こんにちは、色々な色彩変異が好きなK-kiです。今回も、また新たに色彩変異個体が発見されたので紹介します。今回色彩変異個体が発見されたのは、沖縄にのみ生息し、手足が長くてジャンプ力の強いハナサキガエルというカエルです。
少し前には、同じく沖縄で日本一美しいカエルともいわれる「イシカワガエル」の青色色彩変異個体が発見されました。
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日本一美しい「イシカワガエル」と青色の色彩変異個体の原理
日本で最も美しいカエルとも呼ばれ、沖縄県・鹿児島県の天然記念物にも指定されているイシカワガエルの青色色彩変異個体が発見されました。それに関連し、イシカワガエルの生態・鳴き声やカエルの体色とその変化の仕組みを紹介します。
これだけ連続して色彩変異、それもカエルの青系の色彩変異が続くなんて、凄い偶然もあるものですね。
青色のハナサキガエルが見つかる
- "沖縄北部で青色ハナサキガエルを発見「二度見、三度見した」"
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引用元
- 抜粋
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沖縄本島北部の固有種で、茶色や緑色が一般的な「ハナサキガエル」に、青色の個体が見つかった。エコツアーガイドの篠原太郎さん(39)=名護市=が20日、大宜味村内の山中で見つけ撮影した。専門家は「青色のハナサキガエルは見たことも聞いたこともない」と驚いている。
青色の色彩変異個体の画像は引用元のサイトでご覧ください。背中がエメラルドグリーンになっていてとてもキレイです。
この記事の冒頭にある画像もハナサキガエルですが、それとはだいぶ雰囲気が違います。ハナサキガエルという種類自体、体色には褐色から緑色までと幅広い個体差があるようですが、明らかに他のハナサキガエルとは違うとわかりますね。
以前紹介したイシカワガエルは、熱帯に生息しているカエルのような派手でやや毒々しい感じの姿をしていましたが、このハナサキガエルはそこまで派手ではなく、割と日本らしい雰囲気のように感じます。以下でハナサキガエルについてもう少し詳しく見ていきます。
ハナサキガエルとは?
概要
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ハナサキガエル(Odorrana narina)は、アカガエル科ニオイガエル属に分類されるカエル。
日本(沖縄島北部)固有種。
体長オス4.2-5.5センチメートル、メス6.5-7.2センチメートル。体形は細長い。体色は褐色、緑色などと個体変異が大きく、褐色に緑色の斑紋が入る個体もいる。種小名narinaは「鼻」の意。四肢はやや長く、後肢を体に沿って前方に伸ばすと足首の関節が吻端よりも前方に達する。指趾の先端には小型の吸盤がある。
- 引用元: Wikipedia
動画はYouTubeにあったハナサキガエルの動画です。ハナサキガエルという名前は、顔の先端に鼻があることからつけられたそうです。沖縄県の中でも、沖縄本島北部の山地森林の渓流域やその周辺のみというかなり狭い範囲に生息しています。
生態
主に昆虫や多足類、陸棲の貝類などを食べています。繁殖期は12~2月頃(特に1月頃)で、毎年同じ滝壺や淵に、一斉に数夜の期間だけ集まって集団で産卵します。そのため、産卵に適した滝などのある清流の存在が生息に必要不可欠と考えられています。
繁殖の際には雄が水中・水辺で雌を待ちかまえて抱接しますが、1匹の雌に多くの雄が抱きつきすぎて雌が圧死してしまうこともあるというなんとも激しいカエルです。水中の岩陰や窪みなどに複数のペアがまとめて卵を産み付けます。
鳴き声
ピッとかピヨという感じの鳥のような鳴き声で、結構高めの音です。以下のリンク先はこの記事を書く際に参考にさせていただいたサイトですが、そこに鳴き声の音声ファイルがあるので興味のある方は聞いてみてください。
http://www.okinawa-kaeru.net/frog/hanasakigaeru-10.html
保全状況
環境省レッドリストで絶滅危惧II類(VU)に指定されています。森林伐採・河川開発・道路工事・ダム建設などの要因により、生息地破壊や水質汚染、繁殖地の撹乱などが起こっています。もともと生息域がかなり狭いこともあり絶滅の危険が増大しています。
また、繁殖期に見物を目的として多くの人が訪れることで、ハナサキガエルを踏みつけたり生息環境を悪化させるという問題が起こっています。以前にはテレビの撮影で、繁殖場を強力なライトで照らした結果繁殖個体数が激減したこともあるそうです。こういった人間による撹乱も大きな問題となっています。
ハナサキガエルは奄美諸島・沖縄諸島の陸生生物の歴史や、外部との古地理学的関係を考える上で高い学術的価値を持つそうです。今後もどうにか上手く生き続けていって欲しいですね。
参考サイト
この記事の執筆に際し以下のサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
まとめ
ハナサキガエルの青色の色彩変異個体と、ハナサキガエルそのものについての解説をしました。結構スマートでカッコいいカエルだなという印象です。繁殖の様子は確かに見応えがありそうで、見てみたいなという気持ちもわかりますが、保全を考えるとやめておく方が賢明といえるかもしれません。