肺炎や水カビ等の病気が疑われる亀を動物病院へ-診断・治療法・料金まとめ

肺炎や水カビ等の病気が疑われる亀を動物病院へ

このサイトの運営者であるK-ki(K-ki@AquaTurtlium)は、2012年からニホンイシガメを飼育しています。今回は、そのニホンイシガメが罹ってしまった病気とその治療の過程について紹介します。

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飼っている亀が病気になってしまったのは、私の管理方法に問題があったからであり、その点は反省してもしきれません。その上で今回のような病気に関する記事を書いているのは、私と同じような状況で困っている飼育者に、少しでも役立つ情報を届けたいと思うからです。

飼育している亀が病気かもしれないと思っても、動物病院に連れて行ったら何をされるのか、いくらお金がかかるのかといった部分が全く分からず、躊躇してしまった経験が私にもあります。しかし実際には、できるだけ早く動物病院に連れていくことが、早期回復へ繋がるのです。飼い主の不安を取り除き、動物病院へ連れて行くことのハードルが少しでも下がることを願います。

K-kiの飼っている亀と病気のこれまで

細かい話に踏み込む前に、このサイトでこれまでに紹介してきた亀の闘病記録についておさらいしておきます。

亀の病気
亀の病気に関連する記事のまとめです。病気の判別法・治療法・亀の闘病記録など、飼育している亀が病気になった時や、病気になったかも?という時に役立つ記事をまとめています。亀の調子が悪い時は動物病院に連れていくことも考えましょう。

なお、関連するページはこちらのカテゴリーにまとめているので、興味がある人は読んでみてください。

2匹の亀を飼育していた

2012年の5月頃に、K-kiは2匹のニホンイシガメの子亀を譲り受けました。昨秋に孵化したばかりの個体ということで、甲羅の大きさも500円玉より一回り大きいくらいと、とても小さくて可愛らしかったことをよく覚えています。

小学生以来の亀飼育となったK-kiは、必要な飼育設備などを調べながら、ゆっくりと飼育環境を整えていきました。今思えば、このときにもっと迅速に飼育環境を整備してあげればよかったです。

1匹に甲羅の白化、軟化、欠けといった症状が出始める

2匹の子亀と出会ってから1年半ほど経ったある日、1匹(マルくん、という名前で呼んでいました)の甲羅の様子が少しおかしいことに気づきました。なんだか妙に盛り上がっているので、その部分を触っていみると「ボロッ」と崩れてしまったのです。

甲羅の白化、軟化、欠け…感染症が疑われるカメの闘病始まる
私の飼育しているニホンイシガメが病気になってしまいました。甲羅の様子がおかしく動物病院に連れて行ったところ、獣医師による診察のでは重度の呼吸器感染症と思われる、とのことでした。参考のため病気発見までの経緯をまとめます。

そこからは急いで動物病院に連れいていきました。このときは呼吸器感染症と診断され、抗菌剤などの飲み薬を中心とした治療を行ってもらいました。

その動物病院での治療には、最初こそ満足していたものの、次第に体重を測って飲み薬を貰うだけの治療になり、あまり信頼できなくなっていきました。その後、Twitterで甲羅の水カビ病ではないかという指摘をもらって、甲羅の消毒や強制日光浴を試したりもしました。

Twitterやってて良かった!亀の甲羅の白化の原因が解明!
イシガメの甲羅白化の原因が「水カビ病」ではないかという指摘を貰いました。水カビ病は皮膚だけでなく甲羅にも発症する病気であるなど、原因・症状について調べた結果をまとめます。Twitterでも甲羅が白化している亀を見かけるので、気になる飼い主は確認してみましょう。

亀の様子を見る限り病状の大きな変化はなく、しばらく膠着状態が続きました。

治療の甲斐なく1匹が呼吸器感染症で死亡

しかし、甲羅が崩れた日から10ヶ月ほど立った2014年7月頃、病状が徐々に変化し始めます。それまで甲羅の状態以外には悪い部分の目立たなかったイシガメが、後肢が麻痺しているような不自然な歩き方をするようになりました。

亀の歩き方がおかしくなった…足が麻痺している?原因を考察
2週間ほど前に水槽を眺めていると,あることに気付きました ウチのイシガメ,マル君の動きがおかしい… いつもなら4本すべての足を使って水槽内を忙しく動き回っているのですが,このときは何...

