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水草水槽には欠かせない!発酵式でCO2を添加する方法

2013/08/17

発酵式で二酸化炭素を添加する方法

「小型水草水槽立ち上げ記録」シリーズの第3弾となる今回は、水草水槽には欠かせないCO2(二酸化炭素)の添加についての話題です。なお、このシリーズは以下のように連載ページでまとめられているので良ければ読んでみて下さいね。

ちなみにこのシリーズの前回の記事は、小型水草水槽に適するように外掛け式フィルターを改造する方法を紹介しました。当ブログの中でも人気の高い記事なので、是非こちらも読んでみて下さい。

水草は植物なので二酸化炭素を使って光合成をしなければ成長することができません。普通の水槽では二酸化炭素が不足してしまうので、水草水槽では人の手で添加してやるわけですね。

二酸化炭素の添加方法は今回紹介する発酵式以外にも、小型ボンベやミドボンを使う方法もあります。扱いやすさや管理の楽さはボンベを使う方法の方が上ですが、初めて水草水槽を作ってみようという方など、手軽に二酸化炭素が添加できるという点では発酵式が勝ります。ボンベ式で二酸化炭素添加のための道具を一式そろえるとかなりの出費になってしまいますからね…。

というわけで、安価で手軽な発酵式CO2添加装置の自作法を紹介していきます。

発酵式CO2添加装置の仕組みと種類

まずは今回紹介する発酵式CO2添加装置について、その仕組と種類を紹介しておきます。自作をする場合は特に、何を作るかちゃんと知っておくことが重要です。

CO2発生の仕組み

発酵式では、砂糖などに含まれるグルコースという糖をイースト菌などの酵母によってエタノール(=アルコール)と二酸化炭素に分解する反応を起こさせる(=発酵)ことにより二酸化炭素を得ます。反応速度は夏場など気温が高くなる時期には早く、気温が低くなる時期には遅くなり、完全に反応が終わったらもう二酸化炭素は発生しないので新しく砂糖と酵母を用意してやらなければいけません。アクアリウムにおいては、普通に反応させると反応が早く進み過ぎてしまい、必要以上のCO2が短時間で発生してしまうため、何らかの工夫をすることで反応速度を遅くして必要な量のCO2を長期間にわたって得られるようにしています。その工夫の仕方によって発酵式はさらに3つほどに分けることができます。

重曹式

砂糖水に重曹を混ぜ、そこに酵母を加えると反応速度を遅くすることができます。このような方法を重曹式と呼んでいます。ゼリー式や寒天式に比べると反応速度はやや早いです。

ゼリー式

砂糖をゼラチンを用いて固める(=ゼリーを作る)ことで反応速度を遅くします。重曹式より反応速度は遅くなる傾向にあるので反応が進みやすい夏場はこちらの方が良いかもしれません。反応が進むとゼリーがなくなっていくので、交換が必要な時期が分かりやすい点もメリットですが、ゼリーを作らなくてはいけないので重曹式よりは面倒です。

寒天式

ほぼゼリー式と同じですが、こちらはゼラチンではなく寒天を使って砂糖を固めています。

重曹・ゼラチン・寒天などにより反応速度をある程度コントロールはできますが、やはり気温の影響を大きく受けるので冬場と夏場でCO2の添加量を同じくらいにキープするのは難しいです。これは発酵式の一つのデメリットと言えます。

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発酵式CO2添加装置(ゼリー式)の作成

では3つの方法のうちのゼリー式について、その作り方を説明します。

用意するもの

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  • 砂糖
  • ゼラチン
  • イースト菌(ドライイースト)
  • 空のペットボトル(炭酸飲料のもの推奨)
  • エアーチューブ
  • チューブジョイント
  • エアーストーン
  • 逆止弁(なくても可)

ペットボトルにはそれなりに圧力がかかるので耐圧性のある炭酸飲料のものを使って下さい。エアーストーンは普通よりも目の細かいものの方がCO2が溶けやすくなるので良いです(いぶきエアーストーン・ウッドストーンなど)。手元になければ割り箸で代用品を作ることも可能です。逆止弁は水槽の水がペットボトル内に逆流することを防ぐために使いますが、別になくてもかまいません。

