丈夫で鮮やかな熱帯魚!ゴールデンハニードワーフグラミーの飼育と繁殖

ゴールデンハニードワーフグラミー(GHDグラミー)

アクアリウムで人気のある小型魚と言えば、まずはカージナルテトラなどの小型カラシン(テトラの仲間)が思いつくのではないでしょうか。これらは小さくて綺麗ですが、1匹1匹は細身であまり迫力はありません。もう少し魚自体のカッコよさを楽しみたい人におすすめなのが、今回紹介するゴールデンハニードワーフグラミーです。

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ゴールデンハニードワーフグラミー(Golden Honey Dwarf Gourami:GHDグラミー)は、ベタなどに比較的近縁の魚で、カラシン類に比べると体高が高く迫力があります。鮮やかな黄色い体色は、緑の多い水草水槽に良く映え、比較的少数でも見ていて飽きない観賞魚です。

泳ぎ方や繁殖方法には独特な部分も多いため、このページを読んでその特徴や生態について詳しく知っておき、上手く飼育できるように心がけましょう。

ゴールデンハニードワーフグラミー(GHDグラミー)とは

和名・流通名 ゴールデンハニードワーフグラミー
GHDグラミー
学名 Trichogaster chuna
英名 Golden Honey Gourami
分類 スズキ目キノボリウオ亜目オスフロネムス科トリコガステル属
原産地 インド、バングラデシュ、ネパール
飼い易さ ★★★★☆
値段(1匹) 400円程度~
最大体長 4~5cm程度
寿命 3~5年程度
遊泳層 上~中層
生息環境 ガンジス川流域及びブラマプトラ川流域の水たまりや流れの緩やかな小川
適合する水質 水温:22~27℃
pH:6.0~7.5
特徴 成長しても体長4センチ程度の小型グラミー。ハニーグラミーを黄色の発色が美しくなるように改良した品種。

ゴールデンハニードワーフグラミー(GHDグラミー)はスズキ目キノボリウオ亜目オスフロネムス科トリコガステル属の熱帯魚で、キノボリウオ(アナバス)の仲間であるグラミーの一種です。グラミーには、「大きくて若干の攻撃性がある熱帯魚」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、このゴールデンハニードワーフグラミーは比較的穏やかな性格の持ち主です。ふわふわとした特徴的な泳ぎ方は、むしろ癒し系という印象に近いかもしれません。

従って、グラミーの中では珍しく、混泳に向いている種類です。そうは言っても、安易に混泳させると他魚を攻撃したり場合によっては死なせてしまう可能性があります。混泳を目指すなら、しっかりと特徴を押さえた上で飼育することが重要です。

形態

GHDグラミーは成長しても体長4センチ程度にしかならず、グラミーの中でも小型の種類になります。しかし、小さいとは言っても4センチ程度にはなるため、小型の熱帯魚にみられる「急激な温度変化による急死」などのリスクは回避できるでしょう。

生態

実際に飼育してみると分かりますが、ゴールデンハニードワーフグラミーはあまり泳ぎが得意ではありません。体高が高い割にヒレの小さなその体つきからも、泳ぎが苦手なことが伺えます。GHDグラミーは本来、流れのあまり無い場所に生息しているため、水槽内の水流が強くなりすぎないように気をつけてください。

エアーポンプを使用している場合には、水流を抑えるためエアー量を調整しましょう。ホームセンターなどで空気調節コックが販売されていますので、そちらをチューブに取り付けて空気量を調整します。

GHDグラミーの分類と品種

ゴールデンハニードワーフグラミーを正しく分類すると、種名は「ハニーグラミー」になります。「ゴールデン」は黄色みが強い品種であることからつけられた名です。また、「ハニードワーフグラミー」はハニーグラミーのメスに誤ってつけられた名前です。

日本で流通しているハニーグラミーは、黄色みが強い「ゴールデンハニードワーフグラミー」がほとんどですが、海外では原種である「ハニーグラミー」や、赤~オレンジの色合いが強い「サンセットハニーグラミー(ロビンレッドハニーグラミー)」という品種も流通しています。参考として、以下でそれぞれについて軽く説明しておきます。

ハニーグラミー

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ハニーグラミーは、品種改良される前の原種に相当します。婚姻色の出たオスは全身が赤色に染まり、口先から尻ビレまで濃紺の帯模様が入ります。メスは白っぽい体色に、口先から尾びれまで茶色いライン模様が入ります。

