚です。本来は汽水域に生息し、卵ではなく稚魚を産む特徴的な魚です。
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今回はヤマトヌマエビを利用しましたが、藍藻をよく食べてくれるのはブラックモーリーだと言われているので、ヤマトヌマエビではなくブラックモーリーにしていればまた結果は違うものになっていたかもしれませんね…。
その他のコケ駆除薬
藍藻の駆除にはアンチグリーンやオキシドールだけでなく、他にも効果のある薬品があるので、簡単に紹介しておきます。
エクスタミン
アクアリウム用の浄水器などで有名なマーフィードから販売されている、藍藻専用の抑制剤です。マグネシウム、鉄、カルシウムなどの数種類のミネラルから構成されおり、水草や生体にも安全だということです。ただし肥料成分も含んでいるらしく、大量に使用する場合はその後水換えをするのが良さそうです。
アンチグリーンのように水槽全体に添加するのではなく、付属のピペットで藍藻に直接吹きかけるようにして使用します。藍藻発生の初期状態に効果的な薬品です。
木酢液
木酢液は天然由来の成分なので、薬品を使うのにためらいがある方はこれを使うのが良いと思います。藍藻に吹きかけたり、水槽全体に添加したりして使いますが、詳しい方法は検索してみてください。木酢液は酸性なので、添加し過ぎるとエビのような水質に敏感な生体に悪影響を与える場合があります。大量に使用するときは生体を隔離する方が良いでしょう。
観パラD・グリーンFゴールド
観パラDやグリーンFゴールドはコケ除去剤ではなく、オキソリン酸を含有する魚病薬です。抗菌効果があるので藍藻にも効くとされていますが、アンチグリーンやエクスタミンほどの効果はないという人もいます。抗菌剤の中には水草などに悪影響を及ぼすものも有るようですが、これらは大丈夫らしいです。
藍藻駆除用に購入するというよりは、魚病薬としてすでに持っているなら、藍藻駆除に転用できなくもないといった認識です。
結局水槽をリセットすることに
藍藻対策としてこれまで色々な方法を試してみたものの、結局藍藻を完全に駆除することは出来ませんでした。もう藍藻と戦うのも疲れましたし、レイアウトにも飽きてきたので、20cmキューブ水槽はリセットすることにしました。
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アンチグリーンとオキシドールの概要と、それらを使用して藍藻などのコケ類を駆除する方法を紹介しました。私が実際に試した範囲では、効果は確認できたものの根絶ができなかったのが残念です。どうもショートヘアーグラスのレイアウトは通水性が悪くなって藍藻が発生しやすいようです。リセット後の新しいレイアウトも、ぜひ確認してみてくださいね!