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添加用ペットボトルの作成

次に発酵が行われるペットボトルを少し改造します。

発酵式CO2発生装置のペットボトルキャップ

フタに穴をあけチューブジョイントを指し込み瞬間接着剤で固定します。このとき中で発生したCO2が漏れ出さないよう隙間なくしっかり接着します。

発酵式二酸化炭素発生装置の割りばしエアストーン

エアーストーンがない場合は、割り箸を短く切って代用します(これは何回か水槽に入れて使った後なのでちょっと汚れてます)。チューブと割り箸の間に隙間が生じないようになるべく円柱に近い形にするのがいいと思います。これはもともと丸い割り箸を使いました。

発酵式CO2発生装置のエアチューブとウッドストーン代わりの割り箸エアストーン

エアーチューブで接続すればこんな感じです。

ここまでは重曹式・ゼリー式・寒天式の全てで共通です。

発酵ゼリーの作成

次に発酵ゼリーを作ります。反応が終わったら中身を捨て、また同じ手順でゼリーを作ってイーストを入れればOKです。

分量(500mlペットボトル用)
砂糖 100g
100ml
ゼラチン 2.5g
イースト 少々

使用するペットボトルのサイズに合わせて分量は適当に変更してください。

まず砂糖と水を鍋(分量が少ない場合はフライパンでも可)に入れます。

砂糖と水を鍋に入れる

中火くらいで加熱しながら混ぜてたら、そのうち全部溶けてアメ色になってくるはずです。

鍋で温めて砂糖を水に溶かす

ここでゼラチンを投入します

CO2発生用ゼリーのためのゼラチンを用意

2.5gとか測れねえよ!という場合はペットボトルのキャップが大体3gらしいのでそれを目安に適当に。

ゼラチン使用料の目安

砂糖水を80℃くらいまで温めながら混ぜてゼラチンを溶かします。沸騰させてしまうとゼラチンが固まらなくなるので気をつけましょう。

溶かした砂糖・ゼラチン溶液をペットボトルに移す

溶けたら少し冷ましてからペットボトルに移します。冷める前に移すとペットボトルが溶けたり変形したりするので気をつけます。

粗熱を取る

荒熱を取ってから冷蔵庫で冷やせば固まって完成です!

完成

できたゼリー入りペットボトルにイーストを入れ、水をペットボトルの8割程度まで注げば完成です! エアストーンを水槽に沈めて二酸化炭素が発生するのを待ちましょう。

発酵式で二酸化炭素を添加する方法

私の作業順と記事を書く順番が一致してないので完成した水槽がちょっと写っちゃってますが…。その上手入れがあまりできてないのでかなり見苦しいですが…。まあご愛嬌ということで(笑)。そのうちもうちょっとキレイな水槽の様子もアップしますのでご期待下さい。

イーストを多く入れると反応し始めるのがはやくなりますが、あんまり入れてもしょうがないので私はいつもゼリーの表面を覆うくらいの量にしています。

ゼリー式以外の方法について

ゼリー式以外の方法の場合の、砂糖などの分量についても簡単にまとめておきます。

重曹式

砂糖 100g
400ml
重奏 2g
イースト 少々

砂糖・水・重曹をよく混ぜ合わせ、最後にイーストを加えればよいようです。

寒天式

砂糖 100g
100ml
寒天 100g(ml)が固まる量の2倍
イースト 少々

ゼリー式とほぼ同じです。寒天で砂糖水を固めた後にイーストと水を投入します。これらの方法については、他のホームページ等でより詳細なレシピや作成手順が得られると思います。

発酵式でCO2を添加する方法まとめ

発酵式CO2発生装置の作り方をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか? そこら辺にあるもので簡単にCO2の添加ができることが分かったと思います。水草水槽を始める・やっているけどCO2を添加していないという方は、この機会に一度試してみたらどうでしょうか?

さて「小型水草水槽立ち上げ記録」シリーズですが、次回はいよいよ水草が登場します。水草を選ぶポイントについてまとめているので、ぜひこちらも読んでみて下さいね。

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K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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