水槽に水を張って生き物を飼っていると色んな汚れが付きますよね。コケだけでも様々な種類のものがあるし油やほこりとか本当に多種多様です。水槽が汚れていると見た目にも汚く、アクアリウムという趣味が楽しくなくなってしまいがちです。また水槽が汚いせいで一層掃除をしたくなるという負のスパイラルに陥ってしまうことも…。
そこで今回は、このような数ある水槽の汚れの中でも「水際につく白い汚れ」の対処法を自分用メモも兼ねて紹介します。簡単な作業の割にこの汚れを掃除すると見栄えが良くなるので、ぜひ試してみて下さい。
そもそも「水際の白い汚れ」って何!?
さっきから水際の白い汚れと言ってますが、みなさんどんな汚れのことか想像がついてますか? こんなやつです。
この画像だと汚れが薄くてちょっと分かりにくいですが、水面のちょっと上くらいにつく水垢?のようなやつですね。これは水道水に含まれる炭酸カルシウムが固まったものです。
…炭酸カルシウム!?
そういえば以前の酸処理の記事でもカルシウムの処理方法を紹介しました。
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アクアリウムにカルシウムってつきものなんですね。カルシウムということは、酸処理の時と同じ方法が使えるはずです!
方法1.酸で溶かす
これはまさに酸処理そのものですね。レモン汁・食酢・木酢液などの酸性の液体をティッシュなりスポンジなりにしみこませて白い部分をこすればOKです。たださすがにサンポール等を使うのはやめておいた方が良いと思います。界面活性剤が入ってるし酸性もかなり強いので、生体を飼育している水槽に使用すると中の生体に悪影響が出てしまいます。水槽リセットなどの場面なら有効な方法かもしれません。
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私はこの方法は試したことがありませんが、注意することといえば汚れ落としに使った液体がなるべく水槽内に入らないようにするということでしょうか。まあ少量なら入っても問題ないとは思いますが、入れないに越したことはないです。ネット上の評判だと強くこびりついた汚れだと少し残ってしまうようです。
方法2.削り取る
こびりついた汚れを溶かすのではなく削り落してしまおうという考え方です。注意しておきたいのはガラス水槽ならば問題ないですが、アクリル水槽は傷が付きやすいので汚れを落とすどことろか傷だらけになるかもしれないということです。
私はアクリル水槽をもっていないため分かりませんが、一応以下の内容はガラス水槽のみについてのものと思ってください。色々なものを使って削り落とすことができるので、どんなものが利用可能か紹介していきます。
メラミンスポンジ
メラミンスポンジというのこんなやつです。100均でも売ってるいますし、一度は見たことがあると思います。強くこびりついた汚れは取れませんが、日々のメンテナンスに使えます。炭酸カルシウムだけじゃなくて茶ゴケとか緑のスポット状のコケなども落とすことができるので、持っていて損はありません。
酸化セリウムスポンジ
コトブキのガラス水槽磨きは酸化セリウムという材質でできています。酸化セリウムでガラスを研磨すると、研磨と同時に化学反応が起きてガラスを溶かします。従って、他のものよりもキレイな仕上がりになると思われます(目で見てどのくらいの差があるものかは分かりません)。注意点は化学反応を起こすので水槽に生体が入った状態では使えないということです。上記商品にも注意書きでその旨が書かれています。
良い商品ではありますが、生体が入った状態で使えないのはちょっと不便ですね。
酸化アルミニウム研磨材
酸化アルミニウムで研磨して削り取る方法です。酸化セリウムを使ったものと違い、生体や水草を移動させたりフィルターを止めたりする必要がないと説明されています。注意して欲しいのは上のクリーンフィルムは3Mのラッピングフィルムの#2000と#4000そのもので、3Mのラッピングフィルムを買った方が断然安いということです。
アクア業界は市場規模が小さいので、どうしてもアクアリウム用品は単価が高くなる傾向にあります。この3M ラッピングフィルムシートはホームセンターなどでも販売されており、中身は同じなので安価なこちらを買った方がお得です。
ただしフィルムタイプなので、こすったりする際に少し使いづらいかもしれません。ということで、私のイチオシはこちらです!
ラッピングフィルムと同じ3Mのスポンジ研磨材です。番手(目の粗さ)が色々ありますが、いちばん細かいマイクロファインがオススメです。これで本当に簡単に炭酸カルシウムが落ちます。かなり強くこびりついているようなやつでも余裕です。スポンジなので持ちやすいですし、こする動作もやりやすいです。研磨するときは水槽に傷をつけないよう、あまり力を入れすぎない方が良いと思います。
ラッピングフィルム同様ホームセンターで売っている(紙やすりとかのコーナーにあると思います)のでネットで送料を払って買う必要もなくおトクです。
冒頭の水槽もこのスポンジ研磨材で磨きました。こんな風に小さく切って…
軽く磨きます。
綺麗になりました!
写真だとちょっと分かりにくかったかも知れません。今回例に使った水槽はあまり汚れの激しくないものでしたが、スポンジ研磨剤をつかえばもっと強くこびりついたカルシウムでも落とすことができます。水槽の汚れが気になっている方、試してみてはいかがですか?
水際の白い汚れ・炭酸カルシウムの落とし方まとめ
今回は食酢やメラミンスポンジ、酸化アルミニウム研磨剤などの道具を使って水槽を綺麗にする方法を紹介しましたが、汚れの種類によっては水槽内で飼育している生き物に掃除をしてもらうという方法もあります。
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水槽のコケ対策!おすすめのコケ取り生体の種類と効果まとめ
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例えばコケであれば、「コケ取り生体」と呼ばれる特定の生き物を水槽に導入することで、コケを食べて水槽を綺麗にしてくれる場合があります。ただしコケ取り生体の種類によって食べてくれるコケの種類も異なるので、詳しくは上の記事を読んでみて下さい。
色々な工夫をして、綺麗なアクアリウムを楽しみましょう!