改良品種が単一の体色であるのに対し、雌雄ともに模様が入っているのが特徴です。

ゴールデンハニードワーフグラミー

ゴールデンハニードワーフグラミーは、上述の通り黄色みが強くなるように改良された品種です。日本で流通しているハニーグラミーは、ほとんどこの「ゴールデン」タイプであり、原種や下記の「サンセット」タイプは、私は見かけたことがありません。

ハニーグラミーのゴールデンタイプなので、品種名をつけるとしても「ゴールデンハニーグラミー」が自然なネーミングですが、アクアリウムの世界では慣例的に「ゴールデンハニードワーフグラミー(GHDグラミー)」と読んでいます。

サンセットハニーグラミー

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原種のハニーグラミーから、雄の婚姻色時に出る濃紺の帯模様を取り去り、全身が真っ赤になるように改良されたのがこの「サンセットハニーグラミー」です。「ロビンレッドハニーグラミー」という名前で流通することもあります。

日本で流通している「サンセット・ドワーフグラミー」は、ハニーグラミーではなくドワーフグラミーの改良品種であるため、別種になります。サンセット・ドワーフグラミーはハニーグラミーよりも大型になるので、間違えないように注意しましょう。

キノボリウオ(アナバス)に特有のラビリンス器官

ゴールデンハニードワーフグラミーはキノボリウオ亜目(アナバス類)に分類されます。アナバスはエラの付け根に「ラビリンス器官(上鰓器官)」と呼ばれる特殊な呼吸器を備えており、これによって空気中から直接酸素を血液に取り込む、すなわち空気呼吸を行うことができます。

この特徴から、酸欠には強い耐性があり、ボトルアクアリウムのような過酷な環境にも適応することが可能です。同じくラビリンス器官をもつキノボリウオ亜目の熱帯魚としては、「ベタ」が有名ですね。

GHDグラミーの分布・生息地・生息環境

ゴールデンハニードワーフグラミーはインドやバングラデシュなどのガンジス川流域及びブラマプトラ川流域に分布します。また、ネパールでも発見された例があるようです。

基本的には、水たまりや流れの緩やかな小川など、止水域よりの場所に生息します。

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ゴールデンハニードワーフグラミーの飼育方法

ゴールデンハニードワーフグラミーは丈夫な魚で、初心者でもある程度安心して飼育することが出来ます。一方で、やや神経質だったり、多少の縄張り意識があったり、繁殖形態が独特だったりと、少しクセもあります。GHDグラミーの性格や特徴を踏まえ、GHDグラミーにとって快適な環境を用意するよう心がければ、きっと上手く飼育できるはずです。

基本的な飼い方

ゴールデンハニードワーフグラミーを飼育する際には、水流を弱めてやる必要があります。また、縄張り意識をもつ魚であるため、お互いの姿が見えにくくなるように水草を多めに入れておきましょう。上層部を泳ぐ魚でもあるので、アマゾンフロッグピットなどの浮草を水槽に入れておくのが特に効果大です。浮草は、繁殖時にオスが作る「泡巣」が水流で崩れるのを防いだり、生まれた稚魚の隠れ家になったりもします。

水質

ゴールデンハニードワーフグラミーには、弱酸性の水が適しています。水槽内の水が中性~弱酸性の範囲になるよう調整すると良いでしょう。簡単な方法としては「ソイル(土を焼き固めたもの)」を水槽の底に敷くとpHが中性~弱酸性で安定します。

エサ

ゴールデンハニードワーフグラミーは、他の熱帯魚に比べると餌をとるのが下手です。理由としては、口が小さいとか、動きが遅いという点が挙げられます。ゴールデンハニードワーフグラミーのみで飼育する場合には問題ありませんが、動きの早い熱帯魚と混泳させていると、エサを食べられない場合もあります。混泳させる場合にはしっかりと餌が食べられているかを注意して観察しましょう。

ゴールデンハニードワーフグラミーは基本的にどんなエサでも食べます。特別におすすめするような人工餌はありませんが、以下のようなフレーク状のエサであれば、指先ですり潰すのも簡単なので、小さな個体がいるときにも対応しやすいです。

ゴールデンハニードワーフグラミーに限らず、熱帯魚には必ず個体差があり、市販されている人工飼料では食いつきが悪い場合があります。そういった個体が居る場合には経過を見るのではなく、食いつきの良い(嗜好性の高い)餌を与えてあげましょう。

嗜好性の高い餌としては、冷凍アカムシや冷凍イトミミズがおすすめです。最近では冷凍ではなく半生タイプの餌もホームセンターなどで入手できますので、こちらも試してみましょう。