その後も様々な治療を行いましたが、2015年の4月に、残念ながら病気になった亀は死んでしまいました。

ニホンイシガメのマル君が長い闘病生活の末に眠りにつきました
水カビ病や呼吸器感染症などと闘っていたニホンイシガメのマル君が息を引き取りました。飼育者としての未熟さを後悔し、反省も込めてこれまでの経緯をまとめます。マル君を応援して下さった多くの方々、本当にありがとうございました。

飼い主の知識不足で死なせてしまったマルくんには、今も申し訳ない気持ちでいっぱいです。

残る1匹も類似の症状を発症

そしてここから先は、恐らくこのサイトに投稿するのは初の内容になると思います。マルくんの死から4ヶ月ほど立った2015年8月に、残されたもう1匹のイシガメ(シカクくん)も、甲羅が脆くなるマルくんと同じ症状を発症してしまったのです。

2匹のイシガメの甲羅の様子は、程度差はあれ似たような状態(白化して、表面の甲板がめくれてきているような状態)になっていたので、今考えるとこ流れは当然なのかもしれません。マルくんよりシカクくんのほうが甲長も大きかったので、体力があり症状が現れるのが遅れたのでしょう。

しかしこの当時は、一度動物病院で問題ないという診断を受けたことがあったこと、マルくんの治療に際して明確な効果を感じられなかったことから、動物病院への不信感がかなり高まっていました。そんな中で残されたイシガメまで同じ症状を発症してしまい、途方に暮れたことを覚えています。

片道2時間掛けて大阪府堺市の「キキ動物病院」を受診

これまでの経験から、そんじょそこらの獣医師に診断してもらったところでほとんど無意味であると考えた私は、爬虫類の治療に専門的な知識・実績を持っている獣医師を探すことにしました。インターネットで情報を探したところ、亀の治療実績が豊富な「キキ動物病院」を見つけ、当サイト読者の方の後押しもあり、こちらで診察してもらうことを決めました。

キキ動物病院の概要

住所 〒599-8271
大阪府堺市中区深井北町117-3
診察時間 月・火・金・土・日・祝:9:30~12:30、16:00~20:00
水:10:30~13:30、17:00~21:00
休診日:木曜日
駐車場 無料駐車場4台分
ホームページ 大阪府堺市 動物病院 ならウサギ フェレット 鳥 亀 対応のキキ動物病院
電話番号 072-276-3555

キキ動物病院までは、当時の私の家から片道2時間程度とかなり距離があり、継続的な治療は難しいかもしれないとも思いましたが、近くの動物病院で適当な治療を受けても意味が無いため、まずは診察だけでもという思いで訪ねました。

キキ動物病院は、人気なのと先生が一人しかいないことで、待ち時間が長く2時間以上待たされることもあります。もしも訪れるなら、朝イチの診療開始のタイミングを狙うのが良いと思います。

診察の概要:複合感染の疑い

遠い道のりと長い待ち時間を乗り越え、いよいよキキ動物病院の院長先生に診察してもらいます。まずは亀の様子を診てもらったところ、以下のような診断をしていただきました。会話の細部までは覚えていないので想像で補っている部分がありますが、内容はメモを残してあるため正確です。

先生、ウチのイシガメ・シカクくんの状態はどうでしょうか…?

うーん、軽くはない症状ですね。病気としては、真菌感染症・細菌感染症を併発しているのではないかと思われます。症状の重さから見ても、複数の病気に感染している「複合感染」の可能性が高いです。

なるほど…。何が原因で病気になってしまったんでしょうか。

原因は、肝機能障害、カルシウム不足、異物の誤飲などによって、免疫力が低下していたことだと思われます。特にカルシウム不足の要因としては、エサのカルシウムが不足していた可能性や、紫外線不足によってビタミンD3が合成できずにカルシウムを吸収できなかった可能性が考えられますね。

子亀の頃、紫外線が不足した環境で飼育していた時期があるので、その影響が大きいかもしれません…。

カルシウムは甲羅や骨の形成だけでなく、筋肉を動かすのにも必要な栄養素です。カルシウム不足になると、胃腸の筋肉も動かせないので食欲減退、免疫力の低下に繋がります。子ガメの時期に紫外線不足からカルシウム不足、免疫力低下と症状が進み、感染したのを引きずっている可能性がありますね。

筋肉を動かすのにもカルシウムが必要なんですね。(マルくんが死ぬ前に後肢が動かせなくなっていたのも、カルシウム不足が原因だったのかもしれない…。)

そうです。では、病気の原因をより正確に突き止めるために、血液検査、レントゲン検査を行いましょう。

はい、よろしくお願いします。

診察してもらっただけで、このように非常に分かりやすく病状を説明してもらえました。やはり亀の治療経験が豊富なだけあって、今までに受診したどの動物病院よりも具体的な内容でした。また、私がこれまでの飼育を通じて疑問に思っていた点に対する回答や、怪しいと思っていたポイントと符合するような指摘も多く、非常に説得力が感じられました。

