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ニホンイシガメの保護活動!「和亀保護大作戦」の続報

2014/09/05

クサガメ
※画像はクサガメです

半月ほど前に、兵庫県加古川市で「輪亀保護大作戦」という活動が行われました。外来種であるアカミミガメ(ミドリガメ)を駆除し、在来種であるニホンイシガメの保護につなげていこうという活動です。当ブログでもこの活動を紹介する記事を書いています。


今回お届けするニュースは、半月ほど前のこの記事の続報です。ニュースメディアには取り上げられていませんでしたが、イベントの企画元で活動報告がなされていたので紹介します。前回のニュースではどれくらいの成果が挙げられたのかには触れられていなかったので、結果が気になるところですね。

和亀保護大作戦とは

和亀保護大作戦とは、8月16~17日にかけて兵庫県加古川市の寺田池で行われた、激減するニホンイシガメを保護するために外来種を捕獲するという活動です。神戸新聞でも取り上げられていました。

参考神戸新聞NEXT|東播|日本固有のカメを守れ 外来種捕獲に児童ら奮闘 加古川(元記事削除済)

本格的な保護活動というよりは子供向けのワークショップ的な側面が強そうなイベントではありましたが、ニホンイシガメの愛好家として保護活動がどのような内容なのかは気になるところです。当ブログの前回の記事では、参加者が外来亀を捕獲するための「エサわな」を池の浅瀬約20カ所に仕掛けたというところまでの紹介で、罠を引き上げた結果がどうなったかについては不明でした。今回、罠の回収結果の情報が入ってきたのでお知らせします。

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罠の回収結果

和亀保護大作戦を主催する寺田池協議会に活動報告が掲載されていたのでそちらを参考にこの記事を書いています。

参考寺田池協議会 活動1044

寺田池協議会によると、ミシシッピアカミミガメ・クサガメが合わせて12頭が捕獲され、最も大きいクサガメは21.3cm、最も大きなアカミミガメは20.1cmだったということです。クサガメについては測定後池に戻したということなので、やや邪推ですがおそらくアカミミガメは処分したのだと思われます。アカミミガメが意外に小さくてクサガメが大きいのが意外ですが、捕獲した母数が多くないので一概にはいえなさそうですね。

寺田池協議会のページにもありましたが、主に小学生を対象にした環境学習ということなのでイシガメの保護よりも小学生への啓発みたいなところが重視されているようです。仕掛けた罠も捕獲したアカミミガメも少ないのでこれでイシガメが増えるとかそういった話ではないでしょうが、今の小学生が日本の亀のおかれている状況を知ってくれることには将来的に大きな意義があるでしょう。

ニホンイシガメは今後長い時間をかけて守っていかなければならないと思います。このワークショップに参加した小学生の中から、少しでもイシガメ好きが生まれてくれると嬉しいですね。

ミドリガメ問題の今後

ミドリガメが引き起こす問題はこれまでも多くの人に認識されていましたが、実際に飼育禁止などの規制には繋がってきませんでした。これはミドリガメを飼育している人がかなり多いため、飼育禁止になった際に捨てられるなどの負の影響が大きくなりすぎることが懸念されたからです。

(撤回)ミドリガメ輸入・販売・飼育禁止?-飼い主はどうすれば良い?

日本で最も人気のペット亀・ミドリガメ(アカミミガメ)が、生態系保護等の理由で2020年を目処に輸入・販売・飼育禁止となることが決定しました。規制の背景・内容・今後の展開と現在飼育している飼い主が取るべき行動をまとめます。

しかし2015年7月末に、ついにミドリガメを特定外来生物に指定して輸入・販売・飼育などを禁止することが決定されました。これからミドリガメ問題がどのような展開を見せるのか、現在ミドリガメを買っている人はどうすれば良いのかなどを解説する記事を書いたので、興味のある方はこちらにも目を通してみて下さい。

K-ki

今回は兵庫県加古川市の「和亀保護大作戦」の活動結果をまとめました。余談ですがウチのイシガメ2匹も加古川イシガメ愛好家の方から譲ってもらった亀なんですよね。加古川ではイシガメって結構見られて身近なものなんでしょうか? 日本に少しでも多くそんな場所が残っていてくれると嬉しいです。

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K-ki

K8ki・けーきはK-kiのシノニム。 AquaTurtlium(アクアタートリウム)を運営しています。 生き物とガジェットが好きなデジタル式自然派人間。でも専門は航空宇宙工学だったりします。 好きなことはとことん追求するタイプ。

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