- このトピックには4件の返信、2人の参加者があり、最後にPatpatchungにより7年、 5ヶ月前に更新されました。
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2017/07/17 22:56 #7937Patpatchung参加者
ヌカエビ飼育にハマってます。
内緒ですけど、最初はニホンイシガメの餌にするつもりでした。
日本固有種の餌なのだから、日本固有種が良いだろうという変なこだわりでした。(笑)最初のトライは20匹を導入したものの、中にシナヌマエビが混じっていたために3ヶ月後にはシナヌマエビだらけになって駆逐されてしまいました。
2度目のトライは水槽内のエビを全部除去して20匹を再投入しました。
しかし、やはりシナヌマエビの稚エビが残っていたらしく、3ヶ月後にはシナヌマエビに駆逐されてしまいました。観察していると、決して襲われている訳ではないのです。
しかしおっとりしたヌカエビに比べシナヌマエビは餌を横取りしたり意地汚い様に見えます。
そして繁殖力に雲泥の差があるのです。
孵化直後にゾエア期があるヌカエビは着底するまでにえらく時間がかかって、ゾエア期のないシナヌマエビの稚エビの方が圧倒的に早く大きくなってしまう。コレ自然界でも全く同じことが起きる可能性があるのではないでしょうか?
本来生息していないヌマエビ類が放たれてしまうと、一瞬にして駆逐されてしまいます。現在3度目の正直として水槽の完全リセットを行なって、投入前に1個体ずつチェクをして完全ヌカエビ水槽を作りました。
現在のところゾエアがゆらゆら、稚エビがウジャウジャ状態でどうにか上手くいっている様です。
どうやらヌカエビは完全1年生らしく、成体を買うとどんなに慎重に飼育しても半年保ちません。
常にゾエアが漂っている状態を作らないと直ぐに絶えてしまいそうです。自然界のヌカエビが凄く心配です。
日本固有種って島国で大陸から隔離されていたお陰で生存競争に弱い気がします。
ニホンイシガメを見ていても、これじゃ外来種に駆逐されちゃうなって思います。漠然とした、凄く嫌な予感がしてなりません。
今手を打たなければ、取り返しのつかない事態になるのではないか?
自分は一体何をすれば良いのか?
今も模索中です。- このトピックはK-kiが7年、 5ヶ月前に変更しました。
2017/07/18 01:21 #7942K-kiキーマスター面白い相談をありがとうございます。ミナミヌマエビやヌカエビの話は、個人的に結構興味もあったので、軽く調べてみました。
結論から言うと、Patpatchungさんの言う、「シナヌマエビ(カワリヌマエビ属のエビ)がヌカエビと競合し、ヌカエビの生息数を減少させる可能性がある」という内容で、数本論文が出ているのを発見しました。Patpatchungさんが水槽内で観察したことが、現実でも起こっている可能性が高いようです。
参考までに私が発見した論文(一部要約のものもありますが)へのリンクを貼っておきます。比較的新しい文献が多いため、最近のトレンド的なテーマなのかもしれません。
参考宮城県に侵入した淡水エビ:カワリヌマエビ属 Neocaridina spp. の分布拡大とヌカエビ Paratya compressa improvisa への影響
参考横浜市におけるヌカエビ(在来種)とカワリヌマエビ属(外来種)の生息
参考関東鶴見川水系におけるカワリヌマエビ属の分布とヌカエビへの影響
一番上の文献のアブストには、以下のような記述があります。
一般化線型混合モデルによる検定と合わせて分析した結果,どちらのタイプの水環境でも,ヌカエビ生息地にカワリヌマエビ属が侵入した場合には,ヌカエビの生息に負の影響を及ぼす可能性が示された.
