ミドリガメことミシシッピアカミミガメ。今では日本で一番よく見かける亀と言っても過言ではないと思いますが、その名前が示す通りもともと日本に生息していた在来種ではなく、人間によって持ち込まれた外来種です。ペットとして多くの人に愛される一方で、捨てられたり逃げたりした亀が日本に帰化し生態系を破壊していることが問題となっていました。そんなミドリガメを取り巻く状況が変わってくるかもしれません。
- "ミドリガメを特定外来生物に 環境省が指定検討"
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引用元
- 抜粋
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環境省は5日、ミドリガメの名で知られる外来種のミシシッピアカミミガメについて、外来生物法で輸入や飼育が原則禁止される特定外来生物への指定を検討する方針を明らかにした。
規制の時期や具体的な方法については今後議論する。国内の飼育数が多く影響が大きいため、指定後に輸入を先行して規制することなども検討する。
ミドリガメはペットショップで広く販売されており、大きくなって持て余した飼い主が川や池に捨てて繁殖。生態系への影響や農業被害が問題になっている。近年は1年間に約20万匹が輸入されているとみられる。
アカミミガメはペットとしてあまりにも普及してしまっているため、特定外来生物に指定することで飼い主が捨ててしまうのを恐れて今まで指定は見送られていたのですが、ついに検討されるようです。現在日本の池などで見られる亀の過半数はこのアカミミだというような調査結果もあるようなので、この動きはかなり遅いと言えるのではないでしょうか。本来ならアカミミがこんなに大きな勢力になる前に何かしらの対処をしておくべきだったと思います。
ちなみに特定外来生物に指定されるとどうなるのか?ということは次のページに詳しく書いてあります。
こちらのページの内容を簡単にまとめると、
- 飼育・輸入の原則禁止
- 譲渡・販売の禁止
- もちろん野外に捨てることも禁止
- 違反した場合非常に重い罰則が科せられる
ということです。要するにペットにはできなくなりますし、捨てたりしたら今までよりもずっと重い罰が与えられます。特定外来生物に指定されている亀にはカミツキガメがいますが、これと同じ扱いになると思えば事の重大さが伝わりやすいでしょうか。
イシガメ愛好家の私からすれば、特定外来生物に指定すべきという考えに寄ってしまいますが、既にペットとして飼育されている個体をどうするのかは非常に大きな問題です。飼育数が多くて寿命も長い生き物なのでなかなか難しいでしょう。それに色変アカミミガメのようにマニアにも人気がある亀ですから、亀の愛好家として悲しいと感じる部分もあります。モラルのない飼い主のせいで、きちんと飼育している方々までもが被害を受けるのには苛立ちも覚えます。
とりあえずは環境省の動向に注目ですね。今までのように後手に回り続けるような対応からは脱して欲しいものです。熟考がなされ納得のいく結論が導かれるといいですね。
2015/08/13 追記
このニュースが報道されてから2年弱が経過した2015年7月29日に、環境省から新たな情報が発表されました。その発表によると、5年後の2020年を目処にミドリガメを特定外来生物に指定し、輸入・販売・飼育を原則禁止とするとのことです。
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(撤回)ミドリガメ輸入・販売・飼育禁止?-飼い主はどうすれば良い?
日本で最も人気のペット亀・ミドリガメ(アカミミガメ)が、生態系保護等の理由で2020年を目処に輸入・販売・飼育禁止となることが決定しました。規制の背景・内容・今後の展開と現在飼育している飼い主が取るべき行動をまとめます。
環境省の発表の内容と規制の背景・今後の問題、そして現在ミドリガメを飼育している飼い主がこれからどのような行動を取れば良いのかについて解説する記事を書きました。ミドリガメ問題に興味のある方は、ぜひこちらのページにも目を通しておいて欲しいです。