そしてさらに、血液検査・レントゲン検査までしてくれるそうです。一体いくらかかるんだろう…という不安はありつつも、ここまで来たら先生に全てお任せしようと思い、お願いすることにしました。

血液検査・レントゲン検査も含めた診断結果

血液検査とレントゲン検査の結果、私の飼っている亀は以下の病気に罹っている可能性が高いことが分かりました。

肝機能障害

今回の血液検査では、血の濃さや肝臓に疾患がある場合に数値が高くなる酵素の値がやや高め、という結果でした。基準値から外れはしないものの、上限ギリギリになっていたようです。また、中性脂肪については測定可能範囲を上回っており、高すぎる値となってしまいました。

これらを総合して、肝臓に何らかの機能障害(例えば脂肪肝など)を引き起こしている可能性が高い、という結論になりました。

骨代謝性疾患(MBD:Metabolic Bone Disease)

水棲ガメのエサにおいて、P(リン)とCa(カルシウム)の比率は1:2~3程度が望ましいとされていますが(以下のページ参考)、血液中の濃度についても同様の濃度が目安となるそうです。

亀のエサの種類・栄養素・与え方まとめ-カメ飼育はこの餌で!
亀の飼育で重要な亀のエサについてまとめます。爬虫類に必要な栄養素とバランス、配合飼料・生き餌・乾燥餌などのエサの種類、与えてはいけないエサ、エサの与え方等を解説します。亀以外にトカゲ・ヤモリ・ヘビ等の飼育にも役立ちます。

今回の検査では、リン・カルシウム比はおおよそ1:3で問題ありませんでした。しかし、血液中のカルシウム絶対量が少ないという問題が発覚しました。また、レントゲン写真を見ながら以下のようなお話をしてもらいました。

レントゲン写真をみてください。縁甲板が白くなっていないでしょう。しっかりと詰まった骨なら他の部分のように真っ白に写るので、これは縁甲板部分が虫食いのようにスカスカになっている、ということです。ペーパーボーン(paper bone)と呼ばれる状態ですね。このレントゲン写真と、カルシウムが少ないという血液検査結果から、MBD(Metabolic Bone Disease:メタボリック・ボーン・ディシーズ、骨代謝性疾患)という病気だと判断できます。

あとで調べてわかったことですが、骨粗鬆症の仲間みたいな病気のようです。やはりカルシウム系の病気にも罹ってしまっていました…。

肺炎

さらにレントゲン写真を見ていくと、肺が黒抜けして写らずに、白い影がかかっているのが分かりますね。これは肺炎の特徴的な状態です。

胃の中に異物がある

同じくレントゲン写真から、胃の中に異物があることも分かります。恐らく小石か何かで、糞と一緒に出る大きさだと思いますが、腸で詰まったりするとまずいですね。

真菌感染症・細菌感染症

また、最初の診察で言われたとおり、甲羅の状態が悪いのは真菌感染症・細菌感染症に罹っているためです。この点に関して、以下のような質問をしてみました。

時間をかければ、甲羅は元のきれいな状態に戻るんでしょうか。

この甲羅が完治して、綺麗な元通りの甲羅になることはないでしょう。5年、10年のスパンだといくらか落ち着くかも知れませんが、完全に綺麗になるのは難しいと思います。

やはり甲羅が元の状態に戻ることはないようですね。せっかくの綺麗なニホンイシガメの甲羅を、ガサガサにしてしまい可哀想なことをしました…。

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治療方法

以上が診断結果です。かなり厳しい現実を突きつけられたとも言えますが、これほどまでに的確で説得力のある診断をしてもらえたのはこの動物病院が初めてでした。今後もこちらの動物病院で継続的に治療をしてほしいと思い、距離等の問題も考えて、可能な範囲の現実的な治療法を説明してもらいました。

飲み薬による投薬

細菌感染症・真菌感染症への治療として、飲み薬を1日2回、2滴ずつ飲ませることになりました(1日4滴)。薬は一度出してもらえば2~3週間は保つため、通院頻度を多少抑えることが出来ます。内容成分は、抗生物質(オフロキサシン)と抗真菌薬(イトラコナゾール)とのことでした。

注射によるカルシウム等の投与

MBDへの治療として、カルシウム注射(カルチコール)を行うこととしました。爬虫類は薬をきちんと飲んでくれないため、経口投薬よりも体内に薬がしっかり届く注射での治療が基本だそうです。

抗生物質の注射

カルシウム注射と併せて、細菌感染症への治療になる抗生物質(ビクタス)の注射も行ってもらいます。先生曰く、カルシウムは量が多いけど痛くないが、抗生剤は痛いとのことでした。そんなことまで分かるんですね…。

注射の頻度は、飲み薬が切れるため貰いに行くタイミングに合わせて、約2週間に一度としました。

水換えの頻度・量の大幅増

先生から、水換えは毎日水量の50%をおこなうように、という指示も貰いました。イシガメが感染しているのは常在菌のため、水換えをしても菌はいなくなりませんが、治療中に出来る限り菌への暴露を減らすため、水換えの頻度と量を増やすべき、とのことでした。

甲羅の消毒は必要ない

私はこれまで、イシガメの甲羅の状態が悪いため継続的にイソジンによる治療を行っていました。劇的に効果があると思っていたわけではありませんが、以前マルくんを連れていっていた動物病院では消毒するように言われていましたし、週に1度くらいの頻度でイソジン塗布と強制日光浴をさせていました。

カメの水カビ病のすべて!原因・症状とイソジンでの治療法
亀の病気の中でも発症しやすい水カビ病の概要・原因・症状・治療法などを画像・写真を交えて紹介します。水カビ病は皮膚だけでなく甲羅にも発生しますがどちらもイソジンきず薬を薄めて塗る治療法が効果的です。日光浴も効果があります。

今回は先生から甲羅の消毒に関する話がなかったので、疑問に思って質問してみました。

甲羅の状態が悪いので、イソジンなどによる消毒もした方が良いでしょうか。

甲羅の病気が消毒で治療できるのはごく初期だけです。ここまで重い症状が出ているのは、基礎疾患を持っているために免疫力が低下しているからです。そのため、原因となっている基礎疾患を治さないことには意味がありません。また、感染症の場合は体内で進行するので、イソジンによる消毒も無意味ではないですが、あまり効果的ではありません。

先生のおっしゃるように、K-kiの飼っている亀の場合はイソジンによる治療が見込める状況ではないため、消毒はやめることにしました。消毒はせずにたまに外に出してやって乾燥・日光浴・散歩などをさせることにしました。

初診でかかった費用・料金

ここまでにまとめたように、キキ動物病院での診察・治療は個人的には非常に満足できるものでした。最期に、この治療でどの程度の料金になったのか、参考までに紹介しておきます。

内容 数量 単価(円) 料金(円)
初診料(小動物) 1 3,200 3,200
レントゲン検査(小動物) 1 5,400 5,400
採血料(小動物) 1 5,400 5,400
血液検査料(小動物) 14 600 8,400
皮下注射 2 2,200 4,400
内服薬 1 1,800 1,800
小計(内税額) 28,600(2,188)

やはりレントゲン検査と血液検査をしてもらっているため、この部分にかなり高額なお金がかかってしまいました。ただ、事前に覚悟していた金額(何の根拠もなく3万円くらいいくかもしれないと思っていました)よりは多少低かったので、一応想定内ではありました。

また、レントゲン検査や血液検査は1度やれば当分行いませんし、注射についても2回目以降は継続料金で半額になる、とのことでした。動物病院ですし高いのは間違いありませんが、何とか通院できる範囲内なので、引き続きの治療を決意し、キキ動物病院を後にしました。

まとめとその後について

…ということで、K-ki(K-ki@AquaTurtlium)のイシガメ闘病日記は、残念ながら第2章へと突入してしまいました。なお、現在は治療に一区切りがついており、その様子は後ほど別の記事で紹介する予定です。

今回は信頼できる獣医師に診断してもらうことができ、安心して治療を受けられました。しかし、世間には爬虫類の治療経験に乏しい獣医師も多く、必ずしも効果的な治療をしてくれるわけではありません。また、素人目にはそこまで症状が重くなさそうに見えても、今回の診断結果のように複数病気を抱えた、非常に重篤な状態になっていることもあります。やはり、日頃から信頼できる獣医師を探しておき、気になることがあればできる限り早めに診察してもらうことが非常に重要だと痛感しました。

そして、動物病院の治療費が非常に高額だということも実感しました。金銭的に余裕のある方は、亀とは言えペット保険への加入も考えておくべきかもしれません。

ずっと書こうと思いながら書けなかった、私の亀の闘病の様子を紹介しました。治療を受けるカメが大変なのはもちろんですが、飼い主にも精神的・時間的・金銭的な苦労が生じます。やはり、病気にならないことが最重要だと思います。もしも病気になってしまったときは、このページを参考に、信頼できる獣医さんの元へ一刻も早く行ってみてください。

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