昨年の9月にはミドリガメが特定外来生物の候補に挙げられるなど、日本の亀の現状について危惧する見方が少しずつ強まってきていると思います。かなり遅すぎる対応ではあるのですが、それでも何もしないよりはきっと意味があるはずです。
そういった活動の一つとして外来種の駆除活動があります。今回は兵庫県加古川市でそのような活動が行われているとのニュースがあったので紹介します。
- "日本固有のカメを守れ 外来種捕獲に児童ら奮闘 加古川"
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引用元
- 抜粋
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兵庫県加古川市で最大のため池「寺田池」(同市平岡町)で16日、激減するニホンイシガメを守ろうと外来種を捕獲する「和亀保護大作戦」があり、市内の小学生や保護者ら約60人が参加した。水生植物についても学び、生態系の維持の大切さについて、理解を深めた。
同池協議会が主催で2回目。同池では堤防などの改修工事のため水を抜いた2006年、外来種のアカミミガメが大量に見つかった。その後の調査では、日本固有種のニホンイシガメが外来種にエサや居場所を奪われ、個体数が激減していることが判明。以降、同池ではニホンイシガメが2頭しか見つかっていないという。
この日、参加者は魚のあらを入れてネットを張り巡らした「エサわな」を、池の浅瀬約20カ所に仕掛けて回った。わなは17日に引き上げる。
<-後略->
2006年以降ニホンイシガメが2頭しか見つかっていないというというのはかなり厳しい状況だと思います。保護対象がいなくなってから保護活動をしても意味がないですよね。まだある程度の個体群が維持されていることを祈ります。
記事の内容から察すると、どうやら本格的な保護活動というよりは子供向けの実際的な活動をともなった勉強会と言った感じなのでしょうか。20個やそこらのわなでアカミミガメを完全に駆除できるとは考えにくいです。今日がわなの引き上げ日だったようなので、どれくらいの数の外来種が捕獲できたのか気になりますね。また、捕獲した外来種をどうするのかについては言及がないのでその点も気になります。
こうした活動がおこなわれるとどうしてもアカミミガメのような外来種が悪者のように思えてしまいますが、元をただせば捨てた人間が悪いんです。ペットを飼うのであればある程度の知識を要求するような体制がつくられてもいいと思います。一度飼育下においた生き物を逃がすのはほとんどの場合いろいろな問題を抱えています。外来種を逃がすなんていうのは論外です。一度飼うと決めた生き物は最後まで責任を持って飼育するという考えを、すべての飼い主が持てるようになって欲しいですね。
2014/09/05 追記
今回の「和亀保護大作戦」の続報を発見したので以下の記事にまとめました。今回はエサわなを設置したところまでの紹介でしたが、こちらではその結果を紹介しています。
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ニホンイシガメの保護活動!「和亀保護大作戦」の続報
兵庫県加古川市で行われた外来種・アカミミガメ(ミドリガメ)の駆除し激減する在来種・ニホンイシガメを保護する「和亀保護大作戦」という活動の結果を紹介します。この活動を通じ、多くの人に外来種問題に注目して欲しいと思います。
こちらの記事にもぜひ目を通してみて下さいね。