爬虫類飼育 病気・疾患

ニホンイシガメのマル君が長い闘病生活の末に眠りにつきました

2015/04/19

ニホンイシガメのマル君が長い闘病生活の末に眠りにつきました

今回は悲しい報告になります。記事のタイトルからも分かるように、長らく闘病生活を送っていたウチのニホンイシガメのマル君が、残念ながら今月の1日に死んでしまいました。不甲斐ない飼い主でただただ申し訳ないとしか言いようがありません。

このブログの読者の方の中にも、マル君の回復を祈って励ましの言葉やアドバイスを下さった方がたくさんおられます。そのような方々のお気持ちにも答えられず、本当に申し訳ありません。飼育者としての力不足としか言いようがありませんね。

今回はそんなマル君のこれまでの飼育の様子・病状の振り返りと、飼育者としての反省を記事としてまとめていきます。マル君の死を無駄にしないためにも、反省点を見つけ出して少しでも飼育技術の向上に努めたいと思っています。

2012年5月「出会い」

マル君との出会いは約3年前。10年以上振りに亀を飼おうと思い、ネット上で見つけたニホンイシガメの里親募集に応募したのが始まりでした。高速道路のサービスエリアで引き取ったこと、今でもよく覚えています。

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私の手元に来た時は、まだまだ本当に子亀でした。大きさも500円玉より一回り大きい程度で、本当に可愛らしいという感じでした。懐かしいなあ…。

私は昔から亀が好きで、小学生の頃にもニホンイシガメを飼育していたことがありました。ここらへんの話は著者紹介ページにちょっと詳しく書いてあります。

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著者情報

AquaTurtliumの運営者K-kiの自己紹介ページです。K-kiとニホンイシガメ・アクアリウムとの出会いや、現在飼育しているイシガメを飼育することになった経緯を説明しています。生き物意外に好きなものや子供の頃の夢、仕事の話などもあります。

しかしこの時の私は、ニホンイシガメを子亀から育てるのは初めてでした。今思えば、この時の「ニホンイシガメの飼育経験がある」というちょっとした油断が命取りだったのかもしれません。

いろいろな経験をした今だからこそ言えることではありますが、イシガメの幼体は私の思っていた以上に神経質で弱い面がありました。アダルト個体であれば多少水カビになりやすいもののそこそこ丈夫で図太いカメと言えますが、子亀の間は本当にデリケートです。

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2012年冬頃「発病の兆候あり」

最初にちょっと変かもと思うようになったのはこの頃。甲羅が白化しだしてきていました。水に濡れているときは気にならないんですが、陸場にしばらくいて甲羅が乾燥してくると、どうにも白っぽく見えるんです。

症状が気になったので動物病院に連れて行ったのですが、この時の診察結果は特に問題なしとのことでした。本当か? とは少し思ったものの、専門家が言うことなのできっとそうだろうと思ってしまったのが失敗です。

後にTwitterで意見をもらって分かったのですが、どうやらこの白化は甲羅の水カビ病だったようです。水カビ病というと皮膚病というイメージが強かったのですが、甲羅にも発生するものだったんですね。

Twitterやってて良かった!亀の甲羅の白化の原因が解明!

イシガメの甲羅白化の原因が「水カビ病」ではないかという指摘を貰いました。水カビ病は皮膚だけでなく甲羅にも発症する病気であるなど、原因・症状について調べた結果をまとめます。Twitterでも甲羅が白化している亀を見かけるので、気になる飼い主は確認してみましょう。

恐らくこの水カビ病の原因は、日光浴不足です。実は春にイシガメたちを迎えてからこの頃まで、室内飼育にも関わらず紫外線ライトやホットスポットなどを設置していませんでした。

窓際で飼育していて、たまに窓を開けたりもしていたので紫外線量は足りていると思っていたのですが、そうではなかったようです。また、ホットスポットは体を乾かし水カビ病などの予防に重要な役割を果たすので、それがなかったのも問題でした。結局のところ、私の知識・経験不足が一番の原因です。私がブログに口を酸っぱくして紫外線ライトを設置しろと書くのは、この経験によるところが大きいです。亀を飼っている方は本当に気をつけた方が良いですよ。

私のミスからの発病ではあるのですが、この時動物病院できちんとした診察が得られていればまた結果は違ったかなと思ってしまう面もあります。良い動物病院を知っておくことは本当に重要なことですが、実際はとても難しいんですよね。亀の治療がまともに出来る動物病院というのは、全国的に見てもかなり少ないのではないかと思います。ネット上で検索して、これまでの治療実績などを公開している動物病院で診察を受けるのが一番だと思いますが、そういった動物病院が近場にあることは稀ですよね…。

2013年夏頃「病状の顕在化」

動物病院で「問題ない」との診察を受けてから半年間は、その診察を信じて通常通り飼育していました。甲羅の白化は徐々に改善していくだろうと考え、やや積極的に強制日光浴をさせる程度の対処しか撮っていませんでした。