混泳

グラミーの仲間は縄張りをもつ魚なので、混泳には注意が必要です。比較的穏やかと言われるゴールデンハニードワーフグラミーですが、時には攻撃的になる事もあり得ます。同じグラミー系の混泳、水面下を泳ぐ種類との混泳は避けた方がいいかもしれません。

仮に混泳を楽しみたいのであれば、底層を泳ぐ魚であるコリドラスなどがおすすめです。以下のページで紹介しているコリドラス・パンダなどが代表種ですね。

コリドラス・パンダの飼育・繁殖・生態-小型で柄が可愛い底棲熱帯魚
アクアリウムで人気の熱帯魚「コリドラス」の中でも、小型で可愛らしい姿とパンダのような模様から人気の高いコリドラス・パンダを紹介します。コリドラス・パンダは南米・ペルー原産のナマズの仲間で、水槽の底砂を掃除してくれる熱帯魚として活躍します。

コリドラスの仲間は比較的ダークな色合いの熱帯魚なので、ゴールデンハニードワーフグラミーの明るい体色と対をなし、水槽内にメリハリが生まれる良い組み合わせと言えます。

アクアリウム水槽での役割

ゴールデンハニードワーフグラミーは、鮮やかな黄色い体色により、とにかく水槽映えする熱帯魚であると言えます。緑の多い水草レイアウト水槽に差し色として泳がせてみると、綺麗に空間を演出してくれるでしょう。

また、高濃度の二酸化炭素(CO2)を添加した水草水槽や、止水で酸欠状態になりやすいボトルアクアリウムなど、他の熱帯魚にとっては過酷な環境でも、ラビリンス器官をもち酸欠に強いという特徴をもったゴールデンハニードワーフグラミーなら、飼育することが可能です。このように、幅広い環境で飼育できる点も、ゴールデンハニードワーフグラミーの活躍の幅を広げてくれます。

GHDグラミーの繁殖方法

他のグラミー同様、卵が孵化して稚魚が泳ぎ始めるまではオスが世話をします。一方で、メスは産卵後に卵や稚魚を食べてしまうことがあります。

食卵や稚魚を襲うという行動は、ゴールデンハニードワーフグラミーに限らず熱帯魚全般で見られる行動であり、グラミー類ではオスがメスを追い払って卵や稚魚を守るという行動も見せるため心配ないようにも思えますが、メスの食卵傾向が強いとも言われているため注意が必要です。

この問題に対する対策としては、浮草(根の長い種類などが適当)を浮かべて、卵や稚魚がメスの死角に入り見えなくなる場所を確保しておくことが大事になります。

産卵・採卵の方法

ゴールデンハニードワーフグラミーの繁殖では、まずオスが「泡巣」と呼ばれる、多量の泡でできた産卵・子育てのための巣を作ります。泡巣を作るのはグラミーの仲間の特徴ですが、ゴールデンハニードワーフグラミーは特に水面に泡巣を作ることが多いです。

泡巣を作るために、周囲の水草などを集める事があります。例えば、ウィローモスや浮草が水槽内にあると、オスが水草の隙間に泡を張って泡巣を作るため、巣作りがしやすいと思われます。

稚魚の育て方

孵化は産卵後二日以内に始まり、その数日後に稚魚が確認できるようになります。生まれたての稚魚は非常に小さく、食べられるエサも極小のものに限られます。インフゾリアを用意するのが基本ですが、水質浄化栄養細菌 PSBを稚魚が食べたという報告もあります。また、少し大きくなったらブラインシュリンプやひかりパピィのような粉末餌を与えます。徐々に巣から離れ泳ぐようになりますが、遅くともこの時期には雄親からは隔離するようにしましょう。

GHDグラミーの魅力・おすすめポイント

ゴールデンハニードワーフグラミーの魅力は、フワフワとしたユーモラスな泳ぎ方と、比較的珍しい鮮やかな黄色い体色でしょう。また、ラビリンス器官を備えているため酸欠に強く、初心者でも飼育しやすいですし、二酸化炭素を多めに添加した水草水槽にも適応できるなど、かなり丈夫であることも魅力です。オスが泡巣を作って子育てする独特の繁殖方法も、とてもおもしろいです。

高い体高と鮮やかな体色など、人気の高い熱帯魚であるグラミーの特徴を残しつつ、ふわふわと水面を漂う用に泳ぎ、性格も温和なゴールデンハニードワーフグラミーは、見る者を癒すこと間違いなしです。失敗しにくい魚なので、ぜひとも1度飼育してみてはいかがでしょうか。

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