カワリヌマエビ属がヌカエビに与える影響を明確に示した一文かと思います。
>漠然とした、凄く嫌な予感がしてなりません。今手を打たなければ、取り返しのつかない事態になるのではないか?自分は一体何をすれば良いのか?今も模索中です。
同意です。一体何をすればよいのか分からず、保全活動のボランティアに参加してみたりもしましたが、現場でも「こうすれば解決する!」という現実的で明確な答えは持っていないように感じました。知れば知るほど、難しい問題だということばかりが分かってしまいます。
2017/07/20 07:29 #7983Patpatchung参加者Resありがとうございます。
ヌカエビは日本固有種にも関わらず、分類が定まったのが最近のことらしいです。
これからも本格的な研究をして学者さんにはどんどん警鐘を鳴らして欲しいですね。2度目のチャレンジでシナヌマエビの混入に気付いた時、ただ指をくわえて見ていた訳ではありません。
発見するたびに網で掬って再三駆除を試みましたが焼け石に水状態でした。
それ位に繁殖スピードが圧倒的に違うのです。ご掲示の論文にて外来種の生息地の移動と拡大が指摘されていましたね。
一度混入すれば、水系ごと駆逐されてしまう危険があるということです。
自然界は水槽のようにリセットすることが出来ません。
「完全ヌカエビ環境」へ戻すことは絶対に出来ないのです。再生紙事業でたった一人の馬鹿が熱転写紙を混ぜてしまうだけで釜ごと真っ黒になってしまうのと同じです。
100人中99人ではダメなんです。100人全員が仕組みを理解して厳守する以外に道はありません。現状を知ってしまった者として、ただただ焦るばかりです。
2017/07/21 02:22 #7986K-kiキーマスターあまり上手く書けませんが個人的な考えをつらつらと書いてみます…。
>100人中99人ではダメなんです。100人全員が仕組みを理解して厳守する以外に道はありません。
おっしゃりたいことは理解しますが、100%の達成は不可能にしか思えません。人間は完璧ではないので。
結局のところ、移入したカワリヌマエビ属の個体群が維持できなければよいわけですから、どこかにボーダーライン(最小存続可能個体数)があるはずです。それが数匹なのか数十匹なのか分かりませんが、まずはカワリヌマエビ属が個体群を維持できずに消滅するボーダーラインを見つけないといけないですよね。これは研究者にしか出来ないと思います。
そして今回の話で言うと、私はミナミヌマエビが国内外来種としてヌカエビの生息地に移入したらどうなるのか、という点にすごく興味があります。というのも、生態の違いが淘汰に繋がるなら、シナヌマエビではなくてミナミヌマエビが移入したとしても、同じことが起きるんじゃないかな、と思っているからです。
仮にそうなら、もともと、ミナミヌマエビとヌカエビが東西で住み分けとも言える状況になっていたのはなぜなのか、その理由の解明が必要ですよね。ここが分かれば、何かしらカワリヌマエビ属よりもヌカエビの方が優勢になる環境というのが見つかるはずなので、そういった環境を作り、移入種を最小存続可能個体数以下に抑えるための対策を打つことができるんじゃないかとも思います。
そしてもっと大事だと思うのはお金です。個人的で偏った意見かもしれないのですが、現状の生物保全活動はボランティアに依存しすぎだと思います。ボランティアの協力が非常に役立っていることは間違いないと思いますが、お金にならない活動には限界があります。このヌカエビの問題にしろ、誰かが活動しないと解決しないですが、その予算はどこから来るのか見当もつかないです。どうにか、生物保全活動を(本来の目的を見失わない方針を維持しながら)マネタイズに繋げないと先がないんじゃないかなと、個人的には思っています。
まあ、ここから先の妙案が浮かばないので、結局私も何も出来ていないようなものなのですが…。本当に難しい世界だと思います。この方面だと、カワサポさんなんかは最先端を走っていて、すごいなーと思っています。
2017/07/22 12:00 #7989Patpatchung参加者私も思うところをダラダラ書かせてもらいます。(笑)
>おっしゃりたいことは理解しますが、100%の達成は不可能にしか思えません。人間は完璧ではないので。
激しく同意です。残された可能性を示唆したのではなく、現実は絶望的だという主旨です。
>ミナミヌマエビとヌカエビが東西で住み分けとも言える状況になっていたのはなぜなのか
単にエビは陸を移動できないので水系を越えることができなかっただけだと思います。
ミナミが侵入しても同様のスピードで駆逐すると思いますよ。私がヌカエビを殊更に憂うのは以下の特徴があるからです。
1.生活環にゾエア期があり、それが無い種に比べ圧倒的に稚エビの生存率が低い。
2.稚エビの生存率が低いのに抱卵数が多くない。
3.1年生で雌の抱卵回数が限られている。「最小存続可能個体数」で言えば、ヌカエビは圧倒的に多量である必要があると思います。
1年生なので何かの拍子に最小存続可能個体数を下回ったが最後、最速で絶滅への道を辿ることになるでしょう。現在亀池にはミナミヌマエビが大量発生して居ます。
私はコレをリセットしないでヌカエビに置き換える方法を模索して居ます。最後に野生生物の保全にマネーが重要だという意見に大賛成です。
結局のところ相応のインパクトを得るにはマネーを出すか、出してもらうか、だと思います。(笑)
そして何時もの堂々巡りとなってしまいます。果たして今の自分に何ができるのか?
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