しかしあるとき、少し甲羅の形が歪になっている気がして触ってみると、非常に脆くなっていてボロボロと崩れだしてしまいました。

呼吸器感染症に感染したニホンイシガメ
甲羅の白化、軟化、欠け…感染症が疑われるカメの闘病始まる

私の飼育しているニホンイシガメが病気になってしまいました。甲羅の様子がおかしく動物病院に連れて行ったところ、獣医師による診察のでは重度の呼吸器感染症と思われる、とのことでした。参考のため病気発見までの経緯をまとめます。

あわてて動物病院(半年前とは別のところ)に連れて行くと、呼吸器感染症との診断を受けました。半年間適切な対処を行わなかった結果、病状を悪化させてしまったのでしょう。この時はかなりヘコみました。

これ以降しばらく動物病院に通わせますが、結局ここの病院でも「おかしくない?」と思うことが幾つかあり、数ヶ月してからは動物病院に通うのはやめ、治療薬を個人輸入しての投薬治療に切り換えました。

メトロニダゾール(フラジール)の入手・使用法
亀や魚の病気に!メトロニダゾール(フラジール)の入手&使用法

飼育中の亀(ニホンイシガメ)が呼吸器感染症(肺炎)に感染し、現在治療中です。身近に信頼できる動物病院がないため、過去の診察や処方箋を参考に投薬治療を行うことにしました。治療薬「メトロニダゾール」の概要と個人輸入による入手、使用法等を紹介します。

このときは治療の甲斐もあり、しばらくすると鼻水などの症状が少しマシになりました。その後も投薬治療を続けていたのですが…。

2014年夏「病状の悪化」

病気が顕在化してから1年くらい経った頃、それまで調子良さそうにしていたマル君の病状が急に悪化しました。後ろ脚をかばって歩くような仕草を見せ始めたのです。

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この原因は今でも分かっていませんが、恐らく内蔵にダメージが現れたのだと思います。これまでの病気が悪化したのか、免疫力・体力が低下しているところを別の原因で発症したのかは分かりません。とにかくこれ以降、今まではよく食べていた餌を食べる量もかなり減ってしまいました。

そこからはレプチゾルのようなビタミン剤を試したり、レバーやレプトミン スーパーなどの嗜好性の高い餌を与えたりと、なんとか餌を食べるように仕向けつつ回復を目指していました。一時は1ヶ月以上の拒食をしていた時期もあったのですが、少しではあるものの定期的に餌を食べるようにはなってくれていました。

2015年春「最期」

こうしてこれから少しずつ回復してくれるかと思っていましたが、4月の頭に遂に力尽きてしまいました。私が就職ということで実家に移動させて面倒を見てもらっていたのですが、環境の変化がストレスになってしまったのかもしれません。本当に残念で、申し訳のないことをしてしまいました。

飼育における反省点のまとめ

同じ過ちを繰り返さないためにも、マル君の飼育で失敗したポイントを整理してまとめておきます。

日光浴や紫外線ライト・ホットスポットの重要性を理解していなかった

やはり一番大きいのはこの点です。爬虫類にとっての日光浴・紫外線・体温調整などの重要性に対する理解が不十分でした。

紫外線ライトは高いですし、照明器具も揃えるとなるとかなりの出費になるということで、飼育当初は私は導入を見送ったのですが、この判断が完全に間違いでした。室内飼育では紫外線ライト・バスキングライトの設置は必須だと思います。

子亀のデリケートさを正しく把握できていなかった

小学生の頃にイシガメのアダルト個体を飼育したことがあり、どうしてもその個体基準で体力などを考えてしまっていた部分があったと重います。小学生の頃に飼育していたのはフルアダルトの雌でしたから、子亀とはかなり体力的には差があると思います。

よく言われていることではありますが、イシガメの幼体は弱いということを身をもって知ることになってしまいました。

信頼できる動物病院を見つけれなかった

大きな問題は私の飼育技術不足にあるのですが、もしも早い段階で亀に造詣の深い獣医師に見せることができていればまた違った結果になったかもしれません。獣医師ではなくても、亀の飼育に精通している人に相談できればよかったのですが、あいにく私の周りにはそういった人がいませんでした。

爬虫類の治療に精通している動物病院を探すのは非常に難しいですが、獣医師でなくてもペットショップの店員さんやブリーダーさんなどで、飼育の相談が出来る人を作っておけばよかったと思います。

病気のより詳細な経緯

ここにまとめた内容よりももう少し詳しいことは、「亀の病気」というカテゴリにまとめてあります。

カテゴリー病気・疾患

読んでいて楽しい記事ではないと思いますが、亀の病気を予防したい・治療法が知りたいという方の参考になればと、記事にしてあります。

K-ki

マル君、本当にごめんね。どうか安らかに眠って下さい。君の死をムダにしないためにも、私はもっと勉強して、残ったシカク君はきっと長生きさせてみせるよ。できれば、この記事を読んでくださった方にもマル君の冥福を祈って頂けると幸いです。これまでマル君を回復を祈っていて下さった多くの方々、本当にありがとうございました。